Baby, Let Me Follow You Down

(カーリー・サイモン著『Boys in the Trees: A Memoir』第2部12章~)

ロンドンでのサイモン・シスターズ活動から帰国後、ボブ・ディランが所属するエージェントとの契約~ソロ・デビュー失敗の経緯などが描かれる。

帰国後、カーリーは長女ジョーイのアパートメントに同居する事になる。ジョーイの状況はというと、声楽家としてキャリアを躍進させて、著名指揮者のバースタイン、メータ、カラヤン、オーマンディ、ミュンシュらと仕事しており、彼らがアパートメントに立ち寄ることもあった。
次女ルーシーとカーリーのサイモン・シスターズとしてのその後に関しては、ルーシーのボーイフレンドとの結婚により、自然解散となった。
カーリーはロンドンでのウィリー・ドナルドソンとの破局を引き摺っていたが、ウィリーを介して知り合った人達、写真家マリー・エレン・マーク、コメディアンのデイヴィッド・スタインバーグらとニューヨークで交流した。

1966年のカーリーの誕生日、ボブ・ディラン(これもウィリーのマネジメント経由)から直々に電話で誘いを受け、事務所で初顔合わせし、古いブルースにディラン自身が加筆した「Baby, Let Me Follow You Down」のレコーディングを勧められる。ディランのエネルギーは急騰し、そして目は閉じられ、伝道的に両手を広げ「僕を信じて! 僕を信じて!」と、強く説得を受け彼女は契約。楽曲アレンジのリハーサルのために訪れてきたのはロビー・ロバートソンだった。

しかし、業界は男性社会だった。コロムビアでのレコーディング作業でカーリーはセクシャル・ハラスメントを受け、きっぱり拒絶する態度を取ると、二日目のレコーディングにおいては、プロデューサーが不自然なほどカーリーのヴォーカルを褒めそやすかと思えば、採択されたテイクは、試しに二度低いキーで歌った不本意なものだった。ディランがバイク事故を起こした時期で、レコーディングには、ディランのツアー・メンバーのほとんどが付いたにも関わらず。
その後、カーリーはロビー達と話し合いを持ち、この件を非難し録音トラックはお蔵入りとなった。しかも、別口でリッチー・ヘブンズのヴォーカル録りをし、デュエットとして出すつもりだったらしい。今、そのテープはカーリーの手に握られている。

That's Him!

lincoln料簡が狭いお蔭で、即座に飛びつくディスクは限られてる。ここ数日も、Appleでウロウロと試聴続けてみたが、なかなか。
数年前に中古購入した『女性ジャズ・ヴォーカル入門』(ジャズ批評ブックス)を引っ張り出してランダムに聴いてみた。僕は、どうもジャズの女性ヴォーカルに関しては白人女性になかなか魅かれないみたい。ドリス・デイは好きですけど。

有名シンガーについては、1頁以上の特集記事が組まれており、そのうちアビー・リンカーン(1930-2010)の『That's Him!』(1957)を試聴。これは、瞬間にビリー・ホリデイを想起させる。実際、ホリデイを畏敬していたとか。彼女をダブらせて聴くうち、フレージングの美しさ・力強さに気づく。乾いた音場もグッド。
ドラマーのマックス・ローチと結婚時期があったんですね。パーソネルはマックス他、ケニー・ドーハム(トランペット)、ソニー・ロリンズ(サックス)、ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)。

パゴーヂの魅力

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YouTubeのフル・ライヴ視聴で気に入っていたテレーザ・クリスチーナ&グルーポ・セメンチのライヴCD『オ・ムンド・エ・メウ・ルガール』(2005)(輸入盤)を740円で新品入手。大手通販サイトでスタジオ・ベスト盤との合わせ買い注文だったが、ベスト盤は取り寄せ不可となり自動キャンセル。お詫びに300円割引クーポンくれたよ。

