スコティの愉悦-彼はジュディを愛したか?-

『めまい』は、高校時代、レンタルビデオ鑑賞したのが最初で、7つ上の姉とも鑑賞した。その姉いわく、「スコティはしつこく、いやらしい」と言うのだ。特に中盤のトリックが明かされてからの、ジュディへの接し方に、そう感じたようである。
僕はそうでもなかった。男と女の見方の違いだろうか。やはりトリックが明かされたことによって、ここから観客の主眼によって、見方と感想が異なってくるのだと思う。

なぜならば、

続続・ハリスのリマスター盤

いつもおんなじアーティスト記事ばかりで、辛抱強く読んで下さる方にはホント感謝します(笑)。でも自分のブログだからいいですよね?
ハリスのリマスター盤特集第3弾。'81年作『TA TRAGOUDIA TIS HTHESINIS MERAS』。
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↑(左)ディミートラ・ガラーニ、(右)ハリス・アレクシーウ
このころの化粧って、単色がクドいためか、ハリスの顔は目に隈が出来たように見える。

ギターとハーモニカのみを基調にした、フォーキーなデュオ・アルバム。ディミートラ・ガラーニのソロ・アルバムは僕は一枚も持っていないんですが、ハリスと並んでミノスの看板歌手のようだ。たぶん、アテネ・オリンピックのセレモニーでも、ハリス、ダラーラスと並んで、このディミートラも出演していたように記憶している。

このフォーク感覚は子守唄のようで、日溜まりのなかで、物思いに耽りながら聴くと浸れる。ハリスとディミートラは、全くタイプの違う歌い手。ハリスは太くドラマティックで、ディミートラは優しく穏やかで、ケルト系の女性歌手でも聴かれそうなタイプ。今作では、ハリスがかなり抑制を利かせていて、時々どちらの声か分からなくなるほど、ふたりの相性はいい。

ハリスが'07年の素晴らしいライヴ盤で歌っていたマノス・ロイーゾスの曲も何曲か聴かれ、アレンジの違いも楽しめる。
今回入手した3枚は、どれもカラーが違っていて楽しい。特に前回記事の『KRATAI HRONIA AVTI I KOLONIA』は、好んで繰り返し聴いています。

物語を見つめる「眼」

久しぶりにヒッチコック映画『めまい』について触れたくなった。
『めまい』はいわゆるラブ・サスペンスだが、途中から主役の男への感情移入が難しくなる。中盤で観客だけにトリックが明かされるからだ。
(以下、ネタバレ注意)

↓本編では、3人の構図は有り得ない…

続・ハリスのリマスター盤

前回に続き、ハリスのミノス旧作のリマスター盤の2枚目はこちら。'90年作『KRATAI HRONIA AVTI I KOLONIA』。
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リマスター再発にあたって、全てスリーヴケースが付いているようです。
ジャケ写は、左端のハリスと、どうやら作曲家と作詞家が写っているようです。ギリシャでは、こうしてジャケに歌手と対等に、作家の写真と名前が列記されることがあるそうです。右端の女性は、たぶん『祈りをこめて』でも作詞を担当していたリナ・なんとかっていう人だと思う。ギリシャ語分からないんで、、。

ギリシャ語がさっぱりでも、メロディックな曲想にはうっとりするよ。本作は、昨日記事のレンベーティカとは打って変わって、ライカの哀愁漂うバラードが中心。また、リズミカルな曲では、地中海を抜ける風のような爽やかさ。どれも映画の1シーンに流れたらぴったりきそう。

ギリシャ歌謡は層が厚そうで、そんなところが羨ましい。J-Popなら、ジャンルで分断されそうだが、ギリシャは過去から息づいているギリシャ独特の歌謡性を保ったまま、旋律性の濃淡加減で分岐していく。根っこが一つなのだ。
僕は昨日の濃い歌い口のアルバムも、今回の今日的なバラードもイケる。そして、ハリスが歌えば何でもOKなのだ。
※アルバム全曲の一部試聴はコチラ

