カントリー・ソウルの歌心(4)

世界ランキング9位となった錦織選手(現在12位)がウィンブルドンで初のベスト16入りを目指す3回戦、現地の土曜は雨で試合開始が遅れ、日本時間では日曜夜明け5時ごろまで、フルセットにもつれ込み、途中で日没サスペンデッドとなった。試合続きはミドルサンデーを挟み、月曜。相手選手イタリアのボレッリは格下とはいえ、強力なフォアハンドを持ちブレークが難しそう。休みの間にコーチと練って何とかもう一踏ん張りほしいところ。

dan

『A Road Leading Home:Song by Dan Penn』から引き続きお気に入り曲を紹介。ダン・ペン&マーリン・グリーンによる作品「Far From The Maddening Crowd」。歌唱はザ・ドリフターズ。



ダン・ペンの映像資料はかなり限られているようで、TV放送されたとみられる動画は数曲ほどしかないんですね。「恋のあやつり人形」は、かつてザ・ゴールデン・カップスも日本語カヴァーしていたらしい。

風のように雨のように

未記事のCDを探し出しました。中島みゆきさんの2003年アルバム『恋文』。

miyuki

ドラマ『Dr.コトー…』の主題歌「銀の龍の背に乗って」を含む全10曲。久々に再生してみたが、全体的に音の響きがくすんでいて、ヴォーカルとバッキングが乖離してしまってる感じ。それに以前から書いてる通り、この一連のLA録音、彼女の情感に合っているんだろうか。
「川風」「月夜同舟」などの中華風や日本情緒を感じさせる佳曲、向こうの人は解るのかな。

「ミラージュ・ホテル」「情婦の証言」は全曲書下ろし舞台『夜会』から。場面性が強い曲想だが、オリジナル・アルバムで初めて聴く人には物語が読み取りづらいのでは。
「恋とはかぎらない」の歌謡ポップなトラックは大ヒット曲「悪女」のような軽い感覚で、人懐こい歌い口がいい。

miyuki

お気に入りは「思い出だけではつらすぎる」。柴咲コウさんへの提供曲。ちょっとシングル向きには重たいかもね。でもかつての「You never need me」と共通する比喩を用いたスケール感でドラマティック。
本アルバムにてセルフ・カヴァーされたが、両者ともやや残念な出来。1コーラス目はきれいに歌えても、2コーラス目~大サビへと自然に高揚させるのが難しそう。この曲をきれいな発音で情感豊かに歌える女性シンガーって、他に誰がいるだろう。

フェイムの時代(2)

6月は全仏とウィンブルドンが重なるので、観るほうにとっても大変。複数のチャンネルを切り替えながら個人戦を掛け持ちするのです。サッカーはいいですね、ほぼ時間通りに終わるから。

検索画像より
dan

今年前半の収穫はダン・ペンを知ったこと。彼は本物の歌書き(共作者までは把握していないが)。新たにブログの単独カテゴリーも立てました。
過去には関西公演もあったんですね。でも、その当時に彼の存在を知っていたとしても、女性ヴォーカルばかり追いかけてた自分にはまだピンとこなかったかも。公演内容は、それはそれは素晴らしかったとか。

キース・カフーン氏の記事「伝説のソングライター:ダン・ペンの特異で非凡なキャリア」を読んで、【多くの作曲家が特定のジャンルにのみ属するのに対し、彼の曲は、大半がR&Bやカントリーだが、メインストリームなポップ調な楽曲もレコーディングしているところ】というくだりに頷く。
ダンの若かりし頃のフェイム録音を聴いていると、自身のバックグラウンドに加え、当時の音楽シーンを分析しつつ、モノにしていたフシが窺える。この辺りが、門外漢の僕にとっても馴染みやすい要因となったのだろう。

