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2020/06/30

LP『Hearts and Bones』

20200629

ポール・サイモン、1983年アルバム『Hearts and Bones』を、ほぼ新品で通販の中古購入したところ、届いたのは未開封品だった。この盤、静電気がしつこくて、当分はスプレーで手入れ必要。曲の静かないいところでパチパチしてイラッ。

デジタル・レコーディングされた本作、当初アナログで発売され、数年後にはCD生産が主流になり、この盤も追ってCD化された。
今回入手分は2014年リマスターのアナログ盤。デジタルらしい、ハンドクラップなど当時流行のサンプリング音がアコースティック・サウンドを基調にしながら聴かれる。
初出の音は、録音手法を変えたばかりだったためか、マスタリング~アナログへのカッティングが理想通りに行かなかったようで、切れの悪いボヤけた音像でした。セールスが良くなかったらしいが、ガーファンクルとの再結成が流れた件以外に、音質の問題もあったのでは?と思う。あと、ジャケット・デザインもいまいちかな。

内容は充実した楽曲群で、曲のアーシーさにツルツルしたデジタルのサウンド感触が新鮮。以後、アフリカン・リズムを取り入れたアルバムが発表されるが、S&Gの延長のような本作のスタイルをもう少し続けてほしかった。
本作で唯一、弱い曲があるとすればB-4「Cars Are Cars」か。テンポの良い曲を配した意図はわかるが、やや単調。しかし、切れ目なくラストトラックに続くので、組曲的立ち位置なんだね。ともかくもっと評価されていい作品。
2020/06/28

誰かの自分事

20200627

レコードプレーヤーを導入する直前に海外注文していたCDが幾つか届き、聴いてみてはいるんだが音が硬くて萎えてしまう。CDってこんなにレンジ狭いんだっけ、と。内容は予め試聴しているから気に入ってるんだけど。

こちらは随分前に実家から持ち出して来たLP。ほんの10枚足らずの持ち込みだったから、よほど気に入ってたのでしょう。松任谷由実『OLIVE』(1979)。
去年、彼女の旧作が一気にリマスター化されサブスクで聴けるようになり、本作など幾つか自分のお気に入りは別途ハイレゾ購入しようかと考えてたんだけど、アナログで充分聴けるね。
本盤は、メロディの楽しさがぎっしり詰まってる。'80年代に入ると彼女のアルバムは、ヴォーカルにエフェクトがかかり、幾分抑制されるようになったが、こちらはデーンと素のまま聴かせているのに好感。まるで古典的な甘さのケーキをたっぷり奢ってもらってるよう。

何度聴き返しても唸らされるのがA-(3)「ツバメのように」。拙宅でのこの曲に関する過去記事について、最近になって元歌がありますよとの情報をお寄せいただいた。
そのフレンチ曲を初めて動画試聴してみた。歌詞のシチュエーションはそのまま、曲調はあえて明るいフォークで深刻さを浮き彫りにした表現だったが、音楽的にはユーミンのほうが興味深い。
ユーミンのほう、あらためて聴くとティンバレスが効果的。このラテン・パーカッションが、虚空に響くようで歌詞内容とマッチしてるのだ。クールな低めの歌い口に旦那さんの洒落たアレンジが効く。

この飛び降り自殺女性について語られた歌詞、確かにシチュエーション自体はそっくりだが、視点とデリカシーの表現はユーミンが勝るように思う。
元歌で野次馬が"あまり美人じゃない"と言う、死人に対する残酷なくだり。ここがリフレインでくどいのだが、ユーミンのは冒頭のみの状況説明に留められている(死に顔はきっと目を開けた状態だったということですね? 目を閉じていたなら顔立ちの区別付きませんよね)。

また、元歌は全体通してドキュメンタリーのような目の前の出来事をつらつらと描写した印象だが、ユーミンは女性同士のシンパシーとして自分事に引き寄せた視点がより魅力的。
2コーラス目 【裏切った恋人のせいじゃない】
この一行だけで、語り手と自殺女性が知り合いまたは友人関係であったことを示し(はたまた赤の他人への同情かも)、かつ自殺原因を単純化しない表現意図も簡潔に込められている。

