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2019/03/04

グリーンブックの宿に二人

amemura190302
FUJIFILM X-Pro2 XF35mmF1.4 R 2019.02

公開中の『グリーンブック』をレイトショーで鑑賞。初めてムビチケ利用してみたのだが、このシステムの利点がよく解らない。WOWOW契約時に、前売り1500円分を1200円で買えるプレゼント券を購入し、公開前迄に作品指定して利用したのだが、普段からレイトショー狙いで映画を観る人には特段メリット無いような。
それに長らく行って無かった近所のアポロシネマ、平日いつでも大人は1100円になってたわ。ほとんどシニアと変わらない扱い。そのシニアに、もう10年経たぬうちに自分も対象になるという・・・。

その『グリーンブック』、上映2時間超えにも拘わらず、楽しめた。もちろん手放しで楽しめる内容ではないけれども。二人はいわばアウトサイダー同士の出会いなんですね。
ヴィゴ・モーテンセンの風貌には本当にびっくり。それでも素が男前なだけに、デカパン穿いて粗野な仕草をしても何だかカッコイイです。受賞は逃したが、お見事。マハーシャラ・アリもこれまた目を瞠る物静かな所作ぶり。ピアノの鍛錬も相当重ねたんでしょう。

ハリウッドの王道というべきロード・ムービーで、巧みなユーモア含むセリフで二人の距離が縮まっていく悦びを感じさせてくれる。
一箇所、ここが気になったのは自分だけだろうか、マハーシャラ演じるピアニストが車を飛び出して、"はぐれ黒人だ"と喚いたシーンで、ヴィゴ演じる用心棒のリアクションが、ちょっと芝居し過ぎた印象。がさつなイタリア男で、感情が分かり易い役柄だが、このシーンくらいは、中性的な演技に抑えて、どう感じるかむしろ観客に振ってしまったほうが、観客をより取り込めたように思った。そのへんが、ハリウッド式なのか、総てどう感じるべきかキャラクターに説明させてしまうところが良くも悪くもかな。明るい音楽と美しい平原が救い。

2019/02/25

必要な人

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Panasonic DC-G9 LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm F2.8 2019.02

こむら返りは一日で治った。お騒がせでした。東京限定公開だった『ゴッズ・オウン・カントリー』がシネマート心斎橋で公開中とのこと、1000円デーに合わせて鑑賞しました。

イギリス地方で畜産業を継ぐ主人公の青年が渋面で、臨時雇いのルーマニア男と、とても恋愛関係に変わるとは思えない、そんな物語の始まりだ。

かの『ブロークバック・マウンテン』を彷彿とさせる。大きな違いは、本作が既に同性婚が認められた時代であること。それゆえ周囲との確執に割かれた『ブロークバック…』に比べ、ストレートな恋愛シーンが連なる。セックス・シーンはボカシがあり、実際にフェラをやってるのでは?と思うほどリアル。青年の性的指向に関する背景など描かれないが、運命の男に出会うまでは、性処理目的でしか関わったことがないのが窺える。

親密になるにつれ、同居の体の不自由な父、祖母も二人の関係に気づくが、非難することはない。大人の了解だ(祖母が、男二人の散らかした衣服の下から、使用済みの溜まったコンドームを見つけて、トイレに流すが、詰まらないのかしらん?)。

主人公青年の無骨で猫背の振る舞いが、ラストでなんとも愛おしくてしょうがない表情に変化して、最高だった。鑑賞後の帰りは、不得意なストリート・スナップがサクサクと進んだ。街がきれいに見えたから。二人が泊りがけの羊の世話の際に食べてたカップヌードルも何だか食べたくなって、スーパーにも寄った。

2019/02/18

異形と幸せの繋がり

juso190217
FUJIFILM X-Pro2 XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro 2019.02

WOWOW放送にて遅まきながら『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)視聴。ギレルモ・デル・トロ監督の作品鑑賞はこれが初めて。本放送は修正版だったようです。



序盤から凝ったヴィジュアルに気をとられて、ヒロインが半魚人に恋するくだりなど、サクサク進み過ぎてスムーズに入れ込み難かったが、観終わって振り返ると、足し算引き算が練られた作り込みだと気づかされる。古典の踏襲部分は観客に予定調和として割愛し、グロテスクな描写にメッセージが込められる。

