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2020/07/31

謙虚なリスタート

20200730

カーリー・サイモンがアリスタ移籍第1弾として発表した『カミング・アラウンド・アゲイン』(1987)を中古LPで見つけた。1980年代後半といえば、CD主流に切り替わりつつあった頃。当初、輸入盤CDは、アナログ・ジャケの半分サイズの箱に入ったCDを立てて陳列してませんでした? あれ国内CDではやってなかったですよね。

このアルバムもCDでヘビロテしてきたものだった。かつて拙宅記事にて、'80年代の音楽はドラムの音がスカスカしていて嫌、と書きました。ところが、このアナログだと全く問題無くバンドの音が溌溂としていて良く抜けています。ずっと初期のデジタル録音のせいだと思ってきたが、記録メディアであるCDが駄目なだけで、録音そのものは臨場感に溢れていたのだ。CDは帯域的にドラムのタムの再現など苦手なのだろうか?
てめぇのCDプレーヤーが貧弱なんだよ、と言われればそれまでだが、数十万もするCDプレーヤーに手を出すよりも、レコードプレーヤー4万+カートリッジ4万で、理想の音が手に入った気がする。

スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加したA-(3)「時の過ぎゆくままに」など、何度も聴いてきた筈のカーリーのヴォーカルが、ダイレクトに色気を湛えてスピーカーから迫ってきます。Rob Mounseyによるスリリングかつロマンティックなストリングス・アレンジが天に昇るよう。
前作で一作のみの契約に終わった『スポイルド・ガール』(エピック)といい、ワーナー後期以降のカーリーは、奔放に歌い飛ばして来た感があり、ここで原点に立ち返って、シンガーとして謙虚な立ち位置で臨んだ心機一転のアルバムといえそうだ。彼女の持ち味を損なうことなく、コンテンポラリーなサウンドと見事に融合した。もちろん今となってはドラムやシンセの音色が古く聴こえてしまう部分はあるが、これほどのゴージャスなヴォーカル・アルバムは、近年では誰が出してるでしょう。

自作曲では、A-(4)「Do the Walls Come Down」が特にお気に入りだった。後年の、エンディングを追加したマーサズ・ヴィンヤードでのライヴ・バージョンがまた良かった。
2020/07/29

ビリー&ラモーン

20200728

中古盤のパチパチノイズが残る箇所をなんとかしたいと、試行錯誤。なんだか音の修復職人になったみたい。針飛びがする箇所は、肉眼で確認できるくらいの小さな点のようなゴミの付着が見られるものだが、パチパチノイズはなかなか特定できず、大体の勘で溝の拭き取り掃除を行う。うまく消えた時の快感。CDは手間いらずでした。新品のLPは初めに入念に手入れしていれば問題無し。

ビリー・ジョエルの1978年アルバム『ニューヨーク52番街』は実家からの持ち出し盤。なんでもこの作品が初めての商業CDとして発売されたそうです(1982年)。
2018年、国内ソニーから独自にカッティング機を用いてLP再プレスされたが、手持ちの盤もまだまだいけそうです。

ビリーの全アルバムを平らに聴いてはいませんが、本作がお気に入りで、たまに所有していない前作『ストレンジャー』も試聴してみるのですが、同じフィル・ラモーンのプロデュースでビリーの出世作だが、どうもメロディが俗っぽく聴こえてしまって、やはり『ニューヨーク...』が傑作だな、と。
A-(4)「ザンジバル」のペット・ソロがグッとくる。楽曲自体が素晴らしいが、こうした間奏部分が曲の印象として強く耳に残ることがあるから、アレンジの力って大きいんですね。
2020/07/27

LP「Another Woman In Love」

20200726

ドベタの争いじゃないが、東京は知事が外出自粛を呼び掛けてるだけマシなほう。大阪はただいま関西いらっしゃいキャンペーン中。低検査数にして高陽性率。来る気ある?

