壁掛けの影絵

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Songs from the trees

memoircd鋭意、我流で邦訳中のカーリー・サイモンの自叙伝、これに合わせて発売された編集盤2CD『Songs from the trees』が、ようやく届いた。これは、既出の各オリジナル盤より選曲されたもので、当然僕は持ってる内容ばかりなので、当初はKindle本だけ求めるつもりだった。が、米Amazonサイトに2015年最新リマスターと付記されていて、カーリーのTwitterでもファンからの問い合わせに「Yes」と答えていたので、やはり入手することにした。

リマスターについては、特にカーリーについては、ほぼ引退同然ということもあり、出してくれるなら追従するつもり。同様に好きなメアリー・ブラックより、エンジニアへの期待は大きい。実際、耳当たりの良い、圧迫感の無い柔らかなバランスだ。特に'80年代アルバム『ハロー・ビッグマン』、『カミング・アラウンド・アゲイン』収録曲は、音のレンジが広くなった。
今回の選曲は、自伝のストーリーに沿っているため、コンピレーションといってもベスト盤の選曲とは質が異なる。そのため、過去の種々のベスト盤とのダブリ曲は少ない。
CDも自伝のカヴァー・デザインと合わせられていて、印刷本を買わなかった自分には嬉しい。ボーナス・トラックに'70年代の未発表曲1曲、「Showdown」は、アリフ・マーディンのプロデュース時代の録音に、新たに追加録音したものだが、当時のフュージョンっぽいサウンドに、お蔵入りとは思えないキャッチーなメロディ。さらに、新曲「I Can't Thank You Enough」が入っているが、さすがにお婆ちゃん声になっていますね。それでも、息子ベン・テイラーとのデュオで力強く歌い上げています。

ブックレットのSpecial Thanksには、故マイケル・ブレッカーの名も。唯一人、文字色を変えた名前に、20年間、2番目の夫だったジム・ハートが末尾に添えられた。

第九の代わりに

今年、国内タワレコ限定で初SACD化された、アンドレ・クリュイタンス&BPOのベートーヴェン交響曲全集が好評だったようで、来年1月にクリュイタンスの続編SACD化が決定。早速予約しました。ラインナップは『ロシア管弦楽曲集~リムスキー=コルサコフ: スペイン奇想曲; ボロディン: だったん人の踊り; ムソルグスキー: はげ山の一夜, 他』と、『ベルリオーズ: 幻想交響曲, 序曲「ローマの謝肉祭」; ラヴェル: ラ・ヴァルス』の2枚。

時節柄、第九を聴こうかと思ったが、どうも気が進まず、フォーレの『レクイエム』を流したら、今の気分に合っていた。合唱付きの作品には、あまり活気ある起伏を求めたくないので、こうした鎮めたようなクライマックス感が年またぎには、しっくりくる。

▼フォーレ『レクィエム』 クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団
faure

歴史的名盤になっているが、現代においては精緻な演奏も多く聴かれるためか、ソリストや合唱の精度についての不満も散見されるが、本質的な楽曲の良さはダイレクトに伝わる。この盤、数年前にシングルレイヤーで再発売されたが、39分で4000円は高過ぎて手が出なかった。唯一、逃してしまったクリュイタンスのSACD盤である。

After The Storm

カーリー・サイモンの自伝、先が知りたくて第一部7章から8章を一気読み。これで約4分の1読了。
carlypic母親の浮気相手、当時シッターとして雇っていたロニーは軍隊から帰国して、サイモン家を何度も訪れるんですね。そうして母親の計らいで、彼をゲストルームに住まわせるようになる。
カーリーはもちろん、彼の事が嫌いだが、上の二人の姉に対して、自分だけ冷たい態度のロニーに、女性としてのコンプレックスを抱くところが思春期ならではだ。

ある夏休み、母がクラスメートのノラを連れてきた。一緒に遊んで泊まっていいと言われ、カーリーは喜ぶが、それは母がロニーとビーチへ二人きりで出かけるための欺きだと気づく。
使用人以外は誰も居ない広い邸宅をカーリーとノラは探検ごっこをした。そこでロニーが住んでいる3階の古風なゲストルームに忍び込み、軍隊帰りの彼のスーツケースや引き出しをひっくり返す。その中からジョック・ストラップ(局部サポーター)を見つけ出し、ノラは広げてサイズを測り出した。カーリーは拒絶しつつも興奮する。
すると、クローゼットの奥にドアがあるのをカーリーは初めて見つけた。暗闇をくぐり扉を開けると、そこにはダブルベッドが置いてあった・・・。