例えば、軍人ストリックランドは、典型的な'50年代の理想を絵に描いた家庭だが、妻とのセックスがやたら一方的で愛情に欠けた様子。性的少数者や障がい者、民族性など重用した本編において、この男女の本質的な破綻風景はある意味笑える。
グロテスク描写において、特に印象的だったのが、ヒロインの隣人の初老ゲイであるジャイルズの愛猫の一匹を、機密機関から匿った半魚人男に食べられてしまうシーン。これはいわば民族間のカルチャーショックを譬えたものだと思う。ここでジャイルズは、激高することなく、彼の習性を穏やかに理解しようとする。こうしたエピソードが足し算部分として、シンプルにメッセージを込めている。

ヒロインが若すぎないのが良い。若い男性との恋愛機会を逃したジャイルズに、全能の半魚人によって髪が蘇生するのも、その時代ゆえ苦しんだ人々を一時でも綻ばせるファンタジーになればいい。
ヒロインが夜勤で、半魚人との水中シーンなど、緊密さを醸し出す映像なので、TVを消した後、部屋の中が随分広く感じられた。
2019/01/29

今シーズンも絶好調

今日は例の洗面所の改修作業に来てもらい、プチリフォームしたようなリフレッシュ気分に。フローリングは大理石柄に変わり何だかそこだけリッチなムード。
案の定、夜勤の上階住人が工事音に怒って、ドカドカ天井を踏み鳴らして来たが、もともとアンタとこが原因の修理なんだよ。
今回、その修理担当者とついでに話していたら、その担当者もこのマンションの住人であることが判明。こちらが2階であちらが4階。
あちらさん「1階パン屋の匂い凄いですよねぇ、自分の部屋で油料理しようと窓を開けて換気したら・・・」、
こちら「逆にそれを上回る油の匂いに逆襲されるでしょ、匂いも酷いけどウチなど夜通しパン屋の業務用のミキサーの音で、寝付けませんよ。メンテナンスだか知らないけど昼夜問わず金槌でカンカンやるし。」
すると「えっ、あの音、1階からなんですか? 3階くらいからかなと思ってました。それは酷い。」「3階も極悪人だし、ウチは騒音のサンドウィッチですわ。」
今回、この情報共有できて、担当者兼住人から家主にあらためて意見してもらえることになった。己れが直に住んで悪環境を実感してるなら、早々に対処してほしいもんだ。

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g&f190128

待ちに待ったネトフリドラマ『グレイス&フランキー シーズン5』が開始。全話観てから感想書くべきだけど、半分まで視聴した段階でも今シーズンの高評価は確定だ。
年寄りは足が遅いから青信号の時間を延ばせと行政に掛け合うエピソードだけで、こんなコメディに仕上げてしまうとは。『やすらぎの郷』の倉本御大には参考にしてほしいものだ。日本のドラマは、かえって世代のギャップと格差社会を知らしめただけだった。
2019/01/12

群像からクローズアップへ

tamade190110
Panasonic DC-G9 LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 2019.01

マレーの引退表明は驚きだったが、去年の復帰試合で随分腰回りを庇ったような動きに、これでは持たないのでは?という予測はあった。せめてウィンブルドンまではワイルドカードで出場してほしい。準優勝時のインタビューが印象的。

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roma190111

久しぶりに映画らしい映画を観た心地。ただこの作品、ネトフリ配給なので配信での鑑賞。先日ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞と監督賞を獲得したばかりの『ROMA/ローマ』(2018)。監督は『ゼロ・グラビティ』で知られるアルフォンソ・キュアロン。

2時間超えなので一時停止しながらの視聴だったが、あらためて通しで観たいと思う。ちょっとPCモニターはもったいないね。カメラワークが的確で、寸分の狂いもない感じ。プロの仕事だわと感心。
1970-71年のメキシコシティでの、ある家族と家政婦の関りを通して、世相を俯瞰しながら、登場人物を徐々にクローズアップしていく。メインキャストにあたる雇い主の老婦人や子供の顔がクローズアップされるのが、かなり終盤であったのが特徴的に感じた。

監督自身の生い立ちが反映されてるとのこと、人物の所作や会話から、背景が窺える細やかな描写が織り込まれ、昔の一大叙事詩でも観るようなスケール感だ。
暢気な風情に笑いが込み上げるシーンも。武道の集団稽古など変な師匠の珍技に可笑しみが。一方、家政婦クレオの彼氏の生々しい裏切り。自分語りにすり替えてトンズラする男性のやり口が、絶妙なスタンダード。しかし彼もまた世相の波に飲み込まれていたのだ。

クレオのおっとりした哀しい目つきがフィクションの時空を超えて、観ている自分にも宿るものを思い起させるかのよう。受け身的な純真さは、あの武道の珍芸を唯一果たした彼女だけのものではあったが。