死後さえも一瞥されるだけの世の残酷さと、幕引きを図った彼女を羨望する語り手の心情をも窺わせる作りが素晴らしい。これらがいっけん平易な言葉で淡々と綴られているのだ。
2020/06/27

LP「Sweet Baby James」

20200626

レコード・プレーヤーはスピーカー前に置かないほうが良い、というネット記述を見かけ、言われりゃそうだと気付き、少しサイドにプレーヤーをずらした。振動の影響を少しは避けられたかな。
ここ最近、アナログ再発見みたいな記事を続けていますが、元々実家のシスコンも、一人暮らしを始めてから懐かしさで買い入れたプレーヤーも、ミニコンポで聴いてたから、現在ほどの環境を作っては無かったんだね。ほんとにプレーヤーだけは最下位機種じゃないほうが良いと実感。
クラシックはSACD、ポピュラーはレコードのみ、とリスニング・スタイルを物質については完全に振り分け、CDしか取扱いのない、あるいはディスク化されていても高価な作品については、サブスクで割り切る、と。ヘッドフォンすればSpotifyでもまあまあ聴けるし。

昨日、Amazonでジェイムス・テイラーのLPをチェックしていたところ、昨年発売されたワーナー初期6作品のリマスターBOXセットのLPが、Amazonアウトレットで8000円ちょっとで1品だけ売られてたので飛びついた。
パッケージに傷アリとのことだったが、到着品を早速あらためたところ、瑕疵らしき点は見当たらず。これはラッキーなのじゃないか。

『Sweet Baby James』(1970)については、ぼくが学生時代に初CD化商品を買って初めて聴いたのだが、モサモサの籠ったサウンドで冴えない印象が付きまとったまま、手放していたのだった。その後も名立たるミュージシャン達が、このアルバムをバイブルのように語る記事を見かけてはコンプレックスを感じてた。
そしてこのLP、素晴らしい鮮度じゃないですか! こんな瑞々しい音だったの? 初めからコレだしてよと言いたいくらい、サウンドがダイレクトに飛び込み、音楽への理解が早まりそう。自作中心にアメリカン・ミュージックをフォーク基調に表情豊かに。
このボックスセットのCD商品のレビューには、リマスターっぽくない、との期待外れの感想があったのだが、アナログ聴けば歴然としてると思う。もうCDで幾ら最新リマスタリングと謳ってあっても結果は同じ。レコードで済む話だった。

20200626(1)
2020/06/25

彼女とスモール・モーメント

20200624

ジョコビッチ感染の件は自ら主催のツアーだけに、かなり批判が出ているようだ。チャリティ・イベントが本旨といえども、参加のトップ選手が次々と感染判明、残りの試合日程は中止。ぼくはさほど彼を応援してはいないが、本人はダメージを受けているのでは、と心配。が、当のツアーの模様を画像で見ると、観客は普通に群がってスタンディングしているようだし、ツアー中のナイトクラブでの密の動画がまずい。これではリスクマネジメントが甘いと言われても仕方ないな。名士といっても一現役選手である彼を、ATPが組織的にアフター・フォローすることは無いのだろうか?


ロックこそレコード向きじゃないかな。先日のカーリー・サイモン『スパイ』(1979)のLPの音が気持ち良かったので、特に彼女がアリフ・マーディン~マイク・マイニエリと組んでたあたりは、検証がてら買い直してもいいのでは、と彼女の中古廉価LPをまとめ買いしてみた。
『スパイ』の前作にあたる1978年アルバム『Boys In The Trees』(邦題「男の子のように」)は、主要R&Bの3曲と、彼女の持ち味であるフォーキーな楽曲で構成された。ヒット曲「You Belong to Me」は、マイケル・マクドナルドとの共作。もちろんジェイムス・テイラーのバック・ハーモニー、デュエットのトラックもあり。

