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2018/12/03

2018年リスニング ベスト・アルバム10枚

sea181202
Panasonic DC-G9 LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 2018.11

今年のマイ・ベスト・アルバム選出は、全てサブスクリプションによるリスニングから。近作と旧作にそれぞれ分けました。懐古趣味丸出しといわれればそれまでですが、今年はDeezer元年ということで、CD同等の音源が聴き放題となり、選択肢が一気に増え、結果的に年代が拡散したようです。単に古い作品を知らなすぎなのですが。

■近作(1999年~)
(1)Erin Bode/The Little Garden(2008)
今年初めて知ったミソネタ出身の彼女、ジャズの素地があるが、優れたアコースティック・バンドをバックにフォーキーなヴォーカルは、個人的に聴いてきたケルト系ともリンクする感覚。ポール・サイモンの影響にも納得。

(2)大貫妙子/attraction [アトラクシオン](1999, 2016リマスター)
これは東芝EMIからの初出盤が既に廃盤になった時期に中古屋で買い求め、随分前から聴いてはいたのだが、リマスタにより、テクノポップ曲の音抜けが向上した結果、俄然リピートするようになった。サウンドも楽曲も秀逸で海外にも誇れる。どなたかのブログで本作中の楽曲を"品の良い不良性"と評されていたが、まさしく。

(3)Quercus[June Tabor]/Nightfall(2017)
英国ベテランのトラッド・シンガーが、盟友ピアノ伴奏者ヒュー・ウォーレン、サックス奏者イアン・バラミーと組んだジャズ・レーベルからの第2弾。深淵に佇むような凛としたパフォーマンスにただただ聴き入る。

(4)The Four Freshemen/The Four Freshmen & LIVE Trombones(2010)
老舗男性ハーモニー・グループの2009年ライヴ録音。最近録音で5人のトロンボーン奏を加えたアレンジに魅力を感じた。もちろんオリジナル・メンバーは残存せず。本盤のメンバーは、Brian Eichenberger (lead vocals), Curtis Calderon (V2), Vince Johnson (V3), Bob Ferreira (bass vocals)。今月、東京で連続公演があるんですね。

(5)Karrin Allyson/From Paris To Rio(1999)
ブラジル音楽を探す途上で、偶然聴いたジャズ・シンガーの彼女。本盤は異色の趣向かもしれないが、歌謡的な要素が気に入った。アコーディオンのフィーチャーも私的にツボ。

(次点)Jaimee Paul with Mason Embry Trio/Too Marvelous, Andreas Vollenweider/Hymn: A Musical Christmas Card

■旧作(~1970年代)
(1)The Four Freshemen/The Four Freshmen and Five Guitars(1959)
これは爽快なサウンド。初期オリジナル・メンバーでは最高作といってもいいのでは。クレジットでは総勢9名のギタリストが参加。どういうアレンジ配分なのだろう、とてもマジックを感じる。

(2)Bing Crosby/New Tricks(1957, 2017新装リイシュー)
最も息の長い歌手の一人であるビング・クロスビーのデッカ盤のリイシューは重複無しのボーナストラック満載で、トリオのバッキングが絶妙に彼を引き立てる。クリスマス・アルバムより広く知られるべき。

(3)The Hi-Lo's/Back Again(1979)
一時、女性との混合コーラスを経て、男性4人のカムバックとなった1950年代からの人気ハーモニー・グループ。西海岸のテイストを携えて華麗に昇華。このビッグ・バンドとのタッグで以降も制作してほしかった。

(4)Os Cariocas/A Bossa Dos Cariocas(1962)
ボッサ・ノーヴァの言わずと知れた名盤を遅まきながら。いきいきと洗練されたハーモニーは、フォー・フレッシュメンと双璧をなすのでは。彼らがボッサ・ノーヴァに取り組む以前の、古い音源もラテン絵巻さながらの絢爛さで興味深い。

(5)Sylvia Telles/Briskness(2014デジタル・コンピレーション)
これはデジタル・オンリーのコンピレーション・アイテムのようです。1960年代らしい何とも懐かしい歌い口を感じた。ボッサ・ノーヴァ歌手だが、張り上げ方はイーディー・ゴーメなどを彷彿とさせる。現代でもこのような歌い方をする人はいるだろうか。

