肝っ玉セリア

ずっとクリスマス・アルバムしか持っていなかったセリア・クルース、興味のあった'5,60年代の2枚組ベスト盤を買ってみました。アマで新品600円程度で、ブックレットはどうせペラ一枚だろうと思ってたら、レアなジャケを紹介した、けっこう充実したもの。
cc

これもほとんど購入報告にとどまるようですが、聴いててあまり乗れない。クラシックを聴くようになって自分の感覚が変わったのか?
リマスターされてると思うけど、当時のLP盤のほうが絶対もっといい音のはず。ラテンはコンガの音がグルーヴを担う部分が大きいと思うだけに、この平らな感じは物足りない。もちろんセリアのパフォーマンスは申し分ないのですが。

こんな感想を抱くのも、ミゲリート・バルデスのLPを聴いてしまっているからなのだ。コンガの底抜けに深い音、ミゲリートの厚い(熱い)ヴォーカルがたまらない。5,6千円も出して買った価値はあった。
この時代のラテンはCDでは物足りない。かといってLP盤で蒐集するほどの余力もなく…。

グルダのベトソナ

今年の記事から、CDジャケ画像の端っこにクチナシの鉢植えを添えています。初夏に花が咲くそうですが、それまで枯らさずに持つかな。室内で陽に当てるだけなので、育てやすそうです。
gulda

初めてケンプ以外のベトソナを購入してみました。ケンプの演奏に愛着はありますが、繰り返し聴くうち、左右の粒が揃わなかったり、指が回り切らない感じに気づいてしまうので、テクニックに定評のあるグルダを選択。

ひゃ、テンポが速い。というかケンプのほうが遅めなのかも。現代演奏家なら、この位のテンポ感が当たり前なんでしょうね。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタには、時々ポピュラーのテイストを感じる曲もあり、その点においてもジャズの素地もあるグルダはイン・テンポの快奏。粒立ちがよく、ジャストの打鍵が、いっそう曲を簡潔に聴かせるようで驚く。こういう弾き方もあるんですね。ケンプとは全く資質が異なります。

でも、ケンプを10代の時に聴いた記憶が染みついているためか、グルダの5番1楽章冒頭のピラン・ピラン・ビランと弾く所なんか、あまりにチャッチャと通り過ぎていくようで、ケンプのようなタメとか、間合いというものが懐かしくなったりもする。

↓最近、4番をよく聴きます。

ヘブラー

イングリット・ヘブラーのモーツァルト ピアノ・ソナタ全集(5CD)を購入。
手持ちのケンプ盤が、聴いてるとちょっと憂鬱になってくるため、もう少し最近の録音で明るいニュアンスを求めていました。
haebler
モーツァルト弾きとして有名な演奏家だそうで、全く予備知識無しでの購入。本日届いて一通り聴いていますが、ドンピシャの素晴らしさ。

録音('86-'91年)は申し分なく美しい。最新録音でも録り方次第で相性の悪いものと当たってしまう事(やたら残響が多くて、霞みがかかっていたりとか)もあるが、デンオン盤っておしなべて好きかも。
演奏は明るく、しなやかながら滋味な強靭さ、とでも言おうか。やはり女性的な清潔さも感じられる。愛聴盤の予感。

たまに出てくる短調の曲が好きですね。有名曲が集中したDisc3の1曲目、第9(8)番の第1楽章に鳥肌が立つ。

Für Elise

ヴィルヘルム・ケンプ、『バッハ・トランスクリプション集とアンコール集』を購入。
これは、ケンプ晩年のグラモフォン録音のバッハ作品集と同内容と思い込んでいたのですが、こちらはデッカ時代の1953、55年録音集で、限定盤。これが最後の1枚だったようで、HMV通販でクリック購入すると、即完売。

kempff
古い録音だが音質はしっかり。古さがかえって深奥を感じさせるようだ。やはりケンプのバッハ、これ以外に考えられないほどの対峙出来る安らぎ。
ケンプ自身が編曲を施し、既に世に敷衍しているバッハやヘンデルの曲も含まれる。

アンコール曲のように配されたラストのベートーヴェン「エリーゼのために」は何か衝撃的。これほど奥行きのある曲だったんだ。
そういえば随分前に、ゲイリー・オールドマンがベートーヴェンに扮した映画がありましたね。ミステリー仕立てで結構面白かった。意外な人がベートーヴェンの思い人だったような。