ふむ、やはりこの作品でもアナログのほうがリズム隊が活きている。特にタムはCDと大違いで、ずっしりとして膜面の振動まで見えるようだ。この盤は割と当たりだったようで、内周の歪みは感じなかった。古いレコードは音質のジャッジに神経使って疲れるから、今後しばらくは安価な新品に狙いを定めていきたい。
カーリーに、よりロック色を求めるファンは、次作『スパイ』が好みだろう。ただ、彼女はロック系に行くほど音程の粗が目立つので、ぼくは本作くらいのバッキングとヴォーカルのバランスがいい塩梅だと思ってる。音程を外しても彼女のフィーリングは、すごく伝わるけどね。
今回のアナログ回帰で、「In a Small Moment」などの小品の魅力も増した。エレピのゆらぎもレコードがいい。

▼In a Small Moment
https://youtu.be/Bs3rLPBcX3s
2020/06/23

LP「Trio」

20200622

ドリー・パートン、リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリスの美しいハーモニーによる1987年カントリー・アルバム『Trio』は、数年前、その続編『Trio 2』と、未収録トラックを含んだコンプリート・リマスターCDが新たに出ています。
両CD共に持っていたぼくは、リマスター発売を知り、即手元の『Trio』を手放して、その3枚組リマスタを入手。ですが、キリキリに締め上げたような高域のキツさにゲンナリ。
もう、CD音質で聴けるサブスクがあるからいいや、とそのリマスタCDもさっさと売却。しかし、サブスクの『Trio』も、リマスタ版に差し替えられていることを後で知る。

今さら元のCDを中古で探すのもなぁ、と保留状態だった。そこへマイ・アナログ・ブーム。中古LPで手に入れましたの。このジャケット、CDサイズだとごちゃごちゃして見えましたが、レコードだと見栄えがして楽しいね。
さて、音の質感のほうは・・・レコードもけっこう高域きつめなんですね。CDのリマスタは、原盤に忠実だったわけかぁ。『Trio 2』が1990年代録音とあって、微妙な音質の違いのためリマスタに期待したものだったが、、。

それと古い盤のせいか、ヴォーカルのサ行がノイジー。この問題はネットでもよくやり取りされているようで、自分も参考に針圧を変えるなどして若干の改善がみられたが、内周の終曲が音割れしたりと、なかなか厄介。最近購入の180g重量LPは、気になる箇所は無かったけどね。この点を除けば、豊かな鳴りに満足。クラリネットなどスコーンと脳天を抜けます。

先に出会った『Trio 2』のほうが、内容的にあっさり目。といってもこちらの『Trio』がコテコテのカントリーかというと、一貫して3人のハーモニーを中心に、抑制のきいたアコースティック伴奏でフィドル、ドブロなどゆったりとオブリガートを聴かせる。『Trio 2』のほうはLP生産してないんじゃないかなぁ。

▼I've Had Enough
https://youtu.be/GDV97h7kcOo
2020/06/21

LP「Like Someone In Love」

20200620

プレーヤーの買い替えに合わせて、フォノイコライザーも新たに外付けた。一瞬、音の違いが分からなかったが、プレーヤー内臓のものよりギスギスさが取れて、更にアナログらしい厚みが出た。
他にスプレーやブラシなどアクセサリー類も取り寄せて、なんやかんやと初期費用がかかる。いつの間に、古いLPの外袋も随分傷んで、この際、内袋と一緒に交換したりと。

2010年代に入って、CDの音もようやく落ち着いてきたように捉えていたが、2020年を境に自分はアナログ転向しそうだ。
尤も、アナログのカタログはCDに比べてかなり限られる。なので敢えて厳選する機会にすればと思う。アナログを出してくれていないならサブスクで聴くよ、と。

エラ・フィッツジェラルドの最近発売のLPで、2000円程度のものを数点購入。『Like Someone In Love』(1958)は、全編艶やかでしっとりしたバラードが堪能できる。これ、かつて最新マスタリングのSACDを購入して失敗。音がキツくて耐え難く売却。実に4度目の購入で落ち着いた。
スタン・ゲッツのオブリガートが効き、フランク・デュボワのオーケストラ編曲が囁くよう。(5)「Close Your Eyes」は、先にドリス・デイ&アンドレ・プレヴィンで馴染んでいて、あまりの解釈違いに驚いたものだった。
録音点数が多数ある彼女、とりわけ麗しい香気を楽しめるのは本作と、ジョニー・マーサー・ソングブックあたりじゃないでしょうか。
2020/06/19