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テレーザの各ベスト盤には、このライヴ盤から数トラックは必ずチョイスされているほどで、自他ともに認めるベスト・ライヴなのだろう。僕も、あれこれ新旧聴き比べたが、これがマスト・アイテムだと思った。もう10年前の作品だが音良いし、内容的にも今聴いても新鮮だ。パゴーヂというジャンルは、このグループで初めて知ったが、楽器のバランスが軽いのが好き。クラリネットのオブリが小粋だ。

sementi現在、テレーザは独立してソロ活動しているが、グルーポ・セメンチのほうは、2014年の1stアルバムが中原仁氏のブログでベスト10に選ばれているのを偶然目にした。メンバーは数名入れ替わっているものの、売れっ子の手練れ達らしく、本国で2015年「Premio da Musica Popular Brasileira」で最優秀サンバ・グループを受賞したという(同氏記述より)。
看板ヴォーカリストは居なくなったが、インストは勿論、持ち回りの歌も巧いし味がある。1曲テレーザもゲスト参加しているが、やや声が荒れたね。

ハートマン&コルトレーン

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去年のAppleお試し期間中に初めて出会ったジョニー・ハートマン(1923 –1983)、CDとして買うなら、まず歌ずくめのベツレヘム・デビュー作の『ソングス・フロム・ザ・ハート』(1955)から、と思っていたが、ヴォーカルと対等にたっぷりサックス・ソロを聴かせるこちらのほうから手に入れた。『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』(1963)(インパルス)。コルトレーンのアルバムとしても、これが初入手となりました。

予想以上に分離の良い音質。乾いた音場にマイルドなインストが直に響く。そして長いイントロの後、ハートマンのジェントルなバリトンが引き継いでいく。
先日から聴いてるフィリップス・ボックスはクラシックが好きというよりフィリップス録音に惚れてるようなものだが、今回も'60年代の空気感に触れてみたかったようなものかな。あと「My One and Only Love」収録のアルバムには弱いんですわ。

他にもハートマンの'60年代録音で、現在廃盤中の『ザ・ヴォイス・ザット・イズ』(1964)(インパルス)を、YouTubeフルで聴いてみたが、序盤は良い雰囲気だったのに、中盤あたりからチャカポコとラテン・パーカッションがフィーチャーされ、イメージと違ってた。これはボッサ・ノーヴァのブームの影響だろうね。ハートマンのヴォーカル自体の実力は不動だが、ややプロデュースに左右される向きがあったんじゃないか。

零戦とインド雁

underbri"捨てる"と"捨てられる"をテーマにしたという中島みゆき『夜会「橋の下のアルカディア」』の劇場版を鑑賞しました。この作品の公演は東京のみだったので、映画館上映は有難い。家庭用ビデオ商品は既に発売されているが、いい値段するからね。共演には中村中、石田匠。

なんばパークスでの鑑賞だったが、音がキンキンして聴きづらかったね。歌詞は辛うじて聴き取れたが全曲新曲だけに、テロップ無しでこの音響はきつい。

以下、ストーリー紹介省略し、メモ的に感想を。
過去作に比べてもセリフをほとんど排し、楽曲でストーリーを紡いでいく。音楽的にはあまり魅力を感じなかったが、洪水を防ぐため橋の下に埋められ生贄にされる人柱の女(みゆき)が、飼い猫に別れを告げるシーンでは、わたくし閑散とした客席をいいことに人知れず号泣。上映後、無性に我が飼い猫に会いたくなりました。

驚愕ラスト、地下壕の町に突然現れるのは、戦を逃れ隠遁していた軍人が遺した巨大な零戦。生まれ変わりの女と猫は、ダストボックスごと翼に拾われ、飛びたつ。
頭の中でキーワードがぐるぐる回る。「生き恥」「レッテル貼り」「自己犠牲」「後悔」・・・どの曲かで"人が嵐をつくる"という歌詞がなかった?・・・
これは過去作『2/2』の「幸せになりなさい」に通ずるものを感じる。今回はさらに根源的な、生態系をも含んだ命の尊さが転生に譬えて謳われているように感じた。零戦のシーンで歌われる楽曲「India Goose」は、タイトルが歌詞中に現れないが、エベレストを越える渡り鳥、インド雁のことらしい。「戻る場所はもうない」・・・そう、帰らず生きながらえよう。

サローキ・アーギ(2)

agi2ハンガリー人の名前って、日本人と同様、姓と名の順なんだってね。先日から少しずつ試聴している彼女、アーギちゃんの前作『Orome az egnek, unnepe a foldnek 天の喜び、地の祝福』(2012)(ビーンズ/アオラ)も聴いてみました。

