ボートマン兄弟

ずっとリヴィングストン・テイラーの最新アルバム『Blue Sky』のサンプルを聴いていました。http://www.livtaylor.com/
現時点で未だAmazonからの発売情報はなし。サンプルの5曲、もう脳内再生できるほどメロディ覚えてしまっただよ。

その5曲のうちの「Boatman」は、再レコーディング。2コーラス目と3コーラス目に若い男女のソロ・ヴォーカルが入るが、彼らはきっとリヴの生徒なのじゃないかな。
「Boatman」の初出音源は'96年のリヴ自身によるアルバム『Bicycle』から。リヴと彼の妻マギーによる作品。(後年、二人は離婚。MM誌で知ったのかな。記憶違いだったらごめん。リヴは「音楽はクレージー(大変)な仕事だから…」とコメントしていたかと。) ここでは二つ年上の兄ジェイムスがバック・コーラスを担当。

さらに翌年、そのジェイムスによりカヴァー。収録の'97年アルバム『Hourglass』はグラミー賞獲得。

▼リヴィングストン・テイラー『Bicycle』(左)、ジェイムス・テイラー『Hourglass』(右)
『Bicycle』のジャケは、矢吹申彦さんの描き下ろし。
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"僕は深い青い海に
漂流している瓶の中のメッセージ
どこかの優しい海岸を探し求めて
誰かを待っている"

【ポニー・キャニオン国内盤『自転車と僕』
「ボートマン」より引用】

▼ジェイムスによるカヴァー

リヴの新作5曲

リヴィングストン・テイラーの公式サイトのTOPページにて新作『Blue Sky』全12曲の中から、5曲がフルで試聴できるようになっています!

http://livtaylor.com/

ジャケはもう少しフォーマルな感じにしてほしかったけど、サウンドを聴くと春のうららかさが伝わってくるようですね。

liv

早く尼から出してくれ~。

夢の中の夢、箱の中の箱

利用中の郵送レンタル・システム、月間8本は自分にはキツいかな。近所に置いてない作品が借りやすいのは便利だけど。上映中映画に対して、見逃し作品の選択肢のほうが広いわけだけど、どうしても観たい時だけ借りるほうが気持ちも乗りやすい。

クリストファー・ノーラン監督、レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙他主演の2010年『インセプション』を観ました。
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ノーラン監督は『メメント』を撮った人だったんですね。あれ観た時、賢い人だと思ったけど、いつのまに大物になって。『バットマン』シリーズはまともに観ていないが、先日の『プレステージ』で、やはり知的だと思った。

それで本作、またしても序盤はシチュエーション、時系列が全く掴めず、そうこうするうちに物語の虜となる。多層の夢の中に入り込むミッションはセンスに優れた映像。
ただ自分は、SFモノは好んで観るクチではないので、このリアルと夢ともつかぬ物語の行き来の中、好奇心をくすぐられつつも、鑑賞者としての居場所が見つけられず、少々疲れた。特にレオ様の妻役がラストで障害となって現われるのは目に見えていただけに。

レオ様は頑張って演じているが、不思議と魅力を感じない。頑張ってる感じが観ていてしらけるのかな。トム・ハーディがいいね。『裏切りのサーカス』でも適役だったけど、彼、ハードボイルド系が似合ってる。

ミッションのメンバーが無重力の中、一束にされてポーターに運ばれるようにエレベーターに押し込まれるビジュアルがお気に入り。

巡礼邂逅

コリン・ファース主演作を封切日に鑑賞してきました! 2013年オーストラリア、イギリス合作『レイルウェイ 運命の旅路』。

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ああ、観て良かった。かなり前に予告を観たところ、戦中シーンの背景などポスプロが目立ち、リアリティや重厚感に欠けそうだなぁと、それほど期待していなかったのだけど。それよりも主人公のローマクスの心の移り変わりを限られた上映時間の中で丁寧に描写していて感心した。

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【主要キャスト】
エリック・ローマクス:コリン・ファース
エリック・ローマクス(青年時代):ジェレミー・アーヴァイン
パトリシア・ローマクス:ニコール・キッドマン
永瀬隆:真田広之
永瀬隆(青年時代):石田淡朗
フィンレイ:ステラン・スカルスガルド
フィンレイ(青年時代):サム・リード