よみがえるスパイ

20200619

どうしよう、アナログ盤が楽し過ぎるワ。アナログ脳へ完全にシフトしてしまいそう。たっぷりとしたスペーシャスな音の印象は一日経っても変わらない。
すっかり放置してしまっていたカーリー・サイモンの1979年アルバム『スパイ』は、昔何処かの中古屋でレンタルアップ品を安く気まぐれで買ったらしい。えらく経年シミが付いてしまっている。裏ジャケにはレンタルシール、盤のラベルには見本盤のハンコが押してある。そんな使い擦り切れたようなLPが、リイシューCDよりも遥かに音が良いのだ。

アリフ・マーディンがプロデュースした本作、ロック&フュージョンの趣向で、ぼくは長らく売れ線狙いのムードに流されたような、やや弱い楽曲群だと思っていた。数曲の彼女自身のペンによるバラードが、彼女らしくていいね、と。アルバム全体を好んではいなかった。
その原因がやっと分かった。レコードのほうが断然ドラミングがイキイキしてるのだ。CDではタムがこんなにドコドコ鳴ってなかったぞ。CDではまるでカチコチの団子状態で、こんなに左右の振りは感じなかった。
もちろん他の楽器も、エレピもビブラフォンも前に出る出る。音の遊びがこんなに詰まったアルバムだったなんて! さすがは名うてのミュージシャンのセッションだ(ジェイムスの声もチラホラ現れます)。

特にこの作品だけ、最もCD化が遅れたのを憶えてる。しかもとりわけCDの音が悪いとくれば、何かマスター音源に不都合でもあったんじゃなかろうか?と今になれば疑うほどだ。当のアーティストは、本来の生々しさを知っている筈で、どんな想いなのだろう?

▼(2)Just Like You Do
https://youtu.be/TlpqL5Ju9P8
2020/06/18

優しさと、広がりと

20200617(1)

つい先日まで、(今さらレコードなんて…)と面倒臭がってたのに、いざ再び聴き出すと欲が出てきた。もっと熟考してから機種選定すべきだが、賃貸暮らしの制約もあり、どのみちたいそうなモノなど置けない、という割り切りから、ババッと即断してしまえた。
その買い替えのプレーヤーは、宅配便の兄貴が軽々と脇に抱えてやって来るほどの軽量。オーディオ界の古株なら、手を出さないんじゃないか。
ぼく自身、当初この機種の蓋に難色。ネットレビューでカセットコンロみたいだと揶揄されていた通り、違和感あった。が、いざ入手した以上、メーカーさんは蓋のコストカットしたぶん、実機そのものに注力したに違いないと受け取っている。実際、スリムでスマートだし、埃の侵入が気になるなら、OA機器用のカバーでも蓋の上からかければ良い。

前もって取り寄せておいた45×45㎝の安価なサイドテーブルをプレーヤー台として設置。和室で座椅子に合わせた低めのセッティングをしているため、この台がスピーカーより低い位置が条件だった。

▼プレーヤーの蓋がジャケット・スタンドに
20200617(2)

早速、例のジューン・テイバーの180gのレコードをかけてみた。手持ちレコードでは最新録音。先にCDで親しんでいたアルバムであり、従来のレコード・プレーヤー再生ではCDより平坦で物足りない音質だったのだ。
・・・・おぉ、いいですね。かなりいい。ヴォーカルが輪郭を浮き立たせつつ、ふくよかに変貌。買い替えてもエントリー機どまりだが、数万足せばこれだけ音が変わる。
なんか、CDより音いいなぁ。買い立てだから、そう思い込みたいのか。デジタル・メディアより優しくたっぷりしていて、それだけ広がりも大きく感じる。
古いレコードも幾つか試したが、やはり全体に質が上がった。

再生後のトーンアームのリフトアップだけは、先の機種より不便にはなったが、オートリターンでは無くなっただけの事で再生終了を検知してリフトアップ&ストップしてくれるだけで充分。
それにしても、この音の新鮮さよ。少し大袈裟だが、今までの人生なんだったのか、と。
2020/06/16