その日の夕食はビュッフェ形式で、母、ロニー、ノラ、カーリー、そして末っ子ピーターと。父ディックは出張中である。母は父よりも大きな音でレコードをかけ踊る。ミュージカルばりの騒ぎの晩餐に、ノラは驚くが、母「うちは、いつもこうなのよ」と。
夜には嵐。バスルームから上がったカーリーは、蓄音機で「ムーングロウ」をかけながら、姿見に自分のネグリジェ姿を映して自己陶酔する。続いて出てきたノラとダンスを始め妖しいムードに。ノラはボーイフレンドとのセックスを語り始め、彼と同じことをカーリーにする。カーリーも彼女の要求に応え、二人は激しくもつれあう。

dicksimon父ディックは心臓発作を抱え、うつ状態が悪化していた。そこへ共同経営者側の裏切りに遭い、持ち株の売買の強要に「君の奥さんとロニーの浮気を世間に暴露するぞ」と半ば脅迫され、立場を失墜させてしまう。
受付嬢のいない一人きりのフロアに移されながらも、次の事案に奔走する父を、少女カーリーはある日のデパート帰り、迎えに行った。ニューヨーク、グランドセントラル駅からスタンフォードまでの列車の中で、カーリーは父に、母の過ちを問い正そうとした。しかし父は、聖書の言葉を借りながら、うやむやにしてしまった。その時、うつろな父の頭から血が流れ始めカーリーは助けを叫ぶが、上の網棚に置いた冷凍ステーキの血が染み出して落ちてきたのだった。

その後の夜、烈しい感情をピアノにぶつけた父は、真夜中に発作により死去。直前の父が苦悶して降りてきた様子を見ていたという、サイモン家に寄宿していたイスラエル人歌手が、カーリーの母に向かって「あなたが夫を殺した! あなたは売女!」とヴェルディのオペラを引用して演じ、彼女は母から平手打ちを食らう。そう、母は、階下のロニーと眠っていたのだ。

みゅーじんのインタビュー

ヤマハのWeb音遊人に大貫さんのインタビューが載っています。
普段、聴いておられる音楽がほとんど同じだ。特にドライヴの時がジェイムス・テイラーの『October Road』だなんて!
ケニー・ランキンについては、以前から大貫さんの影響で聴いて、良いとは感じたのだけど、マイケル・フランクスなど、この辺り、僕はまだAORに嵌り切れないみたいなんですね。
ジョシュ・グローバンは、歌うまいからねぇ。すっかりクリスマスの定番シンガーになってますね。僕は、CGアニメ『ポーラー・エクスプレス』での彼の歌声が印象的で、彼のヴォーカル・イメージで曲を作った事があります(ちなみにタイトルは「デュエット」)。
ビング・クロスビーも絡むとあって、個人的に口元が綻んだインタビュー記事でした。

ライブラリの結合完了

もしか、3日坊主になるのでは?と我ながら危ぶんでいたKindle洋書の読書は、思いの外、スローペースながらも続きそう。やはり僕の場合、従来の印刷本による、本文と辞書とを見比べながら視線を何度も移す作業が苦手だったんだろう。一つのディスプレイ上で、作品と辞書が見られるのは目移りしない分だけ、疲れない。

maryautoそれで、気が早いかとは思いつつ、メアリー・ブラックの自伝本を電子書籍版でも購入しちゃった。これ、実は以前に印刷本のほうをプレゼント応募でもらっていたのだけど、冒頭数ページ読んだきり積ん読のままだったのだ。この際、ダブリとはいえ読みやすい電子を初購入。もちろん、印刷本は大事にそのまま取っておきますよ。

このメアリーの電子書籍、Amazon.co.jpでは扱っていなかったので、Amazon.comから何も考えずに購入したのだが、何故か自分のKindleにダウンロードされない。そうか!アメリカと日本とアカウントが別々なのだ。PCでは読めるが・・・これって無駄な買物をしてしまった?
調べると、向こうとこっちとのアカウントを結合すれば、ライブラリの統合により、一まとめ出来るらしい。その際、2.3の条件について事前同意が必要(詳細はサイト参照)。ただ、英和辞典ソフトの機能はそのまま使えるのか? チャットで問い合わせてみたところ、Amazon.comでの購入商品の件ですので、と一応管轄外であることを断った上で、「英辞郎」の併用は可能かと思われます、との返事をもらった。

