トリオでドリス(2)

ビングのラジオ音源について触れて、こちらのラジオ音源CDも追加入手していたのを思い出した。ドリス・デイの'95年発売『'S Wonderful!』(画像左)。

doris

数年前、拙宅にて年間ベストに挙げたドリスの'87年発売『Sings 22 original Recordings(1952-53)』(画像右)は、ページ・キャヴァナフ・トリオとヴァン・アレクサンダー・オーケストラとのラジオ用レコーディング音源から選曲されたコンピで、お気に入りだった(過去記事はコチラ)。

もう少し元を辿って調べたところ、トリオとオーケストラ、それぞれの音源をまとめたCDも出ており、わずかな未収録曲を求めて、マケプレの出品者から購入したのが今回のページ・キャヴァナフ・トリオとの共演盤。
ヴァン・アレクサンダー・オーケストラとの単独盤も別途入手していますが、そちらは別の機会に記事にするとして。

『Sings 22 original Recordings(1952-53)』に収録されていない本盤でのトラックは、
(8)Slowpoke
(10)I've Got a Feeling You're Fooling
(13)Because You're Mine
(14)Embraceable You
(15)Please, Mr.Sun
以上の5曲。
アルバム全体の音質については一部劣化しているトラックもあるが、かなりフレッシュ。

それにしてもビングにしろドリスにしても、こうしたラジオ音源をニューアルバムという形で脚光を浴びさせる手立ては無かったものか、と思う。それほどレコード音源とは少し違った生々しさ、親密さがあり、情報収集できないファンに聴かれないのはもったいないと思う。

チャーミングにじっくり歌っています

相手が弱っている時

今月の後半は、全豪オープンテニスをオンデマンド中心に観戦していました。テニスは2012年のウィンブルドンから観るようになった。
ゆうべは男子決勝戦ナダル対バブリンカ(ワウリンカ)。スイスのバブリンカは昨年あたりからグランドスラムで見応えのある試合が多く、期待していました。それにナダルはご存知のように強すぎるので、いつも対戦相手を応援するようにしています(笑)。二人の過去の対戦成績はナダルの全勝。

▼ラファエル・ナダル(左)とスタニスラス・バブリンカ(右) 検索画像より
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1セット目はバブリンカが持ち前の強いサーブと、以前より手数が増えた攻撃で有利な展開。途中、ナダルが甘いドロップショットを放ち、そこをバブリンカがすかさず叩き込む。このポイントから大きくバブリンカの1セット勝利へと傾いた。

異変は2セット目。突然ナダルがゲーム中、うなだれ顔をゆがめた瞬間から、サーブの威力が消え、ボールがまともに追えない。いったんメディカルタイムアウトを取り、観客がざわめき始めた。どうやら腰か背中が痛いらしい。
ゲーム再開もナダルは140キロ程度の緩いサーブ。会場の凍りつくような静寂がTV越しにも伝わる。明らかな不調に、こちらは今こそ打ち込めとバブリンカの応援に力が入るが、ここぞという時に、バブリンカのミスが頻発。どうして?

解説者によれば、相手の故障は選手にとってやりづらいものらしい。自らプレーしない私は、格闘技のようにカウンター・ショットが放ち易いものばかりと思っていた。テニスは打ち合いのリズムの中で駆け引きをするものらしい。かえって、いつナダルが調子を取り戻すか分からない不気味さが、バブリンカのメンタルに響くのかもしれない。そして3セット目、じょじょに持ち直したナダルの勝利によって先が読めなくなった。

しかし4セット目、ナダルは完全に復調しなかった。バブリンカもメンタルを切り替えたようで、フォアハンドを決め、ついに優勝をもぎとった。彼の優勝は嬉しいが、決勝戦にしてはハードヒット対決がほとんど見られず、少々残念な内容だった。ナダルは準決勝で絶好調だっただけに悔しかった事だろう。

