マルコス・ヴァンヴァカリスに捧ぐ/ヨルゴス・ダラーラス

注文していたヨルゴス・ダラーラスの2003年作の2枚組ライヴ盤が届きました。2割引セールで購入。
他にも、ダラーラスの旧譜を入手したいのだけれど、HMVやアマゾンで調べると一枚3500円以上もする。高い。専門店になんとか頑張ってもらいたいなぁ。
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レンベーティカ集。ギリシャのレンベーティカはディープ過ぎて、まだ僕にはついていけないと思っていたが、こちらはイケました。前に聴いたのがV.A.によるSP盤音源だったのに対し、音質がいいのと、ダラーラスの歌だから、受け入れやすくなったのだろう。

レンベーティカって非常にアクとクセの強い節回しだ。マイナーな音階・コブシに、その秘密がある気がする。この臭みがいい。人間臭いねぇ。港町の場末の酒場で、肩ひしめきあって皆で歌っているような、そんな絵が浮かぶ。アラブ系歌謡に通じる同士の絆の強い歌世界だ。

時折、入ってくる女性ヴォーカルがSP盤時代そのままの、夜の蝶のようなコロコロとした妖しげな高音を聴かせる。幻惑と懇ろになって夜の褥になだれ込むような堕落感。この味を覚えたら、止められなくなるねぇ。
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上半期・その他のお気に入りCD10枚

上半期 よく聴いた5枚」は、ファン心理が働いて、あまりにも昨年とアーティストの顔ぶれが似たり寄ったりで変化がなさすぎたので、聴いた回数とは別に、個人的に高く評価しているアルバムをピック・アップしてみました。特別篇。
(以下、コメントは割愛。各CDタイトルをクリックしていただくと、取扱い過去記事にジャンプ。)

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待夢(たいむ)/ちあきなおみ
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Therapy/ラウドン・ウェインライトⅢ
cm
永遠のボッサ/シロ・モンテイロ
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フィーリンの誕生/ホセー・アントニオ・メンデス
pm
パリ・ミュゼットVol.2
cm
ベスト・オヴ・カルメン・ミランダ
mm
マグレブ音楽紀行 第一集 アラブ・アンダルース音楽歴史物語
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ベスト・オヴ・ミゲリート・バルデース
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イン・ジス・ルーム/レスリー・タッカー
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Photographs & Memories/ジム・クロウチ

上半期 よく聴いた5枚

お気に入りCDのご紹介、上半期編です。
例によって、アルバム発売年はまちまち、あくまで自分の購入範囲で、選んだものです。
i-Tunesの再生回数データに基づいて、よく聴いたアルバムをベストとして挙げています。結果的に、私の現在の音楽的嗜好と料簡の狭さを露呈(笑)
下位順位からジワジワ発表したいところですが、文章を書き続けるとモチベーションがだんだん下がるので、やはり好きなヤツからいきます。

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①A TRIBUTE TO MANOS LOIZOS(DVD&CD)/ハリス・アレクシーウ(2007)
予告どおり、ハリスの昨年のライヴ盤がトップ。こんなに感動したコンサートビデオは初めて。もう、一生の宝モンです。(こちらのサイトさんも、昨年末購入し、急遽ベスト1にされるほど。) もう、全曲、口ずさめるほど、聴きました。
こんな素晴らしい作品が、日本国内で発売されないなんて、もったいない。もし、NTSC盤が出たら、きっと買いなおしてしまう。
ギリシャ音楽の初心者でも、作曲家マノス・ロイーゾスの書くメロディーはとても分かりやすいと思う。ブズーキ、ダルシマーなどの弦楽器の絡みも叙情的でいいし、何よりもハリスの歌心に、ギリシャ人でなくとも心打たれない者はいないのではないか。
こちらで他作品のライヴ音源が視聴できます。