結合にあたって、個人情報やり取りをAmazonと電話で手続き。10年以上は利用しているがAmazonさんと喋ったの初めて。結合完了。おぉ、メアリーの本も、ちゃんとKindleに入ったよ。
そうなると、今後、洋書を購入するにあたり、日米両方扱っている商品については、都度、価格比較して買うということになるのかな。

It Was So Easy

joeyカーリー自伝、第1部6章は、1956年7月、サイモン家の晩餐会の模様。イギリス出版事業家、ヴィクター・ゴランツ、近所に住み懇意にしていたメジャーリーガーのジャッキー・ロビンソン、黒人雇用の楽団率いるベニー・グッドマン、テニス選手のドン・バッジ等々がゲスト。
直前まで、3姉妹(上からジョーイ、ルーシー、カーリー)は、かまびすしく化粧台を奪い合い、お下がりのドレスを着た11歳のカーリーは、胸のところがスカスカで、ジョーイのアイデアでソックスやティッシュペーパーを詰め込むが、うまくいかない。

サイモン家の主(カーリーの父、通称ディック)が、食卓で生前のガーシュウィンとの想い出を語り始める場面。なんとディックは1928年、パリ滞在中のホテルのスウィート・ルームで友人ガーシュウィンの生ピアノによる『パリのアメリカ人』の誕生に立ち合ってるんですね。
この話題に続いて、同席のカーリーの叔父ピーター(カーリーの初恋の片思い人、それ以上のシナリオは無いと断言してある)が、カーリーの母、アンドレアに水を向ける。「そういえば君達夫婦は、ジョージ&アイラ・ガーシュウィンの前で「サマータイム」を歌ったね」。

その瞬間、母は羞恥でうつむいてしまった。彼女が、彼等兄弟の前で「サマータイム」を披露したところ、夫ディックが、「そこはそうじゃない。こうだよ。」と、歌の途中で遮り音程の間違いを訂正したのだ。
彼女は屈辱で部屋から出ようとすると、ジョージが制して「あなたのヴァージョンは、他の2つ(正規のメロディと、ディックが歌ったメロディ)よりも良かったかもしれない。」と言われ、尚更恥ずかしかったという笑い話。

エピソードを挟みつつ、カーリーはゴージャスで美しい姉二人に対して強いコンプレックスを抱いていたこと、父が自分を気に掛けてくれなかったことなど告白する。
カーリーは亡き父に会いたがっている。ピアノを弾く父のイメージが、彼女にとって音楽への解放に導かれるという。彼女がかつて発表した、ガーシュウィンへの称賛を歌った大曲、あれには父上の姿を重ね合わせていたのではなかったか。

アバドのラヴェル

初めて買ったアバド(1933-2014)がラヴェルだった、という人はほとんど居ない気がしますが、一年以上前にラヴェル蒐集の一環で入手していた全集『ラヴェル管弦楽作品全集 アバド&ロンドン響(3CD)』。

abbado

他の指揮者の演奏に無いのが、「ボレロ」のコーダ。オーケストラ男性団員が雄叫びをあげる。これに象徴されるように、という訳でもないが、全集の全曲に何処かしら勇壮な、男性性の強い曲想の印象。
ラヴェルの曲にはユニセックス的な力強さと瀟洒な和声感覚を感じていたいので、最初に通して聴いた時は、これは違うなと思ったもので、記事に出来なかった。

今、時間を置いて聴くと、本命のフランスのエスプリは味わえなくとも、纏め上げ方自体はやはり素晴らしく、「マ・メール・ロワ」の幻想性などフランス系指揮者に比肩する。傾向的にリズムの刻みがハッキリしていて、「古風なメヌエット」の快速テンポなど特徴的。やや番外編的に、精巧な演奏を求めたい気分の時に、たまに取り出したくなる全集だ。

