FC2ブログ
2019/02/18

異形と幸せの繋がり

juso190217
FUJIFILM X-Pro2 XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro 2019.02

WOWOW放送にて遅まきながら『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)視聴。ギレルモ・デル・トロ監督の作品鑑賞はこれが初めて。本放送は修正版だったようです。



序盤から凝ったヴィジュアルに気をとられて、ヒロインが半魚人に恋するくだりなど、サクサク進み過ぎてスムーズに入れ込み難かったが、観終わって振り返ると、足し算引き算が練られた作り込みだと気づかされる。古典の踏襲部分は観客に予定調和として割愛し、グロテスクな描写にメッセージが込められる。

例えば、軍人ストリックランドは、典型的な'50年代の理想を絵に描いた家庭だが、妻とのセックスがやたら一方的で愛情に欠けた様子。性的少数者や障がい者、民族性など重用した本編において、この男女の本質的な破綻風景はある意味笑える。
グロテスク描写において、特に印象的だったのが、ヒロインの隣人の初老ゲイであるジャイルズの愛猫の一匹を、機密機関から匿った半魚人男に食べられてしまうシーン。これはいわば民族間のカルチャーショックを譬えたものだと思う。ここでジャイルズは、激高することなく、彼の習性を穏やかに理解しようとする。こうしたエピソードが足し算部分として、シンプルにメッセージを込めている。

ヒロインが若すぎないのが良い。若い男性との恋愛機会を逃したジャイルズに、全能の半魚人によって髪が蘇生するのも、その時代ゆえ苦しんだ人々を一時でも綻ばせるファンタジーになればいい。
ヒロインが夜勤で、半魚人との水中シーンなど、緊密さを醸し出す映像なので、TVを消した後、部屋の中が随分広く感じられた。
2019/02/17

Because You Loved Me

kao190216
FUJIFILM X-Pro2 XF56mmF1.2 R 2019.02

一時期、近所のコンビニがビルの建て替えで閉店し、その先の店も潰れ不便だったが、半年前から一気にセブンとファミマが直近に道路を挟んで開店。エンゲル係数が上がった。
便利はいいが、ポイントカードを持ってるファミマのほうは、夜間の店員が一人体制で、商品の陳列中に声掛けして会計を促すとキレられた事があったので、以降、信号渡ってすぐのセブンに変えた。
両者はフランチャイズのオーナーの方針の違いが明らかだった。セブンは夜中は男性店員が二人、昼間は年配層の女性店員で家庭的なムード作りで、常連との挨拶も自然だ。ポップ作りは若い女性店員だろう。
先に通ったファミマは、店員間の応対差があり、擦り合わせも引き継ぎも大してやってない気がした。早朝に寄ると先客が「おい、起きろよ」と叩き起こして、ようやく奥から出てくる始末。
昨日、久々に寄ったら閉店告知が貼ってあった。この店アカンな、と思ったところは、やはり潰れるね。



マティス・ボックスの60枚目は、『Because You Loved Me』(1998)。ラテンの香りするアダルト・コンテンポラリーだ。ダイアン・ウォーレンの作品集。グロリア·エステファンとの共作もある。
マティスのヴォイスはさすがにピークは越えたが、そのぶん柔らかくなった。淡々とした安定性が心地良い。このアルバムを最初に推薦し難いが、多彩な表現の一部として押さえておきたい。

▼Unbreak My Heart
https://youtu.be/sZKNXKX5IoI
2019/02/15

Different Kinda Different

notoya190214
Panasonic DMC-G8 LUMIX G 20mm F1.7 II ASPH. 2017.11

パナのS1R/S1がようやく国内でも発表になったが、高っけぇわ。これは本業の人が手を出すものだと思い知った。ネコ科とイヌ科など各動物の認識AFなど新たなスペックに興味津々だけど。S1でも静止画充分いけそうですがね。
ある意味、m4/3でG9を到達点にしたのだと理解すれば、あらためてG9を大切に使おうという気にもなれる。

パン屋の油とタバコの匂い対策の為、空気清浄機を追加購入。元々、隣の一軒家の油の匂いも流れてはきていたが、家庭での油料理は一時で終わるけど、パン屋は昼間まで充満するので。ちょうど花粉時期だし。今回は国内メーカーではあまりみられない円筒形(スウェーデン製)にしてみた。家電を増やし過ぎてもはや人間の居場所がなくなりそうだが、予想外に消臭効果は早い。弱から中に強くすると、途端に音がうるさいが、お陰で上下階の騒音も消せる。ま、いずれも元を絶つのが何よりベストなのだが。



