レンタル3作

コリン・ファースがらみの映画を3本レンタルしました。いずれもタイプの違う作品。遅ればせながら初見です。

colin
・『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
ご存知「ブリジット・ジョーンズの日記」の続編。特典映像では製作サイドが二番煎じになっていない事を強調していたが、これは二番煎じ。メイン・キャストが変わっていない以上、くっついたり離れたりはお約束だが、前作より性格描写を省略しているためか、ブリジットの妄想癖が唐突過ぎてスムーズに入り込めない。ロケ敢行もネタ切れ感が。しかし原作に忠実ならば仕方ないか。オープニングがカーリー・サイモンの「私を愛したスパイ」!
追加特典の、演技を終えた素のコリン・ファースにブリジット(レネー・ゼルウィガー)がインタビューするシーンが可笑しい。コリンの『高慢と偏見』での有名な水濡れシーンに関して、ブリジットが女性ならではのイヤラシイ視点で質問攻め。最後にコリンをムッとさせて立ち去らせてしまう(もちろんこれは演技)。本編よりこの数分間がよほど面白い。

colin
・『裏切りのサーカス』
二重スパイの物語。あまりに渋くて重厚だった。記憶力を試されるような登場人物の多さで、幹部役の小男二人がしばらく見分けがつかず、主人公(ゲイリー・オールドマン)が訪れる部屋が一体誰の部屋か、後でおさらいして分かったという己のお粗末さ。
相関関係の把握には、人物間の絆がわずかなシークエンスによって静かに描写されているため、寸分も見逃せない。これは知的。しかし、コリン・ファースの役どころが重要でない筈などない、というキャスティング上での予測がついてしまう。その点を除けば再見の価値が充分あると思います。

colin
・『マンマ・ミーア!』
基本的にミュージカルは好意的に観ないもので、なんでアバとギリシャの取り合わせなのかは突っ込まない。
メリル・ストリープは演技が立ち過ぎて、ここでの彼女のプロ意識は、どこか尖って見えて痛々しい。外見的には40代のふっくらした、自己の演技にも無自覚な感じのキャスティングにしたほうが、アンサンブル・バランスが取れたのでは? 両隣のおばさんコンビはいい。
ピアース・ブロスナンのジーンズと歌の似合わなさに少し驚いたが、舞台版より声量は問われないので、個性と受け止めよう。コリン・ファースは普段の語り口と同じ、素朴でフォーキーな歌い口が似合っていた。せめて1曲まるまるソロで歌ってほしかったが、途中からブロスナンに交代(笑)。

コリンの衣装の似合わなさ


パーティ用の俳優マスクがあるらしい
colin

気まずさと優雅さと

今年初の衝動買い。まぁどれも衝動買いとも言えますが。'96年、NHK放送されたというイギリスの全6話ドラマ『高慢と偏見』(ジェイン・オースティン原作)を購入。コリン・ファースの出世作として、かねてから興味があったのですが、レンタル禁止商品らしいのです。
ローレンス・オリヴィエ出演の映画も未見で、プロットも知りませんでした。

colin

面白い。古い物語でもギミック無しで充分楽しめる。17~8世紀頃のイギリスの結婚事情を描いているが、現代とさして本質的に変わらないようにも思う。
以下、感じた点をランダムにメモ書き

・コリン(Mr.ダーシー役)は、黙っている演技が多いが、それだけで可笑しくてしょうがない。目がいいんだよね。エリザベスのピアノを満足気に聴く時の、鼻の膨らませ方とか、それまで頑なな表情を繕っていただけに、わずかな所作が映える。この役どころは、ヒロインに嫌悪感を与えても、視聴者には好感を持たせねばならぬので難しかったはず。
・主役の二人がどこで明確に互いを好きになったのか、過剰に描写せず、自然な感情のプロセスを演出しつつ、鑑賞者に想像の余地を与えている。
・口うるさく気まぐれな母ちゃんは、洋の東西問わずいるもんですね。しかし一旦、末娘が駆け落ちした以上、好ましからぬ男でも、結婚させようとする意志に、それだけ世間体の辛さと、いかに娘達の結婚が死活問題なのか感じさせられた。
・利発なエリザベスでもけして男性を見抜く目を持ち得ていない、また、親しくしていた女友達が、全く相容れない男と結婚してしまうシーンは、それぞれの思い込みや価値観を観賞者にも試す。
・電話もネットもない時代設定は、伝言が奥ゆかしく、偶然の再会がドラマティック。いくらツールがあっても、出会えないものは出会えないのですよね。
・ジェーン役の女優が古典の絵画に出てきそうな美人だった。リディア役の若い女優って「デスパレートな妻たち」にも出てた子じゃないかな。



jennifer

The Sweetest Sounds

リチャード・ロジャース作の「The Sweetest Sounds」を最初に聴いたのは、イーディー・ゴーメのボッサ・ノーヴァのアルバムの中のカヴァーだった。メランコリックな滑り出しが好きでした。

