ブンガワン・ソロ~グサンを歌う/ワルジーナ

ワールド・ミュージック・ブームの頃、手を出しかけて引っ込めてしまったインドネシア音楽。あらためてもう少し聴き進めてみようと、今般こちらを中古購入してみました。
ワルジーナ「ブンガワン・ソロ~グサンを歌う」。'99年作。

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この方もお顔と名前だけは、ジャケットのイメージがずっと記憶にあったんですが。この作品は日本で制作されたようだ。インドネシアの女性歌手って、高音で浮遊感がありますよね。こうフワフワ~としていて、コロコロ~っと鳥がさえずるように美声を響かせる。

インドネシアの国民音楽、クロンチョンというものを、まともに聴いたのは僕はこれが初めてで、こちらはエルフィ・スカエシのダンドゥットとは異なり、ララバイ風のフォーク・ソングを聴いているような感触だ。ツヤとコクのあるヴォーカルで高音部もキンキンしていなくて、抜けがいい。インドネシア語とジャワ語の違いすら全く分からないが。
ヴァイオリン・フルート・アコーディオンをふんだんにフィーチャーしたアコースティック・サウンドも風通しよく心地良い。時々、ブラス・アレンジも施されていて楽しい。ギター&ウクレレで山内雄喜氏が参加。

去年の夏は、カリの音楽で暑さをしのいだけど、今度はこれをかけて寝るのもいいな。ああ、なんか旅したくなってきた。
こちらは、本作以外から。

CALYPSO IN NEW YORK/ロード・インベーダー

先週末は用事で難波へ。そしてついつい電気屋街へ寄り道。ちょっと見るだけよ。
あっ! これは買おうかどうか迷って見送っていたカリプソCDだ。どうしよう~

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このCD、ケースが凝っていて、解説&歌詞付きのブックレットも豪華。
ロード・インベーダーは、やはりオーディブック「カリプソの黄金期」で知って、キチナーの次に気になっていたのだ。ダブリは2曲だけで、26曲収録。

スパロウやキチナーを中心に聴いてきたが、この人が最も「イナタイ」んじゃないかな。キチナーは、僕のかなりのお気に入りになっているが、こちらは1946~1961年の音源から、一枚に選曲されているためか、伴奏の作り方も様々で、特に太鼓と手拍子だけで歌い進める曲は、原始的な香りがして、他のカリプソCDでは、あまり聴いた事がない類だ。

カリプソの聴き始めは、どの歌手も同じようなオッサン声にしか聴こえなかったが、じょじょに味の違いが分かりつつあるような。時折バック・コーラスがヘタクソっぽくて、そこがまた味があっていい。

ジャケ写のロード・インベーダーは、ネクタイの上に衣装を着ているが、これがカリプソニアンの盛装なのか? どうもハッピを着た営業マンとダブってしまう。・・・

喝采~紅とんぼ・吉田旺 参分劇/ちあきなおみ

今日は出かけた途端、雪が舞う舞う。さぶ~
テイチクから出ているアルバムで、最初に買ったのが、この作品でした。

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自身のヒット曲の他、他の演歌歌手のカバーを含む12曲。このCDは現在、復刻待ち?
「放されて」も、「立待岬」「東京砂漠」も全て、このアルバムから習得(笑) だってねぇ、演歌に興味ない僕は、ちあきなおみさん以外には、なかなか手が出ないのだ。
(森昌子さんについては、子供の頃シングル盤を買ってもらった事がある。「せんせい」の次に出たやつ。)

「放されて」は、演歌のコプシを利かせなくてもいいから、よくカラオケでも歌いました。「立待岬」は、アレンジがあまりに違いすぎて歌えなかった。こちらは、グッとお洒落なボサノヴァ。
この作品、アレンジが大胆で新鮮だ。編曲家は倉田信雄氏、他。持ち歌の「雨に濡れた慕情」も、グッと洗練されている。