Winkin', Blinkin', and Nod

Kindleにダウンロードした辞書機能は、文中の単語をタップするだけで意味がすぐに確認できるので、ロクにスペルも読まない癖が付き、何度も出てくる同じ単語をまた調べ直してしまう。そんな人のために、ご丁寧に自動的に単語帳が作られる。タップした単語の履歴を汎用させてるわけだ。便利だね。

マサチューセッツ州にある島、マーサズ・ヴィニヤードは有名な避暑地で、日本語版ウィキペディアにも紹介されている。島に頻繁に訪れる有名人に、カーリー・サイモンが挙げられているが、現在、彼女はここに居を構えている。
自伝『Boys in the Trees: A Memoir』第一部5章は、この風光明媚な土地柄を中心に描き、音楽への情熱が語られる。

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▲サイモン・シスターズの編集盤CD。マーサズ・ヴィニヤードはアイルランドやスコットランドの風景に似ているという。

意外だったのは、カーリーとジェイムスの出会いは、彼らのデビュー後だと思っていたが、この島で10代の時に既に会ってたんですね。
カーリーがニ番目の姉、ルーシーとメネムシャのマーケット・プレイスに居た時、ルーシーの知り合いの男の子、デイヴィ・ギュードが声をかけてきた。彼がギターを首から下げて歌い出し、続いて入ってきた背の高いほっそりした弟分の仲間を紹介。"ジェイミー"それがジェイムス・テイラーだった。1956年の出来事となっているから、この時、カーリー16歳、ジェイムスは13歳になる。この場面では、ジェイムスは全くカーリーを意識せず、カーリーのほうも、鮮烈な印象は憶えているが、ギュードと恋に落ちたかった。

このデイヴィ・ギュードには、後にレコーディング機会の恩恵を受けている。デイヴィは、ルーシーがアメリカの作家、ユージーン・フィールドの詩に基づいて作った「Winkin', Blinkin', and Nod」のギター・テクニックを姉妹に教えてくれ、録音のお膳立てをしてくれたのだ。サイモン・シスターズの誕生である。

Orpheus

自伝を出す意味って何だろう?と、カーリーの本を読みながら思ったが、最終的に本人の持つ影響力から必要に駆られるものなのか、と。
何年か前、彼女の許諾を取らずにノンフィクション・ライターが本を出したのだ。確か、彼女の公式サイトで事実無根であるとアナウンスされてた憶えがある。
年齢的に考えると、自身の死後、好き勝手に他人に書かれる前に、自ら過去に折り合いを付けておきたいと思うものなのかもしれない。そして想い出からは充分、時を経ていると。

carlyautoそれでも、天国の彼女の両親は、こういう形で当時の自分達の家庭が身内から打ち明けられることは想定しなかっただろう。スターの周囲は大変だね。
第一部4章は、母親の浮気がメインだ。

4人きょうだいのサイモン家、末子は唯一男の子のピーター。多忙な父に代わって、彼を好男子に育てるために、母親は男性のシッターを募集した。そして訪れた男性シッターは、溌剌としたバルク・マッチョの19歳のロニー。やがて母が彼に熱を上げていく経過を、当時の心境に沿ってカーリーは克明に語り始める。
特に、ロニーが飛行機事故で両親を亡くした孤児であることに、カーリーの母親が心を痛める場面では、子供ながらに冷やかな視線を送っている。

疑心のさなか、ロニーは軍隊志願し、ドイツに駐屯が決まり、カーリーは胸を撫で下ろす。しかし、その後、彼女の母親は単身でヨーロッパ旅行に行き、その間、カーリーの父が脳卒中で倒れる。叔母が看病に駆け付け、娘達が見守る中、母親は2か月もの間、帰ってこなかった。
父が退院し、母も帰国したが、母の倦怠な暮らしぶりにカーリーは落胆と疑心が募るばかり。そして、母親の部屋でロニーに宛てようとした手紙を見つける。
「あなたが愛しい、けれども私はサイモン&シュスター社の体面を汚すことは避けたい」。ロニーに手切れ金の提案をしている。ロニーからの手紙には再会の時の喜びと、彼女への愛の言葉が繰り返ししたためてあった。

もう一つには父から母に宛てた手紙が。冒頭にワーズワースの詩を引用しながら、「今まで不満を感じさせてしまったが、より君の良い夫になりたい」。以後、何事も無かったようにサイモン家は元通りになった。何の損傷も無かった、そう思いたい、と結んでいる。