↓以下は収録外ヘンデル/ケンプの「メヌエット」、イディル・ビレット演奏

大フィルの新春コンサート

友達に誘ってもらって、ザ・シンフォニー・ホールで大フィルの新春名曲コンサートを観賞しました。
↓曲目表
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クラシックを普段から熱心に聴いていない自分にも馴染みやすい選曲でした。
錦織さんは、東寺以来拝見しました。僕が声楽家の中で最初に見た、振り付け込みで歌う人。今回も華やかなオーラを放っていました。

演奏は概ね満足だったが、一つ気になったのがピアソラ作曲のバンドネオンとオケの合奏。バンドネオンの音量が弱い為、マイクを使用していたが、オケとリズムがずれる。僕が楽曲をよく理解していないし、座席によって聴こえ方が異なるからだろうか。
察するに、客席はマイクで拾ったバンドネオンの音を聴いている。が、オケ団員はノンPAでバンドネオンの生音をモニターしているから、タイミングが合わない。いわばポップスのライヴDVDなどで、よく演奏と手拍子がずれる、あの光景が今回一つのステージ上で起こっていた。
バンドネオンとオケはバランスが悪い。あれはソロだけで聴くほうが映える。

前年に較べるとサクッと進行した印象のコンサートで、指揮者のMCもあっさりめに配慮されたようだった。

ケンプのUS盤ベトソナ全集

あぁ、もう全然違う。なんで古い盤のほうが音がいいんだよ~!
買い直してみたヴィルヘルム・ケンプのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集('91年盤)です。
kempff
この購入もレビュアーさんの意見を参考にしました(Amazon)。"単一楽器でここまで音が違うのは初めて"と。廉価に小躍りして先に買った'08年盤は、カチカチでペラペラの音だった。'91年盤のこちらを聴くと、低域が出て深みもある。現行盤は何だったのか、と思うほどだ。なぜグラモフォンはあんなリマスターにしたのだろう。

落ち着いて聴けるようになって、かつて練習していた頃のコンプレックスも消えた。特に初期~中期ソナタは馴染み多いが、初期だから初歩的、というものでもない。右手と対等のメロディを左手で弾くのは困難で、すぐに親指の付け根が攣ってしまい地団駄を踏んだ。とてもケンプのようにリピート込みでは疲労してしまって持たない。
古典派の流れを汲んだ32曲の軌跡は大河をたどるようで、また非常に親しみやすいのだ。ベートーヴェン、すごい人。

ケンプの演奏は、技術が何かと取り沙汰されやすいが、ステレオ盤が普及する頃には、すでに壮年期を過ぎていたはず。2ヴァージョンの録音からは、こちらも演奏家の軌跡が窺える。癒しの成分が増した。
Wilhelm Kempff / Piano Sonata No. 4 in E flat major op. 7 - I: Allegro molto ... by Wilhelm Kempff on Grooveshark

3度目の購入

おととしベストCDのトップに挙げた'10年最新リマスター、クリュイタンス&BPOのベートーヴェン交響曲全集(画像右)。あえて過去リマスター盤に遡って購入し直しました。3度目の購入です。
bpo

買い直し理由は、HMVのあるレビュアーさんの評。"EMIの最新リマスターは、弦楽器がシンセサイザーみたいだ"と。それ、思い当たるフシがあった。
高域を上げたからなのか、音圧を上げたからなのかまでは分からない。一瞬、新しい録音と見まごうほど聴き映えはするが、弦の鳴りがどうも安っぽい感じなのだ。
そのレビュアーさんが、売り払わないで良かったと薦めていたDisky盤('01年発売)は既に廃盤だったが、ネット・オークションでそこそこの価格でゲット出来ました(画像左)。

わお!全然違う。こちら(左)は、一見、古色の感は否めないが奥行きがある。弦も不自然じゃない。オーソドックスに演奏のカオスを伝えている。
思うにレコード会社側も、リマスターの再々発売については、そのポリシーや新たなセールス・ポイントを帯にでも記載しておくべきじゃないかな。内容を知るだけに、付加情報が必要なのだ。

同じ録音なのに、聴きどころまで微妙に変わってしまったかのよう。『田園』の4楽章のスリリングな弦の下降に、以前は鳥肌は立たなかった。7番がこんなに良いとは気付かなかった。ジャケはこわいけど、今後はこの旧いほうを聴く。

第6番『田園』全楽章

夜の底は夢

Astralさんが昨年のベストに挙げられていたピアニストのCDを買ってみました。たぶん存命のピアニストのCDは初めてじゃないかな。
マリア・ジョアン・ピレシュの後期ショパン作品集、'08年。日本では表記がさまざまでカタログでは"ピリス"になっているものがほとんど。"ジョアオ"なんてひどい。
pires

