船上のムーンライト・セレナーデ

今朝、カーリーのオフィシャル・サイトからコンサート・チケット発売案内の英語メールが来ていた。思わず申込みクリックしそうになったが、場所はアトランティック・シティ。あー、一度は生の彼女を聴きたい。
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こちらは、'05年アルバム『ムーンライト・セレナーデ』発売後、豪華客船クイーン・メアリーⅡ号でのライヴを収録したDVD。『ムーンライト・セレナーデ』は、ビルボード初登場7位のヒット。これを受けてDVDが急遽制作されたのかな。
スタンダードを引っさげてのライヴだが、「うつろな愛」「レット・ザ・リバー・ラン」など自身のヒット曲を織り交ぜたセット・リスト。

QM2の船内は、とってもゴージャス。オフ・ショットでカーリーは、キャプテンやシェフと歓談しながら練り歩く。デザートが旨そう。
紳士淑女が集うボールルームで「ムーンライト・セレナーデ」は始まった。客席の特等席に見覚えのあるアジア系の女性が。この人、過去のカーリーのライヴビデオにも映ってた。優雅に扇子を揺らしている。

過去、エレクトラ時代の3作品でプロデュースを努めたリチャード・ペリーが、カーリーと久々に組んだアレンジは、過去に幾つか発表されたスタンダード集の中でも、最も彼女に合った軽やかさがあると思う。
僕にとっては、カーリーの素直なメロディー解釈と歌唱によって、ジャズを聴くきっかけとなった曲も多い。

DVDでは、私的にカーリーのヴォーカルが時折苦しそうに見える場面もあった。心なしか、バック・ヴォーカルを努める娘サリーが、ちらっと心配そうな表情をしてるような。
ストリングス率いるゴージャスなバンド編成による本編もいいが、ボーナス・トラックのギター1本で歌う娘とのデュエット集は、アットホームでなごむ。ただしボートラは音と映像がかなりズレているのが難点。

本編では、軽いタッチの「Alone Together」がベスト。ボートラでは「No Secrets」等、往年の名曲が海をバックに歌われる。

ペルシャの歌姫

初めてブログを訪れる方は、何らかのキーワードがきっかけになっていると思う。目的の情報を得るために。だからブロガーは情報提供に徹底するほうが読者にとっては実質的に有益なのだろう。でも、ブログだからついダラ書きしてしまうんだよなぁ~。
情報といっても、ロクに調べずに書き出すものだから、アーティストの出自などの説明については、断定的な物言いができない。CDの解説をそのまま引用するか、「…だそう」「…らしいが」といった伝聞的な表現で曖昧にして誤魔化す。ま、そういうスタンスなのだ。

詳しい人から見れば、乏しいんだろうなぁ、と思う。「コイツ、まだまだ浅いな」とか。"ビートルズ"を検索してやって来たのに、「ビートルズはあまり知らない」という記述だけでガッカリ(笑)、という訪問者も沢山いそうだ。
でも、パーソナリティのキャパシティで書いているのだから、それでいいと思う。口コミ情報は一件だけじゃ信頼性に乏しいのは、訪問者が予め分かっている。他のブログと抱き合わせで共用してもらえたらいい。
それにしても、ウチの目玉はなんなのでしょう。「こんなの見たことも聴いたこともない」、アーティスト・音楽ばっかり?(笑)
goo
ペルシャン・ポップのCDを初めて買ってみました。その名はググーシュ。「ハリス・ファンにお薦め」という触れ込みがきっかけ。50代後半でギリシャのハリスより一つ年下らしい。きれいな人だね。
ペルシャといえば絨毯・猫。イランといえば核問題。で、両者が同じ国とは知らなんだ(やっぱりここの管理人は無知)。

なるほどハリスによく似た嗄れた声質に哀感のこもった節回し。サウンドが打ち込みっぽく聴こえたが、クレジットをみるとバンドの各パートの記載が。ストリングスも生。
日本の居酒屋でかかっていても全く違和感なさそうな、庶民的な味わい。なんかスルメが食べたくなってきたな。繰り返し聴けば聴くほど、旋律が耳に残っていきます。好きです。

