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2015/04/19

「思いがけない私」

miyuki

昔のバンド仲間で、現在ライヴ・バーをやってる同い年の友達に、リマスター買い替えで不要となった中島みゆきさんの旧盤をまとめてあげたら喜んでくれた。彼は佐野元春ファンだが、初期のみゆきも一応好きなのである。それで、彼女についての談義になると、やっぱり昔のほうが編曲よかったね、と。

提供楽曲と既発表曲のセルフ・カヴァー・アルバム『時代-Time goes around-』(1993)。僕が彼女のアルバムを聴き込んだのは、このへんまでかな。ここ数十年、アレンジャーは瀬尾氏おひとりに固定されてるが、倉田信雄氏も残ってほしかったな。本盤では中江有里への提供曲(2)「風の姿」などリアレンジ。先日の吉田美奈子さんのライヴでは、この倉田氏が作曲した楽曲も歌われていた。テイチクの頃のちあきなおみさんの編曲も素晴らしい。どのジャンルも洗練された仕事ぶりで、フォーク系楽曲にもジャズ・テイストを織り込み映像的に仕立てる、多才なキーボード奏者だ。

デビュー当初から彼女はアレンジャーの面子には恵まれていた。セカンド・シングル「時代」は、あらためて聴いても心がこもっていてリアレンジされた本盤ほど発声法が成長していなくても沁み入る。

近年でこそ、応援歌的な印象を持たれるようになった彼女だが、いっけん私的にみえるささやかな恋愛歌が好きだ。「風の姿」の

【嵐が近い 嵐が近い
思いがけない私かもしれないわ】

には、アイドル提供のため恋愛内容の形をとりながらも、思いがけない自己の発見による、詞を書く「私」の存在意義も本能的に重ね合わせられているようにも、解釈している。

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