演劇的に組み立てられた歌も好きな僕は、「ルイ」「雪」あたりがお気に入り。
「ルイ」はシャンソン風の曲調に乗せて、物語はまさに絵描きの卵との悲しい恋を描いたもので、絵描きの男はフランスに旅立ち、待ち侘びた女が献身の果てに亡くなってしまう。
「雪」は恋人を追って北国に訪れ、彼がすでに幸せな家庭を築きあげている事実を知る。女同士の対話や、呆然と歩く帰り道姿の描写が秀逸。

最も大好きなナンバーはラストの「紅とんぼ」だ。こちらのシャンソン・バージョンを先に聴いていたので、後になってシングルの演歌版を聴いて、あまりの違いに驚いた。

①雨に濡れた慕情
②放されて
③ルイ
④立待岬
⑤恋文
⑥雪
⑦喝采
⑧流浪歌
⑨東京砂漠
⑩ふたりの夜明け
⑪秘愛
⑫紅とんぼ

永遠の想い/ハリス・アレクシウ

最近、コーヒー粉が、すぐなくなる。ちょっと飲みすぎかな。
'94年作、ハリス・アレクシウの世界ヒット作「祈りをこめて」に続くアルバム。

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このアルバム、トータル性では、それほど気に入ってはいないが、曲毎には繰り返し聴いた。
「祈りをこめて」より、若干シンセの音が控え目かな。だが、壮大なギリシャ風景を見るような、ロック感覚も含んだポジティヴな作品。

前作に引き続き、ニコス・アンディパスがほぼ作曲。ハリス自身の作品もある。彼女の作品が、これまた結構イイのだ。
彼女のヴォーカルには、女性の全てが込められているような気がする。強さ・優しさ・哀しさ・慈しみ・・・。

これは、別のアルバムから。

REQUEST/竹内まりや

未だにRCA時代のまりやさんは聴いていないのですが。
これは、当時ずいぶん繰り返し聴いたものです。

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このアルバムがヒットしていた頃は、カラオケも今よりもっと流行っていたんじゃないかな。友達とカラオケに行けば、誰かが必ずまりやさんの曲を歌っていたものだった。(僕もよく歌った。女性の曲はキーが合わないので、キー全下げ設定で、1オクターヴ上で歌った。)

久しぶりに歌詞カードを開くと、文字ポイントが小さくて(笑)辛いですね。自分がトシとった? 最近発売のCDは、もう少し全体的に大きくなってきているような気がします。

サウンドが色褪せないのが素晴らしいですね。初めて聴いた瞬間は、結構シンプルだな、と思ったりしたとしても、その後ヘヴィ・ローテーションするようになる。
どの曲も大好きだが、「OH NO, OH YES!」は、カラオケ愛唱したなぁ(笑)
「元気を出して」は、カーリー・サイモンを励ますのが創作の動機だったということだが、全てのリスナーに贈る普遍的な歌へと昇華されている。
「けんかをやめて」は、アイドルへの提供曲だが、素敵な女性じゃないとなかなか書けない詞じゃないかと。ところが歌ってもイヤミにならないところが、また素敵な女性たるゆえんか。

永遠のボッサ/シロ・モンテイロ

熱も下がってボチボチ復活の兆し。
先日、サンプラーCDを聴いて、気に入っていたシロ・モンテイロ。早速、手に入れてしまいました。サンバCDをまともに買うのは、これが初めて。

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音楽ジャンルによって、流すのが似合う時間帯というのがあるとすれば、サンバは朝のイメージが強いかなぁ。情景的には、子供が通りで遊んでいて、近所同士が窓辺で語り合っているような。

サンバのリズムは活き活きしていい。ブラジルはカエターノ・ヴェローゾしか聴いていなかったが、このシロ・モンテイロは強引にたとえるなら、カエターノをもっと男らしくした感じ。もっとも2人の時代は全く異なっていて、シロは既に亡くなっており、このCDもSP盤時代からチョイスされたものらしいが、とっても粋で、カッコいいのだ。

加えて、木管系の入り方が洒落ている。僕は金管楽器は元々あまり好きでなく(フリューゲル・ホルンのような甘い音色は好きだが)、クラリネットやフルートなど木管楽器のオブリガードが、サンバのリズムにのって飄々として聴こえてくると心地良い。