ムスタキとレジスタンスを歌う

20200615
FUJIFILM X-T30 XF56mmF1.2 R 2020.06

レコードプレーヤーの買い替えにあたり国内各メーカーのサイトを参考にしていたところ、レコード技術の歴史に懐かしい記述を見つけた。
4chステレオ。1970年頃、ブームにはならなかった録音方式。うちの実家の2台目のレコードプレーヤーがこれでした。パイオニア製の家具調システムコンポでリアスピーカー合わせて4台。格子が入ってました。
実際に4ch方式のレコードでは、青江三奈のディスクが家にあった。今でいうサラウンド音響がレコード針で体感出来たわけです。どんな聴感だったかはもう忘れてしまったけれど。
ぼくが物心ついた頃には、すっかり廃れていわゆる通常の2ch録音盤しか巷では扱われなくなっていたかと。他のカタログでは誰が出ていたのでしょう?
4chのレコード針は高価で、オーディオに詳しくないうちの親が、替え針をいつまでも純正品で馴染みの電気屋から購入しているのにぼくが気付いて、"2ch針で充分なんやで"と教えてあげて以来、半分以下のコストで済むようになった。…のを思い出す。
結局、リアスピーカーが余ってしまったので、2chレコードを4chモードにあえて切り換えて、リアにも音を飛ばして4台に増幅させて再生を楽しんだりしていましたね。



カタルーニャのSSW、マリナ・ルセイユ(かつて購入先の国内メーカー表記はマリーナ・ロセールになっていましたが、別メーカーが正しくはマリナ・ルセイユだと念押ししていました)の新譜が昨年暮れに出ているのをDeezerで知り、早速聴いてみた。

アルバムのタイトルにある通り、過去に発表してきた2作のジョルジュ・ムスタキ集と、さらにその後に出たレジスタンスの歌集からダイジェストで選曲された新録モノのようです。
実際に親交のあったムスタキのカヴァー集は好評を博したようで第2弾、さらにライヴ・アルバムも出ていた。ぼくも彼女の歌うムスタキにすっかり惚れ込んでいたものだった。ただ、その後のレジスタンス集が、ちょっと音楽的には軍歌をえんえん聴かされるようで辛かったので、しばらく彼女から離れていた。

今作はオリジナル・アルバムとしてがっつり向き合って聴くには、部分的に音程が甘い箇所が度々あり、恐らくスタジオライヴでの一発録りではないかと。近年の活動を総括するコンセプトなのかもしれないが、アイテムとしては詰めが甘い印象。が、巻き舌の発音語圏のアーティストを久々に味わった。「リリー・マルレーン」収録。
2020/06/14

LP「Babes In The Wood」

20200613

メアリー・ブラックの1991年アルバム『Babes In The Wood』は、発売当時CDにて求めましたが、ほどなくこのLPも購入した憶えがあります。場所は大阪アメ村か京都河原町のカントリー専門店のどちらでだったか。

タイトルデザインが、国内キング盤では変更されていますね。今でも、洋盤の国内仕様にあたり、そういった改変があったりするものなのでしょうか?
LPでは10曲収録、輸入CDでは全12曲、さらに国内盤は、エミルー・ハリス、ドロレス・ケーンと斉唱したボーナス・トラックが追加された13曲収録となっています。輸入CDも持ってるので、何故かこのアルバムについては3種も所有していることになりますね。
今回、久々にLPで聴いてみて、10曲目「Might As Well Be a Slave」のこのマイナー・キーのアップテンポでの幕切れも呆気なくて良いな、と思った。

LPレコードのリスニングをヘッドフォンからPCミニ・スピーカー、さらにオーディオ用モニタースピーカーと聴き合わせてみて、やはりレコード・プレーヤーのグレードを上げてみたいと思い、この数日で検討して機種を決めた。
落としどころは、如何せん操作性。音質は上げたい、でもオールマニュアルは嫌、ならばせめて聴き終わった後のオート・リフトアップは欲しい、と条件を絞ったところ、自ずとコレしかないね、と落ち着きました。フォノイコライザーも外付けと使い分けすることにし、おいおいカートリッジの付替えの汎用性も考慮して。
たぶん古いレコード盤の再生に留めるなら、俄かに高望みしなかっただろうと。先日聴いたジューン・テイバーのLPが、モノが良すぎて、現在の再生環境では盤のポテンシャルを引き出せていないのは明らかだった。低音は良く伸びるんだけどね。