海外から中古盤が届く。実際は未開封だったのだが、ジャケの角に思いっ切りパンチ穴。カードリングにでも通して売ってたのかな?
モーリン・マクガヴァンの1987年アルバム『Another Woman In Love』。裏ジャケにはメル・トーメの推薦文が掲載、"Great LP. Bravo, Maureen!!"と絶賛されています。
映画『ポセイドン・アドベンチャー』、『タワーリング・インフェルノ』と、パニック映画の主題歌に起用された方だそうです。いずれも子供の頃にTV放映で観た筈ですが、主題歌については記憶にありませんでした。

今回、本作に辿りついたのは、ジョン・ピザレリがボッサ・ノーヴァのアルバムでカヴァーしたTVミュージカル『Evening Primrose』の歌曲「I Remember」(スティーヴン・ソンドハイム作曲)を他の歌手の音源で探していたところ、リストをご案内してもらった中に挙がっていたアーティストにこのモーリンの名があり関心を持った(教えて下さった方、有難うございます)。

一聴したところ、バーブラ・ストライサンドの声質、歌い口の抑揚に近いものを感じた。プロフィールによるとミュージカル女優でもあるのですね。ピアノ伴奏をバックに正確なピッチ、歌に向き合う真摯な姿勢が伝わるようで、聴く側も思わず姿勢を正す。
「I Remember」の秀逸な歌唱はもちろん、驚いたのがピーター・アレンの熱唱動画が記憶に新しい「I Could Have Been A Sailor」を選曲! 歌詞冒頭の"I'm a happy man"を"woman"に変更して、細やかなピアノのアルペジオに乗って見事に歌いあげる。この曲は、他のミュージカル系歌手のカヴァーがサブスクで聴けたものの、カラオケのようなサウンドだっただけに、こちらの解釈に驚愕。別物を確立しています。全曲アレンジはマイク・レンジ。

▼I Could Have Been A Sailor
https://youtu.be/Z-o7ZWUEq-4
2020/07/25

LP「Hello Love」

20200724

ここ一ヶ月は初期費用がかかったが、そこそこのプレーヤーに、ちょっと背伸びしてカートリッジは高めの品質を選べば、後は、誰かがかつてCDに乗り換え時、手放してったLPを500円で拾っていくと。大袈裟かもしれないが、レコードを聴いてる間は、ほんと他には何にもいらないという気持ちでいられる。
SACDプレーヤーを手に入れた頃、クラシック以外にポピュラーのディスクも試してみたが、ブレスやリップノイズのディテールが聴こえても意味ないな、と感じてポピュラーはあくまでCDで割り切ってきた。再びアナログで聴くという手があったんだね。

カートリッジ買い替え当初は、プレーヤーがデノンなので定番を買おうとしたが、価格が高騰していて発売当時の2倍以上にもなっていると知り、どうせなら最近開発のモデルにしようとオーディオテクニカにしてみた。デジタル世代の耳にもアナログと行き来しやすい現代的な味付けになっていると思う。

エラ・フィッツジェラルドの1959年アルバム『Hello Love』を。これは先日、お気に入りの彼女のバラード集『Like Someone In Love』をLPで買い直した時、ネットレビューで『Like Someone...』の続編ともいえるアルバムがあると知り、気になったのがきっかけ。
『Like Someone In Love』のアレンジと指揮はフランク・デュボワ。かつてこの方と組んだ他のエラのアルバムを探した筈だったが、その盤は全く主旨の異なるアップテンポの内容で期待とは違っていた。他にも同アレンジャーと組んだアルバムが出ていたんだね。

本作『Hello Love』はいっけん『Like Someone...』の陰に隠れがちのようだが、ストリングス中心のアレンジ傾向は同じ、ソロ・プレイヤーにスタン・ゲッツのような花形がいない、というそれだけの違いで録音時期も隔てずエラのコンディションは上々、有名曲が入ってるだけこちらのほうが取っつき易いといえるほどだ。
サッチモとの共演でも歌われていた「Moonlight in Vermont」が、こちらではよりしっとりと。オケ伴とはいえストリングスが新カートリッジで流麗に変貌。
2020/07/23