↓本作より感動のラスト曲。

ハリスのリマスター盤

イヴにCDが届きました。もちろん自分で注文した物です(笑)。自分へのご褒美?
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↑ジャケ上部の銀色の帯がリマスターの証。

エル・スールにリクエストしていたハリスの旧作のうち、何枚か叶った。リマスター盤を3点購入。
3点共、初購入ですが、ざっと聴いたところ、音質がだいぶ良くなっているようだ。リマスター以前のミノス盤を何枚か持っているが、内容とは別に、全体的にもっさりした印象があり、今まで積極的にミノス時代のハリスの音源を聴いてこなかった。
ハリスのミノスでの全旧作は2005年に完全リマスター化され、ボックスセットも発売されている。これだけ音質向上しているなら、決定盤として今後少しずつ買い足そうかと思う。

まずこちらは、'83年発売2枚組の『タ・ツィリカ』。
購入動機は、随分前に買った日本独自編集の『ベスト・オヴ・ハリス・アレクシーウ』(オルター・ポップ)収録の、アクの強い節回し「カモマトゥ」が印象的で、オリジナル・アルバムで聴いてみたかった。
日本独自盤の解説から引用すると、20世紀前半の大衆歌謡作家たちの作品集とか。「カモマトゥ」は"トルコのカルシュラーマがギリシャに根づいたカルシラマースの踊りのリズムでつくられている"んだそうです。カルシュラーマって? カルシラマース??

全体的にほぼレンベーティカ集といってもいいんじゃないのかな。レンベーティカそのものを好んで聴いていないし、理解しているわけでもないが、ハリスが歌うと分かりやすい。
最近の洗練された歌い口とは違って、この頃の彼女は押しまくりの歌いまくりで、野太くエネルギッシュだ。本当にうまい人だなと思う。
※アルバム全曲一部試聴はコチラ

マリーナのハバネーラ

下半期のお気に入りNO.1に挙げたスペインのマリーナ・ロセール、
以下サンプルは、マイナー・キーからサビでメジャー・キーに変わる、典型的ともいえるハバネラ。別バージョンを『classics catalans...』というアルバムで僕は持っていますが、サンプルのほうが、アレンジが盛り込まれている分、わかりやすいかと。(どのアルバム収録なんだろう。元々メジャー・レーベルにいたそうなので、当時のほうがサウンドが華やかで色々トライしていたようです。)


↓『classics catalans...』のジャケット
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※その他の試聴はコチラ。クリックするとすぐに音が出ます

下半期 その他お気に入りCD

下半期 よく聴いた5枚」に続き、印象に残った作品を。上半期は10枚選びましたが、今回はざっと思いつくまま気ままに振り返ります。
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↑ハワイアンは、カアウ・クレーター・ボーイズしか聴いたことがなかったんですが、おやぢさんの記事から『サンズ・オブ・ハワイ』を購入。太古の香りがする野性的で暖かいサウンド。後にレナ・マシャードも購入しました。
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↑ビギンでは、カリをきっかけに、FREMEAUX ET ASSOCIEから出ているステリオの2枚組CDを購入。先に持ってた1枚モノより遥かに音質もよく、お気に入り。朝聴くと気持ちいいです。
マラヴォワの『ジュ・ウヴェ』も、今頃購入の今更お気に入り(笑)。続いて'69年の初期録音集も買いました。まだちゃんと聴いてませんが、エフェクトがかかっていないせいか、古さを感じませんでした。
o&m
↑オマーラの最新作『グラシアス』は、実はあんまり聴いてなくて。フィーリンはロマンチックだけど、曲が難しそう。個人的には、古いキューバ歌謡をもっと歌ってほしいな。
マリア・ベターニアとの共演DVDは良かった。奇を衒わない作りで、何度も見たくなるし疲れない。
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↑オーディブックでは、つい最近買ったクロンチョン集が目下お気に入り。カリプソ集もやっと全部揃って、Vol.1がお気に入り。カリプソって、夜中にかけると変に気分が昂揚します。
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↑バオバブは、最初に買った最新作よりも、前作『Specialist In All Styles』のほうが個人的にすんなり入れました。エレキの音で連想するのは、スーダンのアブドル・アジズ・エル・ムバラク。好きなんですけど、もうCD出ないんでしょうかねぇ。
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↑エリゼッチ・カルドーゾ&シロ・モンテイロ、軽快なアコの音とかけあいデュオが楽しいです。
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↑珍品はこれでしょう。暗さにハマりつつ、これ以上はマズイと思って引き返してきました。
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↑キューバ音楽初心者のクセに生意気にも購入。6枚組なので、まだあんまり聴いてなくて…。
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↑米の'70年代SSWは、おやぢさんにオススメいただいたジム・クロウチの50thアルバム。ジム、若いのに味があるなぁ。メラニーなんかも気になったまま、見送り状態で。
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↑リヴィングストン・テイラーの旧作、何枚も買いましたね。丁寧で暖かい職人。公式サイトにクリスマス・プレゼントとして自作の2曲がアップ。1曲目はカーリーもカヴァーしていた名曲で、大好きです。