▼『The fame recordings』の1曲目 3曲目はバカラックの影響が見てとれた


▼8曲目 4拍目の"アッ"というイナタいバックが雰囲気を醸し出す

ジョニの教え

安価に飛びついたものの、放置したままだったジョニ・ミッチェルの初期ボックスセットを一通り聴き直してみました。若い頃のジョニの声にはあまり魅力を感じなかったもので、後回しになっていたのです。

joni

1974年『Court and Spark』、このアルバム楽しいなと、やっと気づいた。旋律もアレンジもウキウキした夢見心地な感じ。ジャズの要素は感じるけど、ご本人は全く意識せずに奔放にやっていそうで、ガッツあるなと今更恐れ入る。

まだよく聴き込んでいないので、このアルバムのガイド的な記述が出来ないため、以降、私的な話になります。
今回のジョニを聴いたおかげで、長年作りかけたまま止まっていた自曲が、やっと出来ました。(タイトルだけ明かしますと「One and only color」。)
20代に友達とのバンドで一度発表したものですが、Dメロまである曲構成の中で、Bメロだけ気に入らず、以降この数十年間、電車や徒歩の移動の間などに、いろいろ反芻してみたのですが、どうも前後の流れが良くならない。
基本的に楽器を一切使わず頭の中で全部出来てから初めて譜面に起こすやり方で、メロディありきで伴奏付けが始まるのです。

フォーキーな2部形式(a-a'-b-a')の曲を好んで作るので、ふだんの曲は多くてもCメロまで。Dメロは、ポップスによくある大サビの前の一回きりしか使われない効果として、今回の曲もそこだけは使い回しはしないルール。けれど、Bメロが何度やってもうまくいかないものだから、いいかげん妥協してDメロを問題のBメロに置き替えてみた。が、Aメロからの流れが唐突だし、2コーラスも繰り返すとクドくて合わない。Dメロはやはり一回こっきりでこそ活きる。

散々いき詰まった頃、ジョニを聴いて、(ああ、自由に作ったらいいんだ)と感じた。ただそれだけで鍵盤に向かって、適当にコードを流してみた。そのうちに後からメロディが付いてきた。なんでもやってみたらいいんだ、と思えた。未だにこれが完成形なのか判断つきかねるけど、試行錯誤を楽しんでいるらしい。一晩経ってからまた決め直したらいい。幸運なことに急かされないのだから。

▼『Court and Spark』全曲試聴可
http://grooveshark.com/#!/album/Court+And+Spark/2360210

ファースト・デモ集

danpen

ダン・ペンは僕にとっては、フォークとソウルを接続する立ち位置なのかな、と思う。いわゆるソウル・シンガーのメリスマを利かせた唱法にややアクロバティックな印象を受けがちな自分には、ダンの歌い口はいい塩梅なのだ。そして何より曲の良さ。年代関係なく、どれを聴いてもしっかり纏まっているのは、シングル曲を請け負い続けた職人のなせる技か。

今月リイシュー予定のダンのデモ・シリーズ第2弾、安値だったHMVでクラシックと合わせて購入手続完了。新作にあたる第3弾→第1弾→第2弾という順で聴くことに。
画像は先月中古で買った第1弾『ブルー・ナイト・ラウンジ』。第3弾と比べると、過去作だけあって今聴くとかなりデモらしい雰囲気。旅先で釣りをしていて偶然、録音が始まったというのだから、なんとも自適というか大らかな制作環境。オーヴァー・ダブのメンバーも豪華な面子とのことだが、不勉強のためここでは割愛。

このシリーズ、アルバム全体のサウンドのトーンとしてはメジャー盤『Do Right Man』などに劣るとしても、やりたい事は伝わるし、音楽好きなら想像で音を厚くして補完することも出来るはず。やはり教会音楽の影響が強いようだ。

NOT ENOUGH TIME TO CHANGE(Dan Penn)

僕の歩むこの道、僕の世界はここだけ
好調なときもあれば、低調なときもある
僕が入り込んだのは誤った道だと言う者もいる
だがもう道を変えている時間の余裕はない

こんなに遠くまで来た、一歩一歩踏みしめて
つまずきよろめいても、救いの手を差し伸べる者はない
僕を見て残念だ、残念だと言う者もいる
だがもう道を変えている時間の余裕はない