1曲バッハを除き、すべてハンガリーのクリスマス・ソングだそう。先に聴いた新作『Korforgas ひとめぐり~歌とおはなし』が詩人の詩に音楽を付けた趣向で、ユニークながらスポークン的な要素もあったので、こちらは歌い継がれた素朴なメロディが存分に味わえるだけに、こっちから買おうかしら、と思案するところ。

やや線は細いが安定したヴォーカルで、天真爛漫な明るい普遍的な歌い口だが、ジプシー系やトラッド的な曲調では、スイッチが切り替わったように、細かなメリスマがかかる。それが何とも自然な土壌で培われた感じだ。管アンサンブルのハーモニー挿入の雰囲気もいい。
これより過去の作品では、本格的ジャズ・バンドのスタイルで等身大の女性らしい表情も堪能できるが、僕としてはここ2作の家庭的な子供目線の素材に、彼女の持つ音楽性が霊感的に伝わってくるように感じる。

爽快な女性カントリー

ゆうべの報道ステーションで、建て替えられる宮益坂ビルディングの特集をやってて、思わず見入ってしまった。先日、移転のため閉店となったエル・スールが入ってたところだ。なんと全国初の分譲アパートで、当時は憧れの的だったそうですね。僕は10年程前、オマーラのコンサート目的で東京へ飛んだついでに、一度だけ立ち寄ったのだが、一等地だろうにレトロなビルだなぁ、とは思っていた。既に閑散としていた印象だったね。

エル・スールはあまり自分には縁が無かったようで、今でもチェックしている周辺ブログは蒲田氏だけ。よりによってディスク情報がほとんど得られないという。氏の場合、著作が出ているだけに(読んでないけど)、信頼して読めるのは大きい。何より意見相違以上に読み物として成り立っているから楽しい。諺もスラスラ出てくるね。
氏がいつだか、ワールド・ミュージックに精通しているのは店長だけで、以外は大した事ないように書いてたけど、それには僕も何となく同感。他は目立ちたがり屋の小物に見える。どこまでが関係者のメンツか把握はしていないけどね。個人的にケルト系で参考にしている松山氏も造詣が深いと思うが。

先日行われたグラミーのサイトで受賞一覧を覗いてみて、ランダムにAppleで試してみたが、どれもピンとこない。アカデミーなど映画のほうがまだ、プロットがあるだけに業界のムードが理解できるのだが。
案外、受賞こそ逃したもののノミネート者のほうが好きかもしれない、と試聴してみたリー・アン・ウォーマックは、当該作品こそまだラインナップされていなかったが、2004年に出たベスト盤が、一通り聴いただけで納得する爽快なカントリー。アメリカに在住していた日本人の記述では、デビュー当初はスーパーやドラッグ・ストアのデモ・ライヴに始まり、瞬く間にヒット・メイカーに昇りつめたらしい。

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レジスタンスの歌

短期間に105枚ものクラCDを手に入れてしまって、それらを詰めて聴いてるうちにAppleの契約が切れてしまってた。契約延長して、しばらくはポピュラー試聴巡りの予定。
今年は、さんざん試聴した結果、年末にベスト10枚キリでポピュラーCDを纏めて買う、というやり方にしようかな。その間リマスタの買換えは随時ありますが。

marina2015Appleでマリーナ・ロセール(マリナ・ルセイユ)の2015年新作が発表されたのを知った。僕は2007年作品以降ずっと好きで新作が出るたび買ってきた。マメに公式サイトをチェックしているつもりだが今回は不覚。日本に彼女のファンは10人もいるだろうか。一応、国内ワールド系レーベルからも幾つか発売されてるんですけどね。

このカタルーニャ語で歌うSSW、マリーナはトラッド&フォーク系を基調とした小編成のアコースティック・バンドを率いた簡素なサウンドを聴かせる。彼女ももう60歳を越えたが、真っ直ぐとした清廉なヴォーカルは不変で衰えることがない。大抵のポピュラー歌手はマイクを意識して、前傾姿勢で歌いがちだが、彼女は姿勢が良いため発声に無理が無いのか、それとも素質なのか。

