ヒッチの秋(2)

ヒッチコックの'59年作品『北北西に進路を取れ』を購入しました。主演ケーリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント。
north

ブルーレイ・プレーヤーを買ってから、過去のDVDも再見しようとディズニー映画『ファインディング・ニモ』を観賞してみた。
手持ちのアニメはこれ一本で、アニメ全般は好んで観ない。単に実写が好きだからという理由だったが、『ニモ』を観ると、良い作品なのだが効果音がうるさくて。だから敬遠しがちなのかなと思った。

ヒッチは音響効果にも慧眼の持ち主だ。ハイライトというべきトウモロコシ畑のシーンでは、一切、音楽を使っていない。かたや、大都会の忙しいサスペンスではバーナード・ハーマンのテーマ曲が近代音楽ふうに鮮烈に掻き鳴らされる。
作品全体の緩急のメリハリがどの部門においても効果的で、映画技術の中の"対照"は、総て洗い出し計算し尽くされた上で、プロットの中に組み込まれているようだ。
画質はほんの一部、原版そのものに瑕があるものを除いて綺麗に復元されている。

『泥棒成金』は特典映像一切なしだが、こちらは豊富。エヴァ・マリー・セイントの現在の姿が確認できる。クラシック映画の特典映像って、年数を隔てているだけに既に他界しているスターも多いが、稀に後日談に登場すると、皺だらけでびっくりする(笑)。けど、さすが俳優だけあって、エヴァは綺麗に歳を取っていた。

エヴァ
(Eyegateより)

エヴァ・マリー・セイントは中原理恵に似ている、とずっと思っていたのは僕だけではなかった。(→そっくりさん判定)

ケーリー・グラントの生い立ちに関する特典映像も興味深い。ソフィア・ローレンと付き合ってた時期があったんですねぇ。4度の結婚の間、離婚するたび俳優仲間の親友ランドルフ・スコットと同居を繰り返していたというから、怪しまれるのも無理はないかと。しかも、それを逆手に取った二人の共演作品もあるという。
長らく行方不明だった実母(精神疾患だった)との再会で、毛皮のコートの贈り物を携えて逢いに来たケーリーに、母親は「皺が増えた」と言ったという。俳優として傷ついた部分もあるだろうが、再会にあたって即物的な物言いしか出来ない親に落胆したことだろう。

Main Title by Bernard Herrmann

ヒッチの秋(1)

ブルーレイ・プレーヤー買っちゃった。なんて分かりやすい管理人なんだろうね。東京行きを止めたので、そのぶんをこちらに当てる事にした。
価格com.で再安値だった商品が届きました。早速、過去に買っていたサラウンド・システムに繋いで、と。
げっ・・・端子が合わない。プレーヤーは同軸信号、サラウンドAVアンプのほうは光信号対応で、コンバータが必要だと初めて知った。うちのサラウンド、もう旧いんですね。。

ケーブル含めて追加注文し、ひとまずアナログ(いわゆる赤白黄ケーブル)接続で、TVのスピーカーで視聴しました。

hitch

ヒッチコック監督、ケーリー・グラント、グレース・ケリー主演の'55年『泥棒成金』です。大阪の映画館のリバイバル・レイトショーで一度観賞し、以来の初入手です。

うん、画質が良いです。50年以上前とは思えぬほど。やはり買って良かった。
ほんとは買う予定など無かったのに、デップの『ツーリスト』を観て、『泥棒成金』を思い返したのだ。
南仏を舞台に軽妙ながらも犯人探しのスリルあり、ラブ・シーンも上品にたっぷりと。こうじゃなきゃ、何度も観られない。