コリン・ファースの演技に心酔して、去年まとめて10本以上DVD購入したが、いい役者なのにハズレ作品も少なくない。ここ数年はかなり立て続けに良質作品に出演している。今作でも、きれいに歳を取っている男優だとあらためて思った。キッドマンにしろ、スカルスガルドも、他作品で全くタイプの異なる役を観ているだけに、今作での彼らの抑制をきかせた演技は興味深い。

この作品についてネット検索すると、すぐさま反日とかセットになってヒットするけど、そういう趣旨では無いことは観れば解ります。たしかに洋画にしては字幕が少なく楽だと思って観てると、日本語のセリフのほとんどが恫喝・怒声ばかりで居心地は悪くなるけれどね。

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最も衝撃を受けたシーンは、フィンレイ(スカルスガルド)がローマクス(ファース)をタイに留まるナガセ(真田)に再会させるためにとった行動だ。その報せを聞いてショックを受けるパティ(キッドマン)に、ローマクスは無情なまでに冷静な反応を見せる。戦後何十年が経過しようともなお生死の間を迷い続ける彼らの苦悩がいかほどのものであるか。

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ローマクスとナガセの再会シーンにおいて初めて拷問部屋での出来事が明かされるが、これは原作ではどういう手順を踏んで説明されたのだろう。ラストについてはもう、ここで軽々しく書くわけにいかない。
過去と現在を交差させる物語進行は自然で、編集も巧いと思った。ほんの1カットの挿入でずいぶん効果的だ。
実在の奥様が先日、来日されてたようですね。

恋の無自覚

『眺めのいい部屋』(A Room with a View)を鑑賞。E.M.フォースターの同名小説をジェームズ・アイヴォリー監督が1986年に映画化。主演はマギー・スミス、デンホルム・エリオット、ジュディ・デンチ、ヘレナ・ボナム=カーター、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ=ルイス。
トム・フーパー監督が、この映画を観てヘレナ・ボナム=カーターの『英国王のスピーチ』への起用を考えていたとコメントしていた。

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イギリスの物語って面白い。『高慢と偏見』と同様の愉しみがある。えらく上品な社交場面の連続に、このムードのままだと観ていて辛いかも…と思っていたら!
起承転結がはっきりしている。起はイタリア旅行での出会い~承はイギリス帰宅~転は男女の再会~結は再びイタリアへ、といったところでしょうか。

女流小説家に扮するジュディ・デンチが、伏線そのものになっている。序盤のみでパッタリ登場しなくなるのも効果を上げてる。
ダニエル・デイ=ルイスの上品に取り澄ました演技が巧い。二人の男とヘレナとの対照的なキスシーンが物語を視覚的にわかり易く伝えている。特にサンズとヘレナの二度目のキスシーン、これが巧く撮れてる。ヘレナが初々しく、階級意識を持った品性ある女性ながら、恋の成長過程を見事に演じた。

英語版予告

リヴの新作発売

深夜にリヴィングストン・テイラー自身のツイートにより、新作発売開始のアナウンスがありました!

liv

The latest album from Livingston Taylor, and the third in a series of releases over the last decade that include There You Are Again (2005) and Last Alaska Moon (2009).

ちょいオサーンなジャケですが(下から撮るから年齢が目立つ)、爽やかです。
「ボートマン」のリレコーディング、ジャズスタンダード「I Have Dreamed」が含まれています。

全12曲の一部試聴は以下リンク。比較的長めのサンプルになってます。
http://livtaylor.com/storefront/

Amazonには未だ流通していないので、リヴのこの公式サイトから直接購入しかけたんですが送料がダウンロード価格よりも高いのでしばし我慢することに。前作のようにCD購入時にDLサービスとセットになっていれば即決したんですが。

消えた幻影師

(アレルギー疾患のためしばらく更新休みます。)

ツタヤディスカスの無料お試しサービスを利用してDVDを幾つかレンタルしました。その中の1本がこれ。

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検索画像より

2006年公開のアメリカ映画『幻影師アイゼンハイム』。エドワート・ノートン、ジェシカ・ビール主演。
【19世紀末のウィーンを舞台に、見事なイリュージョンで人々を魅了した天才幻影師と、皇太子との結婚を控えた公爵令嬢の禁断の愛を描いたラブストーリー。】(Yahoo!映画より)