熟女の(2年前の)カレンダー付き! CDサイズに合わせて小さく畳まれています。

「キャビネッセンス」との再会

近々発売されるというブライアン・ウィルソンの新譜。あるブログさんの情報から、コチラで試聴してみました。アルバムをフルで試聴できるとは、なんて太っ腹。
この新作、凄いなぁ。最近、ブライアンから遠ざかっていたけど、是非DVD付きのほうで買おうと思う。カラッとした夢一杯のサウンド。ソロ・ヴォーカルが前面に出てるのも、個人的に好き。

ブライアン・ウィルソンの音楽には、アメリカン・ポップスが好きな高校時代の友達の存在がなかったら、出会っていなかったと思う。お互い聴く音楽のタイプがまるで違っていたから。
友達は、多重録音のデッキを持っていて、二人で『サザエさん』の主題歌をアカペラ・アレンジにして録音して遊んだ。♪サイフを、忘れて、ドゥルドゥルドゥ~、(笑)
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『スマイル』の中の「キャビネッセンス/Cabin Essence」を聴いて懐かしかった。この曲、その友達の家でオリジナル音源を聴いた。
『スマイル』は長年、幻のアルバムだと言われていたから、その一部が昔聴けたのは、友達が相当ビーチボーイズ・マニアだったからかな。「キャビネッセンス」は、不思議な魅力を感じた曲。マジックみたいな感覚がずっと忘れられなかった。新録であらたに聴けるとは、思ってもみなかった。

ランブリング・アイリッシュマン

トラッド系ロック・バンドにはあまり関心が高くないので、オイスターバンドのアルバムも、この『ホーリー・バンディッツ』しか持っていない。収録曲のうち「ランブリング・アイリッシュマン」は、よく聴いた。
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「ランブリング・アイリッシュマン/Rambling Irishman」はトラッドなので、他にデ・ダナン盤も持ってる(ヴォーカルはドロレス・ケーン)。
こちらのオイスター盤は、歌詞内容に沿って女声のユニゾンが男性ヴォーカルに寄り添うように、かぶってくるのが印象的。エンジェル・ヴォイスが知的過ぎなくて、またいいのだ。サウンド自体はギターを中心に淡々としているが、物語性が強く、切なくなってくる。

この曲(特にサビ)を聴くと、個人的になぜかアイヌ民謡の「ピリカピリカ」を思い起こす。子供の頃、北海道旅行で教わったきりで、メロディーをハッキリと憶えてはいないのだけど。

♪ランブリング・アイリッシュマン(Trad.)

俺は放浪するアイリッシュだ
アルスターで生まれた
ほとんどの時を幸せに過ごした
優しいアイルランドの湖の岸辺で
しかし貧しく生きることに俺は我慢できなかった
俺の他の駐屯地として
俺はアメリカに航海した
そしてこのアイリッシュの国を去った

RY-tan tin -a-na,tan,tin-a-na
RY tan tin-a-noora nandy

(中略)

船上で初めて眠った夜
愛しいナンシーのことを夢見た
彼女を胸に抱いている夢を見た
そうして彼女は俺の空想を楽しませてくれた
しかし夢から目覚めると
ベッドは空っぽだった
思ったとおり
間違いなく俺は不機嫌だった
(中略)

貧しく生きることに俺は耐えられなかった
俺の他の駐屯地のように
アメリカに航海した
そしてこのアイリッシュ人の国を去った

※日本コロムビア盤より引用

DLの時代

「今や、楽曲購入はダウンロードの時代だよ」という発言を目にした。もう、すっかりそんな時代なのか?
僕も、既にiTunesストアで、何作かアルバムをダウンロードしたけれど、何故かあまり聴いてない。作品の出来に関わらず、どうもCDのほうに愛着があるようだ。実際、音楽だけじゃなく、装丁にも凝っていたほうが、それだけ購買意欲が湧いてくる(昨日のディック・ミネさんのCDラベル、いい感じだった)。ジャケ買いなんかも、昔はよくやったしね(それで、ハズした事も多いけど)。