(次点)Mel Tormé/At the Crescendo, Anita O'day/Songs By Anita O'Day
2017/12/10

2017年購入アルバム・ベスト5(ポピュラーのみ)

FUJIFILM X-Pro2 XF56mmF1.2 R 2017.12
hanwa171204年末にかねてからSpotifyで気に入ってたアルバムを合わせ買いするつもりだったが、先日シグマの中古カメラを衝動買いしてしまい、音楽CDの購入は年内見送りに。
ちょっとベスト選出などと見出し付けるには、購入10点中の5点ほどで、おこがましいですね。クラシックはフォーレのみ。SACDは一点も買えず。

以下、素直に選んだ5枚、順不同。

・John Pizzarelli/bossa nova(2004)
これはもう何度も取り上げたので、お気に入りと分かっていただけるはず。こんなセンスのいいアレンジと、ボッサ・ノーヴァ曲以外の選曲の妙は、意外と見つからないものなんです。ジョンとはこれきりの付き合いだと思うけど。

・Eliane Elias/Made In Brasil(2015)
こちらもブラジル系。ピザレリのアルバムと替わりばんこによく聴いた。洗練された現代ラテン・ジャズが、ふくよかに沁み入ります。奇をてらわないハーモニー感覚が好き。

・Mary Black/by the time it gets dark 30th Anniversary Edition(2017)
オール・リミックスに追加・修正を加えたオリジナルは'87年の名盤。絶頂期のヴォーカルにデクラン・シノットのプロデュースがさらなる傑作の次作『ノー・フロンティアーズ』に導く。音のバランスは良くなったが、旧盤は手放せない。

・Livingston Taylor/SAFE HOME(2017)
教会でのライヴ・レコーディングが目玉。弾力のあるソフトな音響が聴き心地よい。リヴのヴォイスはだいぶ嗄れてきたが、若手女性ヴォーカルのサポートとうまくバランスを取ったプログラムになってる。まだまだ活躍してほしい。

・セルジオ・メンデス&ボサ・リオ/イパネマの娘(1962)
このころのセルジオ・メンデスのインストが好きですね。他にアントニオ・カルロス・ジョビンをフィーチャーした同時期のアルバムも購入候補だった。ブラジル'66以前のほうがムードが渋いね。
2016/12/18

2016年下半期購入アルバム(ポピュラー) ベスト3

今年後半のポピュラーCDは、Spotifyの日本上陸もあり、10枚も買っていませんので、ベスト3を公開記事で。別途Spotifyで聴いたベストアルバムも併せて書こうかと思ったのですが、現在契約が切れてるため、手元に無いものは書きづらいと見送り。やはり買わないと順位は付けられないですね。

第1位 Mel Torme/1956 Torme-Paich Legendary Sessions(2006)

マーティ・ペイチ率いるブラス十重奏とのセッション。2枚別々に出ていたアルバムを1枚に収めたもの。日本のレーベルから発売された最新リマスター盤が気に入らず、こちらに辿り着いた。日本のR&B歌手などで、高いキーで頑張って歌うことがアピールに繋がると思っている人には聴いて欲しい。トーメの洒落たクルーナーに録音の古さも忘れてしまうほど。

第2位 Linda Ronstadt, Dolly Parton & Emmylou Harris/The Complete Trio Collection (Deluxe) (3CD) (2016)

『Trio』(1987)と『Trio2』(1999)、年月を隔てた2枚のアルバムが均一にリマスタリングされ、やや高域はきついが、聴きやすくなったのが嬉しい。アウトテイク満載のボーナス・トラック集目当てで買い直した。特に現役を退いたリンダのファンには懐かしいでしょう。カントリー色を出しすぎないプロデュースが3人のハーモニーを引き立て、いつでも聴く気分になれる。

第3位 Everson Moraes, Aquiles Moraes & Leonardo Miranda/Irineu de Almeida e o Oficleide 100 Anos Depois(2016)

滅多にポピュラー畑のインスト・アルバムを上位に挙げることがないが、これはお気に入り。イリニウのショーロに敬意を込めて、現代グループがオフィクレイドを再現。このアルバムを友達に聴かせると「ショボっ」と言わんばかりに肩を落とされたのには愕然。この小気味良さ、明るさだけでも、万人に好かれると思ったのだけど。
2016/07/01