Haunting

ピープル誌の2015年ベストブック10に選ばれたカーリーの自伝は第一部3章へ。赤裸々な性の告白に衝撃を受けつつ、和訳に四苦八苦しながらも一気読み。

前章で吃音の改善見込みが立ったかと思いきや、本章では冒頭からドイツ人の音楽療法士に引き合わされるシーンに始まる。母親は吃音とは別の懸念から治療を勧めたのではなかったか、と彼女は述懐する。
この時点で、カーリーは11歳。ということは、前章でのハーヴァード大のボーイフレンドは、あくまで"友達"関係だったはずだ。

本章ではビリーという男性の存在が、アステアとロジャースの歌と踊りとセリフを使った音楽療法最中に俄かに浮かび上がってくる。治療の焦点は、その男性にあったようだが、カーリーは機転を利かせて、うまくかわして彼の事を庇った。何故? なんと、彼女は10代に入るまでの6年間、ビリーと性的関係にあったというのだ。
以下は、ちょっと記事にしづらいが・・・(トンデモ誤訳だったら、いい赤っ恥)。

2015年購入アルバム(ポピュラー) ベスト10

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アット・ザ・アルスター・ホール

メアリー・ブラックの公式動画のアップ通知がきた。1992年、アイルランドはアルスター地方でのコンサート映像から「アナザー・デイ」。テロップから察するに、デビュー25周年記念DVDの収録候補となっていたのだろう。
このアルスター・ホールの映像は、小出しにしているが、恐らくフルで撮影されているはずなので、いっそのこと全収録アイテムで発売してくれたら飛びつくのにな。

▼左からDVD『Twenty-Five Years・Twenty-Five Songs』、『At The Royal Albert Hall』、アルバム『ノー・フロンティアーズ』
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ライヴの時期的には、既にフル・コンサート・ビデオとしてロンドンでのロイヤル・アルバート映像が先に発売(これも、わざわざアイルランドまで行ってVHS買ったなぁ、PAL信号にも関わらず。後にDVD再発。)されているため、同じ時期の似通ったプログラムで後発アイテム化しづらい面もあるのだろうが、バンドは傑作『ノー・フロンティアーズ』と同じ黄金メンバー。このころのビデオは複数出ていてもファンは喜ぶと思うんですね。要望出そうかな。



次回記事は、2015年購入分のアルバム・ベスト10(ポピュラー)の限定公開記事です。クラシック音楽は購入が少ないので見送り。明日か明後日に更新します。10月にお知らせした10桁のパスワードを用意して下さいね!

It Happens Everyday

へぇ、カーリーのお父さんって、世界で初めてクロスワード・パズル本(鉛筆付き)を出版して爆発的ヒットさせ、サイモン&シュスター社を大きくしたんですね。彼女の自伝では控え目に書かれているが、ネットで調べたところ、当時のクロスワード本の人気は空前の社会現象を起こしたようだ。日本語サイト資料はこちら(無断リンクにて失礼)。

carluyoung自伝は第1部の2章をやっと読み終えたとこ。これで全体の約1割。小説と自伝の違いかな、カズオ・イシグロよりカーリーのは簡潔で読みやすい。
裕福な家庭で育ったカーリー、子供の頃は不眠症と吃音に悩まされたという。特に吃音についての詳述から、いかに彼女の記憶を占めていたかが窺える。
「若草物語」のベス役のリハーサルでセリフを言おうとした時、彼女は初めてそれを自覚した。学校時代は、この件でからかわれ苛められたようだ。彼女の母親は以前から気づいており、医者に相談していたが、カーリーを慰め、自ら言葉の発音の練習に付き合ったという。
この症状、なかなか掴みどころが無いらしく、ある日"S"の発音が大丈夫で"T"が難しければ、別の日には"T"は言えるのに"S"が出来なくなる。

10年間抱えてきたコンプレックスを覆す言葉を聴かせてくれたのが、女学校時代に知り合ったハーヴァード大生のボーイフレンド。両親ともに気さくな人柄だったが、カーリーはまだ吃音をひた隠していた。表情や筆談にすり替え乗り切ろうとしたが、相手の家族には見抜かれていた。
疲労困憊の帰り道、美しい湖に車を停め、彼は「君の吃音は愛らしいよ」と言った。「意地悪で言ってるんじゃないよ、君のそれもまたセクシーでチャーミングだ」。
カーリーは当時の感激を回想して、"自信に満ちた、世知に長けた、教養のあるハーヴァード・ボーイは、私を吃音持ちの烙印から愛で解き放してくれた"と綴っている。