新作は『Cancons De La Resistencia』として、各国のレジスタンスの歌をカタルーニャ語で歌うコンセプトのようだ。1曲目だけは僕も知ってる「リリー・マルレーン」は、現在、彼女の公式サイトでも試聴できる。さすがに内容的に強固な意志や、不穏な事態を告げる雰囲気が伝わってきて、全体のトーンとしては、やや息苦しい。前作・前々作のジョルジュ・ムスタキ集が、あまりに穏やかで美しい旋律集だったため、落差を感じてしまうね。

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先日の交換CDの件、業者から届いて無事再生確認。反対に、こちらから送った不良CDは、同じデノンのプレーヤーで正しく再生できたそう。うーん。今後、同様の事象に陥るようならメーカーにメンテ依頼すべきかな。
最近、クラシックのボックス系アイテムをリサーチしていたのだが、買って一か月後以降に音飛びに気付いて交換要望却下などといったレビューがちょこちょこあるね。半年かかってやっと聴き通したとか。確かに入手したとたん普段の年間購入枚数を軽く超えるからね。
交換が発生した同商品のレビューでは、こういうのも。悪例として引用したつもりは無いのだが、この人からみれば僕は、音飛びにうるさい、業者にしつこく食い下がるうるさいユーザーだろうな。にしても、これではロック&ポップスのファンは音飛びなど気にしない大雑把な耳しか持っていないように思われてしまいそう。

交換が生じたお蔭で、当該ディスクには再生確認をふまえてリピートするうち、愛着のある盤の一つとなった。モーツァルト:『グラン・パルティータK361』『セレナード第11番K.375』~デ・ワールト&オランダ管楽アンサンブル〔1968&1969年録音〕。
こういう形態の曲もあったんだね。これが管楽器の倍音の気持ち良さなのか、複数の音色が一束になって、スピーカーからピュア・ダイレクトに飛んでくる。その旋律のあいだに漂う隙間が、また心地良い。
編成を調べたところ、前半曲がオーボエ2、クラリネット2、バセットホルン2、ホルン4、ファゴット2、コントラバスの十三重奏。後半曲がオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット各2の八重奏。

granpar

動画リンク貼付けの件

前回記事に示した通り、動画等試聴リンク一切の取扱いを止めることにしました。過去記事をチェックすると、かなりの確率でリンク切れを起こしていて、たまに気づけばメンテするようにしていますが、とても追いつかないのですわ。固定読者さんなら、更新の最新記事のみマメに追っていただければ問題ないでしょうが、日々、検索による一見さんのほうが上回ることを考えると、リンク貼り付け多用したツギハギの記事は、いずれ真っ白な穴ぼこスペースの残骸の運命を辿るばかりです。
アーティスト公式の動画については、まず権利上の信頼性がありますから扱う余地はあります。が、これについてもチャンネル登録すれば、いち早く最新映像が手元に通知されるわけで、わざわざブロガーが「観れますよ」と、タイムラグを置いて読者さんに知らせ直す意味があるだろうか?と。結局、記事にはオリジナルなものしか確実に残せない。つまり本人によるテキストのこと。文章が拙くても、データ残存の信頼性が高いのは、他ならぬ自身が手掛けた実質的なパーツのみということになる。
ブロガーしか扱えない情報の入手経路や技術があれば強力ですが、私は自分が何かを強く感じた時点で書くことしか出来ない。ブログ・タイトルの所以ですね。リテラシーは、読者さんのほうが勝るでしょう。
それでも、もしこちらで得た情報を何らか他方で活かされるなら、紹介は結構ですから、最低限「よそのブログで知った」という事だけでも触れて頂ければ幸いに存じます。

10年経ったか(2)

なんとなく、昔書いた記事をランダムに読み返してみた。さすがに10年もやれば書き方も変わってくるもので(いや、ある時点で強く意識したのか)、文末に(笑)を付けることが一切無くなった。当初はもっと読み手に対してご機嫌伺いのような、見知らぬ人への様子見を込めて、嫌われぬよう"表情"を付けていたのだ。もともと絵文字は一切使わなかったが、最近では(笑)は嘲笑を意味する傾向もあるとか? ならば紛らわしいだけだから遣わなくなって正解だ。