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②THERE YOU ARE AGAIN/リヴィングストン・テイラー(2006)
シンガーソングライターって、ここまでやれるのか、と感銘を受けた作品。JTつながりで買ったため、当初は、兄弟の声は似てると思っていましたが、聴けば聴くほど資質が全く違うことに気づく。キーが高く、明るい曲調が多いためか、個人的にリヴのほうが音楽的には表情豊かで好きかも。ゴスペル・フレーヴァーが加味されている「Step by step」なんか、超ゴキゲン(死語?)!
これは、相当時間と忍耐をかけて制作されたのではないか。しかし、完成された音は、押し付けがましさなど皆無で、聴く者をリラックスさせ楽しませてくれる。SSWのエンターテイナー。
こちらは「Step by step」の弾き語りライヴ。表情豊かで、児童作家みたいだ。

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③寂れた村/ヨルゴス・ダラーラス(2008)
実質的には2006年発売作。僕は輸入盤で購入。ハリスとならんでギリシャ最高のベテラン男性シンガー。
数年前にベスト盤を買ったときは、たいして気に留めず、中古に売り払ったことを後悔。ダラーラスは、素晴らしい。バルカン系の民俗打楽器と木管楽器の躍動感あるサウンドが、耳を惹かれた点も大きい。マイナー・キーは民俗音楽のほうが面白い。
ベテランの威圧感などなく、曲想を大切にしなやかに歌う実直さがいい。それが男らしい。現在、2枚組みのライヴ盤を2作も注文してしまった。
こちらで、他作品が聴けます。


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④ディス・カインド・オヴ・ラヴ/カーリー・サイモン(2008)
ファンの気持ちの表れかもしれませんが、待ちに待った8年ぶりのオリジナル作は、ブラジリアン・テイストを取り込んだ快作。派手さはないが、充実した小品が並ぶ。
かつてのアルバム、『愛に揺れる想い』『人生はいたずら』あたりを気に入った方なら、とっつきやすいんじゃないかな、と思う。特にフォーキーな2曲目がフェイパリット。
お嬢さん育ちながら、ヴォーカルが人間臭くて、そこがいい。それでいて今作は、カフェで流せるようなスマートなカッコよさもあって(スタバ・レーベルだし)、洗練されている。豊かな音楽性があってこそ活動の息の長さと、新たなジャンルへのトライが可能なのだろう。
加齢のためか、高音が出づらくなってきているが、なんとか今後もオリジナルを聴かせ続けてくれたら、と思う。
こちらでアルバム全曲、30秒ずつメドレー視聴できます。

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⑤オマーラ・ポルトゥオンド&マリア・ベターニア(2008)
聴くともなく、繰り返していたらヘヴィ・ローテーションになっていた。風通しの良い、リラックスしたベテラン女性二人の共演。声質からは、オマーラが女役でマリアが男役のような。
オマーラは入口は控え目な歌い口でも、やがてナチュラルで滑らかなクライマックス表現へと没入していく。ここが、ウィスパー系シンガーと一線を画す。
伴奏の奥ゆかしさも、お気に入りとなった理由のひとつ。ノリを保ちながら、歌を引き立てている。キューバの技巧自慢の大物ピアニスト、チューチョ・バルーデスさんも見習ってほしいくらいだ。
こちらで視聴できます。

やまうずら~アルジェリア移民の声/ダフマン・エル・ハラシ

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昨年あたりから、再び民俗音楽を積極的に聴こうとしたきっかけは、オフィス・サンビーニャのラインナップだった。過去にチェックしたまま幾年もやり過ごし、忘れかけていた未知の音楽への触覚が、また動き始めた。こうした会社は貴重なので今後も頑張って各地の音を紹介して欲しいと思う。

ダフマン・エル・ハラシのCDに辿り着いたのは、この春に発売された、僕が熱狂するハレドの他、フォーデルとラシッド・タハの3人が、フランスでのライヴ盤「アン・ドゥ・トロワ・ソレイユ」で、ダフマン・エル・ハラシ作の「Ya Rayah/故郷を追われて」を歌っていた事がきっかけ。アルジェリア移民の悲哀を感じさせるメロディーと、リズムのグルーヴ感が耳から離れなかった。

