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2007/05/16

ドリスからエラへ

学生時代に知り合った友人が、ドリス・デイとエラ・フィッツジェラルドのファンだった。
ドリス・デイについては、僕は高校時代に1枚だけベスト盤LPを買って、愛聴していたが、エラ・フィッツジェラルドは学生の頃に聴いても、まだぴんとこなかった。恐らくアドリブの効いたジャズ・ヴォーカルは、ポピュラーばかり聴いていた僕には覚えにくく、一緒に合わせて歌いづらかったからだと思う。まだまだジャズにはついていけなかった。

その友人が、「エラに較べればドリス・デイはそんなに歌が上手くない」と評するのが、理解できなかった。日本人には馴染みやすいチャーミングな歌声とメロディー。ドリスの場合、ジャズ・ヴォーカルではないのかもしれないが。
ドリスの僕の推薦盤は、全編アンドレ・プレヴィンのピアノ伴奏が洒落た「デュエット」。たまにベースとリズムが入る曲もあるが、ほとんどステレオの右には、ドリスの歌だけ・左はピアノだけの、簡素なアルバムである。CD化は待望だった。

Duet Duet
Doris Day、Andre Previn 他 (2000/01/31)
Sony Budget
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ジャズのスタンダードさえも、なかなか聴き入るきっかけがなかった僕だったが、名歌手といわれるアーティストの名盤だけは押さえておこうと、最初にジャケ買いしたエラのアルバムが、「Like Someone in Love」だった。
しばらくは、なんとなく聴き流していただけだったが、繰り返すうちにジワジワ、その音楽の良さが染みてきた。どうやらエラの名盤の中でも、かなりシブめのアルバムだったようだが、カウント・ベイシーのオーケストラのようにゴージャスではない、シルキーなストリングス・アレンジとエラの歌声が、柳のようにたおやかに響くのである。

Like Someone in Love Like Someone in Love
Ella Fitzgerald (1991/12/03)
Verve
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現在、エラのCDは40-50枚ほど集めている。最初に聴いた盤が、やはりインパクトが強いのか、「Like Someone in Love」は今でも時々取り出して聴いている。ジャズ音痴の僕が、友人の言ったドリスとエラの資質の違いに、ようやく気づいたところである。

Ella Fitzgerald Sings "Misty", 1965.

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