ある日、彼女は家庭での夕食で、「バターを渡して」と、うまく言えなかった時、母親がメロディを付けて歌わせてみたところ、自然に出来た。以後、何かの折に、膝でリズムを打ち、言葉をメロディーに乗せ、歌うことで改善されていったという。母親への感謝も尽きない。

▼自伝本のサウンドトラックより選曲しています

ビングが歌うホーギー・カーマイケル

ビング・クロスビーのCDを一頃集中的に集めていて、30-40枚くらい揃っていますが、唯一、失敗したのが、『Cowboy & Western Songs』(2006)。
westbingこれ、いわゆるカントリー・バンドによるカントリー集かと期待していたら、単にジャズ・オーケストラ編成でカントリー風味の音源ばかり集めたものだった。てっきりバンジョーとかの音色が聴けるのかと。ダブリ曲も同じ音源。リマスター慣れした耳には、音質は並。
この時代のスター歌手のCDは、星の数ほどコンピレーションが出ているので、チョイスしづらいもの。ビングを今から聴き始める人には、彼の奥さんが近年プロデュースしている公式アイテムが、全てリマスター化されているので、どれから買っても安定していると思う。

▼『CBS RADIO 1943/1944』(左)と『In The Hall』(右)
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とはいっても、実際にお気に入りとなるビングのCDは、他のリイシュー専門レーベルの余り知られてなさそうなラジオ音源集だったりする。こればかりは偶然の出会いとしかいいようが。
先日聴いたコシミハルさんの新作で、彼女がホーギー・カーマイケルの曲「The Nearness of You」「スカイラーク」を歌っているのだけど、僕にとってカーマイケルといえば「I Get Along Without You Very Well」なんですね。この曲も数々の名シンガーに歌われていますが、僕はずっとカーリー・サイモンが'80年代に発表したスタンダード・アルバム『トーチ』での歌唱が印象的で残っていた。

その後、カーリーを上回って好きになったのが、ビングの1930-40年代のライヴ音源集『In The Hall』での歌唱。普遍的なアレンジだが、なんてロマンティックなスウィングだろう。ありふれた廉価盤に見えて、甘いフレージングがたっぷり詰まった必聴盤だと思う。ライヴでこれだけ余裕があるのだから、スタジオ録音作業もさぞスムーズだったでしょうね。数多音源が残っているはずだ。

これらは動画サイトには1曲も出回っていないようなので、個人のコレクションとしてもオススメ。巷には再びビングの大ヒット・クリスマスアルバムが流れるでしょうが、あれは僕はまだ聴いてないんですよね。

ジェイムズ・ギルレス

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Kent/Aceから出ているサザン・ソウルのコンピCDをとっかえひっかえ聴いている。直近購入のフェイム・シングル集は、それより先に買った『フェイム・スタジオ・ストーリー』と、一部曲がダブるのだが、うまく選曲を散らしてあって、シングル集でしか聴けないダン・ペンの曲もあったり、逆に『フェイム・スタジオ・ストーリー』では、未発表曲が他レーベルの大ヒット曲と共に味わえる。

ジェイムズ・ギルレスの歌唱が耳を惹いた。本人作によるカントリー・ソウルの典型ともいえる曲調の「Why Not Tonight」。動画サイトからサンプルをリンクしようとしたが、さすがに未発表曲とあって見つからなかった。

P-ヴァインの解説訳によれば、ギルレスは1963年に「リトル・バンド・オブ・ゴールド」がヒット、その後、ヒットの可能性がなくなった頃、Fameパブリッシング入りを勧められ、'66年には4曲録音され(その中には、ダンの作品も)、コロンビアとの契約寸前までいったが、本人にシンガーとしてやっていく気がなく、結果的に「Why Not Tonight」は、1967年、ジミー・ヒューズによって、R&Bチャートのトップ10に送り込まれた。

その後、彼はヒット曲を書けなかったが、「リトル・バンド・・・」の度重なるリバイバル収入のおかげで、2003年トラクター事故で亡くなるまで、不自由のない生活を送ったという。

