3つの"The More I See You"

「The More I See You」はスタンダードの中でも大好きな曲の一つ。
この曲を歌ったシンガーは数え上げればキリがないでしょう。

手持ちではエラ・フィッツジェラルド、ドリス・デイの他、以下かな。
特にリヴィングストン・テイラーのトラックは陽だまりの中で聴いているようで好き(収録アルバム『INK』)。

カーリー・裏ベスト?

偶然フリー・ミュージックのサイトを見つけたので、
早速カーリー・サイモンのプレイリストを作ってみました。
あえてベスト盤から外されがちな隠れ名曲を選曲。シャケによるカーリー・裏ベスト。

しかし、こうしたサイトって、ある日突然アクセス不能になる可能性があるので、
あまり記事にしても、いつのまにかスキンが消滅してるんですよね。



①ノー・シークレッツ
「うつろな愛」に隠れがちで、意外とベスト盤に収録されない、カーリー作の名曲。
近年はボサ・ノヴァのリズムに変えて歌っています。もちろんJTのことを歌ったものでしょう。

②Hold Out Your Heart
これはスターバックスから唯一出た最近アルバム『This Kind Of Love』から。
アルバム中、最も好きなトラック。

③It Happens Everyday
邦題「恋人たちのバラード」。'80年代のカーリー作品の中でも屈指のバラード。
街角よりも海辺で聴くと似合いそうです。

④Older Sister
姉に対するコンプレックスを歌った曲。このオールド・タイミーな雰囲気がたまりません。
アルバム『ホットケーキ』より。

⑤I'll Be Around
失恋時と父の死去時に聴いて癒された。初のスタンダード・アルバム『トーチ』より。
最も好きな曲がこれ。

⑥Alone Together
最近のスタンダード・アルバム『ムーンライト・セレナーデ』。
なぜこのアルバムがグラミーにノミネートされたか少し疑問でした。
カーリーはジャズを歌うには、こうしたリズムのあるアレンジのほうが映えます。

⑦時の過ぎゆくままに
ご存知、映画『カサブランカ』よりカヴァー。このアレンジ、いいですね。
スティーヴィーのハーモニカが一層彩ります。

⑧The Stuff That Dreams A Made Of
再起を果たした'80年代アルバム『カミング・アラウンド・アゲイン』より。
マーサズ・ヴィンヤードでの子供たちとのライヴ歌唱が印象的でした。

⑨Devoted To You
これはオールディーズの名曲をカヴァーしたものだったと思う。'70年代アルバム『男の子のように』より。
JTとのデュエット。最近作でも再びカヴァーしていました。

「田園」の清涼感

ベートーヴェンの交響曲全集。
pastorale

第6番の『田園』を聴いて、(こんなに清涼感ある曲だったろうか)と、しょっぱなから耳を奪われる。
録音時期、'57~'60年。クリュイタンス&ベルリン・フィル。カラヤン以前のベルリン・フィル初のベートーヴェン全集だそうです。

現在の自分のクラシック趣味は、ラヴェルとバッハ。ベートーヴェンはピアノ・ソナタを多少聴いてきたが、交響曲全集を買うのは初めて。
ロマン派の先駆けの和声概念でこれだけの「宇宙」が創れるとは。このきめ細かい和声感、こんな『田園』かつて聴いた事がないような。

ベルギー人のアンドレ・クリュイタンスはラヴェルの指揮などで名高い。先日、
動画サイトで他の若い指揮者がラヴェルを振っているのを聴いたが、
繊細さを表現しようとして、かえって裏目に出てるようだった。フガフガして気持ち悪いのだ。
クリュイタンスのバランス感覚は、なんか好きだ。「仕掛け人」といおうか。繊細にして大胆。