他に手持ちでは、エラ・フィッツジェラルドがあるけど、ビッグバンドのアレンジはこの曲に合わない。
他に歌っている人を動画で調べてみたんだけど、ペリー・コモ、バーブラ・ストライサンド、いずれもイメージと違っていた。他にもミュージカルで劇中歌われる若い男女のハーモニーも聴いたが、なんか違う。ねちっこいのだ。もっと洒落たアレンジで聴きたい。

そもそも原曲はバラードだったのだろう。イーディー・ゴーメの歌のほうが異色なのだ。あのアルバムでは、「ワン・ノート・サンバ」など定番ボッサ・ノーヴァ以外に、「ムーン・リバー」などボッサに強引にアレンジして4拍子に。かといってキワモノでもなく、ジャズと折衷したサウンドが今でも新鮮に聴こえる。

春の思い

fd

去年の暮れ、タワレコのサイトでユニバーサルのSACDのセールをやっていたので、フィッシャー=ディースカウ&ジェラルド・ムーアのシューベルト歌曲集『美しき水車小屋の娘』を購入(割引後でも3000円台だけど…)。これでディースカウのシューベルト歌曲集3種が手元に揃いました(画像上の3枚)。

とにかく音がいい。スピーカーの向う側の空気感と、こちらの空気感が同じ、つまり全く空間を共有しているかのような感覚です。ピアノとヴォーカルのソフトでこれほどの生々しさは初めて。これで'70年代初頭の録音とは。

内容的に今のところ一番気に入っているのは『白鳥の歌』。やはり「すみか」に愛着がある。連作歌曲に関しては、作風がかなり暗い。どちらかといえば単曲で聴くほうが僕はリラックスできる。そういう点でも、『白鳥の歌』のみシューベルトの死後、友人たちによって集められたものらしく、曲順の謎が良くも悪くも聴き易い印象。

寄せ集めの録音集では、上述のグラモフォンより遡ったEMIのモノラル中心の録音(画像下)が、若々しい。好みの曲数では、4枚組とあってこちらに集中してる。
「音楽に寄す」のような幸福感を湛えた長調にシューベルトの香りを強く感じる。D686「春の思い」(詩:ルートヴィヒ・ウーラント)も、その一つ。

質感のちがい

手狭なので手持ちのCDを少しずつ中古に出そうと、あまり聴かなかったものを仕分けしている。少なくとも購入後1年間は手元に置いておくようにしていたが、最近は嗜好もハッキリしてきたので、新品でも即断で売り飛ばすこともある(それなら購入前に判断すればよい筈だが…)。
やはり買って、しばらく手元に置いてからでないと好き嫌いが見えてこない。今そんなに惹かれなくても、後から聴きたくなる事もやはりある。実際、売り払ってから、また呼び戻すように買い直したのも何枚かある。

yumi

今日はユーミンの'04年作『VIVA! 6X7』を取り出しました。今のデッキであらためて聴いてみたが、音が硬いですね。PCの外付けスピーカのほうがかえって似合いそう。
ミディアム・テンポのおっとりした曲が多くて、アルバム自体は割と好きなんです。菓子メーカーのCMに起用されたという「Choco-language」とかね。

この間、BS放送していた彼女のデビュー当時を振り返った番組で、関係者が「ひこうき雲」などのマスター・テープをスタジオで聴き直す場面があったけど、その頃の質感のほうがよっぽど素敵だった。このアルバムもどこか懐かしい曲調だけど、どうしてもデジタルの割り切った響きに興醒めてしまうのだ。

※一部全試聴

展覧会の絵

今年に入ってから発売の、クリュイタンスの廉価リイシュー国内盤CDを購入しました。パリ管との'58年録音、ムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲『展覧会の絵』他です。

