濃いさらり

なぜか正月やGW等、家族連れで巷が賑やかになりそうな時期に、ちあきなおみさんが聴きたくなります。独りなりの居場所を感じるからでしょうか?

そういえば、以前の直属の上司は、家族の写真をデスク・マットに並べ尽くす、日本人にしては珍しいタイプの人だった。妻子だけでなく両親の写真までも所狭しと飾っていた。
その人と二人だけの出張は苦痛だった。帰りの飛行機で家族が総出で迎えに来るという。見せつけられるのがイヤで着陸直後、僕はそそくさと先に出払ったものだった。
そんな上司は横領が発覚し、泣きながら退職していった。きっと家族にいろいろ贈り物をしたのだろう。

このアルバムはLP2枚分を一枚に収めた『もうひとりの私~ちあき 船村徹をうたう』です。

naomi

うわ、やっぱりうまいですね。この世のものとは思えないほどの歌唱力。
どちらかといえば洋モノ系統を歌う彼女のほうが好きな僕ですが、ラストの「矢切の渡し」には、唸らずにはいられません。伴奏はごくあっさり。背景から男女の情感が浮かび上がるようです。あっさりしているようで濃い歌い口。この匙加減は、和洋折衷的な彼女のセンスからくるものなのだろうか。結果として細川某さんより、永く聴ける仕上がりになっていると思う。

捨てちゃえ・捨てちゃえ♪

またハマってしまいました。ちあきなおみさんの'75年作『戦後の光と影~瓦礫の中から』。
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今日届いたばっかりで、全然聴き込んでいない時点で愛聴盤。1曲目「カスバの女」の(ここは地の果て、アルジェリア)と歌われるだけで、ちあきワールドにさらわれてしまいます。

音質もとても良いです。コロムビア時代の録音は、歌と伴奏の関係がシンプルで、歌がよくひき立つ。
いかにも<昭和な>ジャケ、戦後の歌謡曲をカヴァーしたもので、ぼくはオリジナルはほとんど知りません。

「星の流れに」は、テイチクの再カヴァーで先に聴いていました。その後、菊池章子さんの歌唱も探したものでした。
しかし、うまいなぁ。この力の抜け方、頑張ってますと言わんばかりに唸る凡百の歌手とは明らかに一線を画している。音楽表現のために尽くしている感じだ。

ディープそうで購入を後回しにしていましたが、良かった。軽く聴け、また一音一音聴き込む味わいと、一級の作品です。
ツボにはまったのが「どうせ拾った恋だもの」。ボサ・ノヴァ調に乗せて、セリフっぽい歌い口にやられました。素敵すぎます。

余韻の魅力

今年もよろしくお願いします!

といっても、一日明けたからって、心機一転とか、そういう気持ち、もうあんまり無いな(笑)。これほどダレた気持ちで迎える正月もないか。

紅白は、偶然スーザン・ボイルさんのとこだけ観ました。別に普通かなと思った。容姿がどうのと騒ぎすぎなんだよね。
ちあきなおみさんのBS再放送『BSまるごと大全集 ちあきなおみ』、ようやく観れました。今回はバッチリ録画。お宝映像が多く、特に画像が粗い昔のものは、ちあきさんが幻の人のように見えた。
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これは、テイチク時代の2枚組ベスト、『ちあきなおみ大全集 黄昏のビギン』。→曲目リスト
これを当初から買ったために、テイチクのオリジナル・アルバムで幾つか買いそびれているものがあるんですよね。『伝わりますか』あたりとかは未購入です。

1曲目「黄昏のビギン」を流した時、思わず気持ちいいー、と唸ってしまった。
ちあきさんの大人の歌い口には、発音の仕方に大きく因る所があると思った。薄く口を開いたまま息を流すので、日本語の一語一語が連音みたいになって、フレーズが途切れない。要はハキハキ歌いすぎないので、フッと儚い余韻が残る。
ちょっと腹話術の感覚に近いかもしれない。口を半開きにしたまま意識だけで歌う感じ、と言えばいいでしょうか。

本作は、Disc1がポピュラー、2が演歌と分かれているため、気分によって聴き分けられる。僕はやっぱりポピュラーのほうが好きだな。倉田信雄氏のアレンジが冴えます。
先日、テレサの日本盤ベストを聴いたのだけど、なんかアレンジがチープな気がして、本国制作のほうが豊饒に聴こえるのだけど。やっぱりアレンジも大きく左右しますよね。

