ケンプとグールドの平均律

念願だったケンプの『平均律クラヴィーア曲集 第1巻(抜粋)』(中古)を入手しました。
kempff
'98年リイシュー、現在廃盤。Amazonもヤフオクも高いプレ値が付き、なかなか手が出なかったCD。
今回も、オークションで開始価格が100円だったのが、みるみるうちに当時の定価1000円を超えてしまい、結局、粘って2500円程度で落札。

いやぁ落札して良かった。ケンプのバッハ、落ち着く~。ケンプはバッハとシューマンが好きだな。
晩年の録音なので、テクニックの綻びがもっと目立つかと思ったけど、多少弾きづらそうな部分が見え隠れするとはいえ、この安心感は他では得難い。
残響をうまく味方につけ、減衰するはずの打鍵音が、増幅するように聴こえる。これがケンプのマジックであり、ご本人曰く「クレッシェンドの出来ないピアニストは真のピアニストではない」と言わしめる所以なのだ(と、自分は思う)。

特に1巻は学生時代に練習した曲ばかりで懐かしい。バッハの対位法はお手玉みたいなもので、
右手の旋律が終止すると、同じ旋律を左手で追いかけ、これが三声四声と膨らんで見事なスパイラル状態となる。
難関は、これを一人で弾くという事につきる。お手玉が3つ4つと増えるのと同じ。

しかし、ケンプのこれは2巻(抜粋)も欲しいですね。アマのマケプレじゃ6000円もしてますよ。
上記の盤を入手する以前に、昨年末、グールド録音盤を買ってみたのでした。
gould
こちらは全巻全曲4CD。グールドは、他にブラームスの『間奏曲集』しか持っていませんでした。
むろんバッハも初ですが、こんなバッハもあるのか、と意外な驚き。躍動感があり、幾分都会的な風景を垣間見る。テンポ設定がやや極端な気もするが、速い曲の超技巧には圧倒される。本人の歌う微かな声も入っています。

誰かが書いてた。「ケンプは何も聴くものが無い時に、聴きたくなる」と。そうして自分も、いつのまにかケンプに戻っていくのだった。

↓グールドの演奏から

優雅な憂鬱

ケンプのCD蒐集の一環でモーツァルトのピアノ・ソナタ、幻想曲集(左)と、ピアノ協奏曲集(右)を購入。

kempff
モーツァルトは、長調の曲でもどこか憂鬱な気分になりそうで、後回しにしていたのでした。
こうして聴くと、旋律がよく歌っていてやっぱり楽しい。ピアノ・ソナタ第11番『トルコ行進曲付』は、初心者にとって、とっつき易い。

コンチェルトのほうも演奏内容は素敵だが、現時点では自分がピアノ・ソロか管弦楽曲にしか興味がないためか、積極的に聴き込んでいない。オケ伴奏にゃ、ヴォーカルをのっけたくなる。

↓ケンプさん、N響と共演してたんですね!

アイルランドのメロディ・メイカー

アイリッシュ系のCDだけは、聴く頻度の低いCDでも手放さないできたが、ぼちぼち中古に出そうと思った。
こちらも、あまり聴かなかったので売るつもりだったが・・・

jimmy
ジミーマッカーシー。メアリー・ブラックが多数取り上げたアイルランドのSSW。'94年作『The Dreamer』。12曲中、メアリーがカヴァーしたトラックが3曲。「ノー・フロンティアーズ」「ワンダー・チャイルド」「窓辺のアダム」。
恐らく彼の初メジャー作品となるもので、全編ストリングスがフィーチャーされているが、ぼくにはこれが甘味すぎた。
でも、、、やはりメロディはいい。ノエル・ブラジルも優秀だが、こちらも馴染みやすく飽きさせない、洗練されたフォーク・ソング。ヴォーカルは、やや鼻にかかった、モゴモゴした歌い口。

オススメは過去記事で紹介済みのこちら。
jimmy

現地で直接買ってきた'91年『The Song of the Singing Horseman』。こちらはアーシーで爽快。こちらでもセルフ・カヴァーしている「ノー・フロンティアーズ」もいい。他にメアリーも歌った「ブライト・ブルー・ローズ」、クリスティ・ムーア歌唱で有名な「Ride on」など。
しかし、最近作の噂はとんと聞こえてきません。Amazonで調べると沢山ヒットしたが、アメリカの別のカントリー・シンガーみたいだ。

↓この作品から「The Mad Lady and Me」

懐かしのハンガリー舞曲

無性にブラームスのハンガリー舞曲第5番が聴きたくなり、舞曲全集でCD購入。
HMVのレビューで評判のよいオトマール・スウィトナー(1922-2010)指揮、ベルリン・シュターツカペレ演奏。