仕事はペーパーレスが理想的だけど、趣味となればコレクションの一環で、大好きなアルバムを目の前にズラズラ~っと並べてみたかったりする。
でも、CDは保管スペースに困るよね。僕の場合は、枚数を増やすことが目的じゃないので、聴く機会のないCDは、少しずつ中古に出して間引くようにしている。最終的にマスター・ピースだけに固めるのが理想なんだけど(なかなかそうはいかないが)。

いずれにしても、自分のような音楽的嗜好では、DLで全て入手することは不可能。それどころか、LPに手を出す始末。
デジタル・フォーマットが、そもそもの売上げ不振を招いているなら、LPにメディアを戻したらどうだろう?(笑) 音源自体の中古と新品の差別化を図るために。
それに、やっぱりアナログの音はいいよ。むかしは、埃のパチパチ音が忌々しかったけれど、最近になって聴くと、そんなに気にならないんだよなぁ。

かつて、メロウな歌声があった

書店員をやっている友達に頼んでおいたものの、お互いの時間が合わず、なかなか引き取れなかったCD、やっと入手。ディック・ミネの『ジャズ・ソングス』。
その友達と前回会った時に、ライス・レコードのサンプラーCDを1枚余っていたので贈ったのだが、昨日会ったら、随分気に入ったらしく、もう何度も聴いているという。音質は古くても、イキイキした音楽って伝わるよねぇ、と二人で焼肉たらふく食べながら頷きあってた。
dm1. ダイナ 2. 黒い瞳 3. セント・ルイス・ブルース 4. 青空 5. たのし春風 6. 恋人よ我に帰れ 7. 上海リル 8. 火の接吻 9. ユー・ビロング・トゥ・ミー 10. 君がさゝやき 11. 君微笑めば 12. ブルー・ハワイ 13. 竹の橋の下 14. 南京豆売り 15. ケンタッキーの月 16. アイルランドの娘 17. 林檎の樹の下で 18. 奥様お手をどうぞ 19. ヴァレンシア 20. 第三の男 21. 唄は廻る 22. 踊らん哉 23. グッド・ナイト・スイートハート 24. スウィングしなけりゃ意味ないね 25. 八十日間世界一周

このアルバムは、意外に音質が良くて音が深い。かねてから、笠置シツ゜子さんの歌が大好きだったのだけれど、彼女のようにレトロな感覚で舶来文化を追体験できるタイプのシンガーは、他にいないと思い込んでいた。
たまたま最近、古いキューバ音楽に興味を示すようになり、こちらのサイトさん(無断リンクすみません)を見ていたら、この作品が取り上げられ絶賛されていたこと、またおやぢさんが既に記事に取り上げられていたこと(皆さん、ホントお詳しいですね)がきっかけ。

インナーの丁寧な解説によれば、芸名ディック・ミネは戦時下の状況によって、本人が慰問中、不在の間に、三根耕一に変更されたという、今じゃ信じられないエピソード。
どことなく英語っぽい発音で、訳詞を歌うメロウな歌声は、ローカルな話題になりますが、丸福珈琲店で流れたら、似合いそう。
キューバの名曲⑭「南京豆売り」は、今までインストで聴いてきただけに、♪豆~、の歌い出しが新鮮。⑦「上海リル」は「上海帰りのリル」とは違う曲なんですね。
⑧「火の接吻」は、上品な歌い口の中にも、メラメラ・ワナワナした情念を表現。⑰「林檎の樹の下で」は、おおたか静流さんのCDで気に入っていた曲。23.の「グッド・ナイト・スイートハート」は、日本人離れしたスウィーティーな歌声。
気負いがなくて、純粋に音楽として楽しめる。もはやお気に入り。