癒されます…

今日、ミュージック・マガジンを買ってきました。ダラーラスの『寂れた村』がベストに選出されていなかったのが意外。ゲストが多くて、本人のパートが少なかったから?(笑)
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今年は、オーディブックを何枚も買いました。まだまだ知らない音楽がいっぱい。今回はちょっと安く売ってた『魅惑のクロンチョン 第1集』を見つけ、即買い。
クロンチョンは、今年初めにライスから出ているワルジーナのグサン集を聴いて、結構気に入っていたが、それっきり後に続くきっかけがなかった。

今回のオーディブック、まず音の良さに驚く。オーディッブックはSP盤音源などが使用されている場合が多いので、最近すっかりモノラルに慣れてきているだけに、ステレオ音源に感動(笑)。全編ナチュラルな音質でとても聴きやすいです。

そして音楽。気持ちいい~…遥か遠い景色まで見渡せそうな、自然と共生しているような音色に、ココロがほぐれます。
アコースティック編成がいいんだよねぇ。フルートのピロピロしたオブリガートも良し、打楽器のポクポクした音ものんびりと。
インドネシアの歌手って、声がきれい。コロコロと高音が響く。男性ものびやかでまろやか。
知っている曲は「ブンガワン・ソロ」だけだったけど、どれもホッとするものばかり。解説にある通り、"朝目覚めたらクロンチョン、食事どきもクロンチョン、お休み前にもクロンチョン"。

クロンチョンの成立ち・特徴については、大判のオーディブックのほうが詳しいようで、理解できていないのだが、コード進行的には、大雑把にフォークソングといっていいと思う。巻末に幾つかメロ譜があったので弾いてみると、川の流れのように、ゆるやかに上下行するメロディー。
ハワイ音楽と少しイメージが重なる。そういえば、ワルジーナのアルバムでは、ハワイアンとの融合を試みたアレンジもあったが違和感がなかった。

下半期 よく聴いた5枚

上半期の終りに、下半期はそれほど熱中する音楽は見つからないかも、と思っていたが、なんやかんやと探し当ててしまうものなんですね。
例によって、個人的な購入範囲における発売年無視の個人的ベスト。下半期は新譜ゼロ。いったい誰のお役に立つのやら…(笑)
上半期はi-Tunesの再生回数データに基づき発表しましたが、下半期途中でPCがクラッシュ。
そこで今回は、特に旋律性に魅力を感じたアルバムなど思いつくまま挙げてみました。

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①海の歌ハバネーラ/マリーナ・ロセール(2007)スペイン
何度も繰り返し聴いた、最も愛着あるアルバム。南ヨーロッパのおいしいメロディーがぎっしりつまったハバネラ集。長調と短調が交互に流れる旋律性に、強い光と翳そのものを感じさせる。
ギターとピアノを基調にした小編成のアコースティックで、アンサンブルの意識がよく伝わる。ハバネラのリズムって、8ビートがベースになっていると思うけど、この波がはねる感じは打ち込みでは再現できないと思う。
マリーナは一見、奥ゆかしい歌い口、だが凄い情熱家なんじゃないかな。カタロニア語で歌うローカル歌手、というイメージだったが、公式サイトをみると、なんとバルセロナの5階ほどもある大劇場を一杯にする著名シンガーなのですね。ライヴ盤が最近出たそうなので、そちらも聴いてみたいところ。
MySpaceで試聴ができます。