『展覧会の絵』は、もともとピアノ独奏曲ですが、そちらは未だ聴いた事がなく、耳にするのはラヴェルの編曲によるオーケストラ演奏。
冒頭など特に誰しも馴染み深いはずですが、日本では最近、珍百景とかいうバラエティ番組の中の、クローズアップされるシーンで、終曲が使われています。ワールド・ミュージックの祖、ラヴェルは意外とわれわれ国民に浸透しているのですよ(笑)。
とても映像的でサキソフォンが登場するのも近代ならではの楽しみだ。

ac

クリュイタンスの音源は、出来るだけSACDで求めたかったのですが、今後、指揮者別に総力的にSACD化されるとしても、カラヤンあたりが先行するのでしょう。待っていてもキリがないので未入手のカタログはCDでも購入することにした。
それでも、本盤は予想よりかなり音がいい。モノラルが気にならないほど。リマスタリングの記載はないが、リイシュー以前の盤で既に施したのかもしれない。

この曲は、別オケとのライヴ盤も持っているけど、クリュイタンスの明瞭なタクトは共通してる。楽想のポイントをしっかり押さえているので、あとは団員の個性に委ねて自由に弾かせる、というやり方だったのだろうか。すっきり聴かせるが、オールラウンダーの懐の深さも持ち合わせているのである。

『展覧会の絵』より「Ⅳ.古い城」。作為のない指揮姿も美しい。

通販雑感

例のワールド系通販サイトには「客が自ら申し出ていない個人情報を上書きして、返信するのは止めて下さい。」と意見した。特に今回の問合せは、わざわざ僕の情報を照合するまでもない件だった。
この会社、僕がTwitterを始めた時も、いちはやく向こうからフォローしてきたけど、ツイート内容から類推して利用客を突きとめたのだろうか? フォロー自体は別に構わないのですが。

物さえ手に入れば、僕も細かい事は忘れてしまうけど、ワールド系の店を応援したいと思っていても、個人商店規模の通販を利用すると、時々いやな事がある。
以前、東京のリアル兼通販店の利用客のリンク集に入れてもらってたけど、僕が近辺の店で別途購入した事について一言も書いてないのに、見知らぬ客の間で非難されているような動向を感じたので、これでは個人ブログの立ち位置を侵されるとリンクを外してもらった。

ハリスはHMVで手続き完了。取り寄せだから記事にするのは、もうちょっと先。
Amazonも利用頻度高いですが、ウィッシュリストの件では、かつてここで騒がせてもらいました。最終的にウィッシュリストの名称はAmazonでは"ほしい物リスト"に変わった。HMVでのウィッシュリストは当初から、いわゆる"ほしい商品を個人的にリスト溜めする"という定義だったが、とばっちりを受けて問合せが殺到したのか、現在"お気に入りリスト"に名称変更されている。

(当ブログでのウィッシュリスト関連の記事を閉じたのは、随分後になって記事検索をしてきた人が、記事更新日を確認もせず、「いまだに騒いでる奴がいる」とご自身のブログに、当記事を晒したからだった。この方に「私の記事は、新聞沙汰になる前のものですよ」と初コメントすると、慌てたように「あっ、お世話になっています!」と、白々しいレスがついていたが、ちゃんとリンク削除してくれた。)

Someone Like You

夜中に『ブリジット・ジョーンズの日記』を放映していたので、途中から久しぶりに再見してみたが、面白いですね。ヒロインが、ヒュー・グラントとコリン・ファースのどっちとくっつくのかさえも忘れていたので、恋の行方を固唾をのんで見守ってしまった。コリン・ファース、いい役者さんですね。

それでこのラスト・シーンにヴァン・モリソンが流れているのに初めて気づいた。なんだこのアルバム、持ってるやん、しかもこのブログを始めた最初の年のベスト・アルバム記事に挙げていたんですね。'80年代のヴァン、甘美なストリングスをフィーチャーしたバラードが多かったように思います。



Van Morrison/Poetic Champions Compose(1987)
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ア○ラ

ハリス・アレクシーウの旧譜をまとめて欲しくて、某専門通販サイト店に駄目モトで価格交渉メールをしてみた。
翌日返ってきた返答内容には納得したが、ちょっと気になったのが、僕は名字のみで問合せしたのに、折り返しフルネームで宛てて返ってきたことだ。確かに過去に購入利用したからあちらにデータがあるのは分かっていたが、あまり例のない漢字とはいえ、こちらが下の名前まで名乗り出ず、外部から一般的な問合せをしているだけなのに、いかにも「貴方の事を知っていますよ」といった感じで返された気がして気持ち悪い。

