「田園」のコール&レスポンス

「田園」の代表的録音として、クリュイタンスと並んでワルターが名盤と聞き、SACDで購入してみました。初ワルター&コロンビア響です。
past

ベートーヴェン:交響曲第6番へ長調 作品68「田園」
Ⅰ.Allegro ma non troppo≪田舎へ着いたときの愉しい感情のめざめ≫
Ⅱ.Andante molto mosso≪小川のほとりの情景≫
Ⅲ.Allegro≪いなかの人たちの楽しいつどい≫
Ⅳ.Allegro≪雷雨、嵐≫
Ⅴ.Allegretto≪牧人の歌-嵐のあとの喜びと感謝の気持ち≫

'58年録音(ソニー)。'99年発売のSACDということですが、この当時からプレーヤー持ってた人って、幾らで買ったのでしょう?
音質の件ですが、高域が目立ち、弦の音がなんだかスースーする。この点がとても残念。
再リマスタすれば、もっと良くなるように思うが、SACDに関しては、もうCDと同じ轍を踏みたくないんだよね。SACD自体を最終盤として捉えたいので、同じ作品の買い直しは二度としない。
一連のEMI名盤SACDシリーズによって、リマスタリングに対するリスナーや各レーベルの意識とハードルはかなり高くなったのではないかと思う。SACDの再現性の高さは、リマスタリングをもってして、初めて実現しうるものなのだから、レコード会社には万全を期した再発を期待したい。

低音をよく聴いている指揮者さんなのかな、コントラバスがイキイキしている。そのためか、ポピュラーでいうところのビッグバンド的なグルーヴ感を感じさせる。父性の強い演奏。
それで、その後クリュイタンス&BPO盤を引っ張り出したくなる。クリュたん贔屓のせいか、音質的には数段劣っても、この独特の優雅さは、他では味わえないと確信。

録音のマジックもあるかもしれない。クリュイタンス録音は、管楽器を遠景に置いた(つまりオケの配置そのままなのだが)残響感が特徴的。
「田園」では主題のコール&レスポンスが多く、管楽器の残響がやまびこのような音像に役立っている。意図的な録音手段だったのだろうか。
それにしても、それだけであれほどの色彩感や清涼感は描出できない。クリュイタンスは一体どんなマジックを使ったのだろうか?

マ・メール・ロワのスコア

ラヴェルの『マ・メール・ロワ』が好きすぎて、ミニ・スコアを中古で買いました。
score
全曲で約30分くらいで、オケは小編成なので、重厚さは苦手な人にもとても聴き易いんじゃないでしょうか。プログラムは以下の通り。

1. 前奏曲
2. 第1場:紡ぎ車の踊りと情景
3. 第2場:眠りの森の美女のパヴァーヌ
4. 第3場:美女と野獣の対話
5. 第4場:一寸法師
6. 第5場:パゴダの女王レドロネット
7. アポテオーズ:妖精の園
読譜風景
score2

ミニ・スコアなので音符が小っちゃい。一応、ト音記号とヘ音記号は読めるのですが、ハ音記号が苦手。ヴィオラの音域に合わせたものです。
↓ハ音記号(アルト記号)、真ん中のくびれた箇所がハ(つまりド)
wiki
(ウィキより画像拝借)

ピアノ曲から、よくこんな管弦アレンジが出来るものだ。個人的にハープの音階など参考にするつもり。
以下は第5場~、デュトワ盤より。こちらはクリュイタンスとはまた違った端正な迫力がありますね。
http://youtu.be/7vq6hAQJaRA

「火の鳥」の迫力

小6の頃、ハチャトゥリアン、ストラヴィンスキー、デュカスが収録されたLP(指揮者失念)を愛聴していました。近代音楽オーケストラの弾けるようなパーカッションや、雄叫びのような管楽器群が好きでした。
SACDの迫力を試すなら、この曲だろうと思って買い求めたのが、イーゴリ・ストラヴィンスキーの「火の鳥」。某掲示板上で、勧めてもらったマリス・ヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です(画像左)。
firebird

'07年ライヴ録音だが、低音帯の迫力はあるものの、ぼやけていて期待していた立体的な音場は感じなかった。ともすれば、EMIの'60年代録音のほうが音質が良いと思うくらい。やはりマスタリングのイメージが随分印象を左右するようになる。

サウンド・チェック目的だったので、音楽的にろくに感想も書けないが、つい最近SACDデッキを買う直前に購入したクリュイタンスの「火の鳥」'62年ライヴCDのほうが、演奏が好みで音質も悪くない(画像右)。
やはりクリュイタンスって、風通しが良いというか、楽想のポイントを押さえた、スッキリした聴き心地を与えられる。繊細さと大胆さの振り幅と瞬くような色彩が魅力的。