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②Cuban Nights/ミゲリート・バルデス〈LP〉(1950年代?)キューバ
下半期は、ミゲリート・バルデスにハマってしまいました。きっかけはオーディブック。さらにハマッたのが、こちらのデッカ盤LPの魅力。CDの音質に慣れきった耳には新鮮で、深い音響。しかも演奏は絶頂期ともいえるミゲリート自身の楽団と、マチート楽団の時代。
YouTubeで晩年とみられる歌唱を聴いてみたが、嗄れた声で話す様子に加齢を感じさせても、いざ歌い出すとたっぷりしたハリのある歌いぶり。故人ですが、敬愛します。
↓ミゲリートって、船越英一郎に似てません??(拡大できます)
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こちらのYouTubeで「アモール」など3曲メドレー視聴できます

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③Maz/ヨルゴス・ダラーラス&マリネッラ(2003)ギリシャ
コメント欄でお薦めいただいたのをきっかけに購入。このあいだインフルエンザ(?)に罹って、しんどい時もコレ聴いてました。ギリシャ音楽はメロディーが暗いけど、ここまで完璧に歌い表してくれると、かえって元気が出るくらい。荘厳なデカダンスとでもいおうか。ラテン・テイストを含んだオーケストラも、誇張しすぎず良い塩梅。ダラーラスにもグッと傾倒した下半期でした。
本作から1曲お気に入りをリンク。

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④南アフリカ音楽入門/V.A.(1994)オーディブック
いかめしい伝統音楽なんじゃ?という先入観があっただけに、古いラテンやジャズなどが混ざり合った、なんとも言い表しがたい懐かしいテイストに、ホロッときました。CDばかり聴いて、中身のテキストはちゃんと理解してないんですが(笑) リトル・レミ君の奏でる笛の音が、耳から離れないんです。なんて自由な音。
これに付随する格好で、あまり聴いていなかったオーケストラ・バオバブのCDも、取り出してかけるようになりました。

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⑤Manifest/ググーシュ(2005)イラン
初めて買ったググーシュ。アラブ音楽の範疇に入れていいのか分からないけど、ハレド以来、熱中できるシンガーに出会えた感触でした。
(ちなみにハレドがラシッド・タハ、フォーデルと共演したライヴCDも良かったけど、僕はタハがちょっと苦手。ロックを聴かないせいなのか、ハッタリっぽく感じてしまう。)
本作は、練られたサウンドを抑制の利いた音響処理で、上品に仕立てている。こちら方面の音楽って、非常にコブシ(メリスマ?)の濃い旋律性なだけに、サウンドの匙加減次第でイビツなものになりかねないと思うけど、これはヒットでした。熟女の嗄れた歌い口に哀切を感じます。
こちらで、本作から1曲試聴できます。

以上で5枚。また、上半期にならって、下半期の「その他のお気に入りCD」も後日、書こうと思います。
上半期 よく聴いた5枚
上半期・その他のお気に入りCD10枚

リアルタイムに聴き始めた'80年代

カーリーの音楽を、ほぼリアルタイムに聴き始めたのが、このアルバムからでした。アリスタ移籍初の'87年作『カミング。アラウンド・アゲイン』。
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ジャケ写は裏面のほうが色っぽくて好きだったな。ギターと素足ってのが(笑)

以下、曲目。かなりシングル・カットされていたようですね。
1. Coming Around Again
2. Give Me All Night
3. As Time Goes By(時の過ぎゆくまま)
4. Do the Walls Come Down
5. Stuff That Dreams Are Made Of
6. It Should Have Been Me
7. Two Hot Girls (On a Hot Summer Night)
8. You Have to Hurt
9. All I Want Is You
10. Hold What You've Got
11. Itsy Bitsy Spider

