FC2ブログ
2015/11/14

"組曲"の底力(2)

中島さんの『組曲(Suite)』を繰り返してる。「Why & No」って小学生にも受けそう。最後の吠えっぷりはキマりすぎて良い意味で笑っちゃう。「ライカM4」のクセの強い歌い口、日吉ミミがロックンロールしてるみたいだ。かつての「南三条」を彷彿とさせるこの曲を聴くと、みゆきさんと瀬尾さんの接点は、意外にもブルース・スプリングスティーンなのでは、と感じたり。

suitein

構成力の勝利ともいえるこのアルバム、テーマがあるとすれば"誰かが誰かを想ってる"で、曲同士が繋がっているのじゃなかろうか。「36時間」はまさに導入部としてふさわしい。長年叶わない事や、大切な人のことを集約して歌っている。
最後の曲だけ、素の彼女が顔を覗かせるのでは。【LADY JANE 大好きな男が/LADY JANE この近くにいるの たぶんここは知らないけど】(「LADY JANE」)。何やら実在の店らしい。

中盤、アゼルバイジャンが唐突に出てくる「空がある限り」、この日本人には馴染みの無い国、検索では新興国として華やぐ記事ばかりがヒットする。彼女は実は紛争を抱える国であることを知らしめようとしたのだろうか。「ライカM4」のカメラマンに通ずるノンフィクションの要素を感じ取るのだが。そして「もういちど雨が」の長旅にも。

「霙の音」は彼女の十八番ともいえる作品だが、珍しく長く連れ添ったカップルの情景を描いた。女の告白は、3コーラス目の、男の事実が動機となる。よって女の事実は本当か嘘かは聴き手の想像に委ねられている、ともいえる。
この曲に連動するのが「休石」で、かくれんぼの"もういいよ"の解釈に幅が出来そうだ。ヒールが登場することから、これも長く連れ添った男女の物語であろう。
"もういい"には受容と拒否の両方の意味にとれ、隠れた男が"もういいよ"と言った裏には、"もう責めるな"という、いつかのサインと重なる。女は労わる気持ちから、結局言うべきことを逃してしまった。言の葉は、時節的に枯れ葉と掛けているようにもとれる。愛情と諦観が複雑に混じった歌詞に感じた。

男性の一時の情熱は「氷中花」で描かれる。一人称が自在な彼女。ここで男性が主人公である意味は、「霙の音」の男女差の件とリンクしているように思える。
・・・とあれこれ考えだすと面白い。

コメント

非公開コメント