今回の購入で初めて知ったが、2管と4管の編曲版があるそうで、僕が今まで耳にしてきたのは、どれも2管ヴァージョン。
以下のM.T.トーマス&サンフランシスコ響は4管みたいで、トロンボーンの"パーオ"が鳴らない。鳴らしたらやはり作曲家への冒涜になるんだろうね。
↓ここの録音はパーカッションがリアル。

サウンドとして聴くドビュッシー

アマゾンのレビューの中で、SACDは音が驚異、財布には脅威、と書いている人がいたが、その通りだ。
さっき、ここを見てたのだが、ラテンとかはまだ全然出てないですね。ふうん、サリフ・ケイタの『モフー』が3999円かぁ。『ホテル・カリフォルニア』をSACDで聴きたいとはあまり思わないなぁ。
高くても復刻SACDを買い直す気があるかどうか、本当にその音楽が好きかどうか、試されてるみたいだ。先月からSACD買い過ぎ。デッキ買い立てだからまぁいいか。。

cd
日EMIシリーズで、まだ幾つか買い足したものがあります。独墺系はあえて後回しにするつもりで、ジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送局管弦楽団、『ドビュッシー管弦楽曲集』(4CD)です。買い直しではなく、初購入。

ドビュッシーは、「月の光」「亜麻色の髪の乙女」などが有名ですが、ここでは管弦楽曲。「子供の領分」くらいしか知らないなぁ。そういえば小学生の時、初めて買ったドビュッシーのLPは、富田勲のシンセサイザーだったんですよね。
ドビュッシーの曲は、同じ近代でもラヴェルに較べると構成が掴みづらくて、ちょっと敬遠していました。どなたかが、ドビュッシーは神話的、ラヴェルは寓話的と書いていて、なるほどと。
タイトルにも表されるとおり映像的で、サウンドとして捉えるほうが、自分には入り込み易い。しとど濡れたようなストリングスの音の壁が、ボワーンと打ち寄せるようで、夢心地になります。
聴いててとても気持ちいいが、やっぱりラヴェルのほうが好きだな。
http://youtu.be/HZsfNNORJ6s

価格差とマスタリング差

さて、SACDリスナー初心者としては、今後CDとSACDの買い分けをどう進めていこうか。
現在、SACDのリリース数が最も多いと思われるクラシックを、いい機会だし当面聴き進めていこうと思う。
元々、ポピュラーの中でもワールド系のジャンルを主に取り上げてきたブログですので、読者さんの中にはクラシック嫌いの方も居られるかも知れませんが、私自身、ライト層のクラシック・ファンなので、まぁ、お付き合いください。
(ラヴェルなどは、クラシックのワールド・ミュージックとも言えると思うんですよね。)

SACDはこれからクラシックを聴く人には好機だと思う。20世紀の録音がこれほど良くなるとは思ってもみなかった。今思えば自分が'80年代のCD時代に入ってからパッタリとクラシックを聴かなくなったのは、LPにあってCDに無いものを感じ取ってしまったからなのかも。
SACDは、CDとサイズは同じでも、音響的にはむしろLPの発展型のように思える。自然な音場を感じるのだ。

ポピュラーは、最近急いて聴きたいものがなく、SACDのリリース数もかなり限られているので、従来通り安価な中古CDで集めていく。
悩ましいのはSACDの価格。まだ手頃とはいえない。特に国内盤は、EMIで一枚3000円。エソテリックが3300円。ユニヴァーサルは4500円となかなかに高価だ。
4500円は、今の自分の感覚では手が出ない。3000円でもキツイ。エソテリックの3300円は、EMIとは300円違いだが、限定生産による入手困難イメージもあって初めから腰が引けてしまう。

もう一つは、各レーベルのマスタリングのイメージの違い。SACDは音質向上ゆえ、各社のマスタリングのポリシーが妥協少なく伝わるようになった。録音物というものは、いかにマスタリングによって大きく印象を左右するものであるか。
それらを鑑みて、レーベル固定で集めるという、従来考えたことも無い路線でソフト購入を進めようかと思う。

輸入盤SACDでは、RCAから出ているLIVING STEREOというシリーズが1000円以下で買える。現時点で日EMIと、このLIVING STEREO盤と聴き較べてみたが、リマスタリングの成果はEMIが圧倒的と感じた。作品内容第一だが、安価という魅力だけで飛び付くと、なまじCDを凌ぐ音質が保証されるだけに、サウンドのイメージが裏切られた気がしてしまうのだ。

思案するところへ、欧州EMIからの安価順次リリース情報が。しばらくHMVで購入してみようか。

↓LIVING STEREOシリーズから購入した二枚 (上)クライバーン、チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番他 (下)ルービンシュタイン、ショパン・バラード、スケルツォ集
ls

1日1曲(27)

去年のベスト3に入れたメアリーの『Stories from The Steeples』、今でも時々取り出して聴いています。ちょっと落ち着きたい時、軽く落ち込んだ時など。