ジョニー・マティスの日本語関連記事は本当に少なくて、国内Amazonの限られたレビューでも、日本でももっと知られても良い筈だとか、これは隠れた名盤だの、控えめだ。これほどの大御所であるにも関わらず、米Amazonのレビューでさえ、過小評価されているという記述を見かけたり。
タイプは異なるが、由紀さおりさんに近い立ち位置なのかもしれない。誰もが認める知られた歌手だけれど、実は一枚も買って聴いていない国民のほうが多いという。身近過ぎて見過ごされているような。

由紀さんに関しては、ぼくもようやっとピンク・マルティーニとのコラボ作で彼女のアルバムを手にしたが、その後も国内制作盤に期待して買ったが、内容は良いものの愛着がなかなか持てず手放してしまった。その後も、引き続き試聴しているが、彼女が気持ちよく歌えるキーは、どうもぼくが望むキーより高すぎるみたいで。トーマスの元で歌った「パフ」のような低いキーも、もっと披露してほしい。

マティス・ボックスの44枚目は、'80年代第一作となる『Different Kinda Different』(1980)。プロデューサーは、マティスの'70年代録音の多数を担当してきたジャック・ゴールドで、ぼくはこの人のプロデュース作品が悉く好かなくて、当時の歌謡祭にありがちな、ティンパニのドコドコ入るイントロとか受け付けないスタイルなんだけど、当時のメジャーな要素を盛り込める実力者だったに違いない。
本作は、その'70年代フォーク&ポップスの過剰気味のサウンドから、流行のディスコ調に路線を合わせ、マティスのメロウな魅力が新たに引き出された。

▼I'd Do It All for You (with Paulette)
https://youtu.be/GopLK2kw2bM
2019/02/13

Open Fire, Two Guitars

sun190212
FUJIFILM X-Pro2 XF35mmF2 R WR 2017.03

ジョニー・マティスのボックス、ジャケの背表紙が年代別に色分けされてて見易いわ。コンパクトだからタイトル文字は小さいけど、気に入ったアルバムなら文字数で勘で取り出せる。他のボックスなら、よく聴くディスクと、それ以外と区分けしたりしてたけど。
挨拶文のカードが添えられていて、1500分の1131と、手書きの分数が署名と共に。きっと1500セット作られたんだろう。もちろん直筆ではなくプリントだろうけど。



初期は、若さならではの中性的なヴォーカルの響かせ方が美しい。7枚目のアルバム『Open Fire, Two Guitars』(1959)は、まさしく二本のギターと、ベースのみのバッキング。とても20代半ばとは思えない上手さだ。変に貫禄づいて誇張することなく、ただ実直な歌い口がスケール大きい。音域が広いことが強みだ。
ラストの『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』の絶唱は締めに相応しい余韻。

▼I'll Be Seeing You
https://youtu.be/lYHhanWYQXY
2019/02/11

Once in a While

ume190210
FUJIFILM X-Pro2 XF56mmF1.2 R 2019.02

WOWOWでグラミー賞放送中だが興味無い。賞レースは映画のほうがまだ関心ありますね。いずれも業界のムードが反映されていると思うけど、短期集中で作品を比較するなら映画のほうがストーリー性が立ってるだけ、受け取りやすい。来たる米アカデミー授賞式は司会予定者の同性愛者差別発言による降板により不在のまま進行するとか。



引き続き聴き進めているマティス・ボックスですが、困ったことに幼少時に親しんだ名曲群のカヴァーが楽しめる筈の'70年代録音が、イマイチ馴染めない。サウンドがいかにも"愛のポピュラー・オーケストラ"といった趣で、絢爛だが甘ったる過ぎる。ヴォーカルにもべったりと残響がまとわりつく。さしてロック寄りのリスナーでも無いぼくでさえ、この時期についてはいささか辟易しそうになる。
それでも60年間ものポピュラー界の変遷を同じ人物の歌唱で辿れる本ボックスは貴重だ。今まで自作しない、いわゆる職業歌手でこれほど痺れた人はいなかったと思う。

それにしても、'80年代嫌いだったぼくを、この人がここへ来て惹き付けてくれたのは本当に収穫だ。『Once in a While』は、1988年録音で、業界全体が過剰な打ち込み期を幾分越えて、アコースティックと五分五分にブレンドし出したタイミングじゃなかろうか。すっきりしたAOR色にドゥワップ曲が抜けの良いアレンジで聴かれる。

▼表題曲
https://youtu.be/tnaXLWnwaI8