純粋な男性歌手として上手いし、ユーモアを持ち合わせた語り口が人懐っこくていい。サンバを通じて人と人が触れ合っているみたいだ。

↓晩年の映像
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1.もしもお前がやってきたら
2.亡くなった彼女
3.おい、オスカルくん
4.お口にキッス
5.あの娘のキンジン
6.彼女は狂っている
7.可愛い彼女
8.スープは終わったよ
9.厳しい人生
10.サン・ジャヌアーリオの市電
11.ぼくの好きな女
12.お金が問題なのではない
13.彼女に我慢がなかった
14.ラランジェイラのボタン
15.キスしてちょうだい!
16.どこに消えていたの
17.偽りのバイーア女
18.212番地
19.黒人のサンビスタ
20.サンバ・レレー・サンバ・ララー
21.ファヴェーラのブギ・ウギ
22.どうしたものか、この人生
23.エスクリーニョ
24.腰を動かして

Lord Kitchener Klassic Kitchener Vol.2/ロード・キチナー

コカコーラの 効能むなし 滂沱汁

ハリー・ベラフォンテから入ったカリプソ熱(今まさに熱病状態)。最近はロード・キチナーをかけまくっている。
ジャケ写は、どこのオッサンやねん、てな感じですが(笑)

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1曲目からラストまでずっとチャカポコ鳴りっぱなし。大雑把に括れば、どの曲も同じリズムなので、明確な曲ごとの聴き分けは、それほど出来ていないが、3集まで聴いた中では、このVol.2にハマッた。
このシリーズは恐らく年代順に収録されていると思われるが、ステレオ録音時代からホーン・セクションの振り方が華やかになってきて、そこにキッチの田舎臭い、いい味のヴォーカルが絶妙にマッチする。カリプソ・サウンドは、このホーンが大きな魅力を担っているようだ。

4分の2拍子の曲は、4分の4のそれに比べると、曲のタイプは限られるが、アレンジ面では使い回しのいいリズムだと思う。ポルカとかにも出来そうな気がするんだけど。
尤も、カリプソがカーニヴァルで競い合う音楽に発展していったのは、マーチのリズムが底辺にあるからなのだろう。

と、クドクド書きましたが、聴いてる時はなーんにも考えてません。歌詞が聴き取れればもっといいのだが。まぁ、曲目みただけで、エロオヤジ路線が簡単に想像できるものもある(笑) とかく言葉狩りする世間様に、カリプソニアンから洒落を倣っていただくのも良いんじゃないか。

Mary Black live/メアリー・ブラック

どうも風邪をひいたみたいだ。でも、寝込むほどでもなく、中途半端に調子が悪い。こういう時は、コカ・コーラだ。普段、炭酸飲料は全く飲まないのだが、偏頭痛がする時などに、愛飲している。

本国公式ページによれば、この春にメアリーのデビュー25周年にちなんで25曲収録のベストが発売されるようだ。レコーディング中と書いてあるので、新曲も入るのかな? 全部持ってる僕は、またこの限られた未発表曲のために買うことになりそうだなぁ。

メアリーの公式サイトの管理人は、マークというオランダ人なのですが、かつて彼にオランダでのチケットの入手方法をダメダメ英語メールで相談した事があります。現地でご本人に直接会えましたが、知的でとっても背が高~かったです。

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これは'02年頃に発売されたメアリー・ブラック初のライヴDVD。そういえば、この作品のために5.1サラウンド・システムまで揃えたのだ(笑) 地元ダブリン、オリンピア劇場での収録。

この頃のバンド・メンバーは、すでにデクラン・シノットが抜けて、ほぼ現在に続く形態。僕がオランダで聴いたライヴは、このライヴの一年後くらいで、ビル・シャンリーに代わって、DVDではゲストだったスティーヴ・クーニーがギターを弾いていた。