Go To Analog

20200722

カートリッジはこの一本でほぼオールジャンル行ける、という境地に早く辿り着きたくて、さらに追加してみた。結果、これ以上は無いと思えるほどの満足感を得られたが、プレーヤーとほぼ同等の値段まで来てしまった。長持ちしてくれますように。
豊富なラインナップのオーディオテクニカ社のモデルを段階的に聴いてきたが、接合楕円針~無垢楕円針と経て、最終的に無垢マイクロリニア針が、自分のフィーリングに合うように感じた。
分離の良いHi-Fiサウンドで、ベースもくっきり、ストリングスもより精細に鳴って申し分ない。レコードがこんなにきれいな音だったとはねぇ。
カートリッジのグレードを上げると音質向上はもとより、埃のパチパチ音が抑制される。数十年間、CDにすっかり馴れて、以前より耳障りに感じるだけに、驚きだ。特定の箇所でパチッとうるさかったのが、完全に消えるか、もしくはチリッという小さなノイズ程度に収まっている。(精製水で部分洗いすると完全に消えたりする。盤によりけりですが。)
いっとう最初のプレーヤー付属のカートリッジでは、中古盤の再生が酷く、サ行ノイズや内周歪み音が顕著で絶望的だったが、現在では新旧いずれの盤も、区別がつかぬくらい均一な質感で聴けるようになった。

フォー・フレッシュメンの代表作『Four Freshmen And Five Trombones』(1955年録音)のLPを500円で。国内盤の帯って、ジャケ写が隠れてしまうので邪魔なんですが、この、昔の劇場看板みたいな題字がいい感じ。
タイトル通り、メインの4人のハーモニーにリズムセクション、5人の腕利きトロンボーンを加えた企画内容。編曲はピート・ルゴロ。
この盤の選曲をそっくり新メンバーで再現したライヴ盤『The Four Freshmen And Live Trombones』(2009)もある。
2020/07/21

ワーナー最後のアルバム

20200720

ネット時代に入って、縁の切れた知人の現況がブログで確認できてしまえるようになり、年々、消息が気にならなくなりつつある相手でも、手早くチェックできてしまう。
知人の元マスターは新しい彼女と同棲を始めた事を報告していた。同棲グセというものがあるのかどうか、奴の女性遍歴は音楽バーを閉める頃までなら大体知ってるが、下宿屋の娘だったり勤め先なり身近な人と一緒に住み出すのが早い。今度も、彼女が生活用品を調達してくれた事を嬉々として綴っている。
一度、短い結婚をしていて、当時はバンド仲間とお祝いしたものだったが、全然嬉しくなさそうな半ば不貞腐れたような受け取り方に、後味悪かったのを憶えているだけに、今度の件もなんだかなぁ、という感を受けてしまうのである。

もちろん、同棲しようが本人の自由で不埒でも何でもないのだが、彼のバー開業当初、訪れてみた時、マスターの当時の彼女がカウンター席に居て、不愉快だったのを思い出す。
彼女も当初は客としてやって来ていて、そのうちマスターが彼女の住まいに同居することになったのだが、寝物語で何を吹き込んだのやら、ぼくがマスターとの会話で何か言えば、横からいちいち"プッ"とか"ブーッ"と吹き出して笑い出す。取り立てて面白いギャグを言った訳でも無いのに。
マスターが彼女に目くばせしながら"なっ、変な奴やろ?"とでも言いたげに、やり取りをしているのを感じ取った。いやーな感じ。これは来づらいバー。当初は知り合いがもっと詰め掛けていたようにみえたが、数ヶ月後に客がパッタリ見えなくなったのは、この居心地悪さを他の人も感じたからではなかったか?
むかし、飲み友達だった仲間から"すごい感じの悪いバーがあるから行ってみない?"と声掛けられ、なんちゅう誘いだ、と思いながら付いてった事がある。そこではマスターの身内仲間がカウンターを占めていて、取り囲まれるように座ったぼくらが、ふつうに何か一言答えるだけで、ドヒャーと嘲笑されっ放しだった。都会の真ん中で身内のノリで固まって何の商売がしたいんだろうね。


カーリー・サイモンの1983年アルバム『Hello Big Man』も中古で安かったのでLPで再購入。ワーナー最後の作品で、プロデューサーはタッグが3作目となったマイク・マイニエリ。ジェイムスと離婚した年の発表ですね。
前作のジャズのトーチソング集『Torch』から一転、元のポップス路線だがボブ・マーリーのカヴァー含むレゲエのリズムをコンセプトにした。一聴して好きだったのが、ギターのアルペジオのシャッフル曲B-(1)「It Happens Everyday」。後年、アコーディオンをフィーチャーしたライヴ・バージョンが、さらに雰囲気良かった。

2020/07/18

July Road

20200717(1)

CDとLPのダブリが増えてきたので、CDのほうを一応DSDのデータに残してから順次手放していこうと。サブスクがスタートした頃も、いったんCDの整理を始めていたが、今度こそ躊躇なく一本化できそう。
LP商品リストを見ると、稀にLP&CDのセット売りも扱われている。まぁアナログとデジタル両方のメディアを取っておきたい気持ちも分かるが。映像ソフトではBlu-layとDVDの抱き合わせ販売があるけど、あれは何の意味があるのだろう?