ただ今後、レコード購入に積極的になるかといえば、どうかな。近年、サブスクを優先に、ヘビロテするほどに聴き込める作品は、別途CDで求め直していました。
たまたま先日、CD化されていなかったアルバムを妥協したかっこうでLPで入手してみて、結果的にアナログの魅力を再認識できた。このようなパターンか、過去に納得いかなかったリマスターCDの買い直しに限り、細々とレコードを溜め込んでいく、という感じになっていくのではないかな。
2020/06/12

LP「Ashore」

20200611(1)

手持ちレコードプレーヤーのピッチコントロールは、1.4mmのマイナスドライバーを底穴に突っ込んで少し回してみると、だいたいの聴感で合ってる感じになった。まだストロボスコープを使ってチェックしていないので、思い込みの可能性あり。なにせプレーヤー購入から10年以上経って気づくくらいだから。絶対音感絶命したんじゃないか?
ついでに現行のプレーヤーのラインナップを調べたところ、上級機になるほどフルオート機能が無くなるみたいなんだね。マニュアル操作が面倒なぼくには生涯エントリー機がお似合い。ベルト式以外にダイレクトドライブ方式があるのも初めて知った。

レコード興味がぶり返したところで、以前諦めてたアレを手に入れてみたいと実現。ブリティッシュ・トラッド&フォークの女王、ジューン・テイバーの『Ashore』。初出CDは2011年。LPリイシューが2018年。レーベルはTOPIC。
CDでは1枚モノだったが、LPでは2枚組4面構成。横帯でダブルジャケを封印。バストアップにトリミングされてた彼女のポートレートが全身までになっていて迫力があります。
ほどいて開いてみてびっくり。もっとチープな輸入盤らしいペラペラの質感だろうと思ってたら、内袋までしっかりしてる。

20200611(2)

さらに驚いたのがレコード盤が白! カッティングの溝が見えないくらい。きれいですね。ピアノブラック色のプレーヤーと合わせてみたくなる。(ビニールの内袋は別途購入のナガオカ製。)

20200612

肝心の音にももちろん満足。静かな音楽ですが、相当なハイテンションで臨んだシンギングだと思います。多少、音割れするのがどうもプレーヤーの実力に起因するものと思うだけに、今後もこの環境で辛抱できるかどうか思案してしまうところ。
2020/06/10

しびれるピーター(2)

・ジムもようやく営業再開となり、実に2ヶ月ぶりの筋トレ。マスク必須となったため、ランニングマシンは普段から使わないものの、スクワットではさすがに息苦しい。たぶんこの間に退会した人もいるのだろうが、フリーウェイトのスペースは熱心なトレーニーの顔ぶれが戻っている。にわかの自分は急な鍛え直しの揺り返しで早速筋肉痛。

・今年の花粉症状はヒノキの期間がコロナ自粛と重なったためか、楽なほうだった。ただ、例年通り5月が自分にとってピークで、先月は植物園で発症、後日、人権博物館へ行った時も、雑草が多い地域で酷くなった。今日から梅雨入りとのことでやっと落ち着けそう。
ヨーグルトも色々試してきたところ、先日たまたま見つけたメグミルクの目と鼻に効くという商品を買って飲んでみると、目と鼻に効いたかはすぐに分からなかったが、腸の調子が明らかに良い。これは続けられるかも。でも一本100円以上もするから、家庭用ヨーグルト製造器で量産してみることに。アレルギー持ちは試行錯誤の繰り返し。

・再び活用始めたレコードプレーヤー、回転が少々早いことに気づく。CDでも持ってるお気に入りアルバムのLPをかけると、明らかにピッチが高くテンポも速い。マニュアルのトラブルシューティングにはこの解決法が載っていないので、ネットで調べて、プレーヤーの底面に微調整のための穴があると初めて知る。精密ドライバーを調達中だが、この際、徹底したいのでストロボスコープも取り寄せることに。高級プレーヤーだと調整機能がターンテーブルに付いてるそうだね。

