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2019/09/20

嵐野先生のCMワークス

先日、拙宅にて過去にお世話になった先生がレコード・コレクターズのインタビュー記事に載っていた件を余談で少し触れました。
その方は、嵐野英彦(ひでを)先生という作曲家で、拙宅記事で偶々触れたのをきっかけに、ぼくは先生が数年前に亡くなられたことを今になって知った。レココレの記事は5.6年前だったか。拝読した頃は先生お元気そうで何より、と安心していたのだが。

当ブログが、私的に好きなことを散漫に書き付けるだけの匿名運営に過ぎないことから詳述は控えるが、10年以上前、こちらが東京出張の際、先生には授業と試験関係の依頼でお世話になり、娘さんにも伴奏担当していただくなど、父子揃って東京で毎回お会いしたものでした。
ご無沙汰したままタイミングをすっかり逸してしまったが、お悔やみと感謝の意を一言でも伝えずにはいられず、ひとまずメールで娘さんと久しぶりに連絡を取らせていただいた。

一癖二癖あるあまたの教員を相手にしてきた経験上、当初、お会いする迄は事務方としてつい身構えてしまいがちだったのだが、品の良い朗らかなお人柄で、会場先の黒板に五線が無いことが判明し、平謝りするこちらに「大丈夫です。私はプロですから、どんな状況でも対応できます。」と仰って下さり助けられたのだった。先生の授業を受講した人たちは、皆ニコニコしていてその充実ぶりが窺えた。他の担当者では見られなかったほどだ。
今となってはもっと雑談する時間が取れていればなぁ、と。ぼくが個人的にフォーキーな曲を書いてることを話すと、「フォーク音楽はいいね!」と気さくに応えて下さったのを思い出す。



先生を偲んで、今般CD入手可能な『スキャット、ボッサ&シンギング・インストゥルメンタル~嵐野英彦CM WORKS』(2011)を取り寄せた。
ブックレットには収録CM曲の各放送年の記録が載っていないが、ぼくの世代では憶えのないものがほとんどで、恐らく昭和40年代くらいまでの音源ではないかと。
提供先企業商品は、味の素ハイミー・東京ガス湯沸かし器・浅田飴クール・森永レモンタップ・大関清酒 多聞・S&B ゴールデンカレー・武田薬品ハイシー・モロゾフ チョコレート・中外製薬 グロンサンC、等々全44曲。うち2曲は安田章子への書下ろし歌曲のボーナストラック。
演奏者には、安田章子・梓みちよ・伊東ゆかり・朱里エイコ・ハニーナイツ・ボニージャックス・天地総子、他。

解説には長いキャリアにおけるほんの一部作品に過ぎない、とある。また先生自身によるエピソード披露もあり、時間に厳しいコマソンでは30秒仕上げなら、実質28.5秒になるなど背景が興味深い。
ジャズやラテンなど取り込んだ歌謡性が懐かしい。特に小西六(コニカ)CMの「さくらカラーN100」(歌:中沢ただし)など、優美なメロディでコマソンに留めておくには勿体ないと思った。
2019/05/06

出自を問わない歌たち

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鼻が少し楽になったので、1件くらい連休らしい予定を過ごそうと、先週末から公開の『中島みゆき 夜会工場 VOL.2 劇場版』を鑑賞。5月GWで、中島さんの映画を観ようとは、自分の中高生時代には考えられなかったイベントだ。

なんばパークスでの鑑賞で、以前、同じく彼女の『夜会』を観た時より、音響は改善された印象。以前は音割れが酷かったのだ。
この手の興行は、大抵、初日にファンが集まり易そうだが、それにしてもまばらだ。それでも近年、ソフト発売が先行しているにも関わらず、続けざまに何本も劇場公開しているのだから、収入的な心配は無用らしい。

この『夜会工場』は、過去の『夜会』のダイジェスト・コンサート。Vol.1はぼくは生で鑑賞、このVol.2がチケット外れて、ソフトを買おうとしたが、このガラ・コンサートは本人歌唱率が低いため、いったん見送って、劇場で初見することにしたのだ。そういうファンが他にもいそうだ。

こちらのVol.2を観終わった印象、予想より良かった。といっては失礼なくらい、演者は大変そう。目まぐるしい舞台転換は、前回同様だが、要所で本人の歌唱をきっちり聴かせていて、ブラッシュアップされた。特に律儀に発表順に曲目を追うだけでなく、アンコールとして、新たに追加した『シャングリラ』や『問う女』からの曲目が、腰を落ち着けてのテーマの説明の役割を果たしていて、さらに『夜会工場』のためのテーマ「産声」と畳み掛けられると、圧巻の歌唱に、歌唱率の不満など飛んで行ってしまう。

サウンドに関しては、拙宅にて何度も記してる通り、さすがプロフェッショナルで入念に作り込まれているが、ハード過ぎて自分の好みではない。ここまで分厚くするなら、もうちょっとポップセンスも欲しいが、そこはみゆきだから、、器用貧乏ならぬ貧乏器用が憎めない。
他の演者も好みは分かれるだろうが、芝居しながらブレることなく歌い切れるし、みゆきのキーのまま男性歌手が歌ってて、大変だったろう。どうやらこの各人のソロを活かした構成が、次の新作夜会の予備軍としての役割も果たしたようだね。
2019/04/13

生きる手だては

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FUJIFILM X-Pro2 XF35mmF1.4 R 2018.02

