「あ・り・が・と・う」再来

昨日、坂本龍一の大ファンである友達から「中島みゆきさんのアルバム、どれがいい?」と訊かれた。千春は途中まで聴いていたが、みゆきの歌にはこれまで縁が無かったという。
そこで教授がサポートした3rd.『あ・り・が・と・う』をすすめてみた。
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1. 遍路
2. 店の名はライフ
3. まつりばやし
4. 女なんてものに
5. 朝焼け
6. ホームにて
7. 勝手にしやがれ
8. サーチライト
9. 時は流れて

懐かしいね。「わかれうた」でブレイクする直前の'77年作。このころ、ぼくは小学生で、みゆきのことは「ザ・ベストテンに出演しない人」くらいの認識でしかなかった。資料映像も映らず、久米さんが出演交渉の経過説明する間、数点のモノクロ写真が繰り返されるだけ。

みゆきさんのアルバムは、一応一通り聴いているが、特に近年のアルバムはほとんど中古で売ってしまった。
ファンといえばファンなのだけど、最近のLA録音のギンギラしたサウンド傾向が好きになれないのだ。これがずっと続いているから、彼女自身が求めているものなのだろう。

今振り返れば、この『あ・り・が・と・う』のようなアコースティック・アルバム作品のほうが希少になってきた。しかもこのアナログ感は、'70年代でしか聴けない味わい。
次作「わかれうた」「世情」収録アルバム『愛していると云ってくれ』の、よりドラマティックなアプローチも印象強いが、本作は柔らかで淡々とした佇まいが新鮮。日本的だなぁと思う。

興味深いのが、2nd.までのヴォーカルから飛躍したこと。リキみがちだった歌唱が、溜息まじりのウィスパーに変身。これは誰かからのアドバイスがあったのか。
またサウンド・プロダクションの変化も著しく、一見淡泊なサポートのようで、きめ細かく編曲されている。教授のオブリの入れ方が心憎い。ブラスの遊び心もあって結構楽しい。個人的にはコンガが多く入ってるのも好き。

彼女はコンセプトをアルバム毎に変えていくタイプなので、本作のスタイルが後にも先にも一回こっきりなのが残念。しかし、20代半ばの作品とはねぇ。信じられない。

モノラル録音の「クープランの墓」

最近、いくつかクラシックのボックス・セットを大人買いしました。
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しかし、なかなか記事を書くところまで聴き込めません。こちらはアンドレ・クリュイタンス指揮のフレンチ・コレクション。
クリュイタンス興味から購入したのですが、一番のお目当てはモノラル版のラヴェル作曲「クープランの墓」。手持ちで既に'60年代のステレオ録音版がありますが、このボックスは'50年代モノラル録音が中心となっていて、モノ版「クープラン」はここにしか収録されていないようなのです。

曲想はそれほど変わらないな。クリュイタンスの時代はモノラル録音からステレオ録音への移行期でもあるので、後に再録音を意図したのだろう。ややこちらがテンポが早いか。
ステレオのような広がりは無い代わりに、凝縮されたような密度の高い音源。が、音質の古さは否めず、クリュイタンスのファンでないと、なかなか手が出ないかもしれない。

ラヴェルの管弦曲集を初めて買われるなら、クリュイタンスのステレオ版の4枚はおすすめします。これ以外に知らない、ってのもあるけど。。
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このEMI盤は、幾度かリマスタリングによるリイシューを繰り返していて、2008年盤以降が音質もグッと良いです。さらに一部はHQCDも出ていて、ちょっとそれにも手を出そうかなと思ってしまうくらい、素晴らしい内容です。

先日、聴き比べようとして買ったカラヤンのラヴェル管弦曲集は、早々に売り払ってしまった。なんか情熱が足りないんです。自分の子供時代、カラヤンは全盛だったけど、クリュイタンスに先に出会っていたら、関心を示さなかっただろう。指揮に振り付けなんていらないのに。

上記のEMI盤を愛するファンは、やはりいらっしゃるようで、絶賛するコメントが多くて嬉しくなった。
アマゾン一部試聴

過去にも貼りましたが、モノ版「クープランの墓」全曲試聴は以下。大好きです。
≪クープランの墓「前奏曲」「フォルラーヌ」≫
 ≪クープランの墓「メヌエット」「リゴードン」≫

ラヴェルのピアノ協奏曲

サンソン・フランソワとアンドレ・クリュイタンスによるラヴェルのピアノ協奏曲集です。
フランソワ

いろんな指揮者の音楽を聴いて回ったわけではないが、クリュイタンスの指揮はバランス感覚が良いと思う。評論家によると、やや詩情的な芸術性に欠くといった評価らしいが、それにかわる色彩感・洒落っ気に富んでいる。
ポピュラー音楽中心だった自分にとっては、とっつきやすい。また、かつてロマン派のドイツ音楽ばかり義務的に学んだことの反動もあって、今あらためて近代のフランス音楽に惹かれる。

本作のラヴェルは2つのピアノ協奏曲「ピアノ協奏曲 ト長調」「左手のためのピアノ協奏曲」を収録。ジャズ的要素、パーカッシヴな打鍵は、ロマン派では味わえない新鮮さ。明るくて爽やかさすら感じる。ガーシュインが好きな人は聴けると思う。
オケは、クリュイタンスの手兵と呼ばれるパリ音楽院管弦楽団。前半の「ト長調」は管のリズムがやや怪しいが、全体的にピアノ・ソロをバック・アップする控え目な伴奏をしている。
クラシックの協奏曲は重厚そうで、つい敬遠しがちな方、一度試してみては?