そうそう、コメント受付を承認制に変更したのは、映画ブログ時代のプチ炎上がきっかけ。当時、夜遅くに帰宅してみれば、昨日アップした記事に何十ものコメントが寄せられており、みんな遠慮無く好き勝手に投稿して、管理人無視のフォーラム状態になっていた。書きたいだけ書いてスッとしたのか「それでは、私はこれからお台所に立ちますので」と如何にも主婦然とした気儘な切り上げに呆気にとられたものだった。
ただ、あの頃は皆慣れていなかったのもあるね、ブログというものに。僕が"自分語りタイプ"を明らかに嫌うようになったのは、この件からで、自己紹介とは異なる向きの人が存在することを悟ったのだった。いずれも直接会ったことも無い人だから、断定しかねるものの、改行が無く、ギチギチに詰まった文章を書く人には、妙なお方が多い。

10年前、同時期にブログを立ち上げた、ある映画ファンのブログを久々に覗いてみた。彼女も開始当時、ご自分の状況が芳しく無く、その頃に出会った作品に励まされてきた事など、感慨深く綴られていた。そこへ例の、ウチで暴れていった問題コメンターが祝辞コメントを寄せていた。ウチ以外のブロガーともやり合って迷惑をかけ、やがて次々ブログが閉鎖され、頼る当てが地道に続けた優しい彼女のところだったのだろう。コメント投稿は、改行をつかい幾分読みやすくなったものの、やはりご自分の身辺の吐露が多い。ブロガーは体のいい無償カウンセラーでは無いというのに。相当なご年配の筈だが、何故ご自身でブログをやらないのか、他所でのコメントを見つけたとき、呆れた。"だって、変なコメントを付けられて荒れたら面倒ですもの"。・・・

今も昔も変わらず大好きなカーリー・サイモン、10年前も今と全然変わらぬミーハーな紹介をしているのに我ながら苦笑。まだYouTubeが始まったばかりの頃だったようで、寄せられたある穏やかなコメントには、「お若いのにカーリーを聴かれるとは。彼女、いつのまにか随分垢抜けましたね。曲が無料で聴けるなんて驚きです」。
そう! まだ、そんな頃だったのだ。今や無料試聴が氾濫する時代。ブロガーは何も、先んじて紹介するまでも無く、皆、自分で聴きたいものを探し当ててる。僕が提供するのは、ほんの僅かなキーワードだけでいい。お互い、使いこなせるイイ大人なのだから!

サローキ・アーギ

agiミュージック・マガジン2016年1月号ベスト・アルバム記事よりワールド・ミュージック第9位のサローキ・アーギ『ひとめぐり~歌とおはなし』(ビーンズ/アオラ)をAppleで試聴してみました。

2015年5月に初来日してたみたいですね。記事によれば【ベシュ・オ・ドロムなどで活動してきたハンガリー人女性歌手が、同国詩人の詩に曲をつけた作品】とのこと。
全14曲で、1曲目だけ聴いた段階では、なんとも把握しかねたが、メドレーのように続く多彩な音楽性の展開に、独自の世界が広がるようで、徐々にユニークさに気付いていった。いってみればトラッド&フォークの素地にジャズ要素が交わった感じかな。子供向け、といっても、実際、これほど頭の柔らかいセンス良いお伽噺はそうそう聴けないだろう。

ボックスの上蓋

ちょっ・・・、買ったばかりなのに、もうボックスの蓋の継ぎ目が裂け始めてる。開閉を繰り返しただけで駄目なんだね。

▼PHILIPS第1弾ボックス
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▼数年前に入手したDecca Soundも、内側に留めてあるガムテープがすぐベロ~ンと剥がれちゃう。もともと限定盤だったけど、最近再発売した際に、蓋の仕様を変えたようです。
brokendecca

▼発売されたばかりのPHILIPS第2弾の仕様は以下の通り。取り出しがラクですが、やはりマメに閉じておいたほうが良さげです。
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ボックス買いはこれで一段落、としたいところですが、グラモフォンだけは買っておきたく。"111"シリーズのほうじゃなくていいので、せめて50枚組の"ORIGINALS"だけでも。