今シーズン、ナダル戦で最も充実した内容は錦織選手じゃないかな。ストレート負けだったけど、ディミトロフ、フェデラー戦のようにコーナーに打ち込まれ、同じパターンで連続ポイントを失った印象はあまり無い。それ以上にナダルをかなり揺さぶって走らせていたような。マイケル・チャンコーチの効果に今後ますます期待できそう。

名画『我が道を往く』

ビング・クロスビーがアカデミー主演男優賞を獲得した1944年作『我が道を往く』をレンタル鑑賞しました。

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古い映画だし、随分もったりしたテンポの作品なのでは?と観る前からそんなに期待しなかったが、これが良い意味で大外れ! 快速テンポで、ビングの鮮やかなエンタ芸人ぶりを見せてもらった。

教会の再建に向け、新たに赴任してきたオマリー神父(ビング)が老神父を助けながら、教区の人々を巻き込んで、寄付を募り見事な手腕を見せる。
もちろんビングは音楽好きの神父様。歌唱場面の導入は自然で、ストーリーに噛み合っている。ゴルフに老神父を誘うとこなんか、自分の趣味丸出しじゃないの?(笑)
脇役も素敵だし、ビングが軽々と飛び越えた植え込みを、老神父がひとりの時にマネしようとして失敗するなど、微笑ましいシーンがいっぱい。

タイトルの『我が道を往く』は、劇中ビングが教会再建のために自作の曲として出版社に売り込んで却下されるが、後にもう一曲歌った「星にスイング(Swinging on a Star)」が認められるシーンがあり、アカデミー主題歌賞を獲った。作曲はジェームズ・ヴァン・ヒューゼン、 作詞がジョニー・バーク。この歌、自分はマリア・マルダーのチルドレン・アルバムで初めて聴いた。

アーリー・ビング(2)

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ビング・クロスビーの10CD廉価ボックス(画像右下)のDisc9はディキシーランド・バンドとのセッションが特集されている。録音時期は1946年~1954年、粋でよく弾んだビングの歌唱が聴ける。

ディキシー・バンドとのセッションは、他にラジオ・レコーディング音源を集めた2011年発売のコンピレーション『Bing in Dixieland』(画像左下)があり、主に1956年録音。
往年の名歌手は、オリジナル・アルバムとベスト盤の区別が付かぬほど、沢山CDリリースされているが、さらに近年、ビングの未発表のCBSラジオ・レコーディング音源集が限定ボックス(画像上)販売され(過去記事はコチラ)、それらをテーマ別に再編したコンピも続々出ているというわけだ。
特にラジオ・レコーディング音源は、動画サイトにもなかなか流出していないようで、希少モノとして入手する価値は充分あると思います。

それにしてもヴァージョン違いを持っていると、いつもの僕ならクドクドと優劣を付ける感想を書きたがるところだが、新旧ともにビングの歌唱は安定していて、甲乙つけようがない。様々なコラボを聴くなら廉価ボックスのレコード音源、音質をとるならラジオ・レコーディング音源といったところか。

アーリー・ビング

おやぢさんに続いてビング・クロスビーの廉価10CDボックスをゲットしました。

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1920年代半ばから1950年代半ばまでの音源を年代順にテーマ別に編集したコンピ。
さすがに古い音質感だけど、こちらに慣れると、逆に最近アーティストのCDが妙にピカピカでウソ臭く聴こえるから不思議。

ビングとシナトラはクルーナー唱法の系列で括られがちだと思うけど、鼻にかかった歌い口のシナトラに対して、ビングの発声には深みがあって、しかも弾む。自分的にはビングのほうが断然かっこいいですね。

ビングの歌唱には、現代のシンガーも参考にすべき点があるように思う。
一つは、キーを高く上げるばかりが聴き手にアピールするものではない、という事。もう一つは、永く歌い続けられるという事。いずれもポイントはフレージングにあると思います。
ビングは初期から後期まで全く歌い口が変わっていないように感じる。初めから基礎が出来ていて、ショウを意識し過ぎたような過剰なポルタメントをかけることもない。