これはツラツラ書き出すとすぐにでもネタバレになりそうだから、手短に書くしか。
この記事を書く前に、幾つかネット・レビューを拾い読みしてみたんだけど、賛否両論といったところでしょうか。

少なくとも最後のドンデン返しで驚いた、という方には自分は同意できない。
何故なら、中盤のプラットホームのシーンがその後の展開をもはや壊してしまっていると思ったから。でもあのシーンは、ラストのために重要なんですよね…。
もしや製作サイドは、あの中盤のプラットホームのシーンから、既に観客に挑戦状を突き付けていたのでは?と気がつく。つまり不自然な見せ方は百も承知ということに。

ただ、いずれにしてもこれはハイリスクなイリュージョン。目撃者の視覚は死角になりえるわけだけど。奇術モノとして比較するなら先日鑑賞した『プレステージ』が頷ける。

雨上がりのワルツ(2)

ディスプレイを輪ゴムで縛ると何故か映りが良くなる。TVを叩くのと同じで最後手段はアナログ的な対処しか思いつかない。

liv

リヴの初期ベスト盤、この季節に合って引き続き聴いています。今年は月1枚ずつヘビロテ・アルバムを探すのを目標にしており、今月は、はや本盤で決まりかな。

ちなみにこのベスト盤のオリジナル収録となる各アルバムは以下の5枚。
・Livingston Taylor(1970)
・Liv(1971)
・Over The Rainbow(1973)
・3-Way Mirror(1978)
・Man's Best Friend(1980)

特に3拍子系の曲にリヴの瑞々しさが目立つ。兄弟ともに実に多彩なアメリカン・ミュージックの要素を吸収しているが、楽曲的にジェイムスとの違いは、ジェイムスはファンク系が入るけど、リヴのほうはAOR色が目立つ。個人的にはジェイムスのファンキー・ヴォイス、あまり似合っていない気がするんだよね。リヴは天真爛漫なヴォーカル表現が特徴で、ブリッジからサビにかけて喜びを歌わずにいられない高揚感とかが好き。

▼後に1997年アルバム『INK』にて、よりアコースティックにセルフ・カヴァーされた


▼収録曲の別アルバム音源
Pajamas by Livingston Taylor on Grooveshark

雨上がりのワルツ~虹の彼方に~

ディスプレイの角度を絶妙に変えながらPC継続使用中。

リヴィングストン・テイラーの新作発売を待つ間に、初期ベスト盤を中古購入しました。リヴの初期アルバムは1978年『三面鏡』しか持っていませんでした。どちらかといえば近年のオヤジ声が好きなもので。

▼Carolina Day: Collection (1970-1980)
liv

気候・時間帯と自分の心境が音楽に重なるとグッとそのアーティストに近付けた気分になる。リヴの初期の歌はとても雨上がりに似合う。
3拍子にアレンジされた「虹の彼方に」が彼のカヴァー代表作となったのも偶然ではないのかも。晴れ間が差すあの瞬間にリヴの表現がマッチ。
気象と心象に希望を重ねるような感覚といえばいいのだろうか。

アコースティックなAORの曲調は今も昔も変わらず。アメリカのSSWは当時から成熟してる。

▼虹の彼方に
Somewhere Over The Rainbow by Livingston Taylor on Grooveshark

▼キャッチーなオリジナル


liv

ふたりの魔術師

PCのディスプレイがチラついて起動から2分内に真っ暗けになる。いま奇跡的に継続使用できるので、そそくさと更新します。

先週末のTV放送にて2006年米映画『プレステージ』を鑑賞。クリストファー・ノーラン監督、ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール主演。
過去の因縁によって二人のマジシャンが競い合うスリラー。

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面白かったです。奇術師が登場すると自分は江戸川乱歩を思い出すなぁ。ポプラ社の全集は小学生の頃すべて読んだと思う。でもあれは児童向けで、土曜ワイド劇場で観るとエッチで過激なものだった。

本作、序盤のうちは時系列が掴みづらくて置いてきぼりを食らうのではと危ぶんだが、2人の確執が見えてくると俄然、集中できた。
オチはそれほど意外でもないが、2人の物語を交互に見せることで目くらましになってる。しかもそれぞれに"タネ"が仕込んであるわけで。

ダークなプロダクション・デザインが魅力的。スカヨハことスカーレット・ヨハンソンの半開き唇が適役。収監されたクリスチャン・ベールがなんだかあまり憔悴して見えないのは…なるほど、そういう都合だったんですね。

▼英語版予告




I Need A Holiday

(PC故障につき、次回更新おくれます!)

