UTAUの夜

妙子さん&教授の『UTAU』ツアー、大阪2days(25.26日)を聴きに行ってきました。ホールはサンケイホールブリーゼ。
utau

第1日目の25日は、ツアー直前にリリースされた『UTAU』の内容があまりに素晴らしく、追加でチケット入手したのだった。座席は2階席の端。
2日目は、友達と1階3列目の中ほど。妙子さんを間近で見る感激。大東市のコンサートではこの距離感で、しかも無料だった(あのコンサートはラッキーだった。スーパー・ミュージシャン達の演奏は感無量だった。)。
教授の顔は、演奏中うつむくとピアノに隠れて見えなくて残念。席が前過ぎるのも考えものか。

2日間とも、お二人のコンディションは大きく違わなかったと思う。乾燥していたので、ヴォーカルは大変だったのではないでしょうか。
ほぼアルバムの曲順通りの進行。驚いたのは「美貌の青空」と「Flower」。CDと同じ、イントロ無しでいきなり歌から。よく入れますねー、しかもアイコンタクトが無くてもバッチリ合っています。長年共同制作した盟友コンビのなせる技でしょうか。

歌曲として捉えるのは難曲といえる教授の曲に詞を乗せ、歌う妙子さんのヴォーカルは一見淡々としているようで、高い集中力が余韻と余韻を紡いでいく。静寂さえも歌っているかのよう。

自分は妙子さんのファンなので、教授についての認識はゼロだったが、伴奏者としてはレザ・パネさんのほうが好み。インタビューに語られる通り、ピアノも歌もうたっている。個性と個性のぶつかり合いといったところか。
「Flower」「鉄道員」は、特に今夜のステージでは、良い曲だなぁと感動した。前者は和声が美しく、後者はソングライティングの素晴らしさを再認識させられた。

妙子さんの「夏色の服」と教授の「アンチノミー」の2曲は、アルバム中、大好きな流れ。教授のコメンタリーにあった通り、バロックの要素がある。
残念なのが「a life」からヴォーカルがノッてきたところで、終演に近づいてしまうところ。共同プロジェクトなので仕方ないが、もう少し妙子さんに歌ってもらいたかった。

ともあれお二方の珠玉の名演、忘れられない思い出になりました。ツアー後半もどうかがんばって下さい。
↓PV再掲!






続・初めて聴くような美しさ

究極のピアノとうたのアルバム『UTAU』は、聴き出したらやまない。
その上、手持ちのCDの中で最も音響がいい。音が厚い。

札幌の芸森スタジオで録られたパフォーマンスは、よく澄んでいて
ソリッドで深い響き。森の中のシンと寒さが気持ち良く空気を貫くかのよう。

妙子さん作の「夏色の服」のメロディ、きれいだなぁ。
教授の曲に後から詞を付けた「3びきのくま」、これタイトルと中身が一致しないような…?
今度、コンサートでのアンコール時に、ご本人に直接尋ねてみようか。
(って、そんな勇気ありません。)

妙子さん繋がりで、このアルバム収録の幾つかのオリジナルにあたる
教授の旧作『スムーチー』も聴いてみた。教授作品では初購入。
かっこいいなぁ。けどヴォーカルはどうかな。

『UTAU』ではイントロ無しで、いきなりヴォーカルから入るトラックがあるのもいい。
ここでの教授のピアノはトラック毎にミックスを変えているのでしょうか?
「四季」では、ピアノの音色が鈴のように聴こえてくるから不思議だ。

↓プロモーション・ビデオ!

初めて聴くような美しさ

今月26日の大貫妙子さんと坂本教授のライヴに行く予定だが、前日の25日分もチケットを予約した。
せっかくの大阪公演、一日だけ聴きに行くのは、もったいない気がしたのだ。

utau

新作『UTAU』は、とてもきれいに響く。ピアノとヴォーカルだけのアルバムは数多あると思うが、まるで初めて聴くような感覚なのだ。
妙子さん、歌うまい。とても骨太。落ち着き払った集中力の凄みを感じた。

教授の音楽については、これまでフォーキーな音楽ばかり聴いてきた自分は特に関心を示してこなかったけど、和声をじっくり味わえる愉しみがある。ほぼ全曲スロー・テンポなのが心地いい。
レザ・パネさんは伴奏の名手で好みだが、教授の場合、ヴォーカリストと対等の緊張関係を生み出す。

これは日本の若いミュージシャンにとっても励みになると思う、不滅の業績だ。⑥「Antinomy」が映画音楽のようで好き。

→全曲部分試聴

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ(3)

ベートーヴェンって、凄い人だとは分かっていたけれど、サービス精神旺盛ですね。ピアノ・ソナタ全集はヒット曲満載。
長-短-長の転調なぞお手のもの。巧みなヴァリエーションにうならされる。ピアノの稽古に通ってた頃は、気づかなかった。

ピアニストといえばケンプばかり聴いている。グルダのソナタ全集にも関心はあるが、軽く試聴した時点では、好きになる自信がなかった。
それでやはり、ケンプの初回録音のソナタ全集の購入を検討中(いまぼくが持ってるのは2回目録音のステレオ盤)。

