The Irish In America

1998年、ディズニーが制作したTVドキュメンタリー『The Irish In America - Long Journey Home』のビデオです。

long

VHSなんですね。当時、タムボリンさんから買ったもので、4部構成からなる計4本。この番組のサントラが過去にご紹介したパディ・モローニのプロデュースによる『ロング・ジャーニー・ホーム』です。
ウチのVHSデッキは再生専用機が故障したのを最後に手元には無い。この作品など、一部は未開封のまま観切れていない。英語字幕も無いことだし、もう中古に出そうか迷っているところ。まぁ売れても数十円ってところでしょうか。

作品内容については、BMGジャパンの解説から引用させていただくと【アイルランド系アメリカ人の新大陸での150年の苦闘の歴史と合衆国の発展への多大な貢献を、故国の大飢饉とその悲劇が促した移民から現在に至るまで振り返るメディア・ミックスのプロジェクト】。

メアリー・ブラックも参加している本作のサントラ、ハイライトはオープニングのヴァン・モリソンでしょう。トラッド「シェナンドア川」は、あまた歌われているが、ヴァンの節回しが忘れられない。

モーツァルト・クインテット

アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux, 1921年3月21日 - 1986年10月16日)率いるトリオを中心としたモーツァルトの弦楽五重奏曲全集(3CD)です。

mozart

有名なヴァイオリニストだそうです。フィリップス・レーベルの契約アーティストを探していると辿りついた。録音は1967年と1974年。現在、既にフィリップスはデッカと合併しており、レーベルは消滅したため、デッカからの発売となっています。
なにか、フィリップスの録音にはポリシーを感じるんだね。技術的には分からないが。デッカ録音のHi-Fiも良いけれど、あちらは張りがある代わりに少し音を締め上げたような人工的なニュアンスを感じる。

プレイした途端に、美音が室内に上品に響く。モーツァルト、若くして死んだのに一体何曲書いたの? ギスギスしがちな心を解すように、全く異なった時間の流れを与えてくれます。

http://youtu.be/sSF5D-HiTY4

二重奏の幸福(2)

haebler

だいたい記事の続きを書くような盤については、ほぼ年末のベスト・アルバム圏内に入ってくるものと、古参の読者さんはお察しのことでしょう。
先日購入のヘンリク・シェリング&イングリット・ヘブラー『モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集』は、既にヘビロテの域。ピアノ・ソナタ以上に好きかもしれない。

ヴァイオリンとピアノのバランスが絶妙。'70年前後の録音ながら、とてもきれいに響く。同じコンビによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集は、ややヘブラーのピアノがシェリングのヴァイオリンを食ってる感も無きにしも非ずで、二重奏の形態自体、ベートーヴェンの時代よりモーツァルトの軽いロココ音楽(っていうの?)のスタイルが向いているようにも思う。

モーツァルトのヴァイオリンがらみの曲を他にも探してみたくなった。ヴァイオリンが旋律をよく歌っているのだ。歌詞を乗せれば歌曲としても向いているのでは、と思うほど。以下、ソナタから2曲選んでみました。一度聴いただけでも覚えられそうでしょ?

Sonata in E Flat, KV 302 - II. Rondo, Andante grazioso by Heryk Szeryng & Ingrid Haebler on Grooveshark

Sonata in E Minor, KV 304 - II. Tempo di menuetto by Heryk Szeryng & Ingrid Haebler on Grooveshark

絶品! マリーナのムスタキ集 第二弾

故ジョルジュ・ムスタキと長く親交のあったカタルーニャのSSW、マリーナ・ロセールの新作『canta Moustaki vol.2』。

marina

数ヶ月前から国内でも輸入盤販売が始まっていましたが、Amazonでは3500円と高すぎて見送っていた。今般HMVのまとめ買いで2千数百円にて入手。後で調べると通常価格では国内ではアオラが一番お安いようです。

なお、そのアオラのサイトではマリーナの表記につき、【一部でマリーナ・ロセールと表記されていますが、カタルーニャ語的にはルセイユです】とありました。たしか彼女のCDを最初に国内盤販売したのはアオラでした。
マリーナ・ロセールの表記で扱っているのはサンビーニャです。当ブログはカタルーニャ語を理解しておらず、表記統一する立場にもありませんので、ずっと使ってきたマリーナ・ロセールで当分通します。

