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2018/08/11

数学者の創造愛

new180811
Panasonic DC-G9 LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 2018.07

杉田議員の発言へのジャーナリストによる批判記事に、アラン・チューリングの件が参考として挙げられていたので、実話に基づいたという映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014)をネトフリ視聴してみた。出演者はベネディクト・カンバーバッチ他、英国人気・実力俳優ばかりだ。



この作品の存在は公開当時に知っていましたが、ドラマ『シャーロック』と似たような謎解き趣向のエンターテインメントだと思い込んでました。
ナチスの暗号機エニグマの解読に挑むチームのリーダー、アラン(カンバーバッチ)が開発した暗号解読機、名付けてクリストファーは、かつて彼が少年時代に思いを寄せていた同級生の名前から。

作品構成は、現在:男娼と交わった猥褻の疑いで逮捕された教授アランへの尋問シーン、戦中:暗号解読に勤しんだ諜報部員としての活躍ぶり、そして少年時代の回想と、この3つがわかりやすく交差する。

大変な時代だ。暗号が解け、皆して喜びを分かち合うも、今しも身内が乗った戦艦が追撃されると判明、しかし大局的な観点から、エニグマの解読をドイツに悟られまいと上官への通報を見送るという残酷。

アランの性的指向については、素地となる少年時代に集中して説明されており、部員時代の女性との婚約中、同僚達がうすうす気づいてた点など、少し描写が欲しかったところだが、メイン・ストーリーが戦局の流れだったのと、観客受けの考慮だったか。
一応、ハンサムな同僚、ヒュー(マシュー・グード)には、ときめいた風だったが、仕事上では反目、解読成功の瞬間、唯一ふたりだけが抱き合わなかったシーンによって、暗に表現されていたかもしれない。

しかし、拘留を逃れるための選択肢が、女性ホルモン投与による去勢とは。情報公開後、チューリングの功績がほんの近年、日の目を見始めたようなものだ。60年を経た恩赦を死者が知るだろうか。主演カンバーバッチの、チューリングに関してのコメントが素晴らしい。

以下、ウィキペディアより引用
【「アラン・チューリングは、すべての人間がそうであるように、与えられて当然の愛を求めたがためだけに、彼を犯罪者呼ばわりした社会によって、訴追されたばかりか、ほぼ間違いなく人生を早く終えるよう促された。60年後、同じ政府が彼を恩赦する、「赦す」といった。これは嘆かわしいと私は思う。なぜなら、赦しを可能にしたのはチューリングではなく政府の行為であり、他の4万9000人の訴追された男性たちも同じ処遇を受けて当然だからだ」
—カンバーバッチ、英国の同性間性行為に関する法律によって有罪とされたゲイ男性たちの恩赦に賛同して】

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