ハンガリー舞曲第5番との出会いは、自分が幼稚園の頃だったと思う。
親が情操教育のため、通信購読のLPレコード付き絵本を取り寄せてくれていた。
東京こどもクラブ』といって、ナレーションには楠トシエさん、オーケストラの指揮は
芥川也寸志さんだった憶えがあります。
→(ファン・サイトで絵本の一部が参照いただけます。無断リンク失礼。)

suitner
それでこの盤、ホワンとした優しい残響で、ジプシー音楽の憂いあるメロディを優雅な舞曲で聴かせてくれます。
解説によると、ブラームスがハンガリーのヴァイオリニストとの演奏旅行中にジプシー音楽に興味を持ち、採譜・蒐集を始めたらしい。
もともとピアノ連弾用の譜面集としてヒットしたそうで、後にオーケストラ用にも編曲された。編曲はブラームス自身の他、ドヴォルザーク、シュメリングら。

東欧系の旋律は、独特でいびつな暗さがあり、激動の社会による運命の翻弄をイメージしてしまう。が、ここでは自在な緩急と抑制のきいた演奏によって、馥郁とした心持ちに浸らせてくれる。

ハリス・イン・パリ

あああ、ダウンロード失敗で問い合わせした件、ハリスのサポート・センターからはなしのつぶて。経済危機でそれどころじゃないんだろうか?? こっちだって個人的に危機なのに。
アマゾンやiTunesでは、ファイルが壊れていた事無いんだけどなぁ。

haris

このライヴ・アルバムは、リマスター&リイシューされていないようですね。'86年発売『a Paris』。全14曲。
録音状態がよくない。いや、ノイズとかは無いのだけど、
まるで客席からラジカセの内臓マイクを差し向けたかのような、生録りのワーンとした響きで、やや聴きづらい。

もちろんハリスの歌唱は、、、抜群です。

食わず嫌いにならぬよう

10日は、友達に誘われて大フィルのニュー・イヤー・コンサートを聴きに行って来た。福島のザ・シンフォニー・ホールに行くのは、20年ぶり。コンサート、良かった。ホールは変わっていなかった。

正月らしく、聴き映えのするプログラムで、サン=サーンスのオルガン付きの交響曲ほか2部構成で。指揮者の円光寺さんは「私がお父さんにしたいNO.1指揮者です」と挨拶、司会進行も兼ね笑いを取る。
何人かのソリストのゲストがあり、昨年に続くテナーのソリストが圧倒的な声量とステージングで、インパクト大だった。
ニュース・レポーターとしても活躍する若手新進ヴァイオリニストの女性は音が貧弱でピッチが微妙に悪くいまひとつだった。後で友達に感想を求めると同じ意見だった。

それにしても、やっぱりライヴはいい。生に勝るものはないと実感。アーティストをヘッダーに聴き選ぶぼくにとって、オーケストラは故アンドレ・クリュイタンス以外は受け付けないつもりだった。だから部屋でCDを繰り返すだけ。
この日、驚いたのは客のリアクション。マナーが良い上にノリもいい。ひとつ前の列でムッツリ聴いてたオジサンも、アンコール時は、両手で指笛ふきまくりだ。

もちろん大方は大フィルのファンだろうが、思うにクラシック・ファンは、頻繁にコンサートに通うことを主としているのかもしれないと気づいた。
ポピュラー・ファンであるぼくは、シンガー・ソング・ライター贔屓であるせいか、作曲者が自ら歌う事に意義を感じたがるが、それはある意味、音楽よりもパーソナリティ優先だった。
ポピュラー指向の人は、ついクラシックを頭でっかちと決め付けがちなんじゃないか。演奏内容もさることながら、オーディエンスの率直なリアクションに突き動かされた午後だった。
大フィル

旧ミノスのマノス・ロイゾス集

ハリスの旧ミノス作品は、入手困難な事からしばらく忘れていたが、割り切ってMP3で購入した。
ほんとはドル立て購入したかったが、欲しい作品に限ってハリスの公式サイトのみの取り扱い。よってユーロ。

2作品手続きしたが、うち1作品の3分の1ほどの曲がダウンロードに失敗。再度不可能。拙い英語で現在ハリス・サポートセンターに問い合わせ中。きちんと対応してくれるかな。

↓DL成功したアルバムがこちら。(Music-Bazaar.comより画像拝借)
haris

マノス・ロイーゾス作品集です。そういやダラーラスの2枚組ロイーゾス集は全然聴いてないな。
本作は'79年のスタジオ録で、12曲中10曲ほどは'07年の追悼傑作ライヴでも披露されています。
基本、アレンジは変わっていず、もちろんライヴ盤のほうが洗練されて聴き易いが、時を隔てた新旧の味わいを楽しめる。ロイーゾスは、イントロ、間奏のメロディもきちんと書いてる人なんでしょうね。
→部分試聴
アマゾンUSでは、MP3でハリスの旧譜がかなり出ているので、旧ミノス作品ならDL購入してもいいかな、とも考え始めている。iPod経由でオーディオ・セットでも聴けはするんだけど、なぜか接続が億劫なのだ。