さて、そのマリーナのムスタキ集第二弾は、第一弾に増して簡素なアコースティック・セッションが、より贅沢に耳に届く。何より更に磨きがかかったマリーナの美歌は、その一声から陶酔してしまう。彼女のキャリアハイと言ってもいいのじゃないでしょうか。彼女のムスタキさんへの強い想いが込められていながらも、それはけっして聴き手に押しつけがましく届くことはない。

歌詞を理解していないので、フィーリングで聴くだけの段階だが、ヨーロッパの漁港が目に浮かぶのだ。そこにいるカモメ、孤独な夜と漁火…。
こうしたヨーロッパの普遍的な美メロを届けるフォーク・シンガーが日本にも居てほしいのだけど。

バイタとゴロツキ

毎朝、中島さんの清々しい主題歌がTVから流れるようになって、同世代の友人と、♪途に倒れて/誰かの名を/呼び続けたことが/ありますか(「わかれうた」)と歌っていたあの人がねぇ、と話題にしてた。

彼女のアルバムを久々に聴いてみた。彼女については、ブログのカテゴリー立てしてもいいほどのアルバム数を持っているが、ここ10年のうちに出たCDはほとんど売り払ってしまっている。

miyuki

1990年作『夜を往け』。唯一、UKでのトラック・ダウン。以降、現在まで続いているLA録音に対して、ウェットな質感では、こちらのプロダクションのほうが合っていたようにも思いますが。
当時、随分パワフルになったと感じたものだったが、現在の彼女はさらにパワーアップしてるから、今聴くとまだ線が細かったんだなと。

現KDDIのCMに起用された(4)「あした」、シングルカットの(10)「With」などが知られるが、(3)「3分後に捨ててもいい」の歌詞と編曲が映像的で好きだった。大都会で行きずりの男とのひととき。

【コンパクトに映してみれば 時計はみんな昔回り
二度と戻らない人ばかり 浮かんでは消えてゆく】

【ねぇ 子供の頃あたし星を見てるのが好きだった
ねぇ 子供の頃あんたどんなふうだったの】

【あぁ 流れてゆく車のヘッドライトは天の川
あぁ 流れてゆく人の心も天の川】

シャンソンばりの圧巻は(8)「ふたりは」。1コーラス目は売春婦の独白。2コーラス目はならず者の男の独白。行き場の無い街をそれぞれにさまよう二人の邂逅が描かれる。

【「ごらんよ あれがつまり遊び女って奴さ 声をかけてみなよ すぐについてくるぜ
掃除が必要なのさ この街はいつでも人並みに生きていく働き者たちのためにあるのだから」】

【緑為す春の夜に 私は ひとりぼっちさまよってた
愛だけを望む度 愛を持たない人だけが何故よびとめるの】

【「ごらんよ あれがつまりごろつきって奴さ 話はホラばかり 血筋はノラ犬並み」】

【緑為す春の夜に あなたは 傷ついてさまよってた
誰からも聞こえない胸の奥のため息が 私には聞こえた】

【緑為す春の夜に ふたりは 凍えきってめぐりあった
与えあう何ものも残ってはいないけど もう二度と傷つかないで】

九ちゃんの4CD

こちらは数年前に購入した坂本九さんの4枚組CD『ベスト坂本九 99』。2007年発売。

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2.3曲は知ってる程度で、どんな歌い口かも分かっていたつもりでしたが、いざ入手してみると、意外と馴染めないのです。昭和歌謡自体は好きなのですが。奮発して買ったわりに、ほとんど聴けていないのです。ビルボード・チャートに初めて名を残した国民的歌手だというのに。

陰影に乏しいな、と感じてしまうのです。そういう表現をこの方に求めるのが間違っているのでしょうが、表情豊かなのに、なんか歌が浅い。発声そのものが浅いのでしょうか。
人柄が反映された明るいヴォーカルだが、4枚聴き通すのは辛い。全体的にビブラートがかかっていて、素直な歌唱のようで、声が絶えず震えていて、演歌の"泣き"の部分が中途半端に混ざっている感じがするのだ。