今のところ、初期の軽妙な楽曲群のボックス前半が好き。去年から、変則的に'50年代のラジオ・レコーディング音源から集め出したビングのCDだが、その他ローズマリー・クルーニーとのラジオ音源に、今回のレコード音源のベスト盤と、短期間にコンパクトに蒐集できて満足している。

結婚と決闘 ラララ…

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1. 地上の星
2. 帰省
3. 夢の通り道を僕は歩いている
4. 後悔
5. MERRY-GO-ROUND
6. 天使の階段
7. 過ぎゆく夏
8. 結婚
9. 粉雪は忘れ薬
10. Tell Me,Sister
11. ヘッドライト・テールライト

近年、彼女の「糸」が若いシンガーなどにカヴァーされ話題になってるようだけど、あの曲が発表されたのは「浅い眠り」がヒットした'92年アルバム『EAST ASIA』で、今頃になって評価が高まっているようで、なんだかもどかしい。
彼女のアルバムは、シングルとは違って隠し玉的な楽曲が多い。ビッグであるにも関わらず、固定ファン以外になかなか周知されないのが残念。

舞台『夜会』の曲がオリジナル・アルバムに含まれ始めた'00年の本作は、『短篇集』というまさしく"何処からでも読める"ように聴ける性格で、場面性の強い夜会曲も他の曲から浮き立つことなく軽めにトータル性を保った印象。

個人的な注目曲は、(9)「粉雪は忘れ薬」。ドラマーがなんとラス・カンケル!(カーリーと一時、婚約してましたね)。少々ジャズ・テイストの入ったバラードで、やっぱりヴォーカリストにとって歌い易いドラミングなんだろうな。
(4)「後悔」はかつての「傷ついた翼」を彷彿とさせるポプコン時代の頃のようなメロディ。けど大サビの力んだ歌い方に好き嫌いが分かれそう。(2)「帰省」は安田祥子・由紀さおりさんへの提供曲。

隠し玉と思う一つが(8)「結婚」。男児が友達の男の子に向かって結婚を申し込むが、実は"決闘"の言い間違いであった、と胸を撫で下ろす母親の談話。いったん同性愛に触れたテーマであるかのように聴き手を引きつけるが、その母親の話を聞いた職場の既婚男性が、それはあながち意味違いでは無いと呟くというオチが待ち構えていた。

手持ちのジョー・ヘンリー

去年末に中古入手したアラン・トゥーサンの'09年作『The Bright Mississippi』(画像上)は、オールド・ジャズを新たな音像で聴くような感覚で、気に入って引き続き聴いている。
このアルバムのプロデューサーはジョー・ヘンリー。どこかで見覚えあるような気がして公式サイトのプロダクションを覗くと、手持ちで他にもあった!

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ラウドン・ウェインライトⅢの'07年作『Strange Weirdos』(画像左)、'08年『Recovery』(同右)を引き続きプロデュースしてたんですね。いわれてみれば音の録り方に共通したものを感じる。楽器の配置をもサウンド構造に取り込んだかのような立体感。
他のプロデュース作品にはサリフ・ケイタ、ボニー・レイット、アーロン・ネヴィル等々、手掛けたジャンルは実に多彩。

これを機にジョー・ヘンリー自身のSSW作品も幾つか試聴したのだけれど、ヴォーカル自体は好きになれなかった。(ヴォーカルの好みと切り離して曲の良さを汲みとれないのが、自分の欠点。)

ラウドンの2作については先の『Strange Weirdos』は、映画絡みとあってヴァラエティに富んでいて聴きやすい。次の『Recovery』は、さらに抑えたトーンで、くすんだ音像とカラッとしたラウドンの闊達かつ繊細なヴォーカルが対比的。