このアルバムでは、メアリーの息子ダニーや娘ローシンもハーモニー・ヴォーカルで参加していますね(上記曲は、イメルダ・メイとの共演)。
メルボルンでのコンサート終了後、メアリーから打ち上げパーティに誘ってもらった時、初めて娘ローシンさんを紹介してもらった。
恐らく旦那さん似なのだろう。背が高くて、ナイスバディの人だった。(メアリー自身の背丈は、日本の普通のおばちゃん達と変わらない。僕(171.5㎝)より10㎝以上は低かったと思う。それであんなにたくましくて清しい声が出る。)

現地のシンガーソングライターの車に乗り込んでいざパーティ会場に向かう時、CDや雑誌などが散らかったままの後部座席にローシンは平気で乗り込むので、僕は思わず「ちょ、ちょっとモノの上に座っちゃ駄目~」と言ったが、彼女はニコニコしていたままだった。お母さん、ちゃんと躾けなきゃ(笑)。いまや娘も息子も立派にミュージシャン活動している。

遠くない時代の協奏曲

低体温からくる諸症状に悩まされ、カイロプラクティックに行ったら一発で体温が戻った。0.5度の差でだいぶ違います。先生に「悪いとこだらけ」と言われてしまった。加齢による試練と受け止めて真面目にストレッチやりますワ。

一連のクリュイタンスSACD盤の購入分では、これが最後になります。
サンソン・フランソワ&クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団、ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」「左手のための協奏曲」。
左が通常盤、右がSACD。
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これも通常盤とは桁違いに音質が良くなっている。オケがよく絡み、バスドラムがズシンと拡がる。
「ト長調」については、1楽章と2楽章の演奏が微妙にぎこちなく食い足りなく聴こえるのだが、音質差のせいかもしれない。3楽章以降、一転して曇りが晴れたような音響に。マスター・テープの保存状態、もしくは録音日の違いのせいか。

こんな曲調、まぁロマン派音楽では見当たらない。フランソワの個性的なタッチが、パーカッシヴな曲想に合っていて、陰影的な彩りを醸し出す。その時代(1930年頃)を知っているかのような、ちょっと懐かしい近代の活気の香りがします。
http://youtu.be/QvHa0EFddHs

このクラシックSACDシリーズ、日本先行リリースだったが、どうやら英国でも順次発売になるようで、価格はもっと安くなるようだ。

↓クリュイタンスとフランソワ
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オケ伴の輝き

これも、素晴らしく甦りました。オイストラフ(ヴァイオリン)・クリュイタンス(指揮)・フランス国立放送局管弦楽団(演奏)によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。
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こちらもSACDへのチェンジ。オリジナル・ジャケに戻って、こちらのほうが何だかレトロで好きですね。

これもクリュイタンスのオケ伴目当てでした。従来CDでは、ヴァイオリンの音がヒステリックで、オケが平坦で引っ込んでいたのが、パテ埋めのような抑制のきいた輝かしい伴奏を聴かせている。
'58年録音だが、高低域まで豊かに鳴って、最近の録音のよう。

ふだんはポピュラーばかり聴いてるけど、クリュイタンスは伴奏上手として自分の耳を捉えた。伴奏が巧い人は独奏も巧い。オイストラフのヴァイオリンもきれいに甦って、荘厳かつ甘やか。

クリュイタンスのベートーヴェンもので、現在SACD化されているのは、この一枚だけ。ぜひ交響曲全集もリマスタ復刻してほしい。

ビゼー聴き較べ

これはちょっと当てが外れた感じがしました。
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ビゼー≪アルルの女≫第1&第2組曲、≪カルメン≫組曲です。指揮者は、かの微笑みのアンドレ・クリュイタンス。
これもSACDへのチェンジ。以前はHQCD盤で持っていました。でも音質が悪くてどこがハイクオリティだよ、と憤ったまま放置。

だがこの盤ばかりは、元の録音手法が良くなかったのか、リマスタSACDでも今一つ冴えない。
いや、HQ盤に較べると確かにきれいに聴こえますよ。ただ楽器全体が奥に引っ込んだまま、他の盤のような広がりも無く、エコー感ばかりが空々しくフロントを漂っている気がした。

ラヴェル集より後の録音('64年)だからと期待しすぎたのか。この録音に限っては、オケからかなり距離を取ってマイク・セッティングをしたからかもしれない(というかモノ録音?)。音量を上げるほどきれいには聴こえるが。
先に出たエソテリック盤ではどうだったのだろう。

演奏に遜色ないと思うんです。クリュイタンスがらみということで、ボチボチ聴こう。
ビゼーの音楽って、いわばフォーキーだから、かならずしもオケ編曲じゃなく、ガット・ギター中心に古楽器などを取り入れた民族の風合いを出す編成のほうが効果的なんじゃないかな。

ビゼーは小学校の給食の時間にずっとかかってた。だから南仏の土臭さより、いまだに牛乳瓶とコッペパンが真っ先に浮かぶ。イヤっちゅうくらい聴かされたね。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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