国内盤解説では、前作『スポイルド・ガール』の不成功から、再起を賭けて制作された、とある。僕も『スポイルド・ガール』は気に入らなくて(ピコピコ打込み多用で、色々トライしてるわりに飽きてしまう)、彼女のアルバムの中で、唯一手放してしまった。
本作は、打ち込みとアコースティックをバランス良く配分した、大々的な復帰作と呼ぶにふさわしいヴォーカル・アルバムで、ゲストも多彩。プロデュースはカーリーと、フランク・フィリペッティ。

①「Coming Around Again」は映画『心みだれて』(主演、メリル・ストリープとジャック・ニコルソン)の主題歌に起用された、カーリー作のララバイ風の優しいメロディー。終曲の童謡⑪「Itsy Bitsy Spider」の中でリプライズさせ、見事な輪唱に仕上げている。
③は映画『カサブランカ』の主題歌となった「時の過ぎゆくまま」。たくさんのシンガーがカヴァーしてると思うけど、ポップス系では出色の出来ではないだろうか。スティーヴィー・ワンダーのハーモニカをフィーチャー。
④「Do the Walls Come Down」、カーリー作のこの曲が大好きでした。ここでは打ち込み使用で硬質だが、後に発表された『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ』では生演奏で、そちらのほうで、一層好きになった。⑤も同じく好き。
⑦「Two Hot Girls」は、女友達とふたりで、ボーイハントを企む歌で、ストーリー・テリングが冴える。

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ミゲリート復活

こないだ、ミゲリート・バルデスのアルバムは入手困難でコンピばっかりだから、集めるのをヤメたと書いたが、また買ってしまった。
中古CDを2枚。いずれも現在廃盤のトゥンバオ盤。手持ちとダブリ曲はあるが、ミゲリートに関しては、やはりこのトゥンバオ盤ははずせない。各1000~2000円前後で購入。
mv上は'42年の珠玉の録音集。やっと「ババルー」が入っていないCDが手に入った。「ザラバンダ」、「タブー」「ビン バン ブン」など。オーディブック盤の次に充実したCDといっていいのではないかな。
下は、マンボ、ルンバを主とした珍品(?)集で、他と重複曲がほぼ無い点で、かなり貴重。その分、馴染みにくい気もするが、ミゲリート節は痛快。インストも数曲あり。'46・'49年録音。

「なぜ今、ミゲリートなのか」と問われると答に窮してしまう(ミゲリート・バルデスは既に没。同名の現代ミュージシャンがいるそうですね)。
自分はキューバ音楽はまだまだ聴き始めたばかりだが、ミゲリートを聴いていると、この時代において、キューバ音楽ひいてはラテン音楽、さらにポピュラー音楽で可能な総てのことを、彼はやり尽くしたのでは?と思えてしまうほど。

なぜそう思うのかは、単に聴いてて楽しいから、とか言いようがないが、もう一つ、
オーディブックの「偽アフロ」に関する一連の説明が、いっとう最初、僕にはさっぱり解らなかったのだが、今ではなんとなく理解できる気がする。
白人が歌うアフロに、一回転ひねりして戻したような客観性を感じるのだ(つまりそれがウソから出たマコト?)。タフなキャラクターだから、地でいってるようにとられそうだが、キューバ音楽を非常に冷静に見つめていた人だったのでは? 

加えて、ミゲリートの、ギミックたっぷりのパフォーマンス(下のYouTubeは、太鼓を抱いて吠えるミゲリートの周りを、スケート美女軍団がクルクル回っている不思議なレビュー。)。ここにも日本人である僕が単純に描くラテン幻想(いわば大袈裟でヘンっぽい感じ)が込められていて、愉しいのだ。オールド・ラテンの枠にとどめられるのはもったいない、何度でも人々に回顧してほしい一級のエンターテイナー。

