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2015/04/03

麦を揺らす風

keane

ドロレス・ケーンの最新作として、随分経った『ナイト・アウル』(1997)。彼女のアルバムの中で記事にするのが最後の作品となる。
初来日にして最後となった唯一の大阪でのライヴは、前日の東京公演に比べて喉の調子が芳しくなく、まるで東西で評価を二分した印象に終わってしまった。その後の録音となる本作で、依然調子が戻らないことを悟った。

本作発売当時、自分は壁の薄いアパートに住んでおり、それは隣人の普通の話し声が聞こえてくるほどで、こちらが普通の音量でこのCDを流すと「なんや下手やんか」という会話まで聴こえてきた。
ドロレス・ケーンを初めて聴く方には確かに本作からはお薦めしない。これとオーヴァー・プロデュースだった『檻の中のライオン』以外からなら何処からでもチョイスして良いと思う。

昨年、復活を遂げ、大々的にアイルランドのメディアに取り上げられ、ドキュメンタリー番組も制作された。アルコール依存症による収容施設でのリハビリを経た現在の彼女はとても元気そうだ。
だが、ツアー中の動画で現在のパフォーマンスを一部確認した限りでは、覚束ない節回しで、絶頂期の記憶を重ね合わせることで、何とか堪えうるレベルに感じられた。

本作、久々に聴き返すと、彼女の近況との比較のせいか、まだきれいな声で、みずみずしく感じた。節回しも、彼女が求めた本来の姿が残っている気がする。なんといってもプロデュースがいい。離婚後も音楽パートナーである、イングランド人の元夫、ジョン・フォークナーだ。

https://youtu.be/fAD7OHwkjq0

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