ジャケは手抜きだが、近日、新装限定盤で、同じく5枚組でEMIから1000円台で発売される。
↓こちらは5番『運命』

愛しのペリカン、恋しカナリア

yosui

陽水さんとの出会いはこのアルバム。'82年作「LION & PELICAN」。当時はダビングしたカセットで聴いていたのですが、最近CDで買い直しました。

1. とまどうペリカン
2. チャイニーズ・フード
3. 約束は0時
4. 愛されてばかりいると
5. カナリア
6. ラヴ ショック ナイト
7. リバーサイド ホテル
8. お願いはひとつ
9. ワカンナイ
10. 背中まで45分
全曲、才気ほとばしる豊饒なメロディ。このころ、ぼくは中学生で、
きょうだいが持ってた『氷の世界』を先に聴いてはいたのですが、渋すぎてまだピンときませんでした。
本作に出会って、シビれまくって、以後あらためて『氷の世界』もわかるようになったんです。

このころは沢田研二さんに楽曲提供していたと思う。『ミス・キャスト』とかいうアルバムだったかな。
「とまどうペリカン」は今ではスタンダード、現在でもライヴでよく歌われている。
「愛されてばかりいると」はシングル・カットされた。陽水さんの曲は、音域の相性が良いので、
よく3度上でハモってました(笑)。

メランコリックな「カナリア」もグッと惹かれた。「お願いはひとつ」は、ふだんウェットな歌い口なのに、
こちらはカラッと聴こえる。歌い分けが見事だ。
「ワカンナイ」は宮沢賢治の詩をベース(ヒント?)にしたもの。歌詞の意味は正直良く分からないんですけど、
歌がうまくて説得力があるんですよねぇ。

みゆきの動物園

最近作を購入しては、ことごとく中古に出してしまったみゆきさんの新作、やはり興味はあるので今回も聴いてみました。
miyuki

今回は『夜会』がフィードバックしたかのような"壮大系"サウンドではなく、音数を幾分削いだ緊密なサウンドが軽妙さを醸し出して、一連の瀬尾さんアレンジに飽きてきたぼくにも新鮮だった。ヴォーカルは時々年齢を感じさせるものの、ヴォイトレをされているのだろう、よく出てる。
自分の中・高時代にラジオと共に熱中したシンガーが、58歳になる現在もメインストリームで活躍しているのは頼もしいが、なぜだか繰り返し聴く気にはなれない。やっぱり疲れる。自分が絶不調だからか。

前々作あたりから特に人生訓の歌詞が目立つようになり、歌詞カードを読むだけで「さも、ありなん」と頷くほど、主旨に見合った的確な言葉の表現は見事だ。
その素晴らしさは今も昔も変わらない。魅力を感じないのは楽曲だ。メロディの展開がどれも読めてしまう。以前はキャッチーながらも、焼き直しのような感は無かったのに。ほぼ歌詞から作られているように聴こえる。元々歌詞に定評がある彼女だが、以前は曲と詞、どちらから先に作ったか分らない一体化の魅力があった。

"拓郎節"が増えた事が一つある。かつてもアルバム中、1.2曲はあったが、最近、全面的にフィーチャーされているかのようだ。彼女、拓郎さんへのオマージュを込めているのだろうか? 応援メッセージの意味かもしれない。
歌謡曲的なバランス感覚で、様々なジャンルで構成されるが、いろんなことやってる事自体がパターン化してしまったかのよう。このあたりは、自分が歳と共に具体的な音楽の嗜好を持つようになって、ジャンル毎にその音楽性を徹底したアーティストを追うようになったからかもしれない。実際、みゆきファンの掲示板など読むと、いろんな事やる彼女に魅力を感じてるようだ。

曲のほとんどがルートのコード進行で作られている事も新味を感じない。フォークの人だし、シンプルだけど、いちどキーボードで作ってみてはどうだろう。
"言霊""とか"言葉の実験劇場"などといった発言が目立った頃から、個人的に(曲がつまらなくなっていかないだろうか?)と密かに危惧したものだった。
『夜会』の舞台経験は、表現の域を伸ばしても、アルバム制作にうまくフィード・バックしているように思えない。力強いが、雑なのだ。これはミュージカル俳優が、アルバムを作っても必ずしも高評価が得られないのと似ている気がする。

記事タイトルは、アルバム歌詞全体から感じ取った問い。ラストの「負けんもんね」のサビ前のフィル・インに当たる"がっ""なっ"は効果的。これは音楽無しでは表せないね。
↓この曲が一番好きかな。
→雪傘