ただ、ラウドンに関してはギターとヴォーカルそのものだけで抜群にうまい人なので、素録りしたようなシンプルな音響が似合っているように思う。'97年『Little Ship』をこよなく愛する自分としては、この2作は、どちらかといえばアナザー・サイドだ。

▼『Strange Weirdos』より
Daughter by Loudon Wainwright III on Grooveshark

カーリーの童話

これは余程のファンでないと、国内で持ってる人は少ないんじゃないかと。カーリー・サイモンによる自作の楽曲付き童話集、'92年作『Bells,Bears,and Fishermen』(画像左)。

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約30分、子供向けに平易な語彙で丁寧に語りかけているにも関わらず、断片的にしか聴き取れないという我ながら惨憺たるリスニング能力。できればテキストも添付して欲しかったけど、ジャケ写のペラ一枚のみ。それでもナレーションは落ち着いたトーンで、歌同様、彼女のフィーリングの豊かさが伝わります。

自分のお目当ては楽曲「フィッシャーマンズ・ソング」。これは'90年発表のアルバム『Have You Seen Me Lately?(邦題「愛に揺れる想い)」』(画像右)収録のヴァージョン違いが聴ける。カーリーの姉ルーシーとジュディ・コリンズのハーモニー・ヴォーカルが聴けるのはアルバムのほう、この童話CDではギターとアコーディオン(シンセ)にカーリーのヴォーカルのみとさらにシンプル。穏やかなフォーク曲ながら哀感漂う逸品。

▼おはなしと♪フィッシャーマンズ・ソング(6分半)
https://soundcloud.com/carly-simon-official/the-fishermans-song

メアリー・ジェーン・ラモンドを思い出して(2)

予告通り、カナダのトラディショナル・フォークのユニット、メアリー・ジェーン・ラモンド&ウェンディ・マックアイザックの2012年作『Seinn』を入手しました。

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メアリーはヴォーカルとアコーディオン、ウェンディはフィドルとマンドリン、ピアノを担当。ライヴでは、あと二人メンバーを追加して活動されているようです。本アルバムはカナダのフォーク・ミュージック・アワード2013年トラッド部門最優秀賞その他各賞受賞しているそう。

▼メアリー(左)とウェンディ(右) 公式サイトより
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メアリーのソロ・アルバムから本作まで計6枚のうち4枚所有してるけど、本作が一番すんなり好きになりました。
メアリーの牧歌的な節回しには基本的に変化は見受けられないが、以前はフォーキーな中にもどこかミニマルな印象があったのが、今回、パートナーとの共同アレンジが功を奏したか、音楽がより高みへと開放的に歌えているような魅力を感じる。

ジグ、リールはアイリッシュ系などの演奏では峻厳さを帯びているものだが、メアリーとウェンディ達は明るく温暖な印象。だからといって演奏に甘さなどない。早い春の兆しのように陽光を浴びながら聴いていたい。

▼収録曲のライヴ

ハリスの都々逸?

ハリス・アレクシーウのリマスター盤は本当に音のバランスが良い。ブックレットはどれも充実していて、さすがギリシャのスーパースター。

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まとめて購入した初期アルバムが8枚、LPの頃なので約40分程度といずれも短く、すぐに一通り聴けた。今回はその一枚、'75年『12 LAIKA TRAGOUDIA(12の大衆歌謡)』。ハリスのソロ第1作。

ハリスに関する日本語情報は中村とうようさんの解説が頼り。今回も国内独自編集盤『ベスト・オヴ・ハリス・アレクシーウ』(オルター・ポップ)から引用。
【このアルバムは泥臭い民謡やレンベーティカが並んでいるが、なかでも素朴な面白さを感じるのがこの作者不明の古い歌。発表の時点で24歳のハリスは、ジャケット表紙の写真はまだ子供っぽいほどだが、声はずいぶん大人びている。】