メンバーの中では、キーボードのパットが一番メアリーバンドのキャリアが長いんじゃないかな。昔、心斎橋クアトロのライヴで、僕がメアリーに差し出す花束を持って、舞台のほうへ駆け寄ると、彼が手を差し出して、「それ俺にくれるの?」とギャグかましてきて、「ノー、ノー」と答える僕まで観客の笑いを取ってしまった。

'90年代のアルバート・ホール・ライヴほど華やかさはないものの、サックスやフィドルなどのソロ楽器がなくなった分、落ち着いたサウンドで聴ける。メアリーも地元のせいか、心なしかリラックスしてのびのびと歌っている。

ボーナス・トラックもおいしい秘蔵映像ばかりだ。「ノー・フロンティアーズ」のビデオ・クリップの他、英国BBCプロジェクト「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」でのドロレス・ケーンらとの歌唱や、パプでのフランシスやブラック兄弟とのアカペラが聴ける、メアリーの結婚式の映像もチラリ。

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ライス・レコード10周年記念サンプラー

そもそもワールド・ミュージックを聴く以前から、民族音楽には興味があった。
学生時代は、ビクターが発売したVHDによる全集を図書館で借りて、片っ端から色んな国の音楽を聴いた。録音を意識しない原始的な音楽に触れてみたかったのだと思う。

以来、継続的に聴いているのはかろうじてアイリッシュだけになったが、またぞろ学生時代の好奇心がブリ返すようになるとはね。
これは、時々利用しているワールド系専門通販のレコード・レーベル10周年記念の非売品サンプラー。CD2枚購入時に貰いました。

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こちらのレーベルは中南米~アフリカ~アラブ~ヨーロッパなどの幅広い音楽を扱っていて、どれも興味深いものばかりだが、試聴機会が無かったので、今回1枚1曲ずつチョイスしたこのサンプラーは、絶好の機会だった。
オーディブックの復刻・再編盤もこちらが扱っている。SP盤時代の音源が多いのは、著作権等の絡みもあるのだろうか。だが、古くてもいいものはいい、と教えてくれるのだ。

2枚のサンプラーを試聴したところ、僕はアフリカには今のところ、興味はあまり湧かないみたい。サリフ・ケイタは近年のソフトな感じからようやく聴くようになったところだ。アルジェリアはライのハレドしか知らないが、アラブの香りをたぐってトルコにも興味が出てきそうだ。

何故か自然と耳が惹かれるのがラテン。
真っ先に好んだのは、プエルト・リコの歌曲と、ブラジルのシロ・モンテイロ。シロ・モンテイロの存在はここで初めて知ったが、とってもお洒落で粋なサンバだ。この辺りは買わずにいられないなぁ。カルメン・ミランダも気になる。

いかんいかん、本命の2枚もまだ聴いてへんやんか~(笑)

デイ・バイ・ナイト/ドリス・デイ

最近、ある音楽評論家さんのブログを楽しみに読んでいる。
音楽関連はあんまりなくて、政治・社会に対する辛口&罵詈雑言。
「大学関係者は無責任で鈍感で浮世離れ」にパチパチ(笑)

今夜は、落ち着いた気分に浸りたくて、こちらを取り出しました。
たこ焼き食べながら聴いています。なんちゅう取り合わせ(笑)

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ドリス・デイのような歌手って、なぜなかなか他に見当たらないんだろう。この普通っぽい素晴らしさ。
歌の巧さをアピールする歌手は多いけれど、必ずしも寄り添う歌ばかりでもない。最初はインパクトがあっても、すぐに飽きてしまったり、ニュアンスに乏しいような気がしてきたりするのだ。

ドリスは親しみやすくイヤミがなく、いつまでも聴き続けていられる。クールじゃないのがいい。
この盤を買った頃は、僕はまだ20代前半だったので、ジャズ・スタンダードをほとんど知らず、馴染み曲もなかったが、こうして再び聴くと、いつのまにか色んな歌手で聴いたものばかりになっている。