この写真を撮ったビルの上から、今月初め飛び降りがあったらしいんだよね。幾つの人か知らないけど可哀そうに。年度変わりの関係で辛いことがあったのだろうか。

今年の花粉症状にかねてからの慢性蓄膿のダブルパンチで、ついにCTスキャンを受けることにした。この段でまだ悲観することは無いのだが、手術になるのでは、という不安で気が重い。何年か前、翼突管神経切断術を受けたばかりなのに。父も生前に口腔外科で歯の上に溜まった膿を除去する手術を受けていて、骨格的に溜まりやすい家系なのかもしれない。



元号が変わるまでに日本の歌謡&フォーク史に残る盤からピックアップしてみようと、中島みゆき『親愛なる者へ』(1979)を取り出してみた。
そういえば、この春から昼帯で去年の倉本ドラマの続編の放送が始まり、また中島さんがさらに2曲書下ろし、計3曲の主題歌が起用されるらしい。新曲は聴いてみたいが、ドラマの内容には期待薄で、観る気がしない。作家の個人的な恨み節の部分に、だんだん付き合い切れなくなってきたからだ。今年さらに年間放送に拡大しているそうだが、視聴者をキープできるだろうか。

本アルバムは彼女の通算5作目、リリースから数年後にぼくはLPで初めて手にした。LP盤の歌詞カードには、彼女自身による手書きのメロ譜とギター・コードが各曲付されていて、実にシンプルなコード使い。サウンドも含め、アマチュアにとって、表現次第で誰でも幾通りでも作れるという励みになりそうなほど、基本コードばかり。
個人的には、メロディ先行で聴くタイプで、当時は「小石のように」の軽快さが好きだった。後のコンサートでは、フルートをフィーチャーし、せせらぎのようなアルペジオに乗せた別アレンジで印象的だった。「根雪(ねゆき)」は、フルコーラスのギター弾き語りの後、オーケストラによるフィナーレに鳥肌が立つ。

真骨頂は、まだ20代半ばだった彼女の言語表現。終曲の「断崖-親愛なる者へ-」から。珍しく8ビートが被さり、サックスが徐々に煽り立てる。

"生きる手だては あざないものと
肩をそらして 風を受けながら
いま 崩れゆく 崖の上に立ち
流し目を使う 昔惚れてくれた奴に、ああ情けないね"

この気風、なんと40年後の今なお一貫しているのだ。

"だけど 死ぬまで春の服を着るよ
そうさ 寒いとみんな逃げてしまうものね"

"そうさ 死んでも春の服を着るよ"

中島みゆき「断崖-親愛なる者へ-」より引用
2019/01/17

パールカラーの街灯り

nagai190116
FUJIFILM X-Pro2 XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro 2019.01

暖かくなったら神戸のクルーズ船に乗って夕時の灯台を撮ってみたい。むかし家族と従業員で回ったルミナス神戸のディナーを思い出す。



先日、編曲家の船山基紀さんの誕生日の件のツイートが流れてきた。船山氏の作品でパッと思いだしたのが百恵ちゃんの「パールカラーにゆれて」。シングルで持ってますが、ラテン歌謡を匂わせて好きな曲でした。「横須賀ストーリー」と「赤い衝撃」の間のシングルだったんだね。作詞は千家和也、作曲は佐瀬寿一。

今聴くと、シングルの録音はテンポが速すぎて情感がやや殺がれた感じ。当時の尺に合わせざるを得ない事情だったのでしょうか。以下、夜ヒット出演時の動画が観られたが、こちらの落としたテンポ感が良いですね。エレキギターのオブリガードが金管に置き換えられてるのもイイ。シングルのほうはサビのリピートを割愛して、簡潔に1コーラスと2コーラス同じ尺でバチッと終わらせても良かったんじゃないか。

2018/11/12

工場ビデオ

hanwa181111
FUJIFILM X-Pro2 XF56mmF1.2 R 2017.12

アレルギー期に砂糖を摂り過ぎるのはNGのようで、牛肉の甘露煮と、割引につられて手が出たおはぎ2個で見事撃沈。まだ10月のような陽気のせいで拷問が長引く。



中島さんの『夜会工場』の映像版が発売予定(以下にトレーラー)。これは既知の通り『夜会』のダイジェスト・コンサート版で、このVol.2が最初の発売。ぼくはVol.1を大阪で、Vol.2はチケットはずれて観られなかった。
なので、入手したいところだが、ちょっと手が出にくい。このコンサートの構成は、文字通り過去に催された演目のクライマックス・シーンを集めたものだが、舞台セットと衣装の転換にかまけて、本人の歌がじっくり聴けない点が馴染めないのだ。

繋ぎで他の登場人物が代わって歌う場面が多すぎて、フル・コンサートのつもりで観にやってきた人は大いに不満を感じるだろう。尤も、舞台劇の観点でみれば、けして彼女の独り舞台ではなく全キャストによる配分によるものなのだろう。が、それが自分などには、オリジナル本編を超える満足は得られませんよ、と言われてるみたいで・・・。果たしてこのような構成が、新作『夜会』(渡辺真知子さんが共演するらしい)への動員に繋がるのか疑問だ。

よって、トレーラーを観れば、あたかも彼女のソロ・コンサートのようであるが、全編中の何割かに留まるはず。だから買おうかどうか迷う。かつてコクーンで実際に鑑賞した『金環蝕』の中で歌われた「EAST ASIA」の再現は観てみたい気もするが。