うまい。古いのばかり聴いていたせいか、現代演奏家のテクニックに舌を巻く。
まろみある深い音色。ショパンの曲は緩急が多いが、わざとらしさがない。アルゲリッチ(未聴)だと烈しく弾きそうなイメージがあるけど。
特に"緩"の時の、腰の落ち付け方は、心身ともに着地したような安らぎ。"急"の時は、確実なパッセージ。素地はもちろん、どれほど辛抱強く鍛錬してきたのだろう。

彼女はケンプに師事したそうなので、解釈における精神をいくぶん受け継いでいるのだろうか。ケンプのLPの裏ジャケにあった言葉を思い出す。「静かなる心をもって、動をなす」(うろ覚え)。"静ありき"が無我の演奏を拓いていくのだろうか。

もともとワルツやマズルカが好きでした。思い入れは「ワルツ第7番嬰ハ短調 作品64-2」。リサイタル風のプログラムになっていて、初めて聴く曲もまだ多く、いい機会になりました。
この勢いでクララ・ハスキル、イングリット・ヘブラーなど女流ピアニストのCDを次々購入クリック! 到着楽しみ・請求こわい。

よみがえるサンディ

元旦早々に届いたCDはこれ。LPから数えて2度目の買い直し。
sd

サンディ・デニーの'73年作、『Like An Old Fashioned Waltz』の'05年リマスター盤(スリーヴ・ケース付)です。
この作品はずっと好きだったんですが、初CD化の音がひどくて、(1)「Solo」のドラムのフィル・インのあまりのモッサイ音にずっこけてしまいます。それゆえたまに聴く程度だった。
年末にブラブラAmazonを見て、リマスター盤の発売に気づいた。

同じ音源とは思えぬほどスッキリ整音されている。ドラムはもちろん、各パートの輪郭が出てコーラスに拡がりも出た。結果サンディのヴォーカルは、高域が少しキツくなった気もするが、なにしろ録音自体が古いゆえ頑張ってリマスタリングしてるほうだろう。初めて聴く方なら違和感ないと思う。
(ちなみに手持ちのポピュラーのリマスター盤の最高峰は、ビートルズのモノ・ボックスです。)

ストリングスを大フィーチャーしたアルバムで、2曲だけ他人作の小洒落たスウィング曲を挟んでいるのが、またいい。全編、小説を聴いたような感じだ。
ラストの「No End」は、歌詞詳細を知らないけれど、サンディと共に時の旅人になったような気持ちになった。
ボーナス・トラックが4曲。デモの弾き語りが肉迫する。

No End by Sandy Denny on Grooveshark

≪さすらい人≫ふたたび

今年もよろしくお願いします!
さぁ、どんな年になるでしょう。いつまでもワクワクしていたいものです。

年末はケンプのCDを引き続き購入クリックしまくり。いったん気に入ったアーティストは、ある程度のところまで系統的に集めたくなるのです。今回は中古購入、『シューベルト:楽興の時、幻想曲≪さすらい人≫』。'67年録音。
kempff

いいなぁ、このアナログな音。これ位いい意味でモッサリしてくれたほうが、永く聴ける。現在のオーディオ環境で、理想の音響の基本イメージが出来てきて、ポピュラーもクラシックも、自分なりの基準でジャッジしている。やはり'60-'70年代の音が安心できる。
(昨年、数少ない新譜購入の中で気に入った由紀さん&ピンク・マティーニのアルバムも、内容は大好きですが、質感はダウンロード向けに合わせた感触だった。圧縮ファイルに合わせた音作りでは、さらにCDを買う意味を感じなくなってしまう。)

「楽興の時」は、作品としても初聴き。楽士のささやかなもてなしを受けたような幸福感ある組曲。なんか、水車小屋で薄暗く独り聴いてみたい気分ですね。
そして、「幻想曲≪さすらい人≫」はポリーニで愛聴した高校時代以来の再会です。このスケールの大きなソナタ形式の作品を先に知っていたから、ピアノ・ソナタ集を聴いても未だ自分は、なかなかピンと来ないのかなと思う。シューベルトのピアノ・ソナタ集の立ち位置って、ベートーヴェンやモーツァルトとは違うようですね。

ケンプの演奏を聴くと、ところどころ難所を感じた。ポリーニは難なくこなしていた記憶がある。ただ、ケンプはシンフォニックな演奏で、オーケストラをイメージさせる。ポリーニはあくまでピアニスティックだったような…。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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