アレンジはクラシカルなオーケストラをバックに。たまに入るサックスのオブリガードが効いている。一枚通してスロー・ダンスとか踊れそう。あるいはジャケの彼女のように独りでしんみりするのもいい。
間接照明だけにして聴くのが合う。今は、たこ焼き食ってるから、灯りはそのままだけど(笑)

1. I See Your Face Before Me
2. Close Your Eyes
3. Night We Called It a Day
4. Dream a Little Dream of Me
5. Under a Blanket of Blue
6. You Do Something to Me
7. Stars Fell on Alabama
8. Moon Song
9. Wrap Your Troubles in Dreams (And Dream Your Troubles Away)
10. Soft as the Starlight
11. Moonglow

レンベーティカ

最近、極力歩くようにしています。元々、歩くのは好きなんで、街なかの一駅や二駅分くらい、考え事(大した考えもないが)しているうちに辿り着くから、苦にはならないのだ。
マウンテンバイクを乗り回していた頃は、ミナミ方面に向かうとき、よく色街を抜け道に使っていた。口笛吹かれたり、「兄ちゃん、カモン!」なんて呼ばれたりしながら(笑)

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これは、去年末、CDをパカパカ買い込んだ時のもの。ハリス・アレクシウに惚れたのがきっかけだ。ギリシャの「レンベーティカ」。

添付の解説が充実しすぎていて、あまりちゃんと読んでいないのだが、現代のギリシャの歌謡曲、ライカの前身にあたるのが、このレンベーティカのようだ。
1920年代末までは、ボヘミアン的性格の歌を指す呼称だったのが、時代が下るにつれ、ハシッシュ吸引など、裏社会の暗い活動の歌を指すようになった、という。

なんというか、古い音源から醸し出されるムードに、猥雑な夜の街に淫売窟の灯りが点るような光景が浮かぶのである。
非常に上下行の激しい旋律性で、曲自体が大きなコブシといった感じである。クラクラしてくる。この陶酔感が、もしや吸引感覚?(笑) ハリスの節回しに確かに共通するものを感じた。
少々、堕ちた気分の時に、取り出して聴いています。・・・

Mediterannee/ティノ・ロッシ

ついに大阪市内も雪が積もりました。歩道はビショビショで歩きづらかったな。

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これは昨日届いた。不本意ながらあまぞんで購入しました(笑) マーケットプレイスだから、ま、いいかと。

ティノ・ロッシに出会ったのは、以前記事にした「シャンソン歴史物語」。記事を書いた頃は、まずエディット・ピアフの印象が強かったのだけれど、次に耳に入ってきたのがこの人だった。

私事で恐縮だが(というかブログ自体、私事だらけですが・・・)、先日、隠れ家でアップした曲で、カンツォーネだか、ラテンっぽいのがあって、自作ながらこの曲の歌唱に四苦八苦していた。
3日連続、夜の時間を使って録り直していたのたが、何度歌っても、うまくいかない。自分では情熱的な濃い歌い方をしているつもりなのだが、聴き返すと全然そうなっていない(笑) イメージ通りにいかないのだ。肉体表現が想念を超えることはないのか(大袈裟?)、と落ち込んでしまった。

結局、まぁまぁ纏まったテイクをトラックダウンしたけれど、やっぱり似合わないものは仕方ないか、と思いかけていた。
そんな時、久しぶりに「シャンソン歴史物語」を聴きかえしてみたところ、シャンソンのコンピだが、カンツォーネあるいはラテンっぽい歌を歌っている人が一人だけいて、その人がティノ・ロッシ。
甘く、上品な歌い口で、情熱的な旋律を、野性的ではない代わりに、優しくしなやかな声の持ち味を生かして歌っている。ああ、こういうのもありなんだな、と。
カンツォーネというと、太ったイタリア人が野太い声で歌い上げるイメージがあったり、ラテンは、濃い男のフェロモン全開みたいなヴォーカル・イメージがあったりするのだが、そうじゃなくてもいいんだ、と思えた。