ヴィルヘルム・ケンプについては、高校時代まで習ったピアノ教師の推薦で聴き始めた。その他アシュケナージ、リヒテル、ポリーニなどもレコードを持ってるが、大抵、よりどころはケンプの演奏だった。

よくテクニックについての指摘が散見されるが、深い楽曲理解が伝わる為か、自分には気にならない。
それより重要なのは「響き」ではないだろうか。ケンプの発言によれば、
『一音弾いてクレシェンドのできないピアニストは、本物のピアニストではない』(文春新書『新版 クラシックCDの名盤 演奏家篇』より)と。

この発言の本質から逸れるかもしれないが、推測するにはクラシックの演奏家の中には、自身で弾く楽器そのものの響きしか聴いていない人も居る気がする。発した音は、空間によって響きをもたらすのだ。
先日、友人の知人である声楽家のCDを聴かせてもらったのだが、当人は演奏レベルに矜持があるようなのだが、
スピーカーから出てる音像は貧弱に聴こえた。マイクの位置や、マスタリング等に配慮していないと思われた。
ポピュラー・ミュージックを齧ってるぼくは、エフェクト処理を最終段階で行うが、
クラシックの人は普段から生音で演奏している為、録音に関しては無頓着な傾向に陥りがちなのではないだろうか?

ケンプは「空間」を計算に入れて弾いていると思う。また先述の著の中では、
『ケンプのピアノは、打鍵のあと、音が遅れて出てくるように聴こえます』というくだりがある。
録音の質が当時にしては格段に良いと思う素因は、単にグラモフォンの技術だけではなさそうなのだ。

怒涛のフランソワ(1)

サンソン・フランソワ(1924-1970)のボックス・セット。36枚組。
かねてからのファンにはダブリがかなりあるそうだが、自分はフランソワのCDはラヴェルのピアノ協奏曲1枚しか持っていなかったので、今回の廉価限定盤を好機とばかりにゲット。6000円台。

↓全部聴き終えるのは、いつ?
samson

ショパンから聴くところ、まずラヴェルの『クープランの墓』から。モノとステレオの2ヴァージョン収録。
先にモニク・アースの演奏を聴いているが、フランソワは<夜型>感がより強く感じられ、シャープだ。フランソワのほうが好みに合うかな。

かなりアクの強い演奏家というイメージだったが、実際聴いてみると(えっ、こんな風に弾くの?)と意表をつかれる箇所があるものの、きれいだ。
まだまだ聴き始めの序の口。ブックレットの曲目表よりも、HMVのページのほうが一覧表になっていて検索しやすい。
巻末の写真には、ケンプ、ルービンシュタインやクリュイタンスとの2ショットが載っている。ぼくはこの時代がやっぱり好きなのだろうか。

裏窓の組曲~グレース・ケリーの美しさ

ヒッチコックのサントラは幾つか持っていますが、これは『裏窓』収録の為、買ったヒッチ作品集('92年発売)。ラロ・シフリン指揮、サンディエゴ・ポップス・オーケストラ演奏。『裏窓』は世界初収録となっています。
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『裏窓』の映画音楽作曲はフランツ・ワックスマン。ヒッチの映画音楽はバーナード・ハーマンが多く手掛けていていますが、ここでは軽妙なジャズ・テイストが、サスペンスでありながらコミカルな演出に一役買っています。
収録の組曲は4曲からなり、シーンに登場するバレエ・ダンサーのエクササイズ音楽が入ってるのが嬉しい。芸術家の集まるグリニッチ・ヴィレッジのアパートの活気が甦ります。
しかし、このCD全体の演奏はどこか緩慢で凡庸に聴こえてしまう。特に冒頭の『北北西に進路を取れ』とか。

映画内容に変わりますが、この作品も繰り返し観たものでした。当初VHSで購入し、リマスターVHSに買い直し、結局DVD購入。ブルーレイまでは、もう手は出ないんじゃないかなぁ。

カメラマンの主人公(ジェームス・スチュアート)が、取材中の事故に遭い、アパートで自宅療養を余儀なくされる。看護師と恋人(グレース・ケリー)が時々立ち寄る日々。ある深夜、暇つぶしにカメラの望遠レンズでに向かいの部屋を覗いたところ、住人の怪しい行動に殺人疑惑を抱く。…

初見時は、まだジェームス・スチュアートが大スターだと知らず、(なんでグレース・ケリーは、こんなジイさんがイイの?)と疑問だった。
ハリウッドのクラシック映画は、若いヒロイン女優に対して中年男優が相手役になるパターンが多いのは、戦争の影響からでしょうか? あるいは男尊女卑の背景? いずれにせよ当時の紳士・淑女の図としては、男性が歳を取っているほうが、貫禄づいてサマになりますね。

しかし、なんといってもグレース・ケリーの美しさは、この作品で最も発揮されているのではないでしょうか。
『泥棒成金』の時もきれいだったけど、ここでのラヴ・シーンの顎のラインひとつとっても、めちゃくちゃ美しい。

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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