次に「マグレブ音楽紀行 第一集 アラブ・アンダルース音楽歴史物語」で、この曲のダフマン・エル・ハラシ自身による歌唱を聴いた。強烈なしゃがれ声が、ますます耳を捉え、今回の新譜(といっても'70年代録音。本人は没。)購入に至った。
アラビア語はもちろん解らないが、わかりやすい音楽性で、歌唱と楽器・複数の歌い手間が呼応するメロディーが対比的で、濃厚な空間を生み出す。なんというか、とても絆が強い音楽なのだ。

シャアビといわれる音楽を、彼はさらに同時代のアルジェリア移民に向けた分かりやすい言葉で、メッセージ性の強い歌を作曲し人気を博したそうだ。ラヴ・ソングよりも、生きるためのアイデンティティーを多くテーマに、渋いしゃがれ声とえんえんと続くリズムに、なぜか癒されていくのだ。

以下は他のアーティストによる「Ya Rayah/故郷を追われて」
02.Latif El Idrissi - Ya Rayah - Various

君の捧げる歌には/ヨルゴス・ダラーラス

『寂れた村』を聴いて以来、ヨルゴス・ダラーラスのファンになった。これは、中古CD屋で、偶然見つけて即、買ったもの。ギリシャのCDは価格が高いので、1200円ならラッキーだ。
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この人の素晴らしさにすぐに気づかなかったのは、先にハリス・アレクシーウのインパクトがあったからだろうと思う。
そして、ダラーラスを紹介する日本の評論家のレビューを読むと、大抵「男らしい」と評されているが、僕には女性っぽく聴こえたのだ。むしろハリスのハスキーな歌声のほうが、ある意味、男性的だと思った。

ところが『寂れた村』を聴いて納得。しなやかなコブシ。このしなやかさが「男らしい」んだ。そしてギリシャの壮大な曲想を雄雄しく歌い込む。
しなやかさに男らしさを見出した男性歌手は、この人が僕にとっては初めてなんじゃないかな。いわゆる武骨さが男の象徴とみなされがちだが、このアルバムのヨルゴス・ダラーラスは、デリカシーが備わった大人の男。うまい。

民俗的でアコースティックな『寂れた村』のほうが好きだが、こちらは、ギリシャのコンテポラリー・アルバムで、エレクトリック・サウンドも含み、アイリッシュ風の曲もある。様々なタイプに適応する彼のヴォーカルは、柔軟で繊細で感傷的。もっと他の作品も聴いてみたくなっている。
To proaisthima(perase kairos) - George Dalaras

ブラームス間奏曲集/グレン・グールド

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なんと、クラシックのCDを購入。20年ぶりくらいじゃないの? 高校時代はケンプのベートーヴェンと、ポリーニのショパンを、LPで聴いていました。
今回、グールドのCDを買うきっかけになったのは、NHKの特集。
僕、知らなかったんですが、ピアノ独奏でも編集って可能なんですね。グールドは特に、録音では編集作業を重視していたようです。

CDとは全然関係ないエピソードで恐縮ですが、自分もちょびっとだけむかーし、クラシック・ピアノを習っていました。
神戸の女性ピアノ教師宅で、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを教わっていた日のこと、先生が
「この曲を、アシュケナージの演奏で聴いてみましょ」と言って、LPレコードをかけられたのでした。
ところが、??
明らかにテンポが速すぎ。キーも三度上に上がってる。これは、明らかに33回転を誤って45回転でかけている。ところが、
先生「じゃ、このテンポで弾いてみて」、僕「えっ?!」絶句。
畏れ多かったが、思い切って「先生、これはテンポもキーも違いますが・・・回転数が違うのでは?」と、申し出てみた。
ところが、先生はプレーヤーの処へ行って確認するでもなく、「プロはキーを上げて弾くんでしょ。速く弾けば弾くほど、他人にアピール出来るのよ」と意に介さない。
和田アキ子のLP盤を45回転でかけると、松田聖子の声になると聞いた事があるが。先生のかけたベートーヴェンは、僕には只、♪キュルキュルキュル~としか聴こえなかった。

結局その一週間後、先生は誤りに気づいてくれたのだが。「私、機械に弱いのよぉ。まぁ~、こんなに遅かったのね・・・」
そんな体験からクラシックが嫌いになった訳じゃないが、つまるところどんなジャンルでも、自分の感性やインスピレーションは大事にしなくちゃならない。