「シャンソン歴史物語」によると、ティノ・ロッシ(1907-83)は、ラジオ時代に活躍したフランス国籍のイタリア圏の人だそうだ。
今回、フルで聴きたくて購入したこのCDは、音源は古いがとても聴きやすい甘い歌唱で、シャンソン歌手というより、やっぱりカンツォーネの香りがする。ラジオから懐かしい親しみやすい外国の歌謡曲が流れているようで、届いた当日に聴いて一発で気に入った。

「ヴィエニ・ヴィエニ」「アモール・アモール」(この曲はフリオ・イグレシアスで知ったが、いわば対照的な歌唱だ)、「アヴェ・マリア」(♪偽りの愛を誓う~、じゃないほう)、「ベサメ・ムーチョ」「アマポーラ」など。

ALWAYS/ジューン・テイバー

ジューン・テイバーのBOXセット!

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ジューン・テイバーをどれから聴いていいのか、分からない人には、まずBOXセットからお薦めします、なんてね。4枚組。

これは、少なくとも彼女のアルバムをかなり集めている人にとっても、「買い」なんじゃないかな。なんたって、未発表ライヴ・テイクが山ほど収録されているのだ。だから、ダブリが物凄く少ない。
また、このライヴのパフォーマンスの質が高くて。トラッド・シンガーは無伴奏で鍛えられているからか、バッキングに左右されない集中力があるのだ。

以前も書いたが、トレイシー・チャップマンのカヴァー「behind the wall」がトラッド風の解釈にガラッと変わっている。トレイシー本人の歌唱はfinetuneで試聴したが、全く違う曲。ジューンの淡々とした歌唱に個性が無いと思っていたら、大間違いだ。端倪すべからざる人だと思うよ。

メアリー・ブラックやロリーナ・マッケニットの歌唱で聴いていた「アナーキー・ゴードン」もジューンだけ大きく解釈が異なっている。非常に知性的な人だが、底知れぬエモーションを湛えていて、時折ハッとさせられる場面がある。

既出アルバムの聴きどころと未発表曲を豊富な音源からセレクトしているが、玉石混交の感はなく、むしろ一枚だけでは表せない彼女の魅力がメリハリをもって、トラッド&フォークの世界に惹き込んでくれる。

CDラベルは、彼女らしいオーガニックなデザイン。1曲ずつ自身のコメントが付いているが、翻訳するほどのバイタリティがなく(笑) 現在も輸入盤のみの取り扱いだろう。'05年発売。

THE HEART OF THE MATTER/フランク・シナトラ

昨日、カーリーの記事でフランク・シナトラに触れたので、こちらを取り出してみました。

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スタバに寄ると、いつもショート・ラテを注文するんですが、出来上がるまでの間、チラっと目に入ってしまい、つい買ったのが、ヒア・ミュージック独自編集によるこのCD。

シナトラ自体は普段あまり聴かないのだけれど、①「BLUE MOON」が聴きたくてこれを買ったのだろう。
有名な曲ですが、僕はこの曲を学生時代に、カウボーイ・ジャンキーズのマーゴという女性の歌唱で知りました。気だるいハスキー・ヴォイスが印象的だった。ライヴも一度、江坂まで聴きに行ったなぁ。
シナトラはいかにもスタンダードらしい、甘いムード。

④、これは大好きな「I'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」。シナトラ版にそれほど馴染みはないけれど、この曲がいいので、色んな歌唱を味わうのも一興かと。
⑦はカーリー・サイモンが「マイ・ロマンス」でも歌っていた「IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNIG」。この曲のシナトラのオリジナル収録盤も聴いていますが、これがとても良くて。またの機会に記事にしたいと思います。

⑫「YOU 'D BE SO NICE TO COME HOME TO」。これは、とてもシナトラにピッタリ合った曲だと思いますね。実にキマっている。他に知ってる歌唱は、ヘレン・メリルかな。

My Romance/カーリー・サイモン

カーリーの初めてのスタンダード集「トーチ」は、よく聴いたものだった。とても悲しい歌ばかりだが、静謐感もあり、安らぐのだ。
それから、約10年後の'90年に発表された、この第2弾はトーチ・ソング以外のジャズ・スタンダード集で、僕は「トーチ」がナイト、「マイ・ロマンス」がデイ・バージョンとして捉えていて、気分で聞き分けている。