ロカビリーが一番イキイキして聴こえた。フォーク・ブームの到来もあり、音楽面の悩みを抱えておられた時期もあったようです。僕が物心ついた頃には、既に司会者としてのイメージのほうが先行していましたね。

http://youtu.be/XrcTI5ESDPg

チッコリーニのサティ

これは数年前に発売されたEMIのクラシック廉価盤CDの一つ。アルド・チッコリーニのエリック・サティ集。5枚組。

emi

この赤いクラムシェル・ボックスのシリーズは、他にプレヴィンのチャイコフスキー交響曲集も持ってるが、手放そうかと思っている。
音が悪いのだ。EMIは大体こんな感じ。このサティ集は'80年代録音だが、悲しいくらいぺったんこの音。プレヴィンのほうは'70年代録音で、弦楽器群はまるで古いシンセ・ストリングスを聴いてるみたい。ブワーッと団子状態。他にクリュイタンスの赤箱のベートーヴェン交響曲集も、とうに売り払っている。

数年前に国内で出た、EMIのプレヴィンのSACDは自分は買っていないが、きっともっと良い音だっただろう。マスターテープの音は断然良い筈なのだ。どうしてこんなダビングのダビングみたいなソフトを平気で出すのか理解できない。会社としてのプライドってものは無いのかと思う程だ。演奏以前に気に障って仕方ない。

先のクリュイタンスのボックスは、後日、他エンジニアによる別レーベルから出た廃盤中古CDをあえて買ったものだった。そちらのほうが同じ古い録音でも自然な響きがする。

http://youtu.be/K7pNbSraoR8

星の海

このCDをまだ記事にしてなかったんだ。吉田美奈子さんの1995年作『EXTREME BEAUTY』。

minako

このアルバム発売後の大阪でのコンサートに行った憶えがあります。本当に歌がうまい人で、あまりにうますぎて、畏怖の念を抱きすぎて最初は聴いてるこちらが硬くなりそうだった。そんな客席に向かって、美奈子さんがハーモニー付けを要求。客席の皆さん、きちんと主旋律から3度ずらしてコーラスしてました。いやファンもレベルが高いワ。

1989年作『DARK CRYSTAL』、1990年『gazer』からの流れを汲んだ本作は、硬質なサウンドに幾分ふくよかさが加わった。(5)「LIBERTY」は鈴木雅之さんの歌唱でも知られる。キャッチーな(2)「BEAUTY」は、'96年JR東日本冬キャンペーンCMイメージソングに起用されたそう。

彼女、曲が素晴らしいのは言うまでもないが、歌詞もユニークで当て字の感覚が面白い。大貫さんもそうだけど、歌詞カードを読み込む楽しみもあります。

特にお気に入りは(9)「精霊の降りる街」。彼女の作るワルツ曲はハートフルなものばかり。こちらも名曲(10)「星の海」は、TVで由紀さおりさんがカヴァーしていてびっくり。

http://youtu.be/UgyGJeGqz8M

キラキラ星

イングリット・ヘブラーのタワレコ限定CDを引き続き購入しました。'75年録音『モーツァルト:キラキラ星変奏曲、その他変奏曲集』です。

haebler

あの「キラキラ星」です。これは異名で曲名は「(ああ、お母さん聞いて)による12の変奏曲 ハ長調 K.265(300e)」となっています。解説によると、
【主題に選ばれている(ああ、お母さん聞いて)は1770年からフランスで流行したシャンソンで、若い娘が恋人のことを母に打ち明ける恋の歌】なんですって。元はシャンソンだったのか。25歳の頃のモーツァルト作品。

ヘブラーの演奏は、まるで重たくなった雫が自然に零れ落ちるような優しさ。このところ、ずっと彼女のCDばかり聴いている。

一連のフィリップスの録音が甚く気に入ったので、今後、他にブレンデル、オランダの指揮者ハイティンクを購入予定。ライトなクラシック・ファンは録音の質感に左右されやすいのです。

以下は他の演奏家による
http://youtu.be/CH2zlb1pwds

グランド・セントラル・ライヴ、DVD化希望(2)

以前からDVD化を切に願っていた、カーリー・サイモンの1995年ニューヨーク、グランド・セントラル駅で行われたライヴ映像が、いつのまにかDVDで発売されていました。国内Amazonでは発売しておらず、低価格だったUKからの入手。