珍しくジャケ買い。なんか名盤のいい匂いがしてきて。ダン・ペン『アイ・ニード・ア・ホリデイ』。

danpenn

名立たるソングライターとは知らなかった。本作は自らのパフォーマンスによるデモ・シリーズ第3弾。
一応、購入前に旧作をフル試聴して、いい味だなぁと感じた。SSWならではの自作との良い意味での距離感が取れてる。これが堂に入った黒人シンガーの粘り気ある歌唱では、逆に耳に留らなかったかも。

ダン・ペンのヴォーカルは、強いて言えばヴァン・モリソンをマイルド、あるいはスウィートにした印象。R&B、カントリーなど、音楽のフォロー範囲も近いといえば近い。

確かにデモ然とした音の空間性なのだが、かえって密接に人懐こく感じるのだ。デモといってもコーラス・ガール他、バンド・メンバー参加でパフォーマンスは高い。
この素朴なミックスのお陰で、より楽曲の骨組みが伝わり易い感じがする。R&Bをふだん聴かない自分がいうのも何だが、極めてオーソドックスな曲作りで、教科書のような親切さだ。小節最後の4拍目でこのコードを使うとキマるのか、とか参考になる。
デモゆえに聴き手の想像力を刺激する。これはちょっと前作・前々作も聴いてみたくなる。

▼収録外参考

Philomena

邦題以外は評判良さそうな『あなたを抱きしめる日まで』をファースト・デイに鑑賞しました。先日、時間が合わなくて『ゼロ・グラビティ』に変更したけど、本命はこっち。今月から1日は1100えん。

judi

【その日、フィロミナは、50年間かくし続けてきた秘密を娘のジェーンに打ち明けた。それは1952年、アイルランド。10代で未婚のまま妊娠したフィロミナは家を追い出され、修道院に入れられる。そこでは同じ境遇の少女たちが、保護と引き換えにタダ働きさせられていた。フィロミナは男の子を出産、アンソニーと名付けるが、面会は1日1時間しか許されない。そして修道院は、3歳になったアンソニーを金銭と引き換えに養子に出してしまう。以来わが子のことを一瞬たりとも忘れたことのない母のために、ジェーンは元ジャーナリストのマーティンに話を持ちかける。愛する息子にひと目会いたいフィロミナと、その記事に再起をかけたマーティン、全く別の世界に住む二人の旅が始まる──。】公式サイトより

マグダレン洗濯所については、ジョニ・ミッチェルなども歌にしていたから、何となく知っていたつもりだったが、実写化されて見てみると、こんな事が50年前に?と驚愕する。この婚外交渉の女性達を収容した施設は1996年まで続いていたというから尚のこと。
自分がアイルランドを旅したのは'90年代初頭で、マッチ売りならぬ"ライター売り"の女性をよく見かけた。特にダブリンでは乳児を抱えた若い女性達が橋の歩道に座り込んでいたのが目立った。彼女らはシングル・マザーだったのだろうか。

最近は『ダラス・バイヤーズクラブ』といい、ほんの何十年を隔てて過去と現在の社会の有りようの照らし合わせを鑑賞者に求める作品に当たる。
本作では、主人公フィロミナが、元BBC記者と生き別れた息子の行方を調査する途上で、もう一つの二次的テーマに当たることになる。実話に基づいているそうだが、この出来事が作品のテーマをより豊かにしていると思う。
フィロミナは息子の新事実に、母親の勘と職業的経験から後ずさりしなかった。この件を同じ題材のままで別の母親をシミュレートした場合、どうだろう? 他の母親でも変わらぬ行動を取るのではないか。

ラストシーンでのフィロミナの赦し。赦しがあらたな出発点になる…と頭では解ったつもりだが。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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