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日向を浴びて寛いで過ごすような、優しさとノーブルさ。このアルバムも好きだなぁ。

まず⑦「Little Girl Blue」が大好きです。これは、カーペンターズも歌ってたよね。このカーリー版では、ジム・ライアンのギターがキラキラしていていいです。スタンダードは、ヴァース部分があまり好きでない曲もあるものだが(僕の場合、たとえばコール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」。)、「Little Girl Blue」のヴァースのメロディーはとてもいい。
⑤「My Funny Valentine」、これもいいですよ。ピアノのアルペジオに乗せてしっとりと。優しく色っぽく。
④「 In the Wee Small Hours of the Morning」。カーリーはシナトラが好きだったから、これは、シナトラ盤から覚えたんじゃないかなぁ。
①「My Romance」はオープニングにふさわしいダンスができそうな優雅なアレンジ。ロジャース&ハートはいい曲ばかり。ジェイムス・テイラーも自作で歌っていました。
1曲だけカーリー作品が挟まれる⑨「What Has She Got」は、もはやスタンダードといってもいいほど、違和感がない。

オーケストラがバックだが、過剰なボリューム感はなく、彼女のヴォーカルを惹き立てている。
⑩「Bewitched, Bothered and Bewildered」はドリス・デイの歌唱で知っていました。この曲もロジャース&ハート。すごいね。これも、ヴァースがいい。
⑪ご存知「Danny Boy」は、奇を衒うことなくナチュラルに。⑫「Time After Time」、ああ、これも好き~、って、まぁつまりどれも良いわけですよ。

1. My Romance
2. By Myself/I See Your Face Before Me
3. When Your Lover Has Gone
4. In the Wee Small Hours of the Morning
5. My Funny Valentine
6. Something Wonderful
7. Little Girl Blue
8. He Was Too Good to Me
9. What Has She Got
10. Bewitched, Bothered and Bewildered
11. Danny Boy
12. Time After Time

Spring the Summer Long/アリィ・ベイン&フィル・カニンガム

久々に正規ルート(笑)で、CD購入しました。
ケルト・ミュージック界の名プロデューサー&アコーディオン奏者、フィル・カニンガムとフィドラー、アリィ・ベインのアルバム。

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我ながら、ソングが入っていないアルバムを買うようになるとはねぇ。というのも、自分のピアノがヘタクソだから、もっとインストも聴かなければ、と思いたったのだ。録音すると、ホント落ち込みますわ(笑)

それだけじゃなく、過去に自然と耳が惹かれたケルトもののアルバムは、フィル・カニンガムのプロデュース作品だった。そのイントロ、間奏のアレンジメントに、独特のメロディ・センスを感じていた。個々のアーティストに共通するサウンド感は、間違いなく彼の引き出しによるものだった。

そこで、フィルのソロを初体験したこのアルバム。フィル作の楽曲は、予想と期待通り、フィル・フレーバーでした。コニー・ドーヴァーやブラック・ファミリーをサポートしたあのメロディー感覚が、ここで遺憾なく発揮されているようだ。

加えて気に入ったのが、ジグ、リールのテンポがゆったりしていること。歌えるテンポに近い。若いトラッド・バンドの疾走感よりも、こうした脂の抜けたような落ち着いたテンポで聴けるほうが僕は好き。うまくいえないが、音楽を知り尽くしてる感じで、ツボの抑え方に余裕がある。
リズム隊はなく、アコ・ピアノ・フィドル・ギターが中心。耳ざわりがよく、楽器がよく歌っている。本人のオリジナル他、アイリッシュ、スウェディッシュなどのトラッドも。

おっちゃん2人がビーチに並んで横たえるジャケは、フィルのアルバムと知らなければ、手は出なかっただろう(笑) CDラベルや裏ジャケも、仲睦まじい様子が満載。

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プロフィール

 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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