ジェイムス・テイラーの2002年アルバム『October Road』をLPで。個人的にジェイムスの作品で最もお気に入りですが、先日から初期のリマスターBOX LPを聴くようになってから、やっぱり『Sweet Baby James』が一番だと思うように。曲はもちろん、ピュアな若さと最高のコンディションで記録されているのが伝わり、そりゃこの1作で向こう何十年も食っていける筈だわ、と納得(もちろん、その後もご本人の努力とコンスタントな活動がある訳ですが)。

ラス・タイトルマンがプロデュース。初期アルバム『Gorilla』同様、この人と組んだジェイムスの作品には華がある。本作A-(5)「Belfast To Boston」は、アルバム発表以前にライヴビデオで弾き語り披露されていたが、アレンジにより映像的に変貌を遂げた。
さすがにこの年代の録音物になると、CDとアナログのギャップは大きく感じられないが、レコードのほうが音が太くて気に入った。本作の次のオリジナル・アルバムもLPで入手したいが、何度気を取り直して試聴しても、次作は物足りない。それだけ、この『October Road』が好き過ぎたということ。
2020/07/16

ジューシーな泣き別れ

20200715

景気の刺激策が、よりによって国をあげての人の移動、っていうのが。休業要請してた頃、休業と補償はセットで、と叫ばれていたように、人を動かすならば、感染対策(要検査)とセットの発想がないと、無自覚な無症状者が散らばるばかり。ちなみにわが市の首長はキャンペーン利用者への抗体検査を提言してるそうだけどw

奇しくも去年揃ってお亡くなりになったドリス・デイとアンドレ・プレヴィン、かのデュオ盤『デュエット』(1961)の中古安価LPを見つけたので入手。
中古盤は始めにきちんと掃除してから再生したつもりでも、聴き終わった後には針先に屑がてんこもりに積もってて、盤のあちこちに粉みたいのが散らばっていてびっくり。うちのレコード針は掃除係も兼ねさせているという。

全編プレヴィンのピアノとドリスのヴォーカルが、左右のチャンネルに別々に収められている内容で、数曲はプレヴィンのトリオが絡む。A-(1)「Close Your Eyes」での、ベースとドラムの"ズシン"とした迫力に驚き。これもCDで聴いてきた作品だったが、(ウチのアンプとスピーカーって、こんなに音出るの?!)と驚愕。これぞアナログの肉厚、という。

互いの多忙の合間を縫ってのセッションらしい。さすがのプロ技だが、ドリスには他にもこうしたデュオ盤を出して楽しませて欲しかった。大スターであったため、オーケストラとの豪華な企画が中心になるのは仕方ないが。プレヴィン氏もすごいよね。これだけセンス良いジャズ伴奏を聴かせながら、チャイコフスキーも振ってるんだもの。

ちなみにリッピング・ソフトを使って、試しにこのアルバムのCDの左右チャンネルを、ミックスしてモノラル一本にしてみたところ、何か不自然だった。元々泣き別れ仕様になってる盤は、センターに音を集めてもどうもバランス悪いみたいだ。
2020/07/15

LP「The Best Of James Carr」

20200714

ダン・ペンの新作がこの秋に発売されるんですよ。もう予約が始まってて早速LPのほうで手続き。近年の自主制作デモ・アルバムも良かったが、出来れば再びがっつりスタジオ録音した新譜を出して欲しいと願っていたのが叶う。もう80歳近いけど、歌い口は全然変わってないんじゃないでしょうか。期待。

