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2014/07/31

堅い殻の中の性癖(2)

破壊力満点のミヒャエル・ハネケ映画『ピアニスト』(2001年)のDVDが最近廉価リイシューされたので購入。ハネケの劇場公開作品は半分近くレンタルして観たが、本作は原作を基にしているだけあり、起承転結が明確な点では解りやすいほうだろう。

pianist

映像はHDニューマスター版とのことで、きれいでした。特典映像には、チョイスした8点ほどのチャプターに沿った主演イザベル・ユペールによる音声解説、ハネケ監督インタビュー、原作のノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクのインタビュー。

こうして再見して、あらためて衝撃的だったのは、ドライブインシアターでうろつく中年ピアノ教師エリカが、若者のカーセックスを覗き見しながら放尿するシーンだ。ヒロインは既に年下の男子生徒から告白を受け、自らも相手に惹かれ始めた矢先、こうした行動が継続されている点に、よほどの性的抑圧を受けてきたことを表わしている。
画面構成はむしろ品を感じさせるほどで、このシーン、エリカの覗き見に気づいた車の中の男性が「おまえ、何なんだよ」と怒鳴りながら追いかけてくるが、カメラはエリカが小走りに逃げる様子しか捉えない。恐らく男性はズボンを直しながら追いかけてくるので、間に合わないのだろう。ショッキングながらも可笑しみが湧いてくる。

ハネケ監督は主演のユペールに惜しみない賞賛を述べている。頭が1センチ動いただけで、どんなふうにカメラに映るか、瞬時に判断できるなど、さすがプロの役者ですね。

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Re: タイトルなし

> 女性の「抑圧された性」を、ここまで描くのかと度肝を抜かれました。

当初、呆気にとられてしまいましたが、ここまでやってくれると感心してしまいますね。

> 決して男性目線のポルノでなく、あくまでエリカという人間が格闘する凄まじさに迫っていましたね。
> グロすぎてひきましたが、目が離せず最後まで観てしまいました。

そうそう、孤独の格闘技みたいでした。ヒロインの抱える混乱は明らかですが、相手不在の真摯なロマンの追求と、現実のコミュニケーション・ギャップに、観ていて何かしら人間の業に気づかされるようでした。

おー 私も観ました。
確かに「破壊力満点」でした! 
女性の「抑圧された性」を、ここまで描くのかと度肝を抜かれました。
決して男性目線のポルノでなく、あくまでエリカという人間が格闘する凄まじさに迫っていましたね。
グロすぎてひきましたが、目が離せず最後まで観てしまいました。