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でも、これカーリーのオフィシャル・サイトのディスコグラフィにはリスト・アップされていない。つまり非正規品? いわゆるブート盤ってやつなのでしょうか?
ひとまずPCで視聴したところ、内容はVHSと同じ。音質と映像のクオリティは、VHS購入当初と同程度に感じます。手持ちのVHSはすっかり擦り切れるほど観て、後にDVDレコーダーを購入してからHDDにコピーしておいたのだけど、既に劣化してることだし、DVDで入手したかったのだ。

音源は良い状態で保管されている筈だろうから、これを新たにリミックスして、ステレオ版とサラウンド版とにヴァージョン・アップして、いずれ公式に出してほしいですね。
問題は映像のほうかな。DVDで観るにはクオリティが低い。この作品、元々かなりソフト・フォーカスで撮影されているだけに、粗さが尚のこと目立ってしまう。

おすすめのカーリーのアルバムを、そのうち順位発表しようと思ってるんですが、プロデューサーによって見事な変貌を遂げる彼女のベスト選出は難しい。
初めてカーリーを聴く人には、ライヴ映像から入ってもらうほうが、魅力が伝わりやすいかもしれませんね。本作と、'80年代に制作されたマーサズ・ヴィンヤードでのライヴDVD(こちらは正規品)は、いずれもヒット曲・名曲満載。ステージングが自然体でカッコ良くて、スーパースターのSSWなのです。

信号色の危うい共感

9割以上は音楽記事を書いている筈ですが、当ブログへのアクセスが常に多いのはヒッチコック映画『めまい』でして、検索していただくと、たぶん私の記事が大体トップにあがると思います。再放送から一両日間は、決まってすごい数に上ります。私の記事の他は、京大の先生による研究論文のサイト。畏れ多過ぎる。

bbm

『めまい』以前にアクセスを集めていたのが、2005年作アメリカ映画『ブロークバック・マウンテン』の解釈記事。公開から約半年ほど経ってからの更新でしたが、かねてからの作品ファンの方から「目から鱗です」とお褒めいただいたものだった。
が、一方で、有り得ない解釈と否定的なファンもいた。困惑したのは、リアルゲイと称する人からの非難でした。ネットでいくら申し出てこられようが、自称しているだけかもしれない。見知らぬ者同士が自分の立場を一方的に叫んでも意味が無い。だからこそネット上の意見交換は、本来有意義であり、映像に見る物語の理解に徹することで、立ち位置を等しくする事が出来るはずでした。ところが、いつまでたっても彼や彼に同情し(?)直接会いたがる女達が下手に騒いでくれるものだから、こちらはついに嫌気がさし、全記事を削除してしまった。

この物語で私が得たものは、人物の考察に、より多くの視点を持つ面白さに気づいたこと。さすが原作のアニー・プルーはジャーナリスト出身の才媛だけある。アン・リー監督もよくこれを映像化してみせたものだ。女性客を当て込んだキャスティングは少々残念だが、アメリカ映画でこれほど多層な意味性を仕込んだ作品が登場した事に、今もって驚く。

音楽のほうですが、サントラはカントリー・フレーヴァーをヒット曲含め平らに楽しめる。メインのオリジナル・サントラはグスタボ・サンタオライヤ。主にギターとペダル・スティール・ギターによる、孤独と静謐を描いた美しいサウンド。その他、オリジナル・ソング、既発曲など参加曲/アーティスト名は、

(2)ヒー・ワズ・ア・フレンド・オブ・マイン(ボブ・ディラン作)/ウィリー・ネルソン
(4)ア・ラヴ・ザット・ウィル・ネヴァー・グロウ・オールド/エミルー・ハリス
(5)キング・オブ・ザ・ロード /テディ・トンプソン&ルーファス・ウェインライト
(7)ザ・デヴィルズ・ライト・ハンド/スティーヴ・アール
(8)ノー・ワンズ・ゴナ・ラヴ・ユー・ライク・ミー/メアリー・マクブライド
(10)アイ・ドント・ウォント・トゥ・セイ・グッドバイ/テディ・トンプソン
(11)アイ・ウィル・ネヴァー・レット・ユー・ゴー/ジャッキー・グリーン
(14)イッツ・ソー・イージー /リンダ・ロンシュタット
(16)ザ・メイカー・メイクス/ルーファス・ウェインライト