梅雨の夜にしとど濡れるブラームス。ロマンティックですねぇ。

Photographs & Memories/ジム・クロウチ

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一頃、ピアノ+ヴォーカルだけのCDを探していた時期があって、綾戸智恵さんのアルバム『To You』もその一枚だった。その収録曲の「I Got A Name」が好きで、そればかり繰り返し聴いていました。誰が元歌なのかな、と解説を見て初めてジム・クロウチの名前を知ったんです。

以後、いつかアルバムを買おうと記憶に留めつつ忘れていた。思い出したのはおやぢさんの記事がきっかけ。梅雨がジムを呼んだ?(笑)

この『Photographs & Memories』、今週届いたばかりですが、もう一聴して気に入りました~。なんてナイーヴで優しくて、人懐っこい歌声なんだろう。音楽って、やっぱり人間性が現れるんでしょうか。カッコいいなぁ。
R&B調やフォーク調の曲を、ギター中心に親密なサウンドで豊かに歌い込んでいく。こういう人に限って、若くして亡くなってしまうんだよなぁ。
注目の「I Got A Name」のみ、他人の作曲だけど、ジム本人のヴァージョンも良かった。綾戸さんも全然アレンジが違っていて、どちらも好きです。

'70年代の音楽って、音が暖かくていいな。
Ill Have To Say I Love You In a Song - Jim Croce

みゆきの初ライヴDVD

みゆきさんのこのDVD、すごく売れてるみたいですね。なんといっても、『夜会』を除き、初のコンサートDVDですから。
mn'07年のツアー模様を収録したこの『歌旅』、実は去年、記事に書きそびれたけど、僕は大阪フェスに聴きに行っていました。でもなんだか、あまり楽しめなかった。自分のコンディションが良くなかったからかな。

僕にとっての彼女の黄金期は、アルバム『臨月』『寒水魚』『予感』がヒットしていた頃。ちょうどオールナイトニッポンのパーソナリティも大人気だった。初のみゆきコンサート鑑賞は、中学時代に姉と行った大阪フェスでの「浮汰姫」(うたひめ)ツアーだった。「悪女」が大ヒットした頃だ。懐かしい~。

DVDではMCはカット。白いドレス衣装に着替えて登場したとき、「純白のドレスなんて、こういう時しか着る機会がない」と笑いを誘う。こういう独身自虐ネタって、僕らANN世代は思わず声に出して笑っちゃうんだけど、「地上の星」で彼女に目覚めたプロジェクトX世代のオヤジファンは、彼女をまた違ったイメージで見ているのかもしれない。ファンはアーティストと共に年齢層が上がるものだけど、「地上の星」以降は、グッと客層が上がった。今回は「宙船」効果もあってか、隣の席にはジャニ系好きオバサン二人組もいた。

生で観たときに楽しめなかった具体的な点としては、1曲歌い終えるたびにMCが長いことだ。せっかく音楽にノッてきたところで、腰砕けになってしまう。トップ・ミュージシャンを休ませないで、ガンガン歌い続けて欲しかったな。シナリオ通りに進行する『夜会』の反動もあるかもしれない。もっとも、この世代のシンガーソングライターって、歌より演芸トークが売りみたいなところがあって、そちらを期待するファンも少なくない?

彼女は年期を重ね、声量とともに歌唱力を増したが、本質的に繊細で不安定な声質だと思う。けれどそれを表現の幅として演じ分けてしまえる聡明さがあると思う。実際、映像と合わせて観ると、実に曲ごとに顔と声の表情が変貌するのだ。
その中でも当たり役は、シャンソン風の「ララバイSINGER」だ。これが一番自然に上手いと思った。一度でいいから、アコーディオンを全面的にフィーチャーしたシャンソン・アルバム制作に取り組んでほしいなぁ。