生きてるよ

先日、音楽系ブログをぶらぶら尋ね歩いていたら、ブロガーさんが急死して、家族が代わりに最後の更新挨拶している記事を初めて見つけた。
ホントかどうか疑えばキリがないんですが、トラブルの痕跡もないし、ログイン状態を保存しておけば、身内ならアクセスできますからね。コメント欄には弔問書き込みが殺到していた。こういう事も、実際あるんですね。

ブロガーさんなら誰しも一度は、ブログの在り方、ブログを続ける事の意味、書く事そのものへの意味を、たかだか趣味程度でも、ふと立ち止まり考え込んでしまった事があるかと思うんですが、
ブログ更新そのものが、「まだ生きてるよー」というメッセージでもあるんですね。そういう意味では滅茶苦茶でもいいから、何か書けばいいんですよね(笑)。
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残念ながらテレサは亡くなってしまったけれど、先日エル・スールから購入したこのアルバム、良いです~。テレサ・テンの手持ちCDは少なく、他に『淡々幽情』と、前の職場の人から借りパチ(借りパチって関東の人、分かる?)したままのベスト盤(笑)。
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レコード盤を模したラベルは、見た事があるが、裏面まで真っ黒なのは初めて。凝ってるなぁ。'82年作、今年紙ジャケのリイシュー。
しっとりした極上の歌唱。筒美京平作もある。『淡々幽情』もいいけど、あちらは中国古詩を基にした詞先の楽曲だったぶん、本作は型にとらわれないポップス感があり、きらびやかでたおやかなアジア歌謡大成を目の当たりにするよう。
年末年始に、もっと聴き込もうと思います。

カザンジディス&マリネッラ

今日、カザンジディス&マリネッラのデュエットCDをオーダーしたら、完売とのリメールが。ありゃー。
でも、手持ちのそれぞれのベスト盤を、まだじっくり聴いていないから、まぁいいや。どちらも2CDなので、しばらくはこれで十分。二人のデュエット曲もちょくちょく入ってるし。
↓まずはステリオス・カザンジディスから。アオラ盤『ザ・ベスト-ライカの声』。
sk最初一通り聴いた時点では、どれも曲のタイプが同じように聴こえて、しばらく置いていたんです。それにライカの第一人者だけあって、レンベーティカ臭が思ったよりキツい。アクがかなり強いんです。
知ってる曲が1曲もないし、どうかなぁと思ってたんですが…、スルメですな。だんだんいい感じになってきました。

カザンジディスは、磊落的な野性味のある男性的な歌声。非常に濃い顔立ちだが、ギリシャではモテ男と見え、映画にも出演していたようだ。海の香りと、港町の猥雑な人間ドラマの匂いがするような、今では聴かれないような個性的な大らかさを感じます。
1931年生まれ。機械助手として、工場で仕事後シャワーを浴びながら歌っていた歌を聴いた工場の責任者が、歌手になることを勧めたという。'50年デビュー、'56年、マリネッラと出会い、二人は'57-'65年にかけて、数々のヒットを放った。

↓マリネッラのライヴ・トラックからのベスト盤
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こちらも、まだあんまり聴いていないんですが、やはり古い音源になればなるほど、濃いレベンーティカの香りがするような気がします。頽廃の香り。いくつか男性と共演しているが、マリネッラが男性を上手に立てる巧さは、往年のカザンジディスとのデュエット経験で培われたものが大きいのでしょう。

カザンジディスとマリネッラは、'64年に結婚したが、翌年離婚。音楽家としての共演活動も終わってしまう。(二人のプロフは、アオラ盤解説より要約引用。)
二人の歌声は、誰に師事することのない、体当たりで築き上げた大衆音楽の生々しさが伝わってくる。カザンジディスの死後、マリネッラはレンベーティカ~ライカの生き証人なのだな。
デュエット曲「ニッツァ、エレニッツァ」

オマーラ&マリアのDVD

復活の兆し! 結局、更新ペース、普段とさして変わらないですね(笑)。お騒がせしました。なんだか、病んだほうが饒舌だった気もしますが(笑)
結局、病院には行かなかったから、インフルエンザか風邪だったのかは判らないまま。
今回は、喉が痛い。歌のケイコがサボれるぞ(笑) あと、頭がキューンとひねったように痛かったです。