この会社、並行してネット・オークション出品もやっているらしく、IDのみの出品なので、そうとは知らず僕は過去に偶然落札した事があり、入金時この会社から「先日サイト通販でもお世話になりましたね」といった挨拶連絡が後日きて驚いたのだった。
商売方としては親しみを込めて、声掛けをしてきたのだろうが、他の購入ルートで偶然出会ったなら、素知らぬ振りをするのが賢明かと思う。あまつさえリアルにやり取りした事もないのだ。実状的には音楽商品の場合、何処で何を買ったか、他所に知れても害は無いが、書店でこういうデリカシーの無い対応をされると、まずい面も出てくるのでは、と思う。

冬のシャイン

つかず離れず聴いているジョニ・ミッチェルの'07年復帰作『シャイン』。
shine

発売とほぼ同時に購入しましたが、彼女の作品って、曲の構成が掴みづらいので、しばらく置いては久しぶりに取り出したり、の繰り返し。当時、日本でも評価が高かったが、すぐにピンとくる人は一緒に旋律を口ずさんだり出来るんでしょうか? ジョニの曲の耳コピは難しそう。
サウンドは『トラヴェローグ』を経た長いインターバルもあって、ポップ&ロックがすっきりした手触り。これは訳詞が欲しい。リスニング出来ないとつらい。
でも寝しなや真冬に聴くとリアルタイムに馴染んでいく。やはりカナダ。雪を見て過ごしながらほとんど曲を書いたのだろうか。

「ビッグ・イエロー・タクシー」は初期録音も初々しいけど、こちらの再録も好き。ストロークのカッティングとアコーディオンが印象的。
Big Yellow Taxi (2007) by Joni Mitchell on Grooveshark

マジックの警告

ジム友さんからブルース・スプリングスティーンの'07年作『マジック』をお借りしました。熱心なボス・ファンだけあって、貸してくれるCD、ビデオいずれも初回限定盤ばかり。特にボスに関しては訳詞があると助かります。
boss

今作で耳を惹いたのは、ひとしきりロックンロール曲が続いた後に流れた表題作。用心深い詞が好き。アルバム全体がどこかしら警告めいて、この人って熱いパフォーマンスに反して亡霊みたいな歌書きだなと思う。(そういえば新作『レッキング・ボール』にも、幽霊が主人公の歌があったね。)
CDはもう返却したが、その前に「マジック」の訳詞だけ書き留めておいた。

「マジック」(三浦久氏の訳より一部引用)

手の中にコインがあります
それを消すことができます
袖口にトランプが入っています
いつでも、それをあなたの耳から出せます
帽子の中に兎がいます
お望みなら見に来て下さい
それがやがて現実に、それがやがて現実に

手首に手錠がかかっています
すぐに抜け出してみせます
私を箱に入れ、鎖で縛り、川に沈めて下さい
歌を歌いながら抜け出してみせます
耳にするものを一切信じてはいけません
目にするものはなおさらのこと
それがやがて現実に、それがやがて現実に

(中略)
そしてあなたがたが追い求めた自由は
木々の間を幽霊のようにさまよっています
それがやがて現実に、それがやがて現実に

下のほうで火事が発生しました
こっちに上ってきています
だから、逃げなさい、
知っているものはすべて残し
畏怖するものだけ持って
道の向う、太陽が低く沈んでいます
木という木には死体がぶらさがっています
それがやがて現実に、それがやがて現実に

http://youtu.be/WCVJny3Va4I

森の静謐

これは、まだ記事にしていませんでした。ジューン・テイバー、'05年作『at the wood's heart』。
june

彼女は歳取ってからリリース・ペースが上がっていて、盤石な演奏と分かり切っているだけに、発売たびに購入するものの、後でゆっくり聴こうと放置してしまうことがあり。

昨年、オイスターバンドとのコラボ・アルバムで受賞した彼女、ふだんはジャズ編成に近いアコースティック・スタイルで落ち着いた制作を続けている。淡々と静か、しかし表情豊かなヴォーカル。

トラッド+コンテンポラリー・フォークによる選曲。今作では、コニー・ドーヴァーの名唱で馴染みある「Lie Near Me」などのトラッド、ケイト&アンナの作品「Heart Like a Wheel」などのフォークの他、デューク・エリントンやフレンチ曲も。

アルバム印象としては、薄霧のイングランドの森を独りでさくさくと歩いていく絵が浮かびます。年が変われば障子を破いて新たに張り替える日本と、感覚性の違いが音楽にも現れるように思います。脈々と息づいた森(フォーク)の動静に耳を澄ます。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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