すでにレビュアーの間で、賛否意見が分かれているオフショットの挿入については、MCカットの代わりにしてはあまりに冗長だ。もちろん生ライヴと違った次元のコンセプト狙いであろうとは理解するものの、2回目鑑賞以降はスキップしまくり。かといってバラード中心のセットリストを、通しで聴くのもハードそうだしなぁ。

とまぁ、クドクド書きましたが、僕が思わず涙がチョチョ切れそうになるのが、「あなたでなければ」と「With」。稀代の名SSWだ。→ダイジェスト映像

LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL/メアリー・ブラック

今年初めに、このDVDのNTSC盤が出るとの情報を記事にしましたが、画像クオリティの問題で発売が見送りに。PAL盤でもいいや、と購入しました。
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'92年にVHSビデオで発売された、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ模様のDVDリイシュー。やっぱり歌うまいなぁ、メアリー。初のライヴDVDとして、近年発売されたものも渋みが増して良かったけど、この時期のはデクラン・シノットが仕切っていた頃。すなわち彼女の絶頂期でもあるため、ノリがいい。
ロイヤル・アルバート・ホールでの興行は、アイリッシュとしても快挙なのでは? このコンサートのあと、彼女はダブリンの自宅に戻って、フツーに窓拭き掃除をしてたそうだ。

当初のVHSでは、大ホールの臨場感を意識したためか、残響がちょっとクドく、テープが擦り切れるとモヤモヤして、音質がボヤけていった(聴きすぎ?)。今回は、リミックスされて、ヴォーカルの輪郭がくっきりして、とてもきれいに仕上がっている。
画像クオリティについては、PCモニター画面で観る程度なら、さして気にならない気もするが、大画面だと粗さが目立つだろうな。ちょっと残念。

でも音質は、ほんとに格段に良くなっているので、CDのみなら国内発売も可能では? 冗長なMCも入ってないし、エンドロールのBGMをカットすれば、そのままCD化できそうだ。絵がなくても、充分聴き応えアリ。
↓こちらはレイトレイト・ショーでの、チーフタンズとの共演映像発見。
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ハリ・ラヤの贈り物/シティ・ヌールハリザ

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マレイシアの若き歌姫として名前はよく目にしていたので、販売元のセール期にCDを購入してみました。
この作品はイスラム正月を祝う特別アルバムということで、僕はここでマレイシアがイスラムの国だと初めて認識しました。地理も歴史も疎いんです。国民でも半島と島の行き来は、パスポートが必要だとか。

それでCDの内容なんですが、シティ・ヌールハリザさん、歌うますぎ。美しい声に、母性も感じさせる。これを買う前に、ユーチューブでPVを視聴したんですが、ルックスもきれい可愛いし、本国で大人気なのも納得。

音楽性のほうは、アジアン・ポップスを普段聴かないので、あくまで自分の感覚で表すと、アジアンなマイナー歌謡にアラブのこぶしが合わさった感じ。特にメジャー・キーでは、中国の古謡のような素直なメロディーで、これはアラブ~イスラム系には無い香り。

歌が巧いから、繰り返し聴くかというと、今のところそうでもない。俗っぽいメロディーより、もっと難曲を歌ってもらったほうが面白いかも、と思った。

オマーラ再び

op1ブエナ・ビスタ関係のCD再発によって、オマーラ・ポルトゥオンドの'04年作が、邦題『愛の花』として初めて国内盤で発売される(左上のジャケット)。このアルバム、すごくいいと思う。去年の僕の上半期ベストに入っていました。

この作品のインティメイトな雰囲気が好きだが、このCDの収録曲をキューバ・バンド+ストリングス編成でゴージャスに歌ったコンサート・ビデオ(右上)も、またいい。アレンジがかなり違うので、聴き比べると、オマーラがいかに適応力のある歌手であるかが分かる。
このDVDは、モントリオール・ジャズ・フェスティバルでのライヴ模様で、『愛の花』収録曲以外では、アフリカン・ララバイをラテン・パーカッションのみをバックに歌った曲もすごくいい。今度は、できれば地元キューバでのライヴビデオもあれば観てみたい。オマーラ、そろそろ80歳になるのかな?