夜明けのハスキー・ヴォイス

前から気になっていたアルバムを購入しました。
青江三奈『THE SHADOW OF LOVE』、'93年録音。
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ブルースの女王で「夜」のイメージが強いですが、このCD、「夜明け」に聴くと、ゆうべのひとときを慈しむように思い起こさせるようで、たまりません(私的に昨夜素敵な出来事があったワケではありません)。

子供の頃、父のレコードでご当地ブルースは聴いた事がありました。ジャズもお似合いだろうなと興味があった。
本作、予想以上にライヴ感のある録音で、音量あげるとハスキー・ヴォイスのザラザラした質感が気持ちいい。

ナット・キング・コールの弟、フレディ・コールがピアノとヴォーカルで共演。他にグローバー・ワシントンJr.、マル・ウォルドロン。
編曲は、全体的にオーソドックスで歌が聴き込める。スタンダードの他、代表曲「伊勢佐木町ブルース」「本牧ブルース」を英詞で、AOR的な要素も盛り込む。聴いていて疲れる事がありません。こういうヴォイスは、もう今のJ-Popには求められないでしょう。

英国トラッドの深奥

とても良いアルバムを何年も放置してしまっていました。
ジューン・テイバー、'03年作『An Echo of Hooves』。
june

記事はなるべく自分の言葉で書くようにしていますが、秋花粉症でやや低調のため、
アマゾンから解説を引用しますと、本作、
【このバラッドを集めたコレクションは、大半の曲がイングランドとスコットランドの荒涼たる境界地方のバラッドから選曲され】たもの、
【歌われる物語の内容はさまざまだ。血で血で洗う争い、裏切り、処刑。酔っ払ったあげくの殺人、幼児殺し、集団溺死、奇怪な訪問者。実際、本作に登場する死者の数はクエンティン・タランティーノ監督の映画にひけをとらない。】という件には少し笑ってしまった。

編成は定番のギター、ピアノ、ヴァイオリン、ダブル・ベース等。マーティン・トンプソンが2曲参加しています。彼のギターだとすぐ分りました。
スピリチュアルなシンギングを聴かせるジューン・テイバーは年輪を重ねても声質は変わらず、トラッドのさらに深い奥の世界まで連れていってくれるかのよう。これは訳詞があれば尚いいだろうな。
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本作にも収録「Hughie Graeme」のスタジオ・ライヴ

3つのロマンス

shumann
高校の頃、シューマンの『3つのロマンス』が弾きたくて楽譜を買ったことがあります。特に第1曲が練習したかったんですが、これが難しくて。
右手の小指と薬指で旋律を際立たせながら、下声部のアルペジオを鳴らすのが大変。音も飛ぶので打鍵を外しやすい。

全曲ヴィルヘルム・ケンプでの動画は見つからず、第1、3曲がウォルター・クラインというピアニスト。第2曲はケンプです。よかったら聴いてみて下さい。
→第1曲
→第2曲
→第3曲

捨てちゃえ・捨てちゃえ♪

またハマってしまいました。ちあきなおみさんの'75年作『戦後の光と影~瓦礫の中から』。
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今日届いたばっかりで、全然聴き込んでいない時点で愛聴盤。1曲目「カスバの女」の(ここは地の果て、アルジェリア)と歌われるだけで、ちあきワールドにさらわれてしまいます。

音質もとても良いです。コロムビア時代の録音は、歌と伴奏の関係がシンプルで、歌がよくひき立つ。
いかにも<昭和な>ジャケ、戦後の歌謡曲をカヴァーしたもので、ぼくはオリジナルはほとんど知りません。

「星の流れに」は、テイチクの再カヴァーで先に聴いていました。その後、菊池章子さんの歌唱も探したものでした。
しかし、うまいなぁ。この力の抜け方、頑張ってますと言わんばかりに唸る凡百の歌手とは明らかに一線を画している。音楽表現のために尽くしている感じだ。

ディープそうで購入を後回しにしていましたが、良かった。軽く聴け、また一音一音聴き込む味わいと、一級の作品です。
ツボにはまったのが「どうせ拾った恋だもの」。ボサ・ノヴァ調に乗せて、セリフっぽい歌い口にやられました。素敵すぎます。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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