クリップスのモーツァルト

『フィリップス・クラシックス・ザ・ステレオ・イヤーズ』を足湯しながら鑑賞中。古びたポットでお湯を注ぎ足しながら。
CD31は、ヨゼフ・クリップス(指揮)& ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のモーツァルト交響曲集から。

krips

このモーツァルトが一番好きだな。今まで聴いてきたもの(沢山聴いてないけど)は、陰影がきつかったり、もっと重厚だったような。強弱のバランスが理想的で、ゆったりしたテンポが優美なさまを伝えてくれる。これが標準なのではないか、と素直に感じさせる名演だ。1972-73年、アムステルダム録音。
クリップスを聴くのはこれが初めてで、モーツァルトの後期交響曲全集の評判が良いのは知っていたが、気になっては後回しにし続けてきた。これは全曲揃えたくなる。またタワレコさんが、限定でしっかりリイシューしてるんだわ。困ったもんだ。

プレーヤーとの相性

先日のフィリップス・ボックスのディスク・エラーの件、Amazonを介して取引されている個人業者とメールやり取りし、先方から「他のプレーヤーでも試されましたか」と訊かれたので、PCで確認したところ、問題無く再生できた・・・。
過去にビング・クロスビーのCDがデッキ、PCともに不具合が出て、海外から再度送付されてきたものが、また不具合ときて、3度目にして正常だった件があったが、今回は一方で再生可能なら、客観的には正常ディスクということか? こんなこともあるんだね。先方にあるサンプルでは正常で、製造番号も近しいから同じロットなのだろう。

こちらの動作確認を偽って、PCでも駄目だったと言い通して、ごり押しで交換させる術もあるだろうが、事象パターンを先方に把握してもらうべきなので、正直に伝えたところ、「一度きりの交換で、再生不能であれば、プレーヤーとの相性の問題ということで妥協して下さい」と。これは良心的な対応と汲むべきなのだろう。
最悪、PCにリッピングしたデータをCD-Rに焼き直したものをデッキで再生すれば、音飛びは解消できるが、それってCD本体を入手しておきながらダビングして聴くことになる訳で、なんだかな、って。

先方さんは僕がSACDプレーヤーのユーザーであることを知り、嬉しくなったらしく、急にくだけた文面で、各メーカーの話題など教えてくれたり。こちらは、一枚だけかからないのが手元にあるのがもどかしく、とにかく早急に送ってくれと伝えた。
問題のディスクはPCで再生すると、いい曲なんだよね(モーツァルト)。ボックスセットには、たまにこうした瑕疵が出るもんなんですかね。いや、いずれかの方法で必ずかかるって?

フィリップス・ボックス 第2弾

既にデッカに合併吸収されたレーベル、フィリップスの昨日発売されたばかりのボックス第2弾が到着。『フィリップス・クラシックス・ザ・ステレオ・イヤーズ(50CD)』(2016)。短期間でのボックス連続購入は初めて。先のディスク・エラーの件があるので、早く聴き通さないと。

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アナログ期ステレオ録音メイン。有名曲率は、先の『Philips Original Jackets Collection』より下がると思うが、ボックスは未聴曲をついでに知る良い機会だ。繰り返すようだが、やっぱり音がいい。技術的に何が他社とは違うんだろう。緊密で、しなやかな音響。10数年前、オランダ旅行した際、コンセルトヘボウを聴きに行っておくべきだった。でもあの頃は、このレーベルにもクラシックにも関心無かったんだよね。それにしても、アイントホーフェンのフィリップスの看板ずくしには驚いた。ネオンはあのロゴ・マークで輝き、泊まってみた4つ星ホテルも、電化製品すべてフィリップスで高級感があった。

只今、Disc2はエリー・アーメリング。一連のボックスで初めて聴いたが、とても聴きやすいソプラノで、今までの自分のソプラノ嫌いを覆してくれました。優しく滑らかなクリスタルの美声で、声質は音楽性の一部でもあるんだな、とあらためて認識。うっとりします。