アイルランドの森深く

以前、'80年代のドラムの音が嫌い、というような記事を書きました。
その'80年代の終わり頃、ワールド系のブームがあり、その頃、アイルランドのメアリー・ブラックを聴いて、彼女の歌声に惚れた訳ですが、もう一つ惹かれた点が、ドラム・セットならぬ、コンガ・セット。
なんと、スネア・ドラムを取っ払って、代わりにコンガを据えたもの。ドラマー(というか、ここではパーカショニスト?)は、バスドラとハイハットは、通常通り足で刻み、手はコンガを叩くのだ。
スネアの音は、ときにヴォーカルとリズムがぶつかる場合があるから、この組み合わせは新鮮だった。その結果、リズム・デザインがまろやかなグルーヴを生み、ヴォーカルがのびやか。画期的だと思った。当時のプロデューサーだった、デクラン・シノットのアイデアだったのだろうか。
mb12大名盤『ノー・フロンティアーズ』の次作となる、この'91年作『ベイブス・イン・ザ・ウッド~森の少女~』は、飛躍的に音質が向上。ライヴに近いレコーディング手法に変えたそうで、かなり技術的に苦労したそうだ。
楽曲の質的には、前作より多少劣る印象はあった。CD発売当時、僕は学生で、京都の「チェロキー」というカントリー&ウェスタン専門のレコード・ショップに遊びに行っていて、店長に感想を求めたら、やはり同意見だった。音響は素晴らしいが音量のレンジが広すぎる気もした。

といっても、当時のアイリッシュ・コンテポラリーの最高峰のアルバムだったに違いない。もちろん、メアリーの歌唱力は、さらに増して自信に満ちている。クセのない伸びやかで、美しく、そして逞しさも併せ持つヴォーカルは、とかく幽玄美ばかりアピールされがちなアイリッシュの女性シンガーの中で、他の追随を許さないものだ。
おやぢさんも記事にされています。)
Bright Blue Rose - Mary Black

東京の思い出

東京に遊びに行くことが決まって、かつて出張に行っていた頃の記憶が甦った。
都内の某公共施設の一室で、試験監督業務を行っていた最中のこと。窓の外で突然、どえらい音のバンド演奏が始まった。どうやら、隣りの公園の野外ステージでアマチュア・バンドのライヴ・イベントが催されているようだった。
その日は、日曜。会場借用の際、周辺の環境まで考慮に入れていなかったから、あまりの騒音に慌てた。受験者達も眉をひそめ、あからさまに耳を塞ぐ者もいる。
ところが、演奏があまりにも激しすぎて、皆、次第に笑いが込み上げてきた。パフォーマンスの様子までは、こちらから見えなかったが、ヴォーカルは、めちゃ吠え猛りまくっていた。
厳粛な態度(?)で、巡回していた僕も、思わず吹き出してしまった。内と外でなんというギャップ。しかし、かえって受験者はリラックスできたかも?なんて。
lw去年の夏に聴いてとことん癒されたラウドン・ウェインライトⅢ。今年も、あらたに旧譜を買いました。その名も『More Love Songs』。ジャケ絵は初め、女性しか見えなくて、クラシカルだなぁと思いつつ、よくよく見れば男の姿も。なるほどモアモア~なムードですね。

'86年作のこのアルバム、リチャード・トンプソンとの共同プロデュースで、管楽器やストリングスも盛り込まれ、他作品よりも幾分リッチに、ヴォーカルがひき立てられる。
ラウドンの曲は、ほんとはリスニング出来たほうが、より楽しめるんだろうな。ライヴ音源を聴くと、聴衆は絶えず爆笑していて、彼はまるで歌う噺家みたいだ。
まぁ、最近は、アーティストのHPに歌詞のコンテンツもあるし(輸入盤は、歌詞カードが添付されていない場合が多い)、フィーリングの合う曲から、少しずつ調べて大意を掴めたらと思う。
途方もなく疲れた時、ひねくれちまった時、ラウドンのおやじパワーが、効く~。

しかし、ラウドンって選曲が難しいな。

オマーラ来日!

暑さが少しやわらいだような気がしますが、それでもまだ暑い。マンボを聴きながら一日、ダラダラ過ごしてしまった。
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オマーラ・ポルトゥオンドが、また来日すればいいなぁ、などと最近の記事で呟いていましたが、今秋、来日決定!!
この情報、コンサート・チケット発売から、しばらくたって知って、東京公演のみの平日ど真ん中だが思わずチケットを取ってしまった。旅をすることは、しばらく無いだろうと思ってはいたが、行きたいコンサートとなると、もうホイホイっと(笑)。