▼Little Band Of Gold(CD収録外)
https://youtu.be/JuGBZf2nir4

Older Sister

カーリー・サイモンの自伝、ヨチヨチ歩きで読んでますが、もうスケールが違います。
マンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジで育った彼女の家は、持ちビルの最上階が家族の自宅で、あとは地階まで兄弟、親族、仕事仲間まで住まわせ、賑やかな環境だった。

▼1974年アルバム『ホットケーキ』より
oldersisterコネチカット州スタンフォードには別荘があり、賢くて、神経質で、才能豊かで、スポーツに長けた著名人たちが父を囲んだ。
・ベニー・グッドマン
・ウラディミール・ホロヴィッツ
・アーサー・シュワルツ
・リチャード・ロジャース
・オスカー・ハマースタイン
・ジャッキー・ロビンソン(メジャー・リーガー)
・ジェームズ・サーバー(漫画家、作家)
・チャールズ・アダムス(漫画家)etc.

彼女の父親は、他人から「なぜ、そんなに沢山の有名人と友達になるの?」と訊かれ、「彼らは面白いからさ」と、何の臆面も無く答えたという。
また、アインシュタインとエレノア・ルーズベルトとランチを共にし、アイゼンハワーと核軍縮について手紙のやり取りをしていた。1950年代終わりごろまでの話。

▼姉妹のことを歌った
https://youtu.be/YnSNEZddh0U

Hello Big Man

予約していたカーリー・サイモン自伝『Boys in the Trees: A Memoir』のKindle版、0時過ぎに確認メールが届きダウンロード。

carlytree超遅読なもので、まだまだ序の口。辞書機能が大活躍。ちなみに辞書はデフォルトでも入っていますが、情報量が少ないということで、別途『英辞郎』を有料ダウンロード。スラングにも対応(?)、人物名・作品名などWikipediaとリンクして資料提示してくれる。

カーリーの家族構成、背景など多少は知っていたので、とっつきは悪くない。洋書を読んで声をあげて笑えるなんて思ってもみなかった。
彼女の父親は出版界の大物で、サイモン&シュスター社を設立。体の大きな、ピアノの上手な人で、ガーシュウィンとも知り合いだった。母親はしっかり者の貴婦人。子供は女の子が二人続いたから、3人目は跡継ぎになる男子を期待したが、またしても女の子だった。両親は名付けるつもりだった"Carl"のスペルに"y"だけ足した。染色体にいちゃもんを付けるように。

この自伝本発売に合わせて、サントラもリリース。初期の既出曲で構成され、未発表曲と新曲が1曲ずつ(2枚組)。2015年リマスターということで、おいおい取り寄せるつもり。

▼両親の馴れ初めを描いた

続 マダム・クルーナー(2)

moonray2久々に音楽バーに遊びに行き、話のネタに先日買ったコシミハルさんの新作をマスターに見せたら、「このジャケの作りとセンスはいい」と感動していた。マスターからは石川セリのミニ・アルバムで、越さんがアレンジ参加している曲を聴かせてくれた。そのアルバムは武満徹作曲なのだが、なんでも武満氏をして「越さんは天才だ」と言わしめたという。

そのコシさんが越美晴名義だった頃の対談が、本を整理していた時に出てきた。『音楽少年漂流記』細野晴臣著、新潮文庫。昭和63年発行。9人の女性アーティストとの対談に、細野氏による各氏宛ての「森のイメージ・テスト」を収録したもの。以下、越さんとの当時の発言部分を一部引用させていただくと、

hosono細野【越さんにとって粋とはどういうことですか。】
越【自分で自分をコントロールして作品を発表していけること。作品をつくるときには、少しがまんしなくちゃいけないでしょ。出せばラクになるんだけど、それは人に向けて出してはいけないものだと思うんです。アーティストって二通りいますよね。】
細野【発散するタイプと抑制するタイプとね。労働者が汗をかいてるような、ブルース・スプリングスティーンみたいなタイプがいまもてはやされてるけど、マイケル・ジャクソンは、もとをたどればフレッド・アステアとかジーン・ケリーとか、ああいうコントロールされた抑制派だよね。】
越【私はフレッド・アステア、大好き。いつも最良の部分だけを表に出してくる。どんな激しいステップもクールに踊ってみせるでしょ。一種のダンディズムを感じるなあ。あんまり素敵で、タップを習い始めてしまったからね。】

