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2015/11/10

"組曲"の底力

彼女が久々にやってくれました! 久々、というと失礼かもしれないけど、近年のアルバムは買い込んでは放置していたもので。今回の新作はトレイラーを聴いた時点では、前作に続きレンタルにしようと思っていたのだけど、先日のラジオ特集で試聴して気が変わった。レコード店に買いに行ったのは久しぶりだなぁ(しかもフラゲ)。ポスター貰っちゃった。

suite収録内容
1. 36時間
2. 愛と云わないラヴレター
3. ライカM4
4. 氷中花(ひょうちゅうか)
5. 霙の音(みぞれのおと)
6. 空がある限り
7. もういちど雨が
8. Why & No
9. 休石(やすみいし)
10. LADY JANE

(ジャケ撮影地は中部国際空港セントレア)

デビュー40年にあたる、41枚目の新作『組曲(Suite)』は、先行シングル、提供曲、夜会曲無しの純オリジナル・アルバム。こんなの'83年『予感』以来じゃないかな。特に夜会曲が入ると、場面性ばかりでシチュエーションが単曲では伝わりづらかっただけに、今回は思考停止に陥らずに聴ける。
タイトル面だけでも、(4)と(5)、(6)と(7)が繋がっているのが分かる。特に(6)のアゼルバイジャンと女満別に住む二人の関係性は一切、こちらに解らないが、続きの(7)と組んで聴くと、背景らしきものが見えてくるような気がしたり。この深読みしたくなるストーリーテリングが彼女を聴く醍醐味だと思う。

さらに、従来の彼女のアルバムは何故かサウンドがギンギラ・ギスギスしていて、わざわざLAで録ってきた割に損してる感じがしていた。前作から国内録音に戻って、国内ミュージシャンとのセッションに帰ったのが良かった。やはり幾らジェイムス・テイラー達と組んだような凄腕ミュージシャンを起用しても、作風自体がウェストコーストとは異なるからね。
マスタリング・エンジニアの変更も、品質を上げているようだ。彼女のヴォーカルはかなり扱いにくいと思うが、ヒステリックにならず表情豊かさが伝わってくる。アレンジは、リピート回数を減らし、大サビでコード楽器を削いでスリムにしたのが良かった。曲作りそのものに新味は無いが、長短調を巧みに入れ替え、夜会から身に付けた一度間の上げ下げによる転調技も使う。

各曲のフレーズを一部引用
(1)【追いつめられた心たちよ 36時間に来ませんか】
(2)【愛と云わずに互いの心に手を触れて/白日のもとに文(ふみ)を書く】
(3)【こいつが撮るのはレンズの手前 カメラマンの涙だけ】
(4)【君の無い夏ならば 氷の中咲いている】
(5)【あなたが酔って眠る時には/芝居の布団を掛けたくなかった】
(6)【あなたにたどり着かないのは まだ寂しさが足りないのでしょう】
(7)【悲しみを拭い去る奇跡はないのかな】
(8)【もしかしたら世の中はそういうものかもしれないなんて/"そういうもの"なんてあるもんか】
(9)【私はヒールを脱ぎ捨てて 後悔坂を這い登る】
(10)【愛を伝えようとする二人連れが ただジャズを聴いている/愛が底をついた二人連れも ただ聴いている】

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