東京なんて、久しぶり。もう、イヤというほど仕事で行ったから、個人的に東京に良いイメージが無いんだけど(笑)、今回は遊び。宿泊先は、かつて泊まったホテルは外そう。ふだん、通販でしかCD購入した事がなかった、渋谷のエル・スールに立ち寄ってみよう。ついでに大型輸入盤店に行って、それから、えーっとえーっと、…うーん、たいして浮かばないなぁ。

今回のオマーラは、小編成のようだ。前に観た時は、キューバ・バンドだったから、また違った魅力が味わえそうだ。80歳近くとは思えない、彼女のエネルギーをもらって帰りたい。
Tal Vez - Omara Portuondo E Maria Bethânia
↓飼い猫も暑さでグッタリ。でも、おまえはイイよ、気楽で。
kao

ディア ジム~ I Got A Name

おやぢさんにオススメしていただいたのがきっかけで、ジム・クロウチのオリジナル・アルバムを全て収録した『The 50th Anniversary Collection』(2枚組)を入手。中古で1000円ちょっとで売られていたのを、すかさずゲット。
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先に買ったベスト盤『Photographs & Memories』がきっかけ。なんて、優しい歌声なんだろう、と。ジムのディスコグラフィを含む詳細解説は、既におやぢさんが懇切丁寧な記事を書かれているので、そちらにおまかせして(笑)、
このCD、未発表音源等~3枚のオリジナル・アルバム発表順に、収録されていますが、アルバムごとの曲順は、微妙に入れ替わっています。そこで、いったんi-Tunesに取り込んでから、オリジナル通りに並べ替えて、少しずつ聴いています。
ここでは、僕がジム・クロウチを知るきっかけになった「 I Got A Name」を含む遺作となったアルバム、『 I Got A Name』('73年)から。

1. I Got A Name
2. Lover's Cross
3. Five Short Minutes
4. Age
5. Workin' At The Car Wash Blues
6. I'll Have To Say I Love You In A Song
7. Salon And Saloon
8. Thursday
9. Top Hat Bar And Grille
10. Recently
11. Hard Way Every Time

以前、旅の共にしたいCDとして、モーラ・オコンネルの『ウェスタン・ハイウェイ』を挙げたけど、ジムの歌は、まさに旅の道連れにしたくなる、心に沁みる声。
フォークもロックン・ロールもギャップを感じず聴けるのも、彼の音楽的な引き出しの多さというよりは、人柄が自然に滲み出たがゆえの、親近感からではないだろうか。

アメリカン・フォークの歴史を知らない僕ですが、ジムのフォーク・ソングには、'70年代とはまた違った、'60年代独特の端整で敬虔な歌唱のスタイルがうかがえるように思う。カーリー・サイモンが'60年代に姉ルーシーと組んだフォーク・デュオ、サイモン・シスターズの、微妙に震えるビブラートによる厳格な歌唱と、どこか似ているような気がした。

他人作の①⑦も好きです。特に⑦は、ピアノをバックにジャジーに聴かせる異色作(これも、なぜかカーリーが歌うさまがよぎった)。
しかし、このアルバムで、いっぺんに彼のアルバムを入手してしまったことになるんだよなぁ。…
①美しいフォーク・チューンと、②ブギーなロックをどうぞ。

VINYL 再発見

中古レコード盤を購入。1枚で5000円以上もしたけど、買って良かった。キューバの男性歌手、ミゲリート・バルデースの『Cuban Nights』。
mv
最近になって、分かってきたのだが、古いラテンになると、CD化されてもすぐに廃盤になったり、未だCD化されていないものが、沢山あるようだ。この間も、ブラジルのシロ・モンテイロを集めようとして、頓挫してしまった。
ミゲリート・バルデースも、当初はCDで探そうとしたけれど、コンピがバラバラと発売されている程度で、オリジナル盤らしきものが、なかなか見当たらない。1枚だけHMVに注文したけれど、入手困難なようで、もう何ヶ月も経っている。

そんな状況が分かって、LPで買ったのがこれ。ジャケはまるで、"ラテン版 風と共に去りぬ"みたいですが、中身のほうは・・・す、素晴らしい!!
まず、音が良いのにビックリ。LPをかけるのは、ホントに久しぶりで、自分は音響に神経質ではないほうだが、こんなにアナログの音がイイとは!
'50~'60年代モノと思われるが、盤がとても硬い。僕が生まれて物心ついた頃には、もっと軟質だったと思う。コンガやホーンが実に奥行きをもって響く。深いところに、音が集まって共鳴し合っている感じ。
迫力があるのに、ギンギラうるさくならない。こんなの体験したら、CDなんて聴けやしないと思うほど。