無慈悲に時を刻む時計の針は巻き戻せない
できるならやり直したいこともいくつかあるが
それでも僕は僕でしかない、もし過ちを犯したとしても
失敗を成功に変えることはできない

僕のそばにいてくれ、僕は自分を偽らない
僕がどこへ行こうとも、君はいつも一緒だ
日々が過ぎ年月が過ぎても、僕はずっと変わらない
もう道を変えている時間の余裕はない
もう道を変えている時間の余裕はない

※国内盤対訳より引用しました

'90年のライヴ(2)

ワールド系は経済的余力がないと、聴き進めるのは限界があるかな、と。今思えばバブル時代でなきゃ、あんなアーティスト、こんなアーティストまで来日してくれはしなかっただろう。
もちろんシンガーの魅力にハマれば見境なく蒐集する癖は今も変わらないけれど、少なくとも分をわきまえて平均律(ドレミファソラシド)の概念に留めておこうと思う。聴くだけは確かに自由だが、自身に引き寄せて血肉化できない音楽を、単なる異国趣味で買いたくはないのだ。実際、珍しがって買ったものの、放置したままのCDもあるし。レトロ趣味のキッチュな魅力あるアイテムも、音楽的には今一つ深みに欠けたり。そういうものは余裕のある時期にしようと。

haris

ギリシャ歌謡興味は結局ハリスに始まりハリスに終わった感じ。次点がダラーラス。ハリスのCDは今後出たとしても買うかどうか。スタジオ作はともかくとしても、ライヴは聴いてて辛くなってきた。メアリーもハリスも60歳前から急に衰えを見せ始めた。しかも二人とも偶然、急に肥え始めた。
ここにポピュラー歌手の限界を感じる。声楽家だと80歳のお婆ちゃんでも、すごい綺麗な声で無理なく発声し続けている。メアリーもハリスも国柄は違うが、肩をすぼめて喉を絞り上げる歌い方、幾つまで持つだろうとは思っていた。

かねてからお伝えしている通り、ハリスの旧ミノス時代のリマスターCDは、初CD化盤を既に持ってる人でも、買い換えに満足していただける音質に改善されている。
ギリシャから直で取り寄せた画像の1990年ライヴ録音作品『I Diki Mas Nihta(Live)』も、僕自身既に旧盤も持っているが、とても聴きやすくなってる。一般的にハリスのライヴ・ソフトはDVD&CD化された2007年作品『Odeio Irodou Attikou 2007 Live』が近作として知られていると思うが、あれが円熟期のライヴだとすると、こちらは絶頂期といえる。ハリスのヴォーカルは艶々していて、これでもかとガンガン歌いまくっている。オーディエンスのリアクションはそりゃもう、・・・ギリシャ音楽ファンの方には説明するまでもないでしょう。

Blue In The Heart

irma

ダン・ペン関係をリサーチしていて、購入候補となっている一つがアーマ・トーマスの2000年作『My Heart's in Memphis-Songs of Dan Penn』。
今月はPC買い直して既に苦しいから、ネット試聴してみました。このアルバム中、ダンが新作『アイ・ニード・ア・ホリデイ』で自ら歌っている「Blue in the heart」が聴けました。これもとてもいい曲。

アーマの歌唱で
Blue in the Heart by Irma Thomas on Grooveshark

ちなみにダンの新作はどういうわけかAmazonでは国内盤が4000円台の価格表示がなされていることがありますが、通常価格は2500円くらいです。輸入盤価格の変動はよくあるけど、ここまで極端なのは変ですね。購入予定の方は間違っても4000円台の時に買わないように。
それとこの新作で弾みがついたのか、前作のデモ・シリーズ第二弾『JUNKYARD JUNKY』が再発されるようです。これは金欠でも絶対買います!