そのダン・ペンとチップス・モーマンの共作曲「The Dark End of the Street」を歌ってヒットさせたジェイムス・カーのベスト盤LP『The Best Of James Carr』を購入。ソウル系のリイシューを中心に扱っているUKのACE Recordsの独自編集盤(2017)。
このレコード会社の存在は、やはりダン絡みのコンピレーションで知ったのだが、今回ここのLPの価格帯はどうだろうと調べたところ、まずまずの手頃な価格で扱っていた。同商品のCD価格よりも割高にはなるけどね。(ちなみにこの会社からは、昔の日本のポップスも扱っていて、平尾昌晃のロカビリー集なども。)

かねてからジェイムス・カーのアルバムは1枚は取っておこうと。けれど既出のベスト盤も「The Dark ...」収録のオリジナル・アルバムも、どこか繰り返し聴くには重いな、という印象。それで、こちらの選曲盤のプログラムを部分試聴したところ、こっちが自分に合う気がした。
ダンの作品は他にスプーナー・オールダムとの共作「Let It Happen」、またバリー&ロビン・ギブ作「To Love Somebody」が、元々ソウル曲だったようにしか聴こえない堂々の歌い口に変貌。'60年代による古い音源だがマスタリング処理され、低音がしっかり響く。
2020/07/13

ジェシーは今

20200711

ちょうど40年前の作品になるんだね。カーリー・サイモンの1980年アルバム『Come Upstairs(邦題「パーティへようこそ」)』。こちらもCD所有してるにも関わらず、中古LPで安く求め直した。プロデューサーはマイク・マイニエリ。
このアルバム、当時ぼくは子供でまだ彼女の名前しか知らなかったが、よく中古で見かけたものだった。それだけ売れたという事なんですが、振り返れば彼女の人気がピークを過ぎた頃に当たるようで、ジェイムスとの関係もいろいろ取沙汰されたものと思われる。何せ夫婦共に人気を極めたシンガー&ソングライターだったのだから。

音楽的内容については、もちろん不足があるわけでは無く、彼女の作品の中で最もハードロックの面が引き出され、声を嗄らしてシャウトするB-(1)「Pain」などドラマティック。エモーショナルで、一通り聴いた後は疲れてしまって、すぐにはリピートできない、一回性のようなタイプの烈しいアルバムだと思う。

シングル・カット曲としては、自分を一度捨てた恋人の帰郷を恨みつつも待ち焦がれる感情の変化を表したA-(4)「Jesse」がヒット、後年の'90年代のニューヨーク、グランドセントラル駅でのライヴビデオでも歌われた(駅から降りてきたと思われる通りすがりの老婦人が、立ち止まってカーリーが熱唱する真後ろで次第に夢中になって聴いてたね)。

2020/07/11

モノラルもきれい…

20200710

明らかな第2波の予兆があるというのに、政府はGo To 感染拡大キャンペーンですか。ヒトの生存本能とは? (ところで大阪市の給付率はいまだ最下位?)

このレコードプレーヤー、蓋以外はお気に入りというレビューは結構見受ける。"もうCDに戻れません"という意見に同感。たまにボロクソ意見もあるけど、そう言う人はきっと高級な音を知り尽くしてる人。
アナログには暖かみがある、と言われがちだが、単なるノスタルジーじゃなく、ホントに音が良いんだわ。この黒溝の何処に無限の音情報が詰まってるんだ、と。すごい発明だわと再認識。
とにかく音がたっぷりとした印象。左右のスピーカーから出る音が、筐体を超えてもっと端から鳴ってるような広がり感。あくまで個人の恣意的構築によるハード環境での比較感想だが、CDとは格段に違うわと思った。

ストリーミングではmora qualitasの音質を個人的に評価していたが、アナログを再認識した今では、ハイレゾの音でさえ悪くはない、という程度の感慨に収まってしまった。
他に、アナログには弄る箇所が色々あって楽しいのだ。もちろん静電気・埃は煩わしく、ノイズが出ると様々なメンテ対処に追われる。が、同じ盤でもカートリッジの取り替えによる音の変質の味わいは、グライコを弄る次元とは別物の快感。ゆとりがあればヘッドシェルごとカートリッジのバリエーションを揃えておきたいくらい。針のタイプを替える度、所有レコードを全て聴き直してみたくなる事だろう。