とうようさんがこの第1作から選曲した1曲は「TSAHPIN(チャフピン)」。
なぜだか屋形船に乗って日本酒を頂きながらハリス版都々逸を聴くような気分になった。ふだん都々逸に縁が無いのに、ハリスから連想して聴いてみる気になったりして(動画サイトで都々逸を歌う美空ひばりさんの秘蔵映像を発見。いい雰囲気。)。

いずれの曲も瑞々しいハリスの歌声。
リマスター音質は、国内独自編集盤より明らかに優れている。

▼TSAHPIN(チャフピン)

嵐よ 来るがよい

こちらは'96年に発売された国内独自のケルト音楽のコンピレーション・シリーズより。『ヴォイス・オブ・ディアンタ』。

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当時発売されていたディアンタの2枚分のオリジナル盤から、ビクターのスタッフとケルト音楽の評論でお馴染みの松山晋也さんが一枚分に選曲。
こうしたアイリッシュのコンピは、今の業界の状況では今後なかなか出てこないような気がします。やはり国内盤として紹介されると、認知度が変わってきますよね。

そのディアンタは解説によれば、1985年にベルファストでケイト&イーガン・オブライエン姉弟を中心に結成された。本盤はソング中心の構成となっており、ヴォーカルはメアリー・ディロン。

アイリッシュ・フォークでは小国ながら、このクラスのヴォーカルの巧い人は沢山居て、集め出すとキリが無いと思いますが、彼女といいカラン・ケイシーにしても恐らくクラシックの素地を持っているんじゃないかと思います。自分はドロレス・ケーンやメアリー・ブラックのような叩き上げの個性が好きなので、ディアンタに関してはこの一枚で充分かと思ってる。

1曲目「レディー・フォー・ザ・ストーム」は納得の選曲。スコットランドのSSW、ダギー・マクリーンのカヴァー。ダギーは定番のアルペジオのバッキングに乗せて淡々かつ荒涼とした歌曲を作る。本カヴァーもこの方面を舞台としたサントラに起用されそうなドラマ性。

Ready for the storm by Deanta on Grooveshark

SSWの理想形

年始にジム・クロウチ(1943-1973)のコンプリート2CD(数年前、中古で手数をかけて入手したのに、現在は廉価ボックスがあっさりリイシューされている)を聴き直していたら、DVDも一枚欲しくなった。US盤『Have You Heard Jim Croce Live』購入。

jim

たぶんYoutubeを漁れば、収録内容はおおよそフォローできるんだろうけど、オフィシャル・アイテムできちんと持っていたかった。
短い活動期間だったからだろう、幾つかのTVショーからピックアップされ、正味13曲程度。序盤・中盤・終盤にはジムと彼の家族とのオフショットがアルバム音源の背景に挿入され、これがなんとも微笑ましい風景ばかり。子供の頃から口が大きかったんですね。だからあんなにうまい?

CDでも発売されている本ライヴはオリジナル・アルバム音源と異なり、一貫してツイン・ギターによる男性2人のデュオとなっている。もちろんリード・ヴォーカルはジム本人。ストリングス・アレンジを排したパフォーマンスは、より楽曲の原型を辿るような味わい。

カメラ・アングルは至って素直なもので、番組によっては、定点カメラに向かってジムがMCも曲も、終始カメラ目線でこなしており、最近の音楽番組では見られない手法に、なんだかドキドキしてしまう。大袈裟に苦しそうに歌う風情は微塵もない。

彼の存在を知ったのは、綾戸智恵さんの「I Got a Name」のカヴァーから。その後、当ブログにておやぢさんの情報などいただいて、次第に惚れこんでいった。
飛行機事故で亡くなるまでの短い活動期間に、彼はブルース、フォークを交えたシンガー&ソングライターの一つの理想形を体現していた。伴奏とヴォーカルのバランスがとびきりきれいで、当時が青春期で無かった者にも、キラキラした体験をさせてくれる。パッケージの裏を見ると、夫人のイングリッドがまさしく同様のコメントを寄せていた。