細野【普通、シンガー・ソングライターというのは、わりと現実の日常世界を題材にして歌にするでしょう。ところが、越さんは最初からフィクションですよね。文学的な世界を表現しようと思ってたんですか。】
越【そうです。そこで初めて無理が出てきてしまったんですね。】
細野【理解されなかったということ?】
越【そう。】

越【でも私、いままでのレコードを売っていくシステムが崩壊しつつあると思ってるわけ。まずレコードが売れないじゃない? いままで売れてた人だってそんなに売れないでしょ。だから、自分が表現していく方法も含めて、売っていく方法を変えなきゃいけない時代だと思ってるんですね。古いレールは錆びてるから、新しい道がつくられるいいチャンスだと思う。】
細野【それは大企業のトップが持っている意見と同じなんだよね。】
越【そうなの? 私は偉いのかな(笑い)。だけど誰もが、いい音楽を聴きたいし、いいものが見たいと思ってる気持ちは変わらないと思うのね。たとえば芝居でも、新劇が面白くないじゃない? そしてすごく小さな劇団が面白かったりするでしょ。】

細野【外国からファンレターをもらうという話を聞きますけど、ヨーロッパではレコードが出てるんだよね。どんな内容のファンレターですか。】
越【ドイツとかオランダとかフランスとかロスとかからもらうんだけど、歌い続けてほしいという手紙がすごく多いんです。ヨーロッパには低い声で上手に歌うシンガーはいっぱいいるけど、私のように高い音域で歌う人はいないって。】

FAME シングル集

Kindleを機にようやっとWi-Fi環境になりました。今まで必要性を感じなかったもので。LANケーブルを片付けられて掃除機がかけやすくなり、固定使用していたノートPCは狭い部屋なりにあちこちに移動して使えるように。もっと早く入れときゃ良かった。
そして、手持ちの紙本を整理して、不要本をひとまず10冊ほど売りに10年ぶりにブックオフを訪れたのだが、子供の駄賃にもならない安さだった。引き取り額、だいぶ下がってません?

ともかくKindleの件で、本については、和書は図書館、洋書は電子にして、ペーパーレスで割り切ろうとしてるのに対し、音楽は逆にパッケージで買い続けるつもりなのだから、おかしなものです。
今でも、月額聴き放題のアルバムをあらたにCDで買い直すことについては、迷いもあるのだが、3ヶ月利用で5~6枚程度チョイスした購入頻度なら、好きなものに対し、それくらいの金をかけてもいいじゃないかと。まとめ買いでやり繰りしてさ。
それで、次にいつAppleと再契約しよう。今のところ月間30日ぶん、つまり30枚聴きたいアルバム・リストが溜まった時に、あらためて試聴目的に利用しようかと。そんなに次から次へと聴きたいものがある訳じゃないから、かなりインターバルを取るだろう。

famesingle

最近、買ってるCDは偶然にもAppleで聴けないものばかり。(CDを衝動買いする前に念の為Appleに置いてあるかチェックする癖が付いてしまった。)
フェイム・スタジオのシングル・コンピレーション『The Complete Fame Singles Volume 1 * 1964-67』(2014)です。中古で2枚組。以前の『フェイム・スタジオ・ストーリー』は、大手レーベル契約アーティストも含みますが、本コンピはフェイムの専属契約アーティスト限定集だそうです。つまりは、スタジオのボス、リック・ホールの好みが集約されているともいえるのだろうか。

律儀にシングルのA面B面の順に、一アーティストの曲が2曲ずつ連続して聴ける。シングルを意識しただけあって、締まった形式の曲がサクサクッと進み、B面曲が箸休めになり、メリハリ付いて聴き良い。

ダン・ペン以外で、耳が惹かれるのはジューン・コンクェストだ。彼女はアルバムが一枚も出ていないのが残念。何やら印税収入の件で揉め、フェイムとの契約は早期に解除となったらしい。彼女のヴォーカルは気品ある黒っぽさで、既出だがこの曲を再掲したい。ダンとドニー・フリッツの共作によるこの曲、当時ヒット要素を貪欲に取り込んでいた彼らは、ここではバート・バカラックを意識したのじゃないだろうか?

▼Almost Persuaded
https://youtu.be/orn4_KJcdhY

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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