以前、サブスクで知りお気に入りだったビング・クロスビーの『ニュー・トリックス』(1957)をLP入手。ビングの膨大な音源の中でもバッキングとのバランスに優れた'50年代盤ではないかと。国内復刻定価3000円を、1000円程度の中古で。
モノラル録音だが、やはりたっぷりとしていてステレオとの違いに気づかないくらいの迫力。CDでは何枚も持ってる彼のヴォーカルが、初めて聴くみたいに豊かに。近年デジタル・メディア向けにリイシューされた同アルバムよりもボーナス・トラックは相当数割愛されてしまうが、本編だけで充分でしょう。お得意の「シカゴ」に、「わが心のジョージア」は、レイ・チャールズの歌唱よりもうんと好きですね。

▼Georgia On My Mind
https://youtu.be/oo4onJLbNuE
2020/07/08

LP「Her Greatest Songs」

20200707

ぼくの10代の頃、CD普及直前のLPの価格が国内盤で2800円だったと記憶してる。だから今でもその価格を基準に、それ以上、値の張るディスクは見送ろうと。重量盤の4500円とか、お金が無い理由もあるけど、1枚にそこまでかけてられない感覚なんだよなぁ。

今回の新規レコードプレーヤー迎えを機に、アナログ・ライフ再開を記念して1枚くらいはジャケ買いしてみようと、2800円超えのニューLPを入手。ドリス・デイ『Her Greatest Songs』(2020)。カラーレコードによるベスト盤。

昨年亡くなったドリス・デイ、盛大に彼女の音源がリマスタされてBOXセットが出るものと期待してたが、音源が多すぎるのか、ほんの一部がリイシュー専門レーベルからLPが発売されるに留まるようだ。
できればオリジナル・アルバムで取っておきたいが、このピンクの円盤に魅かれた。それと他のベスト盤と較べても、やはりLegacy(ソニー系)レーベルから出てるのが良かろうと。

選曲はまぁ、初期寄りに固めてくれたほうが嬉しいのだが、無難なプログラムなのでしょう。A面は「シークレット・ラヴ」「ケ・セラ・セラ」「イッツ・マジック」「ブロードウェイの子守唄」など。「センチメンタル・ジャーニー」は再録音版のほうが選曲されている。ぼくはこの再録音で親しんできたので、この曲に関しては初期からじゃなくてもOK。
B面は「キサス・キサス・キサス」の英語版、「モア」、ジャズ・スタンダード「マイ・ロマンス」他。ラストトラック「青春の光と影」は、けしてベストテイクとは思えないが、終曲に相応しい。

▼Everybody Loves A Lover
https://youtu.be/O0xDMbKjBqw
2020/07/06

交換後のピアス

20200705

かつての梅雨は、もっとシトシトしてたような。年々暴れ出してません?
せっかくカートリッジ交換可能なプレーヤーに替えたのだからと、ちょっと気が早いがオーディオテクニカのステップアップモデルと呼ばれる実売1万程度のカートリッジ針に交換してみた。
今まで付属の針の交換しか扱った事がなかったので、4本の細いリード線の付替えとビス留めに少々イーッと頭に来ながらも問題無く作業終了~早速再生へ。
へぇ、音のリアルがまた違った感触。ヴォーカルの輪郭が従来よりくっきりと強調され、明るめになった。ここまで特長が出るとはね。そのぶんバッキングが引き気味に聴こえるので、ロック系中心に聴く人で、ヴォーカルと対等のバックの厚みが欲しい場合は、やや合わないかもしれない。
それからヴォーカルのサ行の摩擦ノイズが、この針で一気に解消。ストレス無く聴くならより高い針買え、って事ですな。

20200705(1)

交換によって盤の印象がグッと良くなったのが松任谷由実『パール・ピアス』(1982)。こちらも実家からの持ち出し盤。
お気に入りユーミン作品の一つですが、ヴォーカルに統一的にかけたエフェクトが、夏のコンセプトらしい清涼感の効果を上げているものの、従来針では輪郭がボヤけていて、先日の『OLIVE』のほうが良く聴こえてた。
それがキリッとヴォーカルが立って、好印象に。コーラス隊も、今まで感じたこと無かったほどに背景に立体的に綺麗に流れる。

今でもコンサートで歌われる代表曲が収録されている本作、久々聴き返すとA-5「夕涼み」は、アップテンポのR&B調のアレンジにすると濃い感じに様変わりして面白そうだなと思った。でもそれじゃ涼しくなくなるか。
全編、隙間を漂わせるアレンジで、ラテン・パーカッションの左右の振りが気持ち良い。旦那様お得意のホーン・セクションのアレンジも見事だね。
2020/07/04