()はトラック・ナンバー

以下は(4)と(10)
http://youtu.be/jUp5sq5Ror0
http://youtu.be/a98rHCgz0fM

ヒース・レジャーは惜しくも若くして亡くなりました
bbm

編曲に負けないトラッド

随分前に買ったこのCDの紹介が、これほど遅くなったのは、好んで聴くことが出来なかったからだろう。ドロレス・ケーンの1989年作『Lion In A Cage』。国内盤タイトルは『檻の中のライオン』。

lion

久々に気を取り直して聴いてみても、やはり受け付けない。厚塗りのキーボード・サウンドは、靄がかかったようで、ドロレスのいぶし銀のヴォーカルは霞んでしまったかのよう。これはドーナル・ラニーのオーヴァー・プロデュース。ドロレスの絶頂期に、これは惜しい。このサウンドにはモイヤ・ブレナンのほうが似合うんじゃないか。
当時、来日していたメアリーのインタビューがMM誌に掲載されていて、ドロレスの方向性を疑問視するインタビュアーの問いに「彼女は、少し先を急ぎ過ぎているかもしれませんね」といった控えめな答えをしていたのを憶えている。

アソシエイト・プロデューサーとして名を連ねたKen Kiernanの2曲が、フォーキーなアレンジでまだ救いか。このうち「My Love Is In America」(ミック・ハンリー作)は、代表曲としてコンピ盤などにも収録されている。

他に唯一の収録トラッド「Moorlough Shore」が、アレンジに左右されない佇まいを聴かせる。生き延びてきたメロディの強靭さゆえか。
この曲は、後年のアルバムで、ドロレスの元夫ジョン・フォークナーによって、簡素で好ましいリアレンジで再録されたが、その頃にはドロレスの声は衰えていた。好条件下のレコーディングはなかなか難しいものですね。

http://youtu.be/S2DHKLII3iM

二重奏の幸福

こんなにもモーツァルトが気持ち良いなんて。今まで知らな過ぎた。イングリット・ヘブラー&ヘンリク・シェリングによるモーツァルト・ヴァイオリン・ソナタ集(4CD)を入手。録音年は1969年、1972年。

haebler

レーベルはニュートン・クラシックス。フィリップス音源のライセンス・リイシュー盤となるらしい。分割販売されていたのが、コンプリートされ廉価に。
これより先に聴いた同じコンビによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ集より約10年遡った録音だが、やはりナチュラルな美音で、マスターテープに起因するとみられるスクラッチ・ノイズのようなプチッという音が、何曲かに散見されるが気になるほどではない。

ヘブラーは何度も来日しているそうで、最後の来日予定は2000年代半ばで、急病のためキャンセルになったらしい。既に80代であろうし、この耳で確かめることはもう不可能だろう。
が、彼女はレーベルとの相性がすこぶる良いとみえ、僕はCDだけでも十分満足している。この録音で無ければ、これほどモーツァルトを聴き進める気にはならなかった。もしヘブラーがDGで録音していたら、演奏の特性が伝わりづらかったかもしれない。

軽快で上品な掛け合いが麗しく楽しい。様式美の自由を感じます。
(ヴァイオリンについては無知のため言及できず。昔、副科でヴィオラを履修してた事がありますが、甚だ放送禁止音程でした。)

全曲試聴可(5時間)
http://youtu.be/hpdXJm4n1i4

Poison Tree

引き続きメアリー・ブラックのコンサート・リポート寄稿の返礼として頂いたシングル盤の紹介。マルシア・ハワードとのデュエットによる2002年発売「Poison Tree」。ウィリアム・ブレイク(画家、詩人)とマルシア・ハワードによる作品。

mary

この曲はライヴ音源はメアリーのライヴ盤に収録されていますが、スタジオ録音は、あのアイルランド国内で大ヒットしたコンピレーション・アルバム『A Woman's Heart』、『A Woman's Heart 2』に続く『A Woman's Heart - A Decade On』のみ収録されており、これはそのシングル・カット。

マルシア・ハワードはオーストラリアのSSW、シェーン・ハワードの妹。シェーンの曲「Fresh and Blood」をメアリーはカヴァーしていて、その縁がきっかけなのでしょう。メアリーのライヴDVDのゲスト・シンガーとして登場していました。

シェーン・ハワードについては有名人のようで、僕がオーストラリア旅行で税関に引き止められた際、入国目的がメアリーのコンサート鑑賞だと説明しても、怪しまれてしまい、直接コンサート・チケットを提示してみせたところ、前座にシェーンの名前があったことから、「ああ、知ってる」と係官たちが彼のヒット曲を口ずさみ始めたのだ。それが証明となり、無罪放免。