やっぱりいいね

haris

一年ほど前に発売されたハリスの'09年作『I AGAPI THA SE VRI OPOU KE NA SE』(画像左)。
当時は全体的に暗く沈んだトーンに、あまり好んで聴かなかったが、やっぱりいいですね。
特にサウンドがいい。プロデュース・センスがある人ですよね、彼女は。なんでも若手シンガーのプロデュースもやってるみたいだし。
ラストのラップ曲のリプライズでちょっともたれる。これを省いて、10曲にすれば良かったんじゃないかなぁ、とも思うが、歌詞的な意図があるのかもしれない。
→ビデオクリップ
インターナーショナル・デビューを果たした『祈りをこめて』の国内盤解説に、ハリスが
「ギリシャの若者が、ギリシャ歌謡を古臭いとバカにするムキがあった」と語る記述があったかと思う。
彼女はシンガーとしての実力に鎮座することなく、サウンド・アプローチにも研鑽を繰り返してきたのだ。
アコースティックを基調に、テクノロジーを微妙に織り交ぜながら変貌していく彼女は、ギリシャ音楽の発展に貢献する芸術家だと思う。

画像右のライヴ盤『APO TO THEATRO TOU LIKAVITTOU - 2 CD(ALEXIOU HARIS & IOANNIDIS ALKINOOS & MALAMAS SOKRATIS)』は、ハリスが2人の男性シンガーとジョイントしたライヴ。
これも久しぶりに聴いてみたが、どうも低音部を歌う男性歌手が、歌うというより唱える感じに聴こえて、ぼくにはパッとしない。ハーモニーならいいが、ソロはどうも、といったところ。ついハリスのソロ・トラックだけを抜き出して聴いてしまう。
録音は素晴らしい。これはギリシャから直接取り寄せたCDで、後にDVDもあることを知ったが、これはCDだけでよいと思った。

エラ・ウィズ・チック・ウェブ

いっときエラ・フィッツジェラルドのCDを大量に購入しすぎて、つぶさに聴いていなかったので今般取り出してみました。

ella
エラの初期の歌声が聴ける『Ella Fitzgerald With Chick Webb Band』。22曲入り。
エラは、ハーレムのアポロ・シアターに出場したコンテスト優勝がきっかけで、チック・ウェブのバンドで歌うようになった。10-20代の初々しいヴォーカルがここで聴けるわけだ。

サラ・ヴォーンにしてもそうだが、歌唱力抜群の歌手は後期の貫禄のヴォーカルより、若年期の歌い口がイキイキしてて、かえって新鮮でもある。
ここでのエラは、突き抜けるように元気いっぱいで、ちょっと子供時代の美空ひばりさんを思い起こした。チック・ウェブズ・バンドのインストもラグタイムっぽい小洒落たノリで、なんとも軽やか。これは拾い物(元々所有していて拾うも何もないが)です。向こう一年、幸先が良くなりそう。
→部分試聴

ついでにお気に入りの古いアルバムをピックアップ。
ella1

画像左『ソングス・イン・ア・メロー・ムード』。これはとってもきれいなバラード集。
ピアノとヴォーカルのみだが、ゆうべ久しぶりに聴いて、やはり思わず溜息が出ました。エラの艶やかに抑えられた歌声。
伴奏のエリス・ラーキンスがまた秀逸なのです。彼は、画像右の『エラ・シングス・ガーシュイン』でも弾いています。こちらは、当時10インチLPで発売された曲数に、別の機会にオケ共演したナンバーを追加している。後年、ヴァーヴから集大成となるガーシュイン集を再録音しているが、オケが豪奢すぎるので、個人的にはこちらの素朴なデッカ盤が好きです。

ナイーヴなこぶし

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

昨夜は紅白などTVを一切観ずに、手持ちのCDを流していました。
一度聴いたまんまのアルバムを振り返る良い機会です。

dougie
スコットランドのSSW、ダギー・マクリーンの'89年作『BUTTERSTONE』です。BUTTERSTONEって造語ですか??
彼のジャケットは、このようなイラストをあしらったものが多いですが、本人が描いたのかな?

と、相変わらず筆者が問いばかり書くブログですが、購入きっかけは、もちろんメアリー・ブラックや、ドロレス・ケーンです。
本作では、10曲中3曲がトラッド。メアリーも歌った「LOVING HANNAH」を収録。
ダギー・マクリーンの音楽性で、ぼくが最も好きなのが、えんえん続くアルペジオ・ワーク。
どのアルバムもストローク奏がほとんどないといっていいほど。
アルペジオの中で紡がれる、滔滔したメロディと彼のナイーヴで癖のない歌い口に、
月並みですがスコットランドの荒野が浮かぶようです。

③のオリジナルは、ちょっとS&Gを彷彿とさせるのですが、一たびコブシをクルッと回せば、
ダギー色になるんですねぇ。

残念ながらこの作品の試聴サンプルは見当たりませんでしたので、
定番の「カレドニア」の公式ビデオ・クリップをどうぞご覧ください。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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