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2014/07/27

ニュータウンの日蝕

アラン・ドロン、モニカ・ヴィッティ主演、 ミケランジェロ・アントニオーニ監督の1962年作 『太陽はひとりぼっち』をレンタル鑑賞。
ハネケ監督作品を全部観ようとして疲れてきたので、代わってハネケ監督がマイ・ベスト10に入れたという、本作を選んだ。

L'eclisse

ああ、やはり僕にはアントニオーニ監督の作風は受け付け難いようだ。自分が20代の頃、『欲望』の回顧上映の際、足を運んだが、不満を抱えたまま小劇場を後にした憶えがある。ネット普及して今般、巷の感想を覗くと、評判が良くて困惑してしまった。

少なくとも『欲望』よりは『太陽はひとりぼっち』は親しめた。あのニュータウンの光景を、おぼろげにも体感できた部分は大きい。かつて住んでたアパートの近隣が工業団地で、整然と区画された町並み、深夜あるいは早朝の点滅信号を渡ると、なんとも無機質な寂寥感に襲われるのだ。

この映像とリアルタイムに過ごすのが苦手だ。画的な印象が強いから、観終わった後、頭の中でスチール写真を並べながら、テーマ構造を考えるほうがまだ愉しい。
編集はどうだろう。アラン・ドロンがモニカ・ヴィッティの生家を訪れ、彼がソファに腰をうずめた直後、彼のオフィスにシーンが転換する箇所などは、いささか雑な気がした。

先日観たハネケの『セブンス・コンチネント』に近いものを感じた。この計り知れない憂鬱は文明がもたらすものではないのかと。本作のモニカが演じるヒロインの、時折見せる童女のような無邪気さは、無自覚な原始への憧れだったか。

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