DVDとともに国内盤化されていない、オマーラの最近作がブラジルのカエターノ・ヴェローゾの実妹、マリア・ベターニアと共演したアルバム(画像下)。先日も記事にしましたが、以降も気に入って結構リプレイしています。この作品をきっかけにマリアのソロ・アルバムを買うかというと、まだそこまでいかないんだけど。
ブラジルでは、このアルバムをひっさげ、二人のツアーがあったようだ。これらの作品も是非、国内盤化してもらって、オマーラがまた来日すればいいなぁ。
So Vendo Que Beleza - Maria Bethânia & Omara Portuondo

アンソロジー/ハリス・アレクシーウ

ミュージック・マガジン6月号に、ハリスのCDのレビューが載っていた。
『アンソロジー』はミノス時代からの彼女の軌跡を追った2枚組ベスト。国内盤としては新作扱いだが、僕は何年も前、東京出張の際、渋谷のタワレコで輸入盤で買っていました。
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レビューを書いた評論家さんのブログ、実は楽しみに愛読しております。
レビュー内容で意外だったのは、「ハリスがギリシャの最高の歌手である」と認めた上で、「彼女の歌は淡白すぎて上品すぎて物足りない」と。

これを読んだ時は「えっ、そうかな」と思った。が、ギリシャ歌謡といっても、僕はハリス以外にヨルゴス・ダラーラスを最近になって聴き始めた程度。なのでハリスの歌声には、陰翳が濃くて、コブシがゴリゴリしていて、とても頽廃的なイメージを持っていたのだ。

筆者は、古いレンベーティカ好きだそうで、ここが感覚的に僕とは違うのだろう。レンベーティカといえば、去年買ったV.A.アルバム『レンベーティカ』(過去記事はコチラ)だけ持っているが、僕にはディープすぎて、繰り返し聴いてはいない。ねちっこすぎるのだ。

ところが、今日、久しぶりに本作を聴くと、「淡白さ」が分かる気がした。「こんなにアッサリしてたっけ?」。これはたぶん、以降に発表されたアルバム『酸っぱいチェリーと苦いオレンジ』のバルカン音楽で、さらに深いコブシを経験した後だからだろう。
ところがレビューでは、このアルバムさえも一部の曲については、「レンベーティカ歌手の官能的なコクは求められない」と。

つまり、ハリスはレンベーティカ歌手ではないのだろう。レンベーティカと現代ギリシャ歌謡のライカとの関係すらも解っていない僕が言うのもなんだけど、ハリスはあくまでライカ歌手として、日本の演歌歌手のように作曲家の元で修行を重ねてキャリアを積んだ優等生であって、そもそもレンベーティカの通俗性を併せ持ち得ないのでは?という気がする。

ハリスのマイナー歌謡のトリコになったきっかけは世界デビュー以降で、僕は古いミノス時代の音源は、泥臭くて最初の頃は受け付けなかった。だが、こうして聴くと、力んで歌うような姿勢に彼女の音楽性の原点を見るようで、それは情熱の原点でもある。
ミノス時代のサウンドは、オーソドックスなギリシャの伴奏スタイルだが、歌に対して、やや平板に聴こえるのはエンジニアリングの問題だろうか。彼女はそんな点を改善し、より洗練されようと模索していたのだと思う。

ところでハリスもヨルゴスもバルカン音楽に取り組んでから、よりいっそう好きになったのは、僕がバルカン系のDNAを持つリスナーだからだろうか??

100 ANS DE BAL MUSETTE

今年初めに、電気街の中古屋で見つけた「パリ・ミュゼット Vol.2」(過去記事)は、気に入ってよく聴いている。アコーディオン以外の楽器も充実していて、歌モノはないが解放感があって好きだった。
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こちらはアコーディオンがブームになっていたワールド・ミュージック時代に買ったもの。'90年作。2枚組。
Disc1は'60~'70年代の録音を中心としたアコーディオン。聴いていると凱旋門やセーヌ河あたりを散歩している気になってくる。我ながらあまりにもありきたりなイマジネーションだ。リバーブのかかり方が、夕暮れ時っぽい。