♪回る回るよレコードは回る
vinyl
ミゲリート・バルデース(1914-1979)は、ハバナ生まれ。アマチュア・ボクサーとして、ファン・サービスのために歌っていたのが、プロ歌手への転向になるきっかけだったという。
ボクサー出身だけあって、その声量と太い声質をもったタフなヴォーカルは、アフリカン・リズムを取り入れつつ、スケール大きく表情豊か。
先に、オーディ・ブックで聴いていた名曲「ババルー」などの再演も含まれており、聴き比べるのも一興かと。
なんて楽しいラテン。ウキウキして聴いているうち、気がつけば夕闇に取り残されていた。

止むことのないハバネーラのさざ波

最近、MediaMasterの再生がうまくいかない時があるんですが、皆さんのお手元では、正常に聴けているんでしょうか。

先日、他のアルバムも聴いてみたい、と書いていたスペインの女性シンガー、マリーナ・ロセール。難波のタワレコで、旧譜を買ってきました。'07年国内発売『海の歌ハバネーラ』。このCD、スペインの棚を見ても置いてなかったので、「あぁ、やっぱりダメか」と諦めていたら、キューバの棚にありました。ハバネーラは、ラテンに分類されるからみたい。そしてこのリズムはキューバが起源らしいのだ。
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ハバネーラをこれだけまとめて聴けるアルバムは初めて。このリズムは、波が浜に打ち寄せるリズムに似ている。19世紀が起源らしいが、もっと古代からあったような本能的なリズムに思えてしまう。プリミティヴなグルーヴ感。それだけ汎用性を持つのか、スペイン・ギリシャなどヨーロッパの幅広い地域にも浸透したそうだ。

先に買ったCDもそうだったが、マリーナ・ロセールのヴォーカルは、いくら聴いても全く疲れない。
淡々とした歌声って、ともするとヒーリング・ミュージックや、学究的な芸術臭のする方面にとられがちだけれど、この人は違う。フィーリングもふくよかで、それでいて押し付けがましくない。あっさり歌ってのけているようでも、相当努力してきてるんじゃないかな。ローカルな音楽を、こんな上質なサウンドで聴けて、嬉しい。
La Paloma - Marina Rossell

イン マーサズ・ヴィンヤード

昨年、ライヴ盤を発表したJTが、新作を発表するようです。他人の作品のカヴァーで、本国では9月末発売。
そして、カーリーが最近始めたブログ"Simon Speaks"によれば、なんとカーリーは、先月末レコーディンク゛したようです。
これは、音楽産業から撤退するレコード会社サイドの事情なのかなぁ。契約内容の早期履行とか? いずれにしても、カーリーが立て続けに新作を出してくれるなら、これほど嬉しいことはないくらい。
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ここ数日、偶然'87~88年の作品紹介が続くようですが、こちらはカーリーの'87年のマーサズ・ヴィンヤードのライヴ。アリスタに移籍後、『カミング・アラウンド・アゲイン』の発表によって、見事なカムバックをした後に発表された'88年作品。

内容的には、新作とかつてのヒットをからめた『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ』。意外にも、彼女のライヴ・アルバムはこれ1枚きり。本作は、音源のみで聴くよりも、映像作品のほうが海辺のロケーションが素晴らしくて、より楽しめるように思う。ヤマハのシンセサイザー、DX7が懐かしい!(笑) そして、動くカーリーは、大柄だがスタイル抜群で、ときに悩殺ポーズ(笑) 当日は、海風がきつく、寒かったようだ。
最初にCDで購入後、VHSを買い、最近DVDでリイシューされ、それも買った(つまり計3本)。CDは、全曲収録されていないが、1曲だけビデオには収録されていない曲があり、後のDVD作品にボーナス・トラックとして収録。