日曜に飼い猫のフードを買いに難波まで出かけて、その日はそれで直帰するハズだった。思えば、このとき、病原菌を拾って帰ってきたんだと思う。同じ拾うなら、CD買う金が其処此処に落ちてりゃいいのに。
↓タワレコで衝動買いしたのがコレ。
o&mオマーラ・ポルトゥオンドとマリア・ベターニアのライヴDVD。先に出た共演CDのほうで、気に入ってはいたけど、DVDまでは手が出なかった。店頭で見つけてしまうとダメね。

まだ一度しか観ていませんが、ああ良かったです。CD以外のレパートリーも多く、セット購入もお薦めできます。ジャケはラメが入ってキラキラ。
ブラジル(サンパウロ?)での収録だと思うが(ポルトガル語のクレジットがよく読めないのです)、ライヴ構成は、デュオ~マリア・ソロ~オマーラ・ソロ~デュオとなっていて、どちらか一方だけのファンとしても、楽しめる内容かと。

マリアについては、僕は未だにソロを一枚も聴いたことが無く、実兄のカエターノなら、かなりCD所有しています。マリアは野性味のあるハスキー・ヴォイスで、オマーラのヴォーカルの女性性と対比的で、結構いいコラボだな、と映像をみてあらためて思った。

オマーラが、得意とするレパートリー以外は、譜面台を使用している点が、ビジュアル的にどうしても弱くなってしまうが、さすがに高齢だし、相手国の言語でも歌うので仕方ないと思う。
マリアはステージ・マナーも見栄えするもので、オマーラをひきたて、いかに聴衆にリスペクトされているベテランか分かる。

二人ともマイク位置は、口と鼻の間くらいで、鼻から抜ける音も拾わせているようだった。オマーラは、かなり抑制をきかせた歌唱法で、汗だくの熱演。
映像編集はオーソドックスで良いと思う。面白いのは、客席のショットを、最初は全く映さなかったが、後半、ステージが盛り上がるにつれ、少しずつ映し出し、アンコールでは俯瞰ショットになる。
これは、聴き手が最初はステージを固唾をのんで見つめるうちに、次第にリラックスして、周囲の客と一緒にエキサイトしていく心理になぞらえたような演出で、シンプルながら好感が持てた。

ブラジリアン・バンドもリズム・セクションがカッコよくて気持ちいい。自分も観客の一人になれた、楽しいショーでした。
スタジオ盤の「Tal Vez」。先日の東京でも、オマーラ歌ってたね。

セリアのクリスマス・ソング

「変わったアルバム持ってるねぇ」。
むかし、僕が音楽好きなのを知ってる友人から、何かお薦めのクリスマス・アルバムがあったら貸してくれと言われ、聴かせたのがコチラ。
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クリスマス・アルバムらしきものは、ほとんど持ってない上、セリア・クルースのCDで唯一所有しているのが、なぜか長年コレだけだった。(後に、他にファニア時代のCDを一枚購入。)
セリアの歌声は、ティト・プエンテとの共演アルバムを何処かで聴いて知ってはいた。ちょっと毛色の違ったクリスマス・ソングを、と思って当時、買ったのかなぁ。

最近、古いキューバ音楽をぼちぼち聴くようになり、今夜あらためてこのアルバムを聴くと、「ええやん!」。
セリアの声って、肝っ玉系の図太いイメージがあり、情感・多湿系がどちらかといえば好きな自分には、縁が薄いかな、と思っていたが、
ボレロの③「フェリス・ナビダー(メリー・クリスマス)」など聴くと、チャーミングで、表情が可愛い。

知ってるクリスマス・ソングは②「ジングル・ベル」だけだった。イナタいアレンジで、打楽器がポカポカ鳴ってる。レソ・ラメントの⑨「空の王様」では崇高に歌い上げ、アルバムの終盤を盛り上げる。'92年、ボンバ・レコード。
③「フェリス・ナビダー(メリー・クリスマス)」

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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