メルボルンでのメアリーのコンサート後、現地の打ち上げに参加させてもらったところ、芸術家達の集まるそこにはシェーンの大きな肖像画があった。打ち上げにはメアリーはもちろん、シェーンもいた。彼の妹マルシアも、この日、帯同してたんだったかなぁ。10年ほど前の事なので忘れてしまった。
本曲は、最初にマルシアがリード・ヴォーカルをとり、続いてメアリー。後半のチェロがきれいな味付けをしています。

Poison Tree [#] by Howard, Marcia & Black, Mary/Mary Black on Grooveshark

渡りに船のone and only

かつて小生のメアリー・ブラックのコンサート・リポートがTHE MUSIC PLANTさんのサイトに掲載された折、返礼にメアリーのポスターやらシングル盤を複数もらった。これもそのうちの一枚。

mary

1997年作アルバム『Shine』よりシングルカットされた「One and Only」。カップリングは「Almost Gone」。
『Shine』は、従来のプロデューサー、デクラン・シノットから、ジョニ・ミッチェルの元夫のベーシスト、ラリー・クラインに担当変更。
デクランとのコンビが良かっただけに、もしかしてメアリーと喧嘩別れしたのか?と当時、疑問だった。今年、メアリーの15年ぶりの来日にあたって、MUSIC PLANTさんにその辺の経緯を今なら教えてもらえるかと思って訊いたら、仲違いでは無く今でも普通に仲良しで、当時メアリーとは長年組んできたことだし、デクランが新人を発掘して育てたくなったということらしい。確かその新人アーティストがシネイド・ローハンという名前だったかと思う。デビュー盤は僕も買ったが、結局、彼女は消えてしまった。

メアリーも前作『Circus』では、ロックにアプローチしたがってるような歌唱表現がうかがえたので、ラリー・クラインの申し出は渡りに船だったのだろうと思う。
結果、大幅なサウンドの路線変更にファンは戸惑った。今聴くと、それほどヘヴィじゃないんだけどね。歌が巧いだけに適応できてるだけ、聴き手もイメージの修正に慌てたものだった。

あらためてクレジットをみると、ドラマーがリック・マロッタの弟、ジェリー・マロッタだった。ギター、アコーディオン、フィドルなどは従来メンバー。

大河を渡る旋律

先日入手したタワレコ限定リイシューの、イングリット・ヘブラーのフィリップス録音のモーツァルト・ピアノソナタ全集は甚く気に入っており、自然にリピートしている。素朴ながら聴けば聴くほどに柔らかい蜜が滲み出てくるようなのだ。
年内はこのヘブラー女史のCDを少しずつ集めようと思っている。特にモーツァルト集については、去年、ユニバーサル韓国から発売されたボックスセットがお得なのだが、いきなりボックスで買い込んでも平らに聴く自信が無いのと、併録のシューベルト・ピアノソナタに関心が無いので、バラ買いに決めたのだ。

haebler

今回は1980年(第18回)レコード・アカデミー賞 録音部門受賞したというベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全集を購入(画像左)。これもタワレコ限定。クリュイタンスの『交響曲へのお誘い』といい、タワレコはいいリイシュー企画するよね。

ヴァイオリン奏者はヘンリク・シェリング。ヴァイオリン曲にも奏者についても無知なもので、ベートーヴェンのソナタについては、以前からメニューインとケンプの全集だけは持っていた(画像右)。でも、これがなかなか好きになれなくて困っていたのだ。ケンプのピアノは好きだが、メニューインと息が合ってる感じがしないのだ。こちらに素養が無いからだろうと割り切っていたのだが。
が、こちらの両者は耳を惹き付けられた。録音時期からして違うのも大きいのだろうが、やはり息が合ってる。打ち合わせがきめ細かに出来てる感じが伝わる。ケンプのほうがリハーサル不足ってわけでもないんだろうけど。
ヴァイオリンとピアノだけで、悠々と大河を渡っていくような心持になれる。ほとんどが長調の曲。

録音が予想を上回る良さ。これならSACDじゃなくてもいい。フィリップス録音ってこんなにいいんですね。とてもナチュラルでレコード産業から撤退したのは惜しい。

日本フィリップスのサイトより
philips

http://youtu.be/c_-dya9knGY

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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