ここでは、名曲「うつろな愛」「アンティシペイション」「私を愛したスパイ」「ユー・ビロング・トゥ・ミー」などを除いて、スタジオ盤より印象的だったバラード2曲を。
①グッとくるようなセンチメンタルなバラード。AKAIのEWI(電子管楽器)が使われているけど、この楽器って、今も使われているかな? 結構、ニュアンスも付くし好きですけどね。故マイケル・ブレッカーが吹いています。
②恋人達の情景を描いた素敵なバラード。途中でアコーディオンが入って、ライヴのシチュエーションにとてもマッチしています。

クレンジングクリームひと塗り、ふた塗り…

今年の暮れ、久しぶりに夜会の新作を発表するみゆきさん。大阪公演もあるんですね。
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こちらは、'88年作『中島みゆき』。アーティスト名がタイトルになるのは、ふつうファースト・アルバムだけど、そうじゃないところが、このお方の只者じゃないところ。
御乱心の時代と言われた、ロック~デジタル・ビートなどのサウンド試行錯誤の終焉を迎えた本作は、今聴けば打ち込み等が古さを感じさせはするものの、歌の情景をカラフルに想起させ、意外な新鮮さ。言ってみれば、彼女の「らしさ」と「らしくなさ」が絶妙なバランスを保っている感じ。

収録曲の「クレンジング クリーム」は、たった一つのモチーフで、7分近くも聴かせるところが凄い。一人の女の、化粧落としながらのモノローグ。飽きさせず、最後まで引っ張る手腕は、久石譲氏のアレンジに依るところも大きい。

この詞は、5連で成り立っているが、それぞれ♪クレンジングクリーム ひと塗り~、から始まり、
以降は「いやな女」「醜い女」「退屈な女」等々、女の正体が次々と現れていく。少しずつ、怒気を孕んだ歌い方が、自分自身を嫌悪するようだ。
どの連も最後行は、「いらない女 現れる」が共用されているが、5連目に「捨てられた女」が現れ、失恋の事実がここで明かされる。そして「いらない女」は、一つ手前の行に繰り上げられ、ついに最後行に現れるのは、「泣いてる女」。

アレンジは、シンセ・シタールのアルペジオを基調に、エキゾチックで壮大な空間を構築する。
みゆきは後年、この曲を『夜会』の劇中、客席に後ろ姿を向けたまま終始唄い、ラストで崩れ落ちた。
以下別曲。

優美な弦楽カリビアン

ワールド・ファンの方からは、「今頃、聴いたの?」と言われてしまいそうだが、マルチニーク出身のバンド、マラヴォワの名盤「ジュ・ウヴェ」('88年作)をこのほど購入。ほんとは、リマスター新盤が欲しかったんだけど、財布の中身を見て、「ありゃ」ということになり(笑)、中古(¥500くらい)で購入。
malavoi
厳密にいえばマラヴォワの音楽は、先に映画『マルチニックの少年』のサントラ盤で聴いていることになるが、一部参加だったと思うので、バンドの全貌を知るには至らなかった。
それに、僕の大好きなマルチニークのバンジョー・プレイヤー、カリの小気味良いサウンドにしばらく、浸っていたため、一方のマラヴォワは弦楽グループだから、ちょっと重ったるいイメージが先入観としてあったのだった。

今回、一聴して、弦の優美な疾走感に耳が惹かれた。ふだん音楽を聴く時は、夜中の静けさの中で、低く流すのが、どちらかといえば好きなのだけれど、このアルバムは、思わずボリューム・アップ。気持ち良い~。
カリと同様、インストがメインだと思っていたが、ほとんどヴォーカル入りで、全11曲中、9:2くらいの割合で歌モノ中心。
中村とうようさんの解説から引用すると、「フランス系音楽文化の伝統をキューバ回りで受け継いだ」とある。去年の夏は、カリがビタミン剤だったが、偶然にも今年もマルチニークのバンドからエネルギーをもらったのだった。
Cyclone - malavoi