トーチの洗浄

20200703

カーリー・サイモンの1981年アルバム『Torch』も、中古屋のレンタルアップLPで持ってました。が、実家のプレーヤーから現在のプレーヤーに至るまで3台とも同じ個所で針飛びするので、ジャケの底も破れていることだし、レンタルシールが思い切り表ジャケに貼ってあるので、この際と中古再購入。

が、いざ再入手するとところどころ音割れがして耳障り。針飛びしないが、いずれの盤も長短どっちもどっちだな…と、がっかり。もちろんCDはあるが、いつかLP再生産されるまで、仕方なく取っておくか。
そうしてネットで対処法を調べていると、ナガオカからレコードラベルのプロテクターなるものがアクセサリー品として出ているのを知り、早速入手(画像右)。

つまり、このラベル・プロテクターをレコードに噛まして、レコードを丸洗い。ナガオカの動画を見習って、まずは一通り水道水を盤に流し、続いて台所用中性洗剤をなでつけ、極細歯ブラシで溝に沿って軽く磨いてみた。レコードを水に濡らすなんて初めてだからドキドキ。
その後、濯いで精製水をかけて拭き取り、最後にスプレーで仕上げ。
ほとんど期待してなかったが、洗浄後のこの『Torch』、音割れ個所が完全とはいえなくとも、かなり減少。これには驚き。てっきり歪みの問題かと思い、トーンアームの水平や針圧を再確認したものだったが、目に見えないゴミが溝に詰まってたという事か。実際、内周部ほど目詰まりしやすいのかもしれない。
なんでもDJが使うような高級プレーヤーでは逆回転再生も可能なので、掃除代わりになるらしい。そちらの動画も見たが、ゴミが削られて出るわ出るわ。
こういうことがあるから、粗悪な盤と決めつけ古いレコードをとっとと処分することが出来ない。今回の改善に加え、カートリッジ交換すれば、より解消できるかもしれないのだ。

40年くらい前迄アナログをずっと使ってた頃、そのナガオカのアクセサリー品でレコードパックなる高価なクリーニング用品があり、小遣いはたいてジェルを塗り付けてノイズ除去に試行錯誤した記憶があるが、今その製品扱ってないですね。水道水でイケる、という見解に落ち着いたのか?

これでかなり落ち着いて聴けるようになったジャズ・スタンダード集『Torch』、プロデュース&アレンジはマイク・マイニエリ。'70年代アーティストはレコーディング技術向上の歩みとともに成長の足跡が辿れるから興味深い。1980年頃のワーナーの音源はとても臨場感があり、レコードで聴くのが相応しいように思う。
2020/07/02

LP「Like An Old Fashioned Waltz」

20200701

7月のコンビニ。エコバッグを持って行き、購入商品の袋詰めはスーパーみたいにセルフになるんかな?と尋ねたら、バッグを渡せば従来通り詰めてくれるそうだ。しかし、欧米ではコロナの影響でレジ袋に逆戻りつつあるとか。

サンディ・デニーの1974年アルバム『Like An Old Fashioned Waltz』は、かつて中古屋で衝動買い。CDで既に持っていたくせに、LPジャケの迫力に感動して手元に置いておきたくなったらしい。
その後、ボーナス・トラック付きリマスターCDを買い直したが、そのリマスタリングの音を好かず、最終的にこのジャケ買いしたLPを最近になってヘビロテする結果に。

英国フォークのSSW。まだ若いのに滋味のある深い歌詞と歌声。特にこの盤を聴くと、アイルランドの海岸沿いの鄙びた遊園地の前を、スーツケースを引きながらぶらぶらした時の感覚を何故か思い出す。ウィックロウに立ち寄る前だったか後だったか、気まぐれに降り立った東海岸。
英国経由の旅行ではなかったが、サンディ・デニーの声の湿感は、きっとあちらの気候を肌で感じるとより理解しやすいように思う。
ストリングスでバックアップされた自作ピアノの弾き語りはスケール大きく、その対極のような2曲のユーモラスなオールド・ジャズの配置がノスタルジックな味わいを醸し出している。
海岸沿いをすれ違いざま、微笑みかけてくれた老婦人を思い出す。