20200609

先日サブスク試聴したピーター・アレン『Making Every Moment Count』(1990)も、中古CDで手元に。先日の記事には"'90年代の傑作"と評しましたが、最後作でもあるんだね。'80年代がミュージカル製作に注力したため、アルバム発表数が少なくなったのが今となっては残念だが、インターバルを置いても一貫した良心的な楽曲作りが認められる。(画像はインナーのポートレイト)

全曲ピーターのペンによるもので(共作含む)、シングルカット向きのキャッチーなポップスのメロディ群で、メリサ・マンチェスター、ハリー・コニックJr.とのデュエットも。バラードもオールド・ジャズ風もある。
ピーターのヴォーカルはダンディズムが増した。例えばサルサ調の(6)「See You in the Springtime」など、ヴォイスの淀みないアタックが爽快で、かつての内省的な歌い口とは別人みたいだ。

▼See You in the Springtime(Live)
2020/06/08

ベティ・ライトの1st

20200607
FUJIFILM X-T30 XF56mmF1.2 R 2020.06

去年の夏はエアコンを点けっぱなしにして節約を試みて、お腹が冷えてしまった。確かに従来より電気代は抑えられたが、代わりに止瀉薬を買い求める羽目に。
先週末は冷風扇を初購入。大手はあまり開発していない製品なので、あまり期待せずに卓上用のミニを選んでみた。仕組みはシンプルでタンク水をミストにして吹き飛ばすもの。
近距離でないと効きを実感出来ない程度のもので、さすがにエアコンの代替にはならないが、扇風機より気持ちいいかも。給水トレイに氷を載せておくといい。



先日、中古で入手したピーターの国内CDの帯に、同シリーズのAOR名盤のラインナップが載っていて、ランダムに選んだのがベティ・ライト。名前もジャケも憶えはあったが、当該の盤は代表作のためかDeezerに無く、代わりに初期とみられる初々しいジャケの本作を試聴。

A面はノリよくアップ中心に、そしてB面はスローへと。特に後半のバラード系を聴くあたりにはすっかり彼女の美声とフレージングに惚れていた。
何でも14歳のデビューだそうで、これが初アルバム。国内盤の商品説明にある通り、大人顔負け。シンプルなサザン・ソウルを素直に歌うが、圧倒的だ。
個人的にサザン・ソウルを聴くきっかけになったダン・ペンの歌声も耳の裏でオーバーラップさせたりもした。

▼The Best Girls Don't Always Win
https://youtu.be/bOlNmxH9KZc
2020/06/06

しびれるピーター

20200605
FUJIFILM X-T30 XF56mmF1.2 R 2020.06

Google Discoverは、自分の関心ある話題をAIが集めてニュース表示してくれるのだが、オーディオ製品がどれも桁違いに高価。こないだの真空管ヘッドフォンアンプ購入で、関連サイトをチェックしていたせいで、その手の製品ニュースが続々と。見れば99万円とか、ぼくの真空管アンプの99倍もの値段じゃん、と卒倒しそうになる。
次にたまたま目に留まったのが、ムック誌の付録として近日発売予定のラックスマンの真空管グライコのキット。ハンダ付け要らずで組み立て出来るらしい。安価だし、気になる。
グライコは一応、手持ちのAVアンプに内蔵されているのだが、いちいちTVモニターを点けて調整しないといけないので面倒。新たに共用しているプリアンプと接続すればダイレクトに活用しやすくなりそうだが、、どうしようかねぇ。



これはピーター・アレンのTVトークショー番組出演時の映像。司会女性が『Not The Boy Next Door』のジャケットを持っているので、'80年代でしょう。
このTVスタジオで歌われる「I Could Have Been A Sailor」が絶品なのですわ。ストリングス抜きで、ピーターの歌唱が、より沁みる。カーネギーホールでのライヴ音源とアレンジが近いようですが、彼の立ち姿が見られるせいか、この動画のほうが出来が良いような気がします。
このころの風貌はちょっと脂が乗ってきて日に焼けて何だかケヴィン・コスナーみたいでかっこいい。イケるわ。
2020/06/04