Disc2はシャンソン集で、アコの伴奏も入っている。こちらは'30~'60年代の歌唱。ワルツのシャンソンが中心で、歌手の名はフレエル以外、知らない人ばかりでした。過去に聴いた「シャンソン歴史物語」(過去記事)より、ある意味シャンソンらしさが堪能できる。

フランスの音楽って、その発音と相俟って忙しく動くメロディーラインが魅力的。ケイト&アンナがフォークのジャンルにして、瀟洒で不思議な味わいを醸し出すのは、こうしたフレンチの要素が大きいのかもしれない。

Haydi Soyle/イブラヒム・タトルセス

いくらクリーニングしても、CD-Rへの書き込みに失敗するので、ついに観念して外付けのDVDドライブを買い直しに行った。想定外の出費が痛いなぁ。
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買い替えのお陰で、過去購入の読み取り不能だったCDもすんなりiTunesに取り込めた。これがその一枚。ちなみにステレオコンポもCDプレーヤーがバカになって、現在はもっぱらPCのショボいスピーカーで音楽を聴いています。

去年の夏、新星堂で半値で買って、そのまま寝かせていたトルコのイブラヒム・タトルセス。トルコの歌手のことはさっぱり分かりませんが、なんでもこのタトルセスさん、大歌手にして大富豪なんだそうだ。

スシネタが乗っかったような、そのビッシリと生え揃えた髭の下からこぼれる歌唱は、目も(耳も)眩むような、端整な高音による美しいコブシコブシの連続。
アルジェのハレドのようなしゃがれ声を期待していたので、当初は意外だったが、あまりにも上手いので、だんだん聞き惚れていった。

トルコといえば、他にタルカンのCDを先日レンタルして試したが、打ち込みがうるさくてアルバム全体としては好きになれなかった。こちらはいつの作品かは不明だが、どっしりした古典的と思えるアラブ歌謡のアレンジで、アラブ弦のオブリガートが重厚にうねりまくる。

時折、セリフが入るが、輸入盤なので言葉の意味が分からない。なんだか切なそうだ。アラブ歌謡は、かなりストレートな愛の歌が多いから、タトルセスさんも決めゼリフを言っているのだろう。
↓ジャケットとネクタイの趣味が…
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本作以外から
Neden - iBRAHiM TATLISES 2008

ケイト&アンナ・マッギャリグル

昨日、ケイト&アンナ・マッギャリグルのCDを記事に取り上げながら、聴き返していると「やっぱりいいなぁ」と。
そこで、過去にちょこっとしか書かなかった、この姉妹の傑作ファーストについて、あらためて絶賛したくなった。
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1. キッス・アンド・セイ・グッバイ
2. マイ・タウン
3. ブルース・イン・D
4. ハート・ライク・ア・ホィール
5. フーリッシュ・ユー
6. メンドシーノ
7. 聖カトリーヌの哀歌
8. テル・マイ・シスター
9. スウィミング・ソング
10. 人生はジグソーパズル
11. ゴー・リーヴ
12. トラヴェリング・オン・フォー・ジーザス

いやぁ、やっぱりこのファーストはいい。捨て曲など1曲もない。今日久しぶりに流して、「ああ~、音楽聴いてるナァ」と独りで快感に浸っていた。バンジョーやハーモニカ、マンドリンなどの小粒な楽器ばかりで奏でるアコースティック・サウンドが家庭的で暖かい。(解説では中川五郎氏が大絶賛。)

姉妹の詞世界は、男女の機微をときに皮肉を込めて描いたものも多いようだ。⑪は♪出ていって/彼女は私よりいいのね/少なくともずっとしたたか・・・
⑤はドロレス・ケーンがカヴァーした(昨日、YouTubeを貼り付けた)曲。♪愛することの代償なんて、なんでもないのよ/バカなあなたが一緒にいてくれるかぎり・・・
④は既に過去記事でご紹介済みだが、リンダ・ロンシュタットのカヴァーでも知られる、女性の哀しみが伝わってくる姉妹の代表曲。

'75年に発売され、米英でその年の最優秀アルバムと絶賛されたのも頷ける。復刻盤で買ったのだが、音質もとてもいい。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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