南欧の光と風

ここのところ、気に入って毎日かけているのが、これ。エルスールから購入。
mr
公式ページのサンプルを聴いて、いい感じだったので初購入。スペインの女性シンガー、マリーナ・ロッセルロセール。カタロニア語で歌われているそうです。
以下にアップした音を聴いていただければお分かりの通り、意外にもさっぱりとした歌い口。それでいて、聴けば聴くほどコクのようなものを感じる。スペインというと、エネルギッシュな感情表現をイメージしますが、こちらは南欧の優しい風が吹いてくるよう。家庭料理が食べたくなるね(って、また陳腐な想像力…)。

特に耳を惹かれたのがハバネラ。短調と長調が入れ替わりながら、濃い光と影を生み出す曲調に、『ナポリの歌』のロベルト・ムローロを思い出させた。
バルセロナのライヴ模様を収めた特典DVDも、見応えがあった。歌がうまい。張り上げても、うるさくならず、刺々しくならない。前作のハバネラ集も、遡って聴いてみようかな。

①8分の6と4分の2のリズムが交互に替わる、華やかなオープニング曲。
②短調と長調が巧みに入れ替わり、それでいて自然美のあるハバネラ。

アフリカ+ヨーロッパ

週末は、兄と梅田で活魚を食す。酒も入って、少々話し込んだ。ほんとに片付かない悩みばかりだ。でも、すぐにどうにか出来ないなら、いっそのこと状況を楽しんでしまえ。
帰りに、兄が急に観覧車に乗りたい、と言い出すので、なぜか兄弟でデートスポットとして名高い、阪急HEPの観覧車に。大阪の夜景って、こんなに灯りが少なかったっけ。省エネ?
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アフリカのポピュラー音楽は、ほとんど聴かないが、サリフ・ケイタは少し聴く。初期のアルバムは金属的な響きに聴こえて敬遠していたが、『モフー』は、サウンドが丸くなって、彼の声も強靭さはそのままに、柔らかさをあわせ持つように感じた。その次作がこの『ムペンバ』。

西アフリカ、マリの貴族家に生まれたサリフ・ケイタは、先天的な疾患により白い肌を持って生まれた為に、社会や一族から迫害を受けたという。なぜ迫害されるのか自分には分からないが、彼は転々としながらミュージシャンを志したという。

アフリカの発声に、ヨーロッパ風のメランコリックなコード進行が相俟って、折衷的な色合のサウンド。打楽器も、アフリカの民俗楽器だけでなく、ラテン・パーカッションも使われている感じ。
アフリカの音楽は演奏時間が長いので、1曲だけ(7分半)。

フレンチ・アンプラグド

こちらは、WAVEで買ったんだっけ。もう随分前ですね。
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'94年作。シルヴィ・バルタンはリアルタイムに聴いた事がないのに、こんなふうにポンと買ってみたりする。あっちこっち「飛ぶ」のが好きなんですね(笑)
セルフ・カヴァーのアコースティック版といったところのようですが、もちろん若い頃の彼女の歌を、この時点では聴いた事もなく、初聴きでした。

後年、日本のCMに起用されたこともあって、過去のヒット曲が網羅されたアルバムも買いました。聴き比べると、こちらは声質が枯れて(いい意味で)、落ち着いた味わい。
フレンチらしい素直なメロディーを聴かせる曲の他、かつて、ヴァイヤ・コン・ディオスというグループがやってたような猥雑なムードを醸し出すようなサウンド(日本でいえば、ピンキーとキラーズ?)など。

フレンチの'ジュ ネ パ'とかいった発音が、結構好きですが、フランス語はマスターするのが難しそう。なんで物まで、女性名詞だの男性名詞だのに分かれるんでしょう。

ラストの1曲「Tes Tendres Annees/Tender Years」のみ、トラッド仕立ての感動のアカペラのライヴ。元歌を誰が歌っているのか調べたところ、同じくフランスのジョニー・アリデーというベテラン・ロック・シンガーの若かりし頃のヒット・ソングのようだ。
他に、「悲しき雨音」「ミスター・ジョン・B」などアメリカン・ポップスをカヴァー。

ここでは、フレンチらしいメロディーを感じた2曲を。
①アルバムの中で、最初に気に入った曲。スウィートな感じがいい。クレジットを確認すると、共作でシャルル・アズナブールの名が。
②リラックスしたギターの4ビートに、囲むようなストリングス(カルテットかな)のアレンジがいい。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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