LP「Continental American」

20200603
FUJIFILM X-T30 TTArtisan 50mm f/0.95 2020.05

久しぶりのレコード、鳴らしてみると楽しいわ。音が太くゴリゴリして、時を刻みながら聴く実感が湧く。A面からB面にひっくり返す手間も、幕間のようで、しばしの耳休めになる。
かつては、中古屋巡りもしたものだけれど、元々ハシゴするほど熱心でも無く、体力的にも一日数か所が限界。歩き回るより、検索作業で目が疲れてしまうんです。
今回のように、お目当てのアルバムが決まっている場合、やはりネット即決のほうが話が早い。そのうち何の気なしに掘り出し物を探したい気分の折、カメラを携えて散策がてら訪ね歩いてみよう。でももう、忽然とお店が無くなっていたりするんだよね。

20200604

ピーター・アレンの『Continental American』(1974)も、LP入手。このアルバムはCDリイシューされてたようなんですが、とうに廃盤、やはりプレ値になってる。さすがに手が届かない価格だったので、この際、中古LPに。先の『Taught By Experts』いずれも送料込みで3000円前後くらい。

ライザ・ミネリと離婚した同じ年に発表されたという本作、ブラスを全面的にフィーチャーしたアーシーな感触。足し算のアレンジで、出だしはピーターの淡々としたピアノ弾き語りで始まりつつ、徐々にパートが厚みを増し、大盛り上がりになるトラックが多い。
ハイライト曲は、やはり表題作「Continental American」でしょうか。ラテン的な哀愁を帯びつつ、A+B+Cメロの歌謡曲的な組み立てで、バックハーモニー、ブラス、ストリングスを従えて、メジャー・キーの大団円に。

邦題「愛の告白」で知られるオリビア・ニュートン=ジョンのヒット曲「I Honestly Love You」が作者の歌声で聴ける(Jeff Barryとの共作)。この曲、実はピーター興味で初めてオリビアの歌唱も聴いたのですが、こういう曲がチャートを席捲する時代っていいなぁ。オリビア自身の魅力もあったでしょうが、切々とした歌詞もたまらない。
「Just Ask Me I've Been There」は、初期アルバム『Tenterfield Saddler』が初出の佳曲。リアレンジでは、女性コーラスなど加えライトな仕上がりに。

2020/06/02

LP「Taught By Experts」

20200601

先日から未CD化ゆえLP購入を思案していたピーター・アレンの『Taught By Experts』(1975)を中古入手。レコード買うのは、実に15年ぶりくらい。ジャケ、でかいわ。
すっかり奥に仕舞っていたプレーヤー、埃を払って、まずはヘッドフォンアンプでリスニング。あれ、音が聴こえないや。
・・・針にカバーがかかってたわ。カバーを上げてリスタート。おぉ、チリ音は少々出るものの遜色ないね!

peter20200601

濃厚なメロディ、濃密なサウンドが詰まった秀作。全曲好きで、先日プレ値で入手した次作『I Could Have Been a Sailor』(CD)同様、ヘビロテまっしぐら。
初めて本作を聴いた時は、カヴァー曲「The More I See You」のアップテンポに耳が惹かれたが、ピーター自身のペンによる「Planes」(キャロル・ベイヤー・セイガー共作)など、何とイメージ豊かなこと。フィーチャーされたストリングスが、心なしかサブスクよりもこのアナログのほうが艶やかに響いて聴こえるのだ。

B面1曲目で針飛びが! ゲッ、それは困る。ウチのプレーヤーの問題か? なんとかしなければと、掃除機のノズルを付け替え、盤に直接触れないよう、最強パワーで吸い取り試したところ、解消。ホッ。この「This Time Around」も、アコースティック・ギター・ソロも光る美しい佳品。

終盤の憂いの連続プログラムがまた印象的で、スローなブギ風の表題作で聴いてて取り残されたような気分に陥ったまま、ラストトラックへ。この何とも言えない余韻の寂寥感。歌詞カード封入は無かったので内容把握していない時点だが、奥行きを伴った風景が強く耳奥に残る。こんな素晴らしいSSWを、一部はとうに他人の歌唱で好んで聴いて来ていたのに、逃してしまっていたのだ。

▼A-(5)Planes
https://youtu.be/W2pv16sQ80k