▼アルバム音源より
Operator (That's Not the Way It Feels) by Jim Croce on Grooveshark

ロレンスの屈辱

年始にWOWOWにて先月亡くなったピーター・オトゥールさん主演の『アラビアのロレンス』を初めて鑑賞。製作は'62年。イギリス。

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観たといっても、4時間ぶっ通しでCMも無いので、中座してしまった箇所があります。実在の英国軍人、トーマス・エドワード・ロレンスのアラブ任務時代の壮大な物語。
オスマン帝国軍とアラブ部族、そして介入するイギリス軍その他諸国との関係性は、映画の上だけでもなんとなく解った(気がする)。
上官の確認も取らず、俄かにアラブ人を牽引してアカバ陥落を目指すロレンスの行動は信じ難く、稀なキャラクターが史実に与えたインパクトの強さを感じる。

ポスプロも無いロケ撮影の美しい映像。4時間でも足りぬほどの凝縮された脚本。しかしこれは、ピーター・オトゥールの透明な青い眼が、支配的なほどに魅力的(実際のロレンスはピーターよりもっと背が低かったそうです。)。

オスマン帝国軍に捕まったロレンスが遭う拷問シーンは製作年代にして少々意外だった。背後でするベイ将軍の咳込みが、その後ロレンスを凌辱するであろう暗喩効果を醸している。
そして、オスマン帝国軍に過剰な復讐するシーンでのロレンスの打ち震える表情。民の代わりの仇打ちとしても、脳裏にはあの忘れ得ぬ屈辱があったのではないか。

これらは冒頭で印象付けられていたロレンス自身の指をマッチで焼く癖と結び付くのだろうか。これは単なるヒーロー物語ではなかった。
駱駝って、横座りして乗るんですね。

ボビー・カポー

美メロがたっぷり詰まった『歌の国プエルト・リコ~エルナンデスとフローレスの世界』を聴き直していました。
rico
古い歌手達のコンピレーションで、いつも特に歌手名を意識せず流してるんですが、3曲収録されているボビー・カポーに耳が止まった。

▼Bobby Capó(1922–1989) 検索画像から
capo

ノーブルで沢山聴いても飽きない巧さ。中村とうようさんの解説から一部引用すると、
【カポーはわが国では知名度が高いとは言えないが、プエルト・リコを代表する名歌手である。南海岸の中ほどのコアーモで22年に生まれた。高校時代に歌手活動を始め、メキシコで『貧しいことの罪』という映画に主演して人気が出た。その後プエルト・リコや南米各地で20本以上の映画で活躍、アメリカでも歌手として多くの舞台に立つ。マチート、プエンテ、ソノーラ・マタンセーラなど超一流バンドと共演するなど、レコードも多い。】

▼「君が望むなら帰るけど」マイナーからメジャーへの転調がロマンティック。
Si Quieres Volvere by Bobby Capo on Grooveshark

メアリー・ジェーン・ラモンドを思い出して

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

CD棚から久々にメアリー・ジェーン・ラモンドの『STÒRAS』を取り出して聴いていた。
mary
ふーん、やっぱりいいですね。この2005年盤が最新作という認識だったが、気まぐれにAmazonをチェックしてみたら、共作による新作が2012年に出ていた。

▼新作『Seinn』のジャケ
mary
共演のお相手はウェンディ・マックアイザック。マックアイザックって、もしかフィドル奏者のアシュレイ・マックアイザックのきょうだいだろうか?
それで、日本語サイトを検索したけれど、分からなかった。代わりに唯一この新作について取り上げた日本語記事が、ブログ「after you」さんだった(無断リンク失礼)。さすがですね。

ケルト系のフォークは、素朴ながら小編成でのリズム・キープ、ハーモニーのバランスの構築が難しい筈。PVを観ると、この緊密さ、すがすがしいですね。
ウーン、予定外の購入クリック。早々の散財スタートです。新作届いたら、あらためて記事にします。

▼『Seinn』よりライヴ。曲の終わり方、映像で観るとちょっと笑えます。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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