エルガーに落涙

ボックスセット『Philips Original Jackets Collection』は、熱心なクラシック・ファンでなくとも予想以上に楽しいプログラムだった。とにかく録音がいいんだよ。クラシックでSACDじゃなく、通常CDでも納得できるのはフィリップスだけかな、と、ほとんどフィリップス信者になりかけたその時、ラスト目前の54枚目で、ついに音飛び発生。交換問合せしているとこだが、対応してくれるだろうか。

最終55枚目の演目は、悲劇的な旋律が耳から離れない、エルガーの『チェロ協奏曲』。 この曲は、EMI録音で有名なデュ・プレ&バルビローリのSACDを持っているが、このフィリップスのジュリアン・ロイド・ウェッバー&メニューインのほうに気持ちが持っていかれた。まるで荒れた土地に、独り立ち尽くし、足元の地割れを見つめる、そんなシチュエーションにいるかのようだった。救いがないが美しい旋律に、一縷の望みを繋ぐ何かを見たくなる。

シューマン、唯一のピアノ協奏曲

先日入手のボックスセット『Philips Original Jackets Collection』のリスニング・マラソンは、残すところあと20枚。万一ディスク不良が見つかった時のために、早目に聴いておかないといけないから大変。このボックス、米Amazonでは、さらに5000円くらい安く売っているのを後で見つけてしまい舌打ちしたが、ボックスを海外から取り寄せる発想が無かった。返品になった際、ややこしそうだし。

クラシックの詰め合わせボックスセットでは、他に『デッカ・サウンド』を所有するが、自分はフィリップスのほうが音質相性良く、闇鍋セレクションでも全く聴き疲れしない。他にもグラモフォンや、リヴィング・ステレオ、マーキュリーなど手を出したくなるけど、コスパは良いが置き場所のことを考えると慎重になる。

davisstephen

一通り聴く中で、既にお気に入りが何枚も現れたが、中でもコリン・デイヴィス&BBC響、スティーヴン・コヴァセヴィチ(ビショップ)のピアノによる、シューマンの『ピアノ協奏曲イ短調』には思わず、乍ら聴きの手が止まり聴き入ってしまった。
これ、グリーグの同名異曲とカップリング収録されることが多いらしいね。他にリヒテルのSACDでも持ってるが、コヴァセヴィチ盤のほうには指揮者とピアニストとの緊密さから、繊細さが伝わってくるようだ(ジャケ通り?)。

シューマンの旋律と楽章構成が好きだ。編曲については、とかく指摘されがちだが。子供の頃、地元のピアノ教師に"シューマンが好きだなんて、気ちがいや"と悪い冗談言われたが、シューマンの苦悩と探究心は、けして伝わりづらいものでは無い筈。

ドン、女癖の秘密

何年ぶりだろう、米AMCドラマ『マッドメン』のシーズン6がやっと国内発売され、1巻をレンタル鑑賞。海外ドラマの国内TV放送は、最終シーズンまで放送されることなく、プッツリ途切れてしまう事があるが、本作も同じ運命を辿った。大抵、視聴率は下がり、放送の要望も少ないからなのだろうが、この作品に限ってはテンションが下がらない。シーズン6まで観る気になれたのは初めてじゃないかな。
51CUCHQeYAL__AA160_.jpg1960年代、ニューヨークのやり手広告マン、ドン(ジョン・ハム)が主人公。ドンは過去に朝鮮戦争で、爆死した上官に成りすまして除隊・帰還して、人生をやり直して暮らしているのだ。
克明な風俗・文化・偏見の描写が日常のように活き活きと、スモーキーに描かれる(実際、タバコのシーンが多い)。毎回、筋書きがそれほど無いようでも、ラストにはしっかりオチがあり、一体どういう発想で脚本を書くのか、秘密を知りたいくらいだ。
今シーズン、ドンは相変わらずのプレイボーイぶりだが、フラッシュバックで子供時代に売春宿に引き取られ、毎晩のように大人たちのセックスを目にしてきた体験が明かされる。普通の男の浮気癖と違い、強迫観念を抱えているのではないだろうか。
本国ではシーズン7で完結、既にボックスセットも発売中だが、日本ではどうか。仮に発売されても、ポニキャニ版では英語字幕が端折られそうだね。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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