2016年上半期購入アルバム(ポピュラー) ベスト5

去年から月額制ストリーミング・サービスを利用するようになり、CD購入枚数は明らかに減ってきました。が、試聴機会の幅が広がったお陰で、無駄なく厳選できるように。もし、ストリーミングに音質向上が図られるのであれば、今後も物理メディアを買い続けるか考えてしまいますが。

今回のベスト5、ジャンルはそこそこバラけてますが、全体的にノスタルジックな印象。

第1位 O mundo é meu lugar/Teresa Cristina(2005) Deck
meulugarブラジル音楽にはかねてから興味を持ってたものの、女性シンガーにおいては、なかなか好きな人が見つからなかった。声量の多少は問わないのだけど、歌い口が薄くて物足りなかったりと。カリスマ性の強いマリア・ベターニアに対し、人懐こい軽やかなフレージングを聴かせるのがこのテレーザ。Youtubeのフルライブ動画を観て、好きになるのに時間はかからなかった。現在は若干、声嗄れを感じるが、この2000年代頃のヴォーカルは芳醇で、探していたサンバの形態(パゴーヂ)に当たった。

第2位 And I Thought About You/Johnny Hartman(1997) Roost
aboutyou当初は、今年初めて聴いた『コルトレーン&ハートマン』を選ぶつもりだったが、あまりに有名だし、歌モノとして捉えた場合、全6曲は物足りないので、ヴォーカル曲数の充実したこちらを。ハートマンがコルトレーンとの共演は当初イメージ出来なかったと言ってたように、本来、彼に見合うバッキングは本作のような、保守的といえるほどのロマンティックなアレンジだと思う。コルトレーン共演作よりも緊密なヴォーカル。リマスタ良好。

第3位 イパネマの娘/トリオ・エスペランサ(1995) フォノグラム
esperanca現在も活躍するフランス在住のブラジル三姉妹のアカペラ・アルバム。さすが声質から歌い口まで揃っていて、バッキングを除いても辛気臭くならない明るい伸びやかなハーモニーに、茶目っ気さえも感じる。コード感を必要とする曲(「イパネマの娘」など)には、間奏のみピアノを添えるなど、ブラジル音楽をスリムな三声に削いだ様々なアプローチを堪能。

第4位 天の喜び、地の祝福/サローキ・アーギ(2012) アオラ
oromeミュージック・マガシンの2015年ベストアルバム特集記事にて、ワールド部門で選出されたハンガリーのSSW。選出の最新作『ひとめぐり~歌とおはなし』も独創的な音作りが良かったが、一つ遡って聴いた本作は、ハンガリーで歌い継がれたクリスマス・キャロルをアレンジ。親しみやすいメロディと、ロマ音楽を背景に香り立つ管アンサンブルが豊か。アーギのヴォーカルは実直かつユニーク。

第5位 Songs from the Trees (A Musical Memoir Collection)/Carly Simon(2015) Elektra/Rhino
memoircd昨年出版されベストセラーとなった自伝本『Boys in the Trees: A Memoir』の内容に沿って選曲された新曲・未発表曲各1曲ずつ追加した2枚組コンピレーション。ベスト盤とも異なる趣向であり、意外性ある曲順で新鮮だった。当ブログを開始してリアルタイムに彼女のオリジナル・アルバムに触れられたのはたった一枚。今後のリリースの可能性は低く、これがラストとみて選出。Mobile Fidelityから初期アルバムが順次SACDリイシューされているが、このコンピのリマスタのクオリティなら全CDでのボックス化を待ってもいいかと思う。
2015/12/13

2015年購入アルバム(ポピュラー) ベスト10

今年購入CDのマイ・ベスト・アルバムリストです。一枚モノ、BOXモノ、旧譜のリマスター盤など、発売年問わずお気に入り&オススメ順に(DVDは除外)。やや、最近買ったもののほうに気持ちが傾きがちかな。
今年は、国内でも月額制ストリーミング・サービスが台頭する中で、あえてCDを選んでいるわけで、特にオーディオ機器との相性も重視しました。

第1位 Moonray/コシミハル(2015) Miharu Koshi
miharu
2013年作『マダム・クルーナー』を聴いた時、続編があったらな・・・と期待していた。7インチ自主制作盤での本続編は、スタンダード、シャンソンとそのスター達への敬愛に、自身のオリジナリティが昇華した。抑制した繊細なヴォーカルは、正確な音楽表現に基づきながら非凡な表情をみせる。録音もいいよ。