「かもめの街」、素晴らしいとしか言いようがないですね。フォーク・テイストも感じられる演歌で、作詞・ちあき哲也、作曲・杉本眞人、編曲・倉田信雄。
この曲でいいと思ったのが、♪ドンブラコの繰り返しの後、最後は♪あ~あ~、で締める点。もしこれが最後まで♪ドンブラコ~、だとシラけてしまう。他の演歌歌手なら思い切りドンブラッコ~、と唸りたいんじゃないかな。最後に軽く流すところがたまりません。フーッと消えゆくんですね。

「帰れないんだよ」の歌詞が妙に刺さる。作詞・星野哲郎。
♪秋田へ帰る 汽車賃が
あれば一月 生きられる
だからよだからよ 帰れないんだよ

と、初恋の人に会えない、都会暮らしの男の侘しさが描かれる。

♪今日も屋台の やきそばを
俺におごって くれた奴
あいつも楽じゃ なかろうに

歌詞の中にヤキソバ!! そういや小生の歌詞にメシネタはあまり出てこないな。
でもヤキソバが合うシチュエーションって、、いざ取り組むとなると難しそう。。

しっとりと しっぽりと

ちあきなおみさんのコロムビア'76年作『そっとおやすみ』紙ジャケ復刻盤。



1. ベッドで煙草を吸わないで
2. つめ
3. あなたのすべてを
4. 酔いしれて
5. あいつ
6. 暗い港のブルース
7. たばこのけむり
8. つかれたわけじゃないわ
9. 芽生えてそして
10. 知りたくないの
11. 愛のフィナーレ
12. そっとおやすみ

のっけからサックスのイントロがブワワ~っと。そして彼女の語り口が始まり、一気に夜の褥になだれこみます。
カヴァー集になると思うけど、「ベッドで煙草を吸わないで」以外は原曲を聴いたことはほとんどなく、違いが分からないが、すっかり彼女のカラーに仕上がっているのではないでしょうか。

声がきれいですよね、やっぱり。そして発音を大切に、様々な表情を紡ぎ出す。「あなた」と歌われるだけでドキッとさせられる歌手は、そうはいない。
セリフもいい。「ちょっと火をかしていただけません?・・・・・・有難う・・・・・・」。この(有難う)の「ト」がいいのだよ(笑)。
伴奏は控え目でムード歌謡のコンセプトで作られているのだろう。濃厚で濃密な歌空間。

思うに、今では彼女の復活を願う声があちこちで聴かれるが、活躍してた頃は、そんなに高評価を受けていたっけ?
僕の年代では、「喝采」は知ってても、他はほとんど知らない人が多かった。僕はテイチク時代からリアルタイムに再び聴くようになったけど、アルバムを買う人は周囲にあまり居なかったと思う。

どこか無国籍風で、想像力を刺激される。しとやかな幻を見ているよう。↓裏ジャケもいい感じ。
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情感の凄味

連休中は金を使わず大人しく、のつもりだったが、HMV通販でついついクリック。国内盤3点オフ。ちあきなおみ・江利チエミ・李香蘭。我ながらエエ趣味しとんなぁ。
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おやぢさんも既に記事にされている、ちあきさんの『百花繚乱』、僕は一年前に復刻版(オリジナル発売は'91年)で購入しました。
このアルバムを久々に聴きたくなったのは、先日NHKの歌謡番組で演歌のベテラン歌手が「紅い花」を歌っていたのがきっかけ。比較するつもりはないんだけど、無性にちあきさんの歌声で聴き直したくなったのでした。

「さらり」の情感。喉自慢の演歌歌手が歌い飛ばすだけでは到底表現しえない。ちあきなおみって本当に素晴らしい。
実際どれほどの声量で歌っているのだろう。囁き声のようでいて、張りもあって。声の抜けがとても良くて、発音がとてもきれいだ。

全9曲。最初と最後にアップテンポの曲を持ってきて、あいだはしっとりとした構成。抑制のきいた歌唱がたまりません。
④「あなたのための微笑み」、ディテールを一切描かないで二人の関係を聴き手にうかがわせる歌詞が秀逸。小椋佳作品。
③「時の流れに」、一瞬、ハイファイセットが歌っているのかと思うほど、ハーモニーが冴えるポップ・チューン。倉田信雄作・編曲。
現在、お気に入りの曲は⑥「ほおずきの町」。ストリングスがしっとり絡む。服部隆之編曲。
⑧「紅い花」。曲自体は親しみやすいが、いざ自分で歌うとなるとこれがなかなか・・・・

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 シャケ/YASUHISA

Author: シャケ/YASUHISA
男性 昭和40年代生まれ

愛猫カオ(ロシアンブルー)と同居
常にマイブームがないと生きていけない

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