もう1曲アーマの歌をどうぞ。これは先日買ったAceのコンピレーションにも入っていました。
Zero Will Power by Irma Thomas on Grooveshark

フェイムの時代

dan

ダン・ペンがらみのコンピレーションを出しているイギリスのaceレコードが、そのダン自身の1964-1966年の音源をまとめた『The fame recording』を入手。フェイム・スタジオおよびマッスル・ショールズの歴史については興味が出つつも、まだ不勉強でして、咀嚼してここで説明するまでには至りません。

これらの音源はこの2012年の発売が初出となるいずれも未発表録音だそうだ。これまで埋もれていたなんてもったいないですね。
若かりし頃のダンのヴォーカル、この人に限らず僕は全般的にシンガーは、ある程度、歳を取ってからの落ち着いた歌い口が好きなもので、初めはその若さゆえのテンションの高いシャウトに慣れなかったが、繰り返すうち、本質的に近年と変わらないような気がしてきた。楽器構成はシンプル、時折リズムのずれもあるが、今日のような修正の利かない時代、かえって味がある。

この人、ソングライティングもさることながら、歌もうまい。声が出るから歌える数多のヴォーカリストと、どこか違う。歌心ありきなのだ。以下は収録曲から。

ダン&スプーナーのライヴ・アルバム

dan

ダン・ペン&スプーナー・オールダムの2005年ライヴ作品『Moments from this Theatre』を入手。
最近になってダンを聴くようになって、かのポール・サイモンの傑作『ひとりごと』の録音に使われたスタジオ、マッスル・ショールズに関する記述を目にするようになり、ようやく南部ソウルの由来がおぼろげながら見えてきた。

ダンは'90年代に初来日してたんですね。その頃は存在すら知らなかった。だってほんの数か月前に知ったばかりだもの。しかも当てずっぽうのジャケ買いで。
では、ダンをきっかけに南部ソウルに興味を持ち始められるかというと、他のシンガーではまだピンとこない。かねてから興味あったジョー・テックスは一枚買うかもしれないが。

ダンの新作『アイ・ニード・ア・ホリデイ』が初の出会いだったわけだが、デモ・シリーズとは言いつつやはりプロのソングライターだと感服。あの一枚だけでも曲作りのエッセンスが詰まっていると思った。

今作のライヴ盤も貴重なお気に入りとなりそう。ダンの弾き語りとスプーナーのウーリッツァーのみ。ウーリッツァー、欲しくなってきたな。けど手持ちのヤマハのプリセット音源で我慢しよう。こういう音色が似合う曲、自分ももっと作れたらいいな。
ダンの曲が傍にあれば、それだけでいいと思えるほど、最近、満たされています。

▼本作収録曲から 日本語対訳も紹介されています
http://youtu.be/qW4j0AJGtO0

dan

悲しい伝説

パソコン買い換えました。痛い出費だなぁ。ディスプレイではなくコンピュータ基盤の問題のようだ。修理見積もり取った結果、新品買うくらいならと即決。先日の東京行きを止めたぶん、こっちに充てたことにしよう。
しかしまぁ6-7年ぶりに買ったらディスプレイが綺麗だこと。拙宅の駄文も美文に見えるぞ。

carly

画像の楽譜は、かつてニューヨーク旅行する人に頼んで買ってきてもらったカーリー・サイモンのピアノ譜。久しぶりにパラパラと弾いて遊んでみた。
「Legend in your own time/悲しい伝説」は、7thコードを多用したシンコペーションの、少しボッサ・ノーヴァの香りがするナンバー。♪私はあなたが、いつまでも子供の頃の心を持ち続けていることを知っているわ…、とカーリーは歌う。

Am7-Dm7を繰り返しながら、サビではD9と9thを使って厚みを持たせてる。僕が好きなのは、間奏の最後の2小節。

legend

E-F♯m7/E-Em7-E7と、ここは曲中唯一使われるコード進行だ。この4つのコードはすべてベース音がEで持続されるが、和音構成の中に、E-F♯-G-G♯と一音ずつ上行音が潜んでいる。これが効果的で、2コーラス目に入る手前の期待感を聴き手に抱かせる。
たしかキャット・スティーヴンスのことを歌ったんですよね。20代の頃の作品だと思うけど、渋い曲書きますねぇ。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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