第2位 Tint/大貫妙子と小松亮太(2015) Sony Music Label
onuki
オリジナル曲の割合では、こちらが1位。バンドネオン奏者と大貫さんによる、類を見ないであろうタンゴ・アルバム。大貫さんは声量自体多くは無いが、楽器群との呼応で不思議と伸びやか。札幌芸森スタジオ録音は、海外録音に引けを取らない凛とした響き。

第3位 Love Has Many Faces/Joni Mitchell(2014) Elektra/Wea
joni
現在も入院中(?)のジョニ自身が編纂したバレエ・コンセプトによるコンピレーション。全四幕に基づいた丁寧な選曲と、バーニー・グランドマンのリマスタにより過去音源の彩度が上がった。まさに心象を描くペインター、これほど深いポップスはそう聴けない。

第4位 フェイム・スタジオ・ストーリー 1961-1973 /V.A.(2011) Kent/Ace Records(P-ヴァイン)
famestory
評判良いイギリスのレーベルからのサザン・ソウル編集再発盤は、いずれも良質な選曲と音質。とりわけスタジオに特化した本ボックスは、野太い音場とミュージシャンの情熱が伝わる。これを聴いた後、ダン・ペンの'60年代デモ集を聴き直すと、さらにダンが好きになった。

第5位 Ain't Living Long Like This/Rodney Crowell(1977,2002) Audium 
crowell
メロディ感覚という点では、個人的にどストライクの作品。本国では大変人気が高いカントリー歌手で、クセの無いヴォーカルと高いパフォーマンス。名うて揃いのバッキングも見事。リイシューCDは音量レベルが低めだが、'70年代ならではのナチュラル質感。

第6位 フレッド・アステアを歌う/メル・トーメ(1956年録音,2012) Solid/bethlehem
mel
コシさんのアルバムに連動してランクアップ。洗練されたメル・トーメのクルーナーとマーティ・ペイチのデクテットにより、アステアが歌ったスタンダードが甦る。アステアの映画はドキュメンタリーの一部でしか観た事がないので、近々鑑賞したい。

第7位 ファースト・ソングス/ローラ・ニーロ(1967,1973,2015) Sony Music Label
firstsongs
ローラの全アルバム聴いてはいないが、『ゴナ・テイク・ア・ミラクル』以外ではこのデビュー作が一番好き。今夏、朝焼けの時間帯によく聴きました。まるで喧噪の立ち上る直前のニューヨークを浮かべるように。10代でこのライティング、パフォーマンスは凄い。

第8位 Que falta você me faz/Maria Bethânia(2005) Biscoito Fino
mariab
オマーラ・ポルトゥオンドとのデュオ作でしか聴いたことの無かった彼女、初めてチョイスしたこのアルバムは、ボッサにストリングスを絡めた優雅なバッキングに、盤石のヴォーカル。MPBの歴史と底力を感じる。サンバって日本語歌詞も合いそうに思うが。

第9位 Duets: Re-Working The Catalogue/Van Morrison(2015) RCA
van
過去曲をデュオ形態でリメイクしたリラックス大全とも言うべき優れたパフォーマンス。購入頃の5月の陽射しによく合いました。バンドとの阿吽の呼吸は、年がら年中やってる人にしか出せない。完全無欠を越している。

第10位 Magia Negra/Omara Portuondo(2015) World Village
omara
デビュー作のリメイクとなる本作は、カッチリしたラテン・ジャズのバッキングが新鮮。それだけに、随所のゲスト・ヴォーカルはやや余計だったかも。このアルバムが良かったので気を取り直してチューチョとの前作を試聴したが、そちらはやっぱり合わなかった。

次点は、中島みゆき『組曲(Suite)』。中高生時代によく聴いた彼女、近年作の中ではベスト。ただ、様々に歌い分ける職人芸は、繰り返し聴くにつれやや雑味を覚える。カラフルなサウンドで聴かせるわりに、曲作りが本質的にフォーク歌謡の域に留まっているのが、彼女らしいようで和声的試行をスルーしているようで・・・。

そういや、ジェイムス・テイラーの新作、買いそびれましたね。本国では大ヒットしていますが。