→アマゾン一部試聴

ザ・プラクティス、入手

『ザ・プラクティス』のシーズン1が届きました。全13話、少しずつ観るハズが、一気に。やっぱり面白かった~。結構ストーリー忘れてるもんだね。

dm【収録エピソード】
第1話「罪なき被告人」(原題:Pilot)
第2話「失意のロビン・フッド」(原題:Part I)
第3話「開戦前夜」(原題:Trial And Error)
第4話「裁きは我が手に」(原題:Part IV)
第5話「嵐」(原題:PART V)
第6話「評決の行方」(原題:Part VI)
第7話「禁断の恋」(原題:Reasonable Doubts)
第8話「生涯最悪の日」(原題:Betrayal)
第9話「安らかな眠りを」(原題:THE BLessing)
第10話「我らの流儀」(原題:Dog Bite)
第11話「情事の果て」(原題:First Degree)
第12話「傷心」(原題:Sex, Lies And Monkeys)
第13話「躊躇と決断」(原題:Search And Seizure)

特典のインタビューによれば、当初は6話制作で、以降ゴールデン・タイムに昇格したらしい。
特にスタート時は、家賃も満足に支払えない弱小弁護士事務所の設定で、こういうチームものは駆け出しの頃が面白い。
主役のボビー役(ディラン・マクダーモット)は、当初チビ&デブの冴えない男を想定していたそう。ユージーン役はコメディ担当のはずが、演じるスティーヴの演技の力強さから、キャラ設定を変更したそう。
代わって端役だったマイケル・バダルコの演技の的確さから、彼をレギュラーに。これは大正解でした。観ていてイライラさせる鈍くさいジミー役が、ドラマにリアル感を与えている。
カムリン・マンハイムもいい。彼女はFOXドラマの『ゴースト』に途中からレギュラー出演していますね。良識のあるレベッカ(リサ・ゲイ・ハミルトン)の存在も忘れ難い。

エピソードでは、ボビーの同級生のラビの言動にイライラ。ま、イライラさせられるって事は、すっかりドラマの術中にハマってるわけですな。
エレベーターの中で、リンジー(ケリー・ウィリアムズ)をナンパしてきた男は、裁判中の陪審員だった。法廷外で会話した弁護士は審理無効を申し立てる義務がある。しかし彼女はこちらに有利な評決の行方を男から聞いてしまう。
ドラマは勝敗に関わりなく、何人にも試練を課す。派手な特殊効果は一切ない、シナリオの圧倒的勝利だ。
→アマゾン・商品ページ

グランド・セントラル・ライヴ、DVD化希望

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カーリーの公式サイトをチェックすると、'95年に発売されたVHS作品『Live At Grand Central』から初めて動画がアップされていました。
この作品、未だDVDリイシューされていないんですよね。映画『カリートの道』や『クレイマー、クレイマー』など、数多くの名シーンのロケでも有名な、ニューヨーク、グランド・セントラル駅の構内でのライヴです。

現在、YouTubeなどで出回っているカーリーのライヴ動画は'80年代の、別荘地マーサズ・ヴィンヤードでの野外ライヴ(こちらはDVD既発)のものがほとんどですが、このグランド・セントラル・ライヴはなかなかお目にかかれません。

彼女は子育てや飛行機嫌いもあって、積極的にツアーを行っていない為か、ライヴ映像作品はキャリアの割に限られています。しかしいずれも企画性に富んだもので、舞台は豪華客船、ときにジャズにトライし大物プレーヤーを迎えるなど、毎回趣向を凝らしています。

中でも本作のサウンドは、'80年代より垢ぬけて、現在でも古びないほどタイトなフォーク&ロック・チューンの数々が、大都会の駅の群衆前で繰り広げられます。カーリーのステージングもかっこいい。自作自演とは思えぬほど華がある。
ひょっとしてマスター・テープの状態が悪いのか?とリイシューの件、諦めてかけていました。が、公式サイトにアップされたこの動画を見るには、かなりクリアーで音質も申し分なさそうです。編集が微妙に違う。穴のあくほどリプレイしたから分かるよ(笑)。これはついにリイシューへの前振りかも?!

↓収録リスト(クリック拡大可)
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↓Carly Simon - Haven't Got Time For The Pain - Live at Grand Central

ケンプのゴルドベルク

先週末から急に風邪こじらせて寝込んでしまった。飼い猫が付きっきりで看病…してくれるといいのだが、傍でジッと見下ろしてるだけ。早く治さねば。

どんな音楽を探して聴くかは気分次第だが、いつも「普通の音楽」を探してる。この「普通さ」が難しい。
平凡であってはいけないのだ。普通で非凡。音楽を自然体で人様に聴かせるのは、大変な事だと思う。自然に聴こえてなんぼのもの。ヴォーカルでいえば、自分にとってメアリーがそうした存在だった。
むかしは、最初に聴いて良いと思った音楽が、すぐに飽きてしまう事が多々あったが、少しずつそのギャップが無くなってきている気がする。少しは滋味がわかるようになってきたか。

bach
クラシックの、こうした観光ガイドみたいなジャケ、なんとかならないかな。ま、中身優先なので気にしないけど。ヴィルヘルム・ケンプ演奏、バッハの『ゴルドベルク変奏曲』。
ピアニストは当面、ケンプ以外に聴く気はしない。語りかけるような枯淡な響き。このCDの第一音から、ピアノ以外の何かを聴いた気がした。

『ゴルドベルク』といえば'80年代のグレン・グールド盤がベスト・セラーになりましたが、そちらは未聴。
寝る時、クラシックをかけるようになったが、ピアノ・フォルテのレンジが広すぎてBGMに向かないのが多い。バッハなど、バロック音楽は淡々とした傾向なので、楽に眠れます。
なので、記事を書きかけておいて、終曲までの感想が言えません。悪しからzzz...

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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