グレース・ケリーは、やっぱり綺麗だなぁ。ツンとした小生意気そうな顎もいい。Amazonのレビューで、ケリーのデコルテのそばかすもハッキリ見える、とあったが、うちの画面サイズは小さいので、そこまで気付かなかった。
このころの男性の着こなしって、ベルトの腰位置がやけに高いんですよね。今の感覚で観るとちょっと幼児体型っぽく映るんですが、ケーリー・グラント、さすがスーツが決まっています。
ふたりの花火の中のキス・シーンは、やはり大きなスクリーンで観たいものですね。

ヒッチのパラマウント作品は単品での取扱いで、今秋順次発売になるらしい。ユニバーサルのコレクション発売も待ち遠しい。

thief

ロックの信仰心

ボスファンのジム友からブルース・スプリングスティーンの新作を貸していただきました。今日、返す前にチャッカリ記事にするという(笑)。

↓お借りした'12年『レッキング・ボール』
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これ、いいですね。音がきれいに録れてる。
前回のルーツ・ミュージックの取り組みが、良い形でフィード・バックしている。とてもシンプルでハイ・センスなバッキング。
ルーツ・ミュージックの時は、正直なところアイリッシュをそこそこ聴いてきた僕としては、ヴァン・モリソンには敵わないな、と思ってたけれど、今回のは自作とあって本領発揮。わかりやすいメロディ、簡潔なコード進行。
フォーク・ロックという趣き。全曲、ギターで弾き語れそう。それにも関わらず、一筋縄ではない豊潤さは、やはりルーツ・ミュージックをしっかり見つめたところにあるのではないだろうか?

社会性の高い歌詞も人気だが、ふだんから思うに洋楽と日本のライターとの決定的な違いって、信仰心なのでは?と思う。今度のボスの歌詞を読んでも、励まし支え合う心の強さは、信仰への強さがバック・ボーンになってる。

ともあれ、音楽が出来ていなければ、いずれも説得力は無い訳であって、今回のサウンドはふだん彼を聴かない僕にもグッときた。不景気時代の新たな音楽シーンを覗かせてもらった。

どうしようか、ブルーレイ

うう、これ気になる…ヒッチコック・プレミアム・コレクション
(Amazonより)
hitch
このユニバーサル時代の14作品中、「トパーズ」「フレンジー」を除き、他のソフトで全て持っている。主にDVDだが、古くはVHSからLD、そしてDVDへと買い替えたものもある。VHSなんて貧乏な学生時代に思い切ってよく買ったものだ。当時、一万以上はしていたから。
ところで、ブルーレイ・プレーヤーを持っていない。手持ちのDVDデッキも酷使していないから、、と見送っているうちに、ブルーレイ・ソフトの価格は1本1500円くらいに下がっている。

同じ作品をまた買い替えるの?と呆れられそうだが、ヒッチコックは別格といってもいいほど、かつては夢中になった。高校時代のレンタル・ビデオをきっかけに、大学時代は梅田の大毎地下や三宮のアサヒシネマでリバイバルがあれば通い、ロイヤル・ホテルで『めまい』のカップル向きの上映会があれば、連れなしでケーキを食べながら、細部を再見した。

初期のイギリス時代の作品はほとんど知らないからヒッチコキアンを名乗るほどではない。トリュフォーとの対談を収めた専門書は興味深く読んだ。

そうねぇ、SACDデッキは別途持っているので、あくまで映像系に特化したシンプルなプレーヤーだと、大手メーカーでも8000円台であるみたい。
けれど、ヒッチコック以外にソフトを買うほどの余力は無いし、ほぼこのコレクション用の購入になってしまう。それでも検討の余地ありか?

産毛が映るほどのグレース・ケリー、観直してみたい(笑)。垂涎って、なんて分かりやすい単語なんだろう。"すいえん"と読むより"すいぜん"のほうが、リアルな音がします。

↓『鳥』('63年)ジャングル・ジムのシーン。ちなみに子供達が歌うトラッド曲、可愛らしいですね。

美しさで我慢

テニス視聴目的で加入したWOWOW、USオープンが終わってしまうと、一気にゴルフ番組ばかりになってしまってつまらない。来月の楽天オープンの放送が待ち遠しい。

この有料チャンネルは、ここ数年で公開された比較的新しい映画も放送してる。
たまたま'10年作『ツーリスト』を観てみた。主演はアンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ。

(Amazonより)
tour

久しぶりに肩の力が抜けた。ガックリという意味で。
アンジー、美しい。ヴェネチアのロケも素晴らしい。さすがプロの映画です。
だが、このオチは近作とは思えぬほど陳腐で、大抵のドンデン返し映画では、観客は意表をつかれて
今一度、ストーリーを振り返って、「あれは、こういう事だったのか~」と、してやられた爽快感が残るものだが、これは振り返る気にもならない。

オチに乏しいので、出ずっぱりの大立ち回りに本来なら喝采を送りたい筈のデップが、大ラスで再度登場するに至っては、「また、あんたか…」と、食傷してしまった。
デップは中性的な眼の演技が魅力的。だが、ここではデップを騙したヴェネチア警察の俳優のほうが一部しか登場していないものの存在感があった。イタリアの男って、なぜ歳とってもあんなにかっこいいんだろう。

景勝地を活かした華やかなスリラー映画としては、ヒッチコック監督、主演ケーリー・グラント、グレース・ケリーの『泥棒成金』を思い出す。あの作品なら、もう一度観返したいものだが。

1日1曲(43)

ピアノを習いに兵庫の田舎から神戸まで通っていた高校時代、帰りに三宮のセンター街にあるMr.ジャケット(輸入盤屋)に寄るのがコースでした。

といっても、小遣いも足りないので、新譜の発売予定も知らないまま、同じアーティストのLPばかり、馬鹿みたいに何度も繰りながら、新作の並ぶ日を夢見ていた。

その頃から今も聴き続けているのがカーリー・サイモン。学生時代に『トーチ』に泣き、就職活動の頃は「レット・ザ・リバー・ラン」をリピートし(笑)、毎夜終電or泊まり込み続きのストレスに最新アルバムを音量上げて憂さ晴らし。彼女の歌は自分のライフ・ステージのどの場面にも、気がつけば傍らで鳴っていた。

もしかしたら、今まで彼女に一番時間を費やしているかもしれない。そして、一番見つめあった時間が長いのは、わが飼い猫。上品で時に野性的で優しい。怒りで寝付けず、寝床で正座をしたままうなだれていたある晩、「どうしたの?」と目を瞠り、すーっと体をくっつけてきた時の感激は忘れない。

'81年、初のジャズ・スタンダード・アルバム『トーチ』より。トーチ・ソングとは、失恋や片想いを歌ったバラード。唯一自作であるこの曲は、カーリーらしいメロディ・ライン。



↓『トーチ』ジャケットのアウトテイク(公式サイトより)
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グランド・セントラル 8songs

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なかなかDVDリイシューが実現しない、カーリーの'95年、ニューヨークのグランド・セントラル駅のライヴ・ビデオ。手元のVHSは擦り切れるほど聴き、デッキが壊れてしまったまま。
今回、彼女の公式サイトのリニューアルに伴い、アルバム・ガイドがヴァージョン・アップし、資料動画が増えています。
先のライヴ・ビデオも追加アップされていましたので、自分用も兼ねてここにまとめます。

「悲しい伝説」キャット・スティーヴンスのことを歌ったと言われています。エンディングが洒落ている。


「ノー・シークレッツ」この曲大好き。ボッサ・ノーヴァ風にリアレンジ。


「I've Got To Have You」クリス・クリストファーソン作。カーリーは駆け出しの頃、彼と共演していたそうです。素晴らしいパフォーマンス。


「ジェシー」ヒット曲。仕打ちをした彼を、次第に待ち望んでしまうラヴ・ソング。


「De Bat (Fly In Me Face)」実体験に基づくらしい。アフリカン・リズムっぽいフォーク。


「デイヴィー」冒頭、ちょっと音飛びがあります。優しいフォーク調。


「悲しむ時はなく」エンディングのストリングスが印象的。"あなたと出会ってからは、メロドラマを観ても泣かなくなった"


「Halfway Round The World」フォーク&ブルース調のユニークな歌。どんなスタイルでも決まっています。

テンシュテットの巨人

エソテリックの今月新譜、クラウス・テンシュテット&シカゴ交響楽団のマーラー交響曲第1番≪巨人≫を購入。
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クラシック通でもないのに、クラシックだけSACDで聴くようにしています。ノンPAの音楽はマスター・テープのように生々しい高品質で聴きたいもの。

本盤は、通常CDでは知らず、いきなりSACD購入。テンシュテットも初。曲自体は、過去にクーベリック、スゥイトナー、M.T.トーマス、と聴いてきました。
その中でもこちらは、指揮者の老境が表されているのだろうか、最もテンポが遅い。新鮮。

特に1番は、主旋律が立っているので、テンポを緩めたぶん、和声がじっくり聴こえて、曲の遠心力が強くなる印象。そしてせきこんで締めるところは締める。
音の鳴りもとてもきれいで、エソテリックからの購入はこれで2枚目だけど、いいですね。飽きないリマスターの印象。

これは'90年録音。巨人のSACDは他にM.T.トーマスを持っているが、そちらは最新録音だけに音響も素晴らしいのだけど、何故か聴き込まない。音が澄み過ぎて、ちょっと疲れるのだ。贅沢な話だが。そのせいだろうかMTTの演奏も僕には知性的過ぎる感じ。

帝王のボックス(2)

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マイルス・デイヴィスの34枚組、未だ全部聴き切れていないけど、やっぱり最初に単発で買った『ワーキン』が、最終的に一番好きな気がする。しっとりかつ軽快で…。
もちろん、他のどれも気持ち良くて。この感覚をどう書けばいいやら。

それで、先に異色作と思われるこちらについて先に少しだけ言及。'59~'60年録音『Sketches of Spain』。
特に1曲目のロドリーゴのアランフェス協奏曲には驚いた。管弦楽とは全く異なる様相を呈していながらも、もう一つのオリジナルのような、新たな絵が見えた。乾いた音場がたまらない。完成されていて、なんだかこわい。
スウィングするタイプの曲ではないので、アルバム全体としても好みが分かれるかもしれないが、後追いながらやはり凄い人だと認識。

オリジナル・ジャケ(Amazonより)
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http://grooveshark.com/s/Concierto+De+Aranjuez+adagio/1oyuJB?src=5

Touched By The Sun


太陽にむかって
by カーリー・サイモン
BMG国内盤より訳詞引用
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勇ましくなりたいと
天高く手を伸ばし
地平線のさいはてに臨めば
そこで誰に会えるか知ってる?
偉大な兵士や船乗り
芸術家に思想家
みな光に、光に近づくべき人ばかり
炎に焼かれる危険にさらされる人たち
私も、私もそこに行きたい
私も、私もなってみたい
太陽のめぐみを与えられた者に
太陽のめぐみを与えられた者に

いつも人生という名の道の
安全な側を歩きたがる私
自分で自分を寝かしつけて
心の痛みをやわらげる
でも本当は分かってる
賢者たちから学ぶべきだと
生きていく権利を勝ちとり
欲望の羽をひろげ
夜空を飛び回るの
いつか世間に言わせたい
彼女は気が違っていたのだと
私も、私もそこに行きたい
私も、私もなってみたい
太陽のめぐみを与えられた者に
太陽のめぐみを与えられた者に

賢者たちから学ぶべきなの
生きていく権利を勝ちとることを
呼吸一つ、鼓動が一つするたびに
私も、私もそこに行きたい
私も、私もなってみたい
太陽